とり合えずアンケート上位三つを1.5部にします。
よってデッキ強化とエルドリッチ使い登場イベント。
それにみんな大好きティアラメンツイベントの三本立てでお送りします。
とりあえず本編にはほとんど関わらないティアラメンツ編をどうぞ!(好き勝手やれるし)
これは少年が神と対峙する話の裏で起きたもう一つの戦い。
それは世界を救う戦いでありながらも世界の在り方をを壊すことを望む者たちの戦いである。
邪悪なる王に叛逆する人魚姫とそれを支え、見届ける二人の男の物語。
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日々の生活費を稼ぐためにバイト漬けの日々。それでも稼いだバイト代のほとんど全ては父親の酒代と借金のかたに消えていく。それに最低限の食費と光熱費を合わせれば貯金できる金額はほぼ0―――たまにマイナスを叩きだす。
それを帳消しにするため一日のほとんどをバイトして過ごすようになり、気付けば海斗の時間は中学を卒業した15歳の時で止まっていた。
「…所持金たったの183円…。俺も皆とデュエルしたいなぁ。今持ってるデッキは流石にちょっと…クソゲー量産機だし…。」
そもそも海斗にとってデュエルは仲間と楽しむものではなく生きていくための手段だった。
だがあるデッキを使用し数多の大会を荒らしたことでここら周辺の大会の一切から締め出されてしまった。
先攻壱ターンキルを狙うデッキなので当然と言えば当然尚だが。それに加えその大会で得た賞金も父親の酒代に消えている。おかげで今の海斗個人の所持金はは200円を切っていた。当然これでは定価165円のパックを一つ買う事しかできない。デュエルをするのにデッキは40枚必要なのでたった五枚のカードしか入っていないパックを買う事に何ら意味はない。新しいデッキを作る事は不可能だからだ。
それでも。
どうしても、という感情が海斗の中に湧く。
足は自然とカードショップへと向かっていた。これはきっと、買えという神の思し召しなのだろう。そう信じた海斗は急ぎ足でカードショップに入店する。
そしてすぐにパックを売っている場所に足を運ぶ。
ある程度出るカードの傾向を搾られたパックも売っているが基本的に売っているパックは闇鍋そのものだ。どんなカードが収録されているか、カードリストが公開されてないし、それこそ誰も入手したことが無いようなカードが入っているのもざらだ。
だから、特に深く考える事無く、海斗は一つのパックを手に取る。「呼ばれた気がした」というのもなんだか変な感じだがとにかく自然とそのパックに手が伸びていた。
パックはサーチ行動が無意味なように作られているため、本当にそのパックに惹かれたとしか言いようがない。
「…これくださーい。」
「はい、165円ね。」
「170円で。」
「はい、5円のお返しね。」
レジで会計を済ませ店員に軽く会釈しながら店を後にする。なけなしのお小遣いで買ったこの一パック。一体どんなカードと出会えるのかワクワクしながら大事に懐にしまう。
海斗はこの一パックに封入されていたカードに導かれて異世界へと向かうことになるとは、この時微塵も思っていなかったのだ。
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「おい何処行ってたぁ?」
「…散歩。」
家に帰ると酒瓶片手に父親が迎えに来る。が、その様子は新しい酒を期待していたという感じで特段海斗の無事を気にしたものではない。それが海斗にとっての当り前で、日常。こんな以上は風景は既に海斗にとっては見慣れたものだった。
「ちっ…酒はねーのかよ?」
「そりゃあね。お酒が欲しいんだったら父さんが買いに行ってくれないと。…未成年の俺はお酒は買えないし。」
「使えねー…。」
心無い言葉を受けようと、海斗はたいして気にしない。こんなことでいちいち気に病んでいては明日のご飯さえ食べる事ができない。
だからもう慣れた様子でその言葉をスルーして、海斗は部屋に籠るのだ。
いつもはただ横になるだけの部屋でも、たった一つのパックのお陰で少し変わっているような気がした。
「どれどれ…?」
何が収録されているか分からないパックを開ける楽しみはこんなにも大きいものか、と噛みしめながらパックの袋を破る。
「…【ティアラメンツ】…?それに、【
そのパックに入っていたのは【ティアラメンツ・ハゥフニス】、【ティアラメンツ・メイルゥ】、【ティアラメンツ・シェイレーン】、【ティアラメンツ・キトカロス】、そして【壱世壊=ペルレイノ】の五枚。また【壱世壊=ペルレイノ】は一見何も関係ないように見えるカードだが、効果を見てみれば【ティアラメンツ】関連のカードであることは明らかだった。
だが、なによりも海斗が惹かれたのは【ティアラメンツ・キトカロス】の美しさだ。まるでステンドグラスのような装飾が施された服を着た彼女の姿が、その憂いを帯びた顔ような顔が、美しい蒼海を漂うかのようなその構図が、海斗の心を打ち抜いたのだ。
「綺麗だな…。」
俗にいう一目惚れという奴だろう。この胸の中に感じるときめきはそう考えなければ納得できない。
とにかく、このカードたちの情報を調べようと思い、もう一度外出の準備をする。
その時だった。海斗の目の前でとんでもないことが起きる。
「…えっ?」
なんと【ティアラメンツ・キトカロス】と【壱世壊=ペルレイノ】が輝きながらこっちに突っ込んでくるではないか。その現実離れした光景に思わず目を丸くしてしまう。
(…使えるかどうか分からないけど…このデッキだけでも…!)
何があるか分からない。だからそのデッキを引っ付かんだのは海斗自身の勘だ。
結果として、海斗はその勘に救われることになる。
そうして海斗は半ば強制的に壱世壊に行くことになってしまったのだった。
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この世壊はいつだって理不尽だ。
この世壊はいつだって悲しみに満ちている。
この世壊はいつだって誰かが傷ついて涙を流している。
だから「私」は誰かに、この世壊を壊してほしかった。
その感情が本当にいいものかは知らないけれど、仲間が傷つく姿を見るのはもう嫌だった。
なんでこの世壊はこんなにも歪んでしまったのだろう。
いや、その原因ははっきりとしている。あの男―――「レイノハート」が現れてからだ。
レイノハートはこの世壊に来るや否や、私達に涙を流させるために、一人仲間を殺して、従属を求めて来た。
私達がそれを拒めば一人、また一人と殺して従属を迫って来る。
いくら抵抗しても悪魔の如き力を持つあの男の前には全てが無駄だった。あの男が無造作に腕を払うだけで仲間が無残にはじけ飛ぶ。
それだけでは効果が無いと気づいたあの男は
それでも従属することを拒んだ私達は、とうとう4人になるまであの男に数を減らされた。
そこで私は私の全てを差し出すことで後の三人を守ることにした。
こうしてペルレイノは完全にレイノハートの手に落ちてしまった。
それからレイノハートは私達全員に逆らわない様に心を縛る錠前を付けて、私達を完全に支配下に置いた。いざという時は私達は心を縛られてあの男の命令通りに動く肉人形に成り下がる。
それに動きを止めるということは相手の攻撃を体で受け止めさせるための盾にもなり、相手の攻撃を見えにくくするための壁にすることもできる。
そうして私達は真珠の涙を流し、その涙はあの男に回収され、あの男の私腹を肥やすに終わる。
だから、私は助けを呼んだ。
私達を誰よりも早く見つけてくれた人に、私達を救ってほしくて、誰かをこの地獄に巻き込むことにした。
それは本当に申し訳ない事だと思うし、名前も知らないあなたはここで命を落としてしまうかもしれない。
それでもきっとここで動かなかったら後悔する。あなたが命を落としてもきっと後悔する。
どちらにしても地獄で、でもそうしなければここは解放できないから。事が終わり次第、私の全てをあなたに差し出そう。この命も、全て。私一人でこの世界が救われるのなら―――。
―――空に二筋の流星が見える。その内の一つがきっと私達を見つけてくれた人なのだろう。
こんな方法で助かってはいけないと分かっているのに、どうしても助けて欲しいと願ってしまう。
きっとそれは許されることの無い感情なんだろう。
ああ、それでも許されるのならば――――私は、私達は生きたい。
ここは壱世壊=ペルレイノ。名前も知らない人よ、ようこそ、地獄へ。
登場人物紹介
・渡瀬海斗
今章の主人公。
ちなみこの章は霊使君は出てきません。
パックから世界で初めてティアラメンツカードを引き当てた。そのせいでペルレイノとかいう地獄に異世界召喚されちゃった主人公。
彼と彼のデッキはペルレイノを救えるか!?
名前の由来は「渡る」+「世界」+「人」。後人魚姫らしく「海」
・「私」
海斗をペルレイノに呼んだ張本人。
海斗をこの地獄に引きずり込んだことを後悔しているが、ここで呼ばなくても恐らく地獄が確定しているので呼ばなくても後悔するというジレンマ。
なお偶然たまたまもう一人もきた模様。
地獄のような「壱世壊編」、開始です…。
次回もお楽しみに…。
水樹君のデッキ強化
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