「相棒」   作:ダンちゃん1号

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「決着ゥゥゥゥ―――ッ!」

煽りに煽って四道空也を激昂させた克喜と結。克喜は消耗しているであろう結を気遣い、かつブチギレ空也が最初に克喜に狙いを定めたので克喜がデュエルすることになった。

 

「さて…俺のターン。俺は"ウィッチクラフト・バイストリート"発動。そして手札から"ウィッチクラフト・ピットレ"を通常召喚。効果発動。このカードをリリースし、手札から"ウィッチクラフト・サボタージュ"を墓地に送り"ウィッチクラフト・シュミッタ"をデッキから特殊召喚。」

 

いつも通りの動きを行う克喜の"ウィッチクラフト"。取り敢えず初手の何かしらの魔法とウィッチクラフトモンスターが存在すればそれなりに回すことができるこのデッキの事を克喜は普通に好きだった。

 

「"ウィッチクラフト・シュミッタ"の特殊召喚成功時、手札から罠発動"無幻泡影"!これで"シュミッタ"の効果は無効だ!」

「はてさて、それはどうかな…?俺は手札から魔法カード"ウィッチクラフト・コンフュージョン"発動!手札の"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"と効果を無効にされた"ウィッチクラフト・シュミッタ"で融合召喚!来い、"ウィッチクラフト・バイスマスター"!」

 

そして今の克喜のウィッチクラフトはフィールド上で効果を無効にされたところで、その程度では止まることは無い。何故ならさらなる展開先に"バイスマスター"が居るからだ。

 

「…墓地の"ウィッチクラフト・ピットレ"の効果発動。このカードを除外して一枚ドロー。その後手札から"ウィッチクラフト"カード一枚を捨てる。俺が引いたカードは"ウィッチクラフト・ポトリー"。俺は"ポトリー"を墓地に送る。」

「…煽った割には地味な動きだな…?」

「はん、言ってろ!」

 

堅実に"ウィッチクラフト"の動きを行う克喜に対して煽りを返す空也。勿論克喜は空也を煽っていただけあって煽り耐性は高いのである。高くても全く嬉しくないもの筆頭ではあるのだが。

 

「魔法使い族モンスターの効果が発動したため"ウィッチクラフト・バイスマスター"の効果発動。デッキからレベル6以下のウィッチクラフト―――"ウィッチクラフト・エーデル"を特殊召喚!さらに"ウィッチクラフト・エーデル"の効果発動!このカードをリリースすることで墓地から魔法使い族モンスター一体を特殊召喚できる。…俺は"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"を守備表示で特殊召喚!」

「…チィッ!」

 

このデッキのエンジンは大方下級のウィッチクラフト達だ。だが別に上級モンスターが多くても回せないことは無い。だからといって手札全てが上級ならばサレンダーも考えるが。

 

「俺は再び"ウィッチクラフト・バイスマスター"の効果発動!墓地から"ウィッチクラフト・サボタージュ"を回収する。…これでターンエンドだ。」

 

克喜 LP8000 手札二枚

モンスターゾーン ウィッチクラフト・バイスマスター

         ウィッチクラフトマスター・ヴェール

魔法・罠ゾーン  ウィッチクラフト・バイストリート

 

伏せカードが無いことが気になるが、そもそもの話このデッキにはそこまで多くの罠カードを採用してはいない。採用しているのはほんの少しの"ウィッチクラフト"罠カードととっておきの罠が一つ。

ウィッチクラフトは魔法主体のデッキなのでさもありなんである。

 

「俺のターン…ドロー。俺は手札から"ジャンク・コンバーター"の効果発動!このカードと"幻獣機オライオン"を手札から墓地に送りデッキから"ジャンク・シンクロン"を手札に。そして、"幻獣機オライオン"が墓地に送られたため"幻獣機トークン"を生成する。」

「シンクロデッキか…。」

「その通りだ…すり潰してやる!俺は手札の"ジャンク・シンクロン"を通常召喚。"ジャンク・シンクロン"の効果で墓地の"ジャンク・コンバーター"を蘇生!この二体で"源竜星‐ボウテンコウ"をシンクロ召喚!"ジャンク・コンバーター"の効果で墓地から"ジャンク・シンクロン"を蘇生!」

 

どうやら相手のデッキは連続でシンクロ召喚を決めるデッキであるようだ。このデッキであるならば効果を用いた特殊召喚や蘇生を狙ってくるはずだ。展開しきったところを効果で止めてもいいだろう。

とにかくまだ、ヴェールの効果を使うべきではない、と克喜はそう判断した。

 

「"幻獣機トークン"と"源竜星―ボウテンコウ"の二体で"落消しのパズロミノ"をリンク召喚!"ボウテンコウ"はフフィールドから離れたときにデッキから"竜星"モンスター一体を特殊召喚できる効果を持つ…。"水竜星―ビシキ"を特殊召喚!最後だ…!レベル2"水竜星―ビシキ"にレベル3"ジャンク・シンクロン"をチューニング!集いし願いが全てを砕く拳となる…!パズロミノのリンク先にシンクロ召喚!駆け巡れ、レベル5"ジャンク・ウォリアー"!そして"パズロミノ"の効果発動!」

 

ジャンク・ウォリアーは確か、自分フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分攻撃力を上昇させる効果を持っていたはずだ。そして落消しのパズロミノはリンク先にモンスターが特殊召喚された場合そのリンク先のモンスターのレベルを1~8の任意の数字にすることができる能力を持つ。

つまりは、攻撃力4600のジャンク・ウォリアーを作り上げようという算段だろうがそうはいかない。

 

「"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"の効果!手札の"ウィッチクラフト・コンフュージョン"をコストにこのターン中、相手フィールド上の全てのモンスターの効果を無効にする!さらに、魔法使い族モンスターが効果を発動したため"バイスマスター"の効果発動!"コンフュージョン"を手札に!」

 

よし、と克喜はガッツポーズを作る。厄介な打点上昇効果を無効できた上に流れを完全に手にすることができた。

 

「…"パズロミノ"…そして"ジャンク・ウォリアー"の効果は無効となる、か…!小賢しい真似をッ!だが、俺は速攻魔法"スクラップ・フィスト"発動!」

「魔法カードの効果が発動したため"ウィッチクラフト・バイスマスター"の効果発動!フィールド上のカードを一枚―――"ジャンク・ウォリアー"を破壊!」

「何!?」

 

これで相手の動きは全て妨害しきった。不安が無いといえば嘘になるがそこはごまかし誤魔化しやっていくしかないだろう。

 

「…俺はカードを一枚伏せてターンエンド。」

 

空也 手札二枚 LP8000

EXモンスターゾーン 落消しのパズロミノ

魔法・罠ゾーン   伏せ×1

 

克喜としては非常にいい流れでこの決闘を進められている。逆に言えば空也にとってこの決闘は余り思った通りの進み方をしていないという事になる。現に空也はもどかし気にフィールドを見つめるばかりで何もしない。どうやら思っている以上の盤面を相手に押し付けられたようだ。

 

「俺のターン、ドロー…。墓地の"ウィッチクラフト・シュミッタ"の効果発動。このカードを除外してデッキから"ウィッチクラフト"カード1枚を墓地に送る。俺は"ウィッチクラフト・ドレーピング"を墓地に。更に魔法使い族モンスターが効果を発動したため、"バイスマスター"の効果発動。デッキから"ウィッチクラフト・ジェニー"を場に。更に"ウィッチクラフト・ジェニー"の効果発動!このカードをリリースし、手札から魔法1枚を墓地に送ることでデッキから"ウィッチクラフトゴーレム・アルル"を特殊召喚!―――効果で今の"ウィッチクラフト・ジェニー"の効果で墓地に送った"ウィッチクラフト・サボタージュ"を回収。ついでにヴェールを攻撃表示に!―――バトル!"ウィッチクラフトゴーレム・アルル"で"落消しのパズロミノ"を攻撃!」

 

伏せカードという若干の不安要素を残しつつも突撃を図るアルル。攻撃反応型の罠でなければという希望を抱きながらも、克喜は攻撃宣言を下した。

 

「かかったぁ!罠発動!"聖なるバリア‐ミラーフォース‐"!相手フィールド上の表側攻撃表示のモンスター全てを破壊する!」

「しまっ…!」

 

だが、それは考えうる限り最悪のカードで帰ってくる。ミラフォ―――セットカードの中で最も厄介な効果を持つミラーフォースの発動を許してしまったのだ。

 

「あははは!消えろ!消えてしまえぇええッ!」

 

最早勝ちを確信したと言わんばかりに笑い声をあげる空也。しかしながら空也の目に映ったのは克喜の絶望した顔ではなく―――

 

「まっすぐ行ってぶん殴れ、アルル!」

 

してやったり、という顔で空也の顔を見る自身に満ち溢れた克喜の顔だった。ミラーフォースの影響で上がっていた土煙が晴れたとき、そこには未だに健在しているアルルとバイスマスター、そしてヴェールの姿があった。

 

「は…?」

「『なーんちゃって』ってやつだ。…"ウィッチクラフト・バイストリート"は各ターン一度だけ各ウィッチクラフトモンスターを破壊から守れるカード。従ってバトルは続行!ダメージ計算時に"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"の効果を発動するぜ!このカードの効果により、アルルの攻撃力は手札の公開した魔法カードの種類数分上昇する!俺は"サボタージュ"、"コンフュージョン"、そして"ウィッチクラフト・クリエイション"の三枚を公開!―――アルルの攻撃力は3000上昇だ!」

 

アルル ATK2800→5800

 

(マズイ!奴にはまだバイスマスターの効果が一つ残っている…!)

 

アルルがパズロミノをありとあらゆる道具を用いて確実に破壊しにかかる。本来は作業用の道具をあそこまで戦闘で使いこなしている様子を見ると若干首が不安になってしまう。

だが、それでも味方なら頼もしい限りだ。

 

「ぐおおおッ!?」

 

空也 LP8000→3500

 

パズロミノの攻撃力は1300。アルルとの戦闘の余波で4500ものダメージを喰らってしまった空也。既に勝負は決していた。

 

「"ヴェール"と"バイスマスター"で攻撃!これで―――」

 

空也は目の前に迫る2体のモンスターを見てもうどうしようもなく負けたことを悟った。もう、言い訳のしようのないくらいに、いっそ清々しいまでに。

九条克喜という人間に負けたのだ。

思わず、笑いが漏れて、そして空也はゆっくりと目を閉じた。

 

「決着ゥゥゥゥ―――ッ!」

 

空也 LP3500→2500→0

 




登場人物紹介

・九条克喜
やっぱりバイスマスターとヴェールが居れば何とかなると思っている。これまでも何とかなったしこれからも何とかなるだろう。

・四道空也
負けた。いっそ清々しいまでに。

バイスマスター…強くね?
次回もお楽しみに。

水樹君のデッキ強化

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