四遊霊使の"入学"
ウィン達と出会ってからおよそ2年。
とうとう高校入学の瞬間を迎えた。
やはり、高校の入試もデュエルがメインだったが霊使達は難なく突破したのだ。
「2ターン目には既に攻撃力3050の少女達にボコボコにされてた。」
とは霊使の試験を担当した試験官の一言である。
ただ、少なくとも
私立端河原松学園付属高校────これより霊使はここに入学することになる。
私立端河原松学園付属高校、通称"端末高校"と呼ばれるこの学園はここ端河原市の市長である"
閑話休題。
今は入学式の真っ最中である。
といっても校長の話があったり、クラス担任が発表されたり色々なことがあった。
が、
『………どうしようかなぁ………』
何故か頭の中でウィンがウンウン唸っているのだ。
(もしかして、
霊使はウィンがウンウン唸っている理由を思い浮かべる。
そのとき。霊使はウィンが少し前に話してくれた事を思い返していた。
「実はね、私は自分の一族を抜け出してきたの…。」
ある日の夕食後、ウィンは唐突にそう切り出した。
「……え゛?」
それを聞いた瞬間霊使は固まったままなんとか声を絞り出した。それもそうだ。ウィンの身の上話なんて聞く機会が無かったのだから。
「私の一族───"ガスタ"っていうんだけど、私はその一族の次期族長になる予定だったの。でも、私は一族に縛られるのが嫌で思わず"ガスタ"を飛び出したの。……その時父さんで族長のウィンダールと、姉のウィンダと揉めに揉めちゃって…」
「で?その時以来連絡もしてないし一度も戻ってない、と…?」
「………おっしゃる通りです。ハイ。」
「ああ。」
霊使は天を仰いだ。そんな重い物を背負っていたのか、と知ることができなかった事を後悔するくらいには。
そして、同時に厄介な問題でもある。
ウィンは優しいため、恐らくだが、罪悪感等に押し潰され、戻るに戻れなくなっているのだろうということは分かった。
「……そればっかりは話してみないとなぁ…。」
「やっぱ、そうだよ、ね…。」
もしかしたら自分がO☆HA☆NA☆SIされるんだろうなぁ…。
霊使はウィンのイザコザが解決することができると同時にそのイザコザに自分が巻き込まれないことを切に願った。
『うーん…うーん…』
(…本当に居るのか?)
『わかっちゃうんだよねぇ。…家族の絆っていうのかな?私には余り関係ないけどさ…』
(へえ…)
霊使は意識をウィンとの会話に使いながらヌボーっと入学式を眺めていた。
そして、恙無く式は進み───
「続いて、新入生代表の言葉。
「はい。」
『………あっ。』
(………ああ、彼がガスタの使い手なんだな…)
ウィンの反応で全てを察してしまう。
どうやらこの先の生活も穏やかじゃ無くなったようだ。
『高校…チェンジで』
(だめです)
『……だ、だよね』
こうして、波乱の幕開け(笑)で霊使の高校生活は始まったのである。
今回は短い…リアルが忙しいのです。
引っ越し準備が…辛い…
ミニキャラ名鑑No.2 ウィン
この作品のヒロイン。
家族の話になると発狂する。
「掟」は守るが「地位」に縛られるのは嫌な娘。
割りとフリーダム
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