「ほほーう…それで結局、明日三人で出かける事になったんですか?」
「あぁ。なんでも『何もしなくても勝手に転んでパンチラするから、一日一緒に居ればどうにでもなる』だそうだ。―――んな簡単に行くもんなのかね…」
「ふっふっふ。心配性な金出さんの事です。きっとそう言うと思ってました―――ので、これを用意しておきました!」
「…なんだその『女の子からパンツをもらう十の法則・改』って」
前回俺が読むのを断念したあの本と同じ匂いがする。
…いや作者同じじゃねぇかこの野郎。
読まん読まん。それは読んでもなんの足しにもならねぇからな。
前回のあのサイトのくだりでもうわかってんだよ。
改って書いてあるせいで余計に不安だわ。
【選べ ①仕方ないので三点倒立しながら読む。 ②仕方ないので五点着地しながら食べる。】
最近俺になんか食わせるの勧めすぎじゃね!?
「んみゅ?なんで急に逆立ちを?」
「悪いけどさ、このまま読ませてくれない?」
「あ、はい!」
特に何も気にする事無く、ショコラは逆立ちした状態でも読めるように本を開いた。
…どうせくだらない事しか書いていないだろうし、期待せずに読むことにしよう。
『これは、先日出した『女の子からパンツをもらう10の法則』の改訂版です。なんか編集部の人に書き直せって言われたんで書き足しました』
「多分それは一部消せって意味だったと思うんだけど…」
『では早速。――その1。盗む』
「それ最終手段じゃねぇの!?」
『解説。これは、最終手段です』
「なら最初に書くなっていうか貰うのと盗むのとは違うだろうが!!」
『その2。女の子からもらったものをパンツにする』
「逆転の発想過ぎるだろ!?」
『解説。この本の付録にある『どんなものでもパンツに加工するキット』を使えば、最悪生き物でもパンツにできます』
「怖ぇえよ!!」
『その3。涙ながらに懇願する』
「…例えば?」
『具体例。「うぐっ、ひっぐ…ぐすっ…パンツくれよぉ…えっ?やだ?…やだやだ俺の方がもーっとやーだー!!いいからくれよぉ!パンツパンツパンツー!!」』
「尊厳はねぇのか!?」
『補足。嫌だなぁ、この本読むような非モテに尊厳とか言われるの』
「予知してんじゃねぇよ本が返事すんな!!」
『その4。風を吹かせる』
「あ?――あぁ、風が吹いたらスカートもめくれるだろうって事か?」
『解説。スカートはめくれますが、ズボンの場合はただ女の子の足元に風を送る変態になるだけです』
「当たり前だろ!ってかそれじゃもらえてねぇじゃん!」
『補足。でも桶屋は儲かります』
「うるせぇよ!」
『その5。一度自分が女の子にパンツを渡して、それを返してもらう』
「……なんか現実的だな…パンツだって事がバレないようにして渡して返してもらえば確かに相手を不快にさせずにパンツをもらえる…」
『解説。一度試してみましたが、何故か渡した時にバレ、そのまま酷い目に遭ったのでオススメしません』
「ならまず書くなよ!?…いやこのくだり前もあったぞ!?」
『その6。本の栞にする』
「は?」
『解説。本を貸す時に、その本にパンツを挟んでおけば、自然な感じで渡すことが出来ます』
「いや貰う方法から渡す方法になってんじゃねぇか!」
『その7。「ギャルのパンティおくれーーーっ!」』
「ふざけてんのか!?」
『解説。実際にやるとただの痛い人です』
「だからふざけてんのか!?」
『その8。リサイクル製品を使う』
「…なんで?」
『解説。もしかしたら、女性ものの下着からリサイクルされた物かも知れません。それは実質パンツをもらったと言っても差し支えないのでは』
「馬鹿じゃねぇの!?流石にそれはハイレベル過ぎるわ!もうちょっとノーマルなやつなかったのかよ!?」
『補足。この本読んでる人にノーマルはいないでしょ(笑)』
「笑ってんじゃねぇ!!」
『その9。『女の子からパンツをもらう10の法則』を買う』
「いや誰が買うか!」
『解説。この本には書かれなかった事も、そちらの方にはあります。ブッ●オフにでも売ってると思うので、是非買ってくださいね!』
「もはや読まれればそれでいいのか!?」
『その10。盗む』
「原点回帰してんじゃねぇ!!」
『解説。最終手段は最後に書かなくっちゃね?』
「ならその1は別のにしとけよ!!」
なんだろう、凄く疲れる。
…いや、三点倒立しながら本読んで怒鳴ってて疲れない訳が無いんだよな…
あー、頭に血が……
「あ、解放された……なぁショコラ」
「はい?」
「その本、渡してくれないか?」
「?どーぞ!」
「ありがとな」
【選べ ①禁止用語を叫びながら投げ捨てる。 ②取り敢えず書かれている内容全てを試してみる】
おいおい、聞くまでもないだろ?
だって俺がショコラからこの本を受け取ったのはこうする為だし、な。
「くしゃがらぁ!!」
「おー」
窓を開け、くしゃがら忌々しいこの本を外に投げ捨てる。
―――勘違いしないでほしいが、別に俺はくしゃがらに汚染されているわけでは無い。
ただふざけただけで、俺は正気だ。間違いなく。
【選べ ①かゆい うま ②ねこです。よろしくおねがいします。】
俺は正気
「ねこはいます」
「ねこ?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ね、ねぇ見て…」
「うわ…!全員凄ーい…」
「二人共めっちゃ可愛いじゃん…マジ羨ましいわー」
「真ん中の男の人もすっごいかっこよくない?」
時は流れ翌日。
あの精神汚染からは結局解放され、何とか正気のままデート(これをデートと呼んでしまっていいのか怪しいが)に行くことになった。
集合場所に行ったら既に二人は到着していて、そのまま移動することになった…のだが。
やはり道行く人たちの反応が気になるな。
そりゃまぁ柔風は普通に可愛いし、遊王子だって黙っていれば…いや、お子ちゃまっぷりさえ知られなかったらそれはもうただの美人だしなぁ…
傍から見れば、俺は完全に勝ち組に見えているはずだ。
それに、自分で言うのもアレだが…俺だって結構イケメンだしな。
選択肢さえなけりゃモテモテのモテよ俺だって。
中学の時なんて、それはもう毎日のように告白とラブレターを受け取ってきたのよ?
断ってきたけどさ。なんでかは自分でもよくわかんないけど。
けどそれくらい俺はモテる奴なんだ、本当は。
選択肢さえ、なけりゃな。
【選べ ①新宿のホストのごとく、柔風と遊王子に乳首を弄られながら町を闊歩する。 ②しばらくの間語尾に「ぜな」が付く。】
選択肢さえなけりゃなァ!!
「どーよ天っち?うちの小凪たんは」
「うちのってなんだうちのって……可愛いに決まってんだろ?」
論ずるに値しない。
彼女は人の形をした天使だ。
主に性格。
「え、えぇっ!?そ、そんな事…えへへ…」
「…可愛いぜな」
「んん?ぜな?」
「いや気にしなくていいぞ遊王子。これは普通ぜな」
【選べ ①五七五で二人の今日の衣服に関しての感想を言う。 ②超高速オタク口調で二人の魅力を周りの人たちに熱弁する。因みに笑い方は「フヒヒ」か「デュフフ」】
「似合ってる、とってもとても、似合ってる……ぜな(字余り)」
「あ、ありがとう…で、でもなんでぜなって」
「ぜなは気にしなくていいぜな」
まじで気にしないでくれると助かる。
俺の頭の中の選択肢がぁ!って言ったところでただの変人にしか思われないだろうしな。
「…にしても、本当に来てくれるとは思わなかったぜな」
「えへへ…私も男の人と一緒に出掛けてみたいって思ってたし、謳歌ちゃんと仲良しな天久佐君なら怖くないから…」
「―――普段から奇行ばっかりなのに…ぜな?」
「うん…でもでも、変な事してる時以外はすっごくいい人って謳歌ちゃんもみんなも言ってるよ?」
…そりゃ選択肢の奇行によって変な印象だけが周りに定着したら嫌だなぁって思って基本的に頼まれた事は何でもやってるからな。
部活動の助っ人、提出物の運搬…果ては校内、町内の清掃とかもやってるんだよな…そりゃ(都合の)いい人って言われますわ。
あ、でも金貸してとかは聞かんぞ?
あくまで物理的な人助け専門ていうかさ。
本当、最近になってようやく自分の無駄にハイスペックな体に感謝するようになったわ。
でなきゃ助っ人になんてなれないし、自分の事に手が付かなくなる。
「…にしても、今日はすっごい格好だな柔風。なんつーか…短い…ぜな?」
「こ、これは…謳歌ちゃんが、男の子に慣れるにはこれくらいしなきゃ駄目って…」
「へへーん!」
「何故そこでドヤるぜな…」
しかしナイスだ遊王子。
これだけ丈の短いスカートなら、転んだ時すぐにパンツが見える。
これはもう勝ち確と言って差し支えないだろう。
【選べ ①「でも今にもめくれそうだな。ほれほれ」と言って敢えて上着を脱がす。 ②「あそこにUFO!!」と叫び、自動販売機で二人に飲み物を買ってくる。】
なんでUFOって叫ぶ必要があるんだ!?
そしてなんで敢えて上着を脱がせる!?
「あそこにUFOぜなッ!!」
「きゃっ!?…い、いきなり大きな声出さないで…って、あれ?天久佐君?」
声をかけられるが無視。
さっさと飲み物買って、UFOのくだりを有耶無耶にするほかない。
…あ、飲むなら何がいいか聞くの忘れてた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういえば小凪たん、珍しいヘアピンしてるね」
「これ?プレゼントで貰ったの」
「…プレ、ゼント…ぜな?」
嘘だろ?あの親衛隊たちを掻い潜ってどうやって渡したんだ?
…いや、今日みたいに親衛隊が居ない日もあるんだし、その時に渡したんだろうな。
しかし誰が…?
「うん。誰がくれたのかは、わからないんだけど…使わないのは悪いかなぁ…って」
「…その、怨念とか籠ってるんじゃ…ぜな」
櫛の話になるが、落とし物のソレを使うと『苦』と『死』が訪れると言われている。
ヘアピンも同じく髪関係の物だし、なんかこう、縁起が悪い気がするんだが…
だって、いつの間にかあったって事だろ?
よく使う気になるなコイツ…
「まぁだいじょーぶでしょ。あたしだって、今差出人不明のプレゼント使ってるし!」
「謳歌ちゃんも?」
「うん。大分前にカバンに入ってたやつでねー?」
「まぁ遊王子も見た目は完璧だしな。コアなファンでも居るんだろ…ぜな」
「っ……け、けどファンが一番多いのは天っちじゃない?なんかファンクラブ会員が二百人超えたらしいじゃん?」
「何故どもる……え、いや初耳なんだけど!?――あっ、ぜなぁ!?」
「なんか、払う会費ごとにグッズとか色々ランクアップしていくらしいよ?」
「本格的ぜなね!?…ってかグッズって何ぜな!?」
何故本人の俺があずかり知らぬ所でそんな物が……
というか何で全校生徒の約二割が俺のファンなんだよ。
多すぎるわ。
「ほら、前の全校集会の時にやたら高い声でふぃぎゅあっと?とかなんとか歌ってたじゃん?」
「…その時ぜな?」
「うん。誰かが一周回って感動しちゃったらしくってね?」
「なに一周回ってくれてるぜな!?」
因みにもう一つの選択肢の方は、全裸で一人スパイダーマン(東映)だった。
それよりはまぁ、エロゲの曲歌った方がマシかなって。
そっちは脱がなくって良かったし。
そもそも全校集会とか人が集まってる所で変な事させんなってことなんですけどね。
「…それはまぁ今度聞くとして、今はお前の話ぜな……結局何貰ったぜな?頭に付けてるやつはいつも通りだし、カバンに何かあるわけでもないぜな…上着とかぜなか?」
「パンツだよ?」
「そうか、パンツか。――――えっ?」
「えっ?」
「所謂一つのパンティ。あ、見る?」
「見せるな!そもそも穿くな!!」
スカートの裾を掴み、自らたくし上げようとしている遊王子を手で制す。
おいおい、コイツマジで見せかねんぞ…?しっかり止めなくては。
【選べ ①「興味あるね」 ②「じゃあお言葉に甘えて」】
止めなくてはって言ったじゃんか!!
「きょ、興味あるね」
「お、じゃあ見る?」
「いや見ねぇぜなよ!?」
「むっ?紐パン嫌い?」
「なるほど紐か…じゃねぇぜな!!穿いてる物を言ったらもう終わりぜな!!」
【選べ ①「でも百聞は一見に如かずだよね」と言って手をワキワキさせながら近づく。 ②「遊王子がパンツと言っただけで俺の興奮はマックスだ。もう充分だぜ!」と変態性をアピール。】
ぜなぁ!?!?(物理さん)
「……ゆ、遊王子がパンツと言っただけで俺の興奮はマックスだ…もう、充分だぜ!!ぜな!」
「…ねぇ今の聞いた…?」
「すっごい変態じゃん…」
「彼女の方も中々変わってる子だしな…」
うぅっ…周りの目が痛い。
学校内での「またお前か」オーラとはまた違った物なのが余計に心に傷を負わせてくる。
「だー!もう!なんでこんなことになってんぜなッ!」
「えー?見たいって言ったの天っちじゃん」
「言ってねぇぜな!興味はあるが見たいとは言ってないぜな!」
「きょ、興味はあるんだ…」
「柔風サン?男だからそりゃ興味はありますが、別にそんな変態的という訳では無くってぜなね?なんというかこう、そんなガツガツとしたってわけじゃないぜなよ?」
「駄目だよ小凪たん!その程度で顔真っ赤にしてちゃ男の子と仲良くなんてできないよ!そこはもう自分から好きなパンツを聞くくらいはしなきゃ!」
「何勧めてんだテメェは!?」
「じゃ、じゃあ……天久佐君は、どんなパンツが好きなの!?」
うわっ…この子、純粋すぎ…?
…ここはもう、ガツンとそういうことは聞く必要等無いぞと言ってやるしかないな。
【選べ ①「ぜな」から解放される代わり、自分の本当に好きなパンツを好きなバニーガールの色と共に熱弁。 ②明日も一日中「ぜな」が続く代わり、自分が本当に好きなパンツと逆のパンツについて話す。ついでに好きな逆バニーの話をする。】
言ってやるしか無いな。俺の本心。
「黒だ。魅惑の黒…いや、紫も捨てがたいな。―――因みにバニーガールも黒が良い」
「へ、へぇー…そうなんだー…」
「そんな何とも言えないって反応やめてもらっていいですかね」
いや普通そうなんだろうけどさ。
【選べ ①ここでダメ押し。ガーターベルトについても話す。 ②ベルトで叩かれる方が鞭で叩かれるよりも気持ちがいいという事を、道行く男性を使って実演する。】
何に対しての?何に対してのダメ押しなの?
「あぁ、ガーターベルトも好きだな。あれとM字開脚の組み合わせと言ったら、筆舌にしがたいって感じだ」
―――この後、誰かが呼んだのか知らんがやってきた警察の人と『お話』することになったのだが、それはここで言うべきではないだろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こうなったら意地でも柔風のパンツを見てやろう。
そう決意したは良いものの、結果は惨憺たる物だった。
転びはするしめくれはするのだが、謎の光が入ったり湯気が濃くなって隠れたり空間に歪みが出来たり謎の影が出来たりと、パンツを見る事が出来なかったのだ。
―――あの光も影も湯気も、TOL●VEるくらいでしか見た事ないぞ…
「くっ…このままじゃ……」
「えっと…なんか、ごめんね?荷物持たせちゃったりして…楽しめ、ない…よね」
「違う違う…別にそういう訳じゃなくってだな…それに荷物持ちくらい気にせず任せとけって。ほら、表ランキング三位の美少女に頼られるなんて、男子生徒冥利に尽きるってもんよ!」
「び、美少女なんてぇ…」
顔を赤くして縮こまる柔風を見つつ、アイスコーヒーを飲む。
今日一日で色々な所を巡り、そろそろ疲れた来たな、という事でカフェに寄る事になったのだ。
―――あ、無くなった。
「およ?天っちのも無くなったみたいだね」
「遊王子もか…確かおかわりって無料だったよな?」
「あ、いーよいーよ。あたしが取ってくるからー!」
そう言うと、俺が立ち上がるよりも早く遊王子が席を立ち、俺のコップと自分のコップとをもって店の中へ向かって行った(外で飲んでいたのだ)
「…そういや柔風の分は……寝てる?」
「すー…すー…」
眠っている。
まさかこの短い間に眠ってしまったのかこの子は。
…いや、今日は結構色んな所を歩き回ったし、ダ●エボもやったからな。そりゃ疲れてるに決まってるか。
【選べ】
なんだよ今になって。
デート(?)中は大人しかったじゃねぇかお前。
このまま家に帰るまでは大人しくしてろよ。
【①めくっちゃう ②めくっちゃわない】
………めくるって、スカートを?
隣で眠って居る柔風を見る。
警戒心も何もない様子で眠っているし、今めくってしまってもバレないだろう。
親衛隊もここにはいないし、やったとしても咎める者はいない。
もし仮に知らない人にバレたとしても、最悪そういう関係だという風に嘘をつけば……
――――いや、馬鹿か。
何をしても、とは言ったが、流石にこれは駄目だ。
アクシデントを期待して柔風を連れまわした時点で重罪だ。
ならよしんば見ることが出来たとしたら、それはしっかりと柔風に裁かれるべきだろう。
柔風に、彼女のパンツを見たという事を非難され、罵声を浴びせられねばならないのだ。
それが最低限通すべき筋だ。
それに…コイツに言われてやった、みたいでなんか嫌だしな。
どうせやるなら自分の意思で、自分で思い立ってやるべきだ。
ここは②を選ぼう。
伸ばしかけていた手を戻し、スマホの電源をつける。
依然画面には《柔風小凪のパンツを着用された状態で目撃せよ》の文言が並んでいた。
「…はは、これでよかった…だよな」
きっと俺はこの選択を後悔する。
たかだか自分のプライドだとかそう言った物を守るためだけに、無防備に眠って居る柔風のスカートをめくらなかったのを、俺は必ず後になって後悔するだろう。
偽善者だ、とかヘタレだ、とか言って罵るのも目に見えている。
――だが今は、今だけはこの選択が正しかったと胸を張って言える。
この子はやっぱり、俺なんかの私利私欲のために手を出して良い子じゃ無かった。
「んぅ…あ、あれ!?わ、私…今、寝ちゃってた!?」
「おはよう、柔風。―――疲れたんだろうな。そりゃ一日連れまわしちゃったし当然なんだが…そろそろ、今日はお開きにするか」
さようなら、俺の平凡な人生。
改めてよろしく、
諦めと共にそう口にすると、突然入り口の方から悲鳴が聞こえてきた。
なんだよ、人がセンチメンタルになってるってのに…
「ひったくりだー!!」
「あ?」
派手な物音と共に、こちらへ全身を黒い服でヘルメットを着用した姿の何者か(体格等から察するに男性だろうか)が走ってきた。
…このままじゃ柔風が危険、か。
【選べ ①日頃のトレーニングの成果を見せる時。ここで立ちふさがらなければ男が廃る。 ②号泣し、土下座。やられる前に許しを請う。】
俺が立ち上がったのを見て、奴は刃物を取り出した。
なるほど、確かに普通なら刃物見せたら怯むか逃げるかするだろうな。
……けどな、選択肢云々関係無く、今の俺はそんなんじゃ怯まねぇんだよ!
「なに柔風に刃物向けてんだこの野郎!!」
「ごぶぁっ!!?」
まさか刃物を持っている相手に殴り掛かるとまでは思っていなかったのだろう。
ひったくりと呼ばれた男は、鳩尾を強襲した俺の拳をガードすることなく受け、そのまま崩れ落ちた。
…き、鍛えておいて良かったー…
元は選択肢に服を脱がされるから、見られても恥ずかしくない体にしようと思ってやってただけなんだけどさ。
刃物を奪い、そのまま腕を掴んで自由を奪う。
しっかり馬乗りになっておくのも忘れない。
「柔風、警察に電話を頼む」
「―――あっ、う、うん!」
よし、しっかり通報してくれてるな。
このまま俺が押さえつけておけば……え、今来るの?
【選べ ①予期せぬ事態が起こるが、良い事も起こる。 ②何故か未来予知の能力を手に入れる代わり、絶対選択肢は永遠の物となる。】
なんで?
いや②は何があっても選ばねぇけどさ?その予期せぬ事態ってなんなの?
――いつつ、わかったわかった。①でいいから①で。
「……ぬぉ!?」
「う、動くなぁ!コイツ殺されたくなかったら、動くんじゃねぇぞ!」
あまりに不可解な出来事だったので、取り敢えずありのまま説明してみよう。
まず俺が絶対選択肢にせかされるままに①を選んだ。
すると突然ひったくりの体と俺の体の位置が入れ替わり、ついでに俺が奪ったはずのナイフが奴の手に。
困惑しながらもさっさとマウントを取り返そうと思ったのだが、謎の力によってソレを阻まれ、結局こうして首元にナイフ押し付けられながら人質になってしまった。
…え、マジで何があったんだ最初。
なんで急に入れ替わったんだよ急に。せめて何かそこに至るまでの過程を説明してくれよ選択肢。
「よ、よし…いいか、警察に俺の逃げた方を言ってみろ、殺すからな…!」
―――困ったな。なんか知らんが力が入らん。
これも選択肢のせい…なんだろうが、だとしたら解せないな。
コイツは俺が死にそうになる度、必ずそれを防いできた。
だというのに、今は首元にナイフを突きつけられて死にかけている。
この男では俺を殺せない、という事だろうか?
少なくとも致命傷になるとは思うんだけども。
「隙を見せたなぁー!!」
「ぶべらッ!?」
「遊王子!?」
「謳歌ちゃん!?」
死なない程度に苦しむのは嫌だな、と思ったその時。
突然店の方から駆け寄り、そのままひったくりの後頭部に飛び膝蹴りを喰らわせた一人の少女が居た。
――遊王子だ。
いや何してんのアイツ!?
おかげで助かったけどさ!?
…あ、良い事ってコレ?結局助かるからーって事?
「天っち!とどめ!」
「いや殺しちゃいかんでしょ」
別に実害あったの俺とひったくられた人だけだし。
過剰防衛は駄目だと思うぞ、俺。
【選べ ①奇跡の瞬間が訪れる。 ②一か月の間、音と動きにずれが生じる。】
音ズレの訪れじゃねぇよ。なんでそうなるんだよ。
あれか?光と同じかそれ以上に速く動くのか?
多分体がもたないと思うんだけど。
「で奇跡の瞬間ってなんだよ……んぁ?」
ひったくりが再起不能である事をしっかり確認した後、誰に言うでもなく呟いてから視線を遊王子と柔風の方へ戻す。
すると、突然突風が吹き、二人のスカートが大きく俺の方へめくれ上がった。
つまり、パンツが丸見えという事で。
「…白と、ピンクか」
「っ、きゃ―――」
「あー待って柔風違う違うんだってつい条件反射で言っちゃっただけで別にやましい気持ちは全然―――」
「きゃああああああ!!」
「…はい?」
俺の弁解を遮り、絶叫。
しかしその声の主は柔風ではなく。
「…お、謳歌ちゃん?」
「遊王子…?お前、どうした?」
「……なかった…!」
「無かった?…いやいやちゃんと穿いてたぞお前」
「パンツ見られるのがこんなに恥ずかしいなんて、思わなかったー!!」
顔を真っ赤にして、遊王子が走り去っていく。
…いや、穿いてなかったと思わなかったを勘違いしたのは別に邪な気持ちがあったからではなく。
まぁそれは良いとして、問題は遊王子だ。
走って行ってしまったが……え、そんなに見られるのに抵抗あったのあの子?
昼間はまぁあんな恥じらいも無く紐だのなんだの言ってたのに?
【選べ ①「おかしいなぁ」と言って柔風のスカートをめくる。 ②「おかしいなぁ」と言ってひったくりのズボンを下ろす。】
…許せひったくり。柔風が最優先だ。
―――どうでも良い話だが、ひったくりは男だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういや、ミッションは達成できてたよな」
帰宅後、ソファで一日の疲れを癒していた時、ふとミッションを達成していた事を思い出した。
帰宅途中にしっかり振動していたし、見るまでもないとは思うが…まぁ、一応な。
《MISSIONCOMPLETE!! 次のミッションを楽しみにお待ちください》
…ヨシ!(現場猫)
「んみゅ?金出さん、ほのポーズはなんれふか?」
「これか?現場猫って言ってな…いやそれよりお前何食ってんの?」
「きんつばです!」
「あー、アレか。―――じゃねぇ!!お前なに俺が楽しみにしてた高級品勝手に食ってんの!?」
「それはほら、美味しかったですし」
「理由を言えよ理由を!!その理由を真っ向から否定した上でジャイアントスイングかましてやるからよぉ!」
【選べ ①慈悲の心を持て。許してやるのも大事だ。 ②仏の心を持て。もう一個買って、そのままショコラに食わせても構わんだろう。】
「構うんだよ!!あんなちっさいの一個で何桁すると思ってんだコラァ!!」
「まぁまぁ、そんなに怒らないでくださいよ」
「こ、コイツ……」
女を本気で殴りたいと思ったのは生まれて何度目だろうか。
というかこの絶対選択肢、ショコラにやたら甘くないか?
この間だって、ショコラに高級焼き肉店行かせたがったり回らない寿司屋に行かせたり…たまには厳しくするのも大事だと思うんですよ、私。
「…って、こんな時にメール?」
テーブルに置いていた携帯電話を手に取り、くだらない内容だったら送り主を殴りつけてやろうと思いながらメールの差出人と内容を確認する。
…えっ、神?
《特殊ミッション 対抗戦終了までに、参加者の女子のおっぱいを揉みしだく。両手で。》
えっ?
「……えっ?」
「?なにかあったんです?」
「いや…えっ?―――えっ?」
特殊、ミッション…だと…?
「……チッ、まだかからねぇか。さっさと出やがれ…!!」
「あ、あの金出さん。いきなりどうしたんですか?なんどもなんども電話なんて…」
「色々あってな。現在進行形で緊急事態だ」
【選べ ①「具体的に言うなら、通勤中に腹痛が来たって感じかな」と的確に言う。 ②「敢えて抽象的に言うなら、とってもやばいって事かな」と雑に言う。】
なんで敢えて抽象的に言う必要があるんだよ…
「具体的に言うなら、通勤中に腹痛が来たって感じかな」
「ほほう。それはきんきゅーじたいですね」
「…なんでちょっと間の抜けた感じで言ったんですかね……お、やっと繋がったか。もしもし!?」
『もしもーし。聞こえてますよーって……それで?君があんな鬼電してくるくらいなんだし何か起こったんだろうけど…取り敢えず落ち着いて、ね?』
普段のチャラさを控えめにしつつ、真面目な声音でチャラ神がそう言ってきた。
…ふむ、確かに少し焦り過ぎてたな。
天久佐たるもの、常に余裕をもって優雅たれってな。
【選べ ①すごく慌てた感じに話す。 ②ものすごく慌てて話す。】
落ち着こうって話してたじゃん。
優雅たれって言ったじゃん。
「い、いやいや大変なんですって!なんか突然新しいミッションが特殊なんたらでおっぱいがががが」
『だから落ち着いてって。それで?新しいミッションが特殊…なんだって?』
「…いえ、なんか新しく来たミッションに、『特殊ミッション』とか書いてあったんですよ」
『……んー?そんな話どこにも書いてないけどー?』
「え、そうなんですか?」
困った。
神もわかってないなら他に誰が知ってるっていうんだ…んぁ?
パソコンに…メール?
おかしいな、今の所注文してる商品とか無いし、何も来ないはずなんだけど…
え、神ぃ!?
《説明:これは、あなたの選択肢ライフをよりよくするための特殊なミッションです。失敗しても呪いの解除には一切関係しません。その代わり、成功した場合でも呪いは解除されません》
いつものミッションとは、全く関係ないって事か?
「あの、なんか今神って人からメールが来たんですけど…なんか、特殊ミッションについて説明されてます」
『え、マジ?ちょっと教えてくんない?』
「いいですけど…写真送った方が早いんで、メールでいいっすか?」
『おっけー!じゃ勝手にメアド交換しとくから、そこに送っといてー☆』
一度通話を止め、写真を取る。
パソコンには依然として特殊ミッションの説明が書かれていた。
《ですが、達成した際にはしっかり報酬があります。『選択肢の内容の緩和』、『出現頻度の減少』、『通常ミッションの難易度低下』が基本的な報酬です》
…なんで勝手にスクロールされてんだよ…
いや、神のやる事に一々一般常識を当てはめてっても無意味か。
取り敢えず写真だけとっておいて…っと。
「しかし報酬は中々いい感じだな…内容は内容だが、うまくいけば少しはマシになる…それに、失敗しても選択肢が永久不滅になるわけでもない…凄いな、神も太っ腹になったのか?」
《また、失敗した際にはきちんとペナルティがあります。『選択肢の内容の激化&嫌われやすさ補正』、『出現頻度の増加&催促速度とダメージの増加』、『通常ミッションの難易度上昇&提示頻度超減少』が基本的な物です》
「いやペナルティ重ッ!?全ッ然太っ腹じゃねぇじゃん!」
怖っ、これ失敗できねぇじゃん……え、おっぱい揉まなきゃなの!?
揉まなきゃ社会的死なの!?
でも揉んでも社会的死だと思うけど!?
…そして対抗戦ってなんなの!?なんの対抗戦で、誰が参加するの!?
《今回は『出現頻度の減少』、『嫌われやすさ減少』、そしてタイムボーナスで『記憶の断片①』が手に入ります》
タイム、ボーナス?
いや多分早くにクリアした場合の追加ボーナスなんだろうけどさ。
その内容よ、内容。
―――記憶の、断片?
一体何を言ってるってんだ?俺は別に記憶喪失でも何でも……いや、待て。思い当たる節が一つだけあるじゃないか。
「もしかして、アレの事、か…?」
言っていなかった事だが、俺は自分の持つ記憶に違和感を感じている。
その違和感は『ある物について損失した状態で無理矢理記憶として整合性を持たせている』という感じだ。
随分と具体的だが、そうとしか思えない。
その違和感は中二のある時を境に無くなっており、その中二の
三年前の事だし、忘れている事があってもおかしくないかなーと思っていたが、こうして神が報酬に出すくらいだ。
きっと何か、俺に関する大事な物に違いない。
でも①ってなんだよ①って。
なんで創刊号みたいになってんだよ。
《ペナルティは、『選択肢の内容激化&嫌われやすさ補正』、『通常ミッションの難易度上昇&出現頻度減少』です》
う、うわぁ…普通に嫌だな…
やっぱり、特殊ミッションはこなさなきゃ駄目、か。
「これで全部みたいですけど…見終わりました?」
『うんうん。大体わかったよ』
「それわかってないやつじゃ…」
『だーいじょーぶだって。だって、神ですし?―――さて、と。説明を見て、改めてわかった事がある』
「…改めて、わかったこと?」
『うん。それは…』
「そ、それは…?」
『なーんにもわっかないって事さ!』
「やっぱりか!!」
どうせそうだろうとは思っていたが、実際言われると腹が立つ。
シリアス声から一転してチャラい雰囲気を纏ったチャラ神に、敬語も忘れて普通に怒鳴る。
しかしヤツは全然気にすることなくHAHAHA!という感じで笑っている。
それがさらに俺を苛立たせる。
というかムカつく。
『…まぁ、その特殊ミッションってのも調べておくよ。いっやー、まさかミッションに種類があるなんて思ってなかったよ』
「…最終的にデイリーとかウィークリーとかマンスリーとか出てきそうですね…イベントミッションとか」
『それソシャゲのやりすぎじゃない?』
鼻で笑われてしまった。
何故だろうか。
確かに俺の最近の楽しみなんてソシャゲに課金するくらいしかないが…
いやそう考えたら俺って結構変なやつなんじゃ…でも納税は義務だしな…
『あ、そうそう。一つ分かったことがあるんだけど…』
「わかった事?」
『そう。なんかね?前任の…今産休で引きこもってる神も、呪いに関しては知らないらしいんだよねー』
「…知らない?」
『なんか、その前の神の時からずっと残ってるって話。残されたシステムを適当に回してただけらしいんだよ』
「…その、その前の神って言うのは?」
『それがわっかんないんだよねー!わかってたらもうすーぐ言っちゃってるから!』
「ノリが軽いなぁ……とにかく、昼メロの神は何も知らないって事なんすか?」
『たっははは!昼メロの神って!座布団あげちゃう?』
「いらねぇよ!?」
なんで美味い事言ったみたいになってるんだよ。
実際昼メロみたいな事してるし、実際なんか役職があるのかどうかすらわかんないし。
その上その神のさらに前任が出てきたんだから、前任の神なんて言い方じゃこんがらがる。
だから昼メロの神と呼ぶことにしたんだが…そんなに面白いか、これ?
『ま、取り敢えずはその特殊ミッションの攻略を優先って事で。別の業務もあるし、そろそろ切るね?バイビー』
「……最後早口でまくしたてやがったなあの野郎…まぁいいけどさ…」
しかし特殊ミッションの攻略…つまり、謎の対抗戦の謎の参加者のおっぱいを両手で揉みしだくという事……
【選べ ①取り敢えず今の気持ちを叫ぶ。 ②取り敢えず今の感情のままに自分を殴る。】
「無理ゲーだろ!?」
勿論、叫んだ所で何も起こらなかった。
その後の話 【柔風小凪】
顔が熱い。
あの時の事を思い出すと、とめどなく『ある感情』が溢れてくる。
その後に起こった事もアレだったけど、それでもやっぱり『あの時』の事を思い出したらソレすら些事になる。
「……かっこよかったなぁ…天久佐君…」
枕を抱きしめながら、誰に言うでもなく呟く。
―――実は、謳歌ちゃんが話してくる前から知ってたんだ。天久佐君の事。
入学して三か月ほど経った日、珍しく一人で帰っていた私は、怖い人達に声をかけられた。
一緒に遊ぼう、楽しい事だから…と言って笑っていない目を向けてくるその人たちが怖くて、固まっていた私を―――天久佐君が、助けてくれたんだ。
何も言わずに、何も要求しないで、ただ助けてくれて―――かっこいいな、って思ったの。
それ以来、毎日天久佐君の事を目で追うようになって、いつも頭のどこかで天久佐君の事考えるようになって―――謳歌ちゃんと楽しそうに話している所を見て、ズキッてなって。
昨日はパンツを見せてほしいなんて言われて…二回も言われて…それでも、謳歌ちゃんは一緒だったけどデートもできて……
「怖い人から、また助けられちゃって…」
『なに柔風に刃物向けてんだこの野郎!』
あの顔と、あの言葉を思い出すだけで、顔が熱くてたまらなくなる。
「……変、だなぁ…私。こんなになっちゃうなんて…」
胸に手を当てなくてもわかるくらいに、ずっと強くドキドキしてる。
どうして天久佐君の事を考えるだけで、思い出すだけで…こうなっちゃうんだろう?
スマートフォンを起動し、写真フォルダを開く。
今日の記念に、ってとった三人の写真には、しっかりと天久佐君も写っている。
その笑顔を見るだけで、もっとドキドキしちゃう。
「はうぅ……」
私のこのモヤモヤの正体を知るのは、もう少し後―――対抗戦の時になると、まだこの時はわかっていなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
気が付かない愚者の話。 【天久佐金出】
そう言えば、と今日撮った写真を見る。
真ん中に俺、そして左右に遊王子と柔風が写っている、記念に撮った写真だ。
別に並びに不満があるという訳ではなく。
寧ろ両手に花って感じでちょっぴり喜んでたりって事もある…が、しかし。
「……やっぱり、なんか柔風に距離取られてるよな…」
近づかなきゃ写らないよっ!と言って遊王子が俺と柔風の距離を近づかせていたはずだが、こうして改めて写真を見ると、明らかに柔風は遊王子よりも俺より離れていた。
…いや、普通の距離なのかもしれないけどさ?
確かに俺は変人扱いされているし、柔風からしたら出来るだけ近づきたくない相手かも知れないが……でも違うか。顔が赤いし…これは、照れてるのか?
―――男子とはあまり関わっていないって話をしてたしな。一緒に行動するのはギリギリセーフでも、一緒に写真を撮るのは駄目だったのかもしれない。
「ま、あんまり深く気にしてもってか。―――はぁ、選択肢さえなけりゃこんな風に距離を置かれるようなことも無かったかも知れないんだが…」
【選べ ①全裸で庭をうさぎ跳び三十回 ②突如夏彦が出現。前も後ろも初体験を終える】
「夏彦ォ!?」
「むむっ!?ついに金出さんみずから夏彦さんとあんなことやこんなことをーっ!」
「しねぇよ!!全裸で庭をうさぎ跳びしてくるわこの野郎!!」