―――かつて霊使とウィンはキスキルとリィラ―――デュエルモンスターズの精霊に挑み、一度は負けたものの無事にリベンジを果たした。その後で死にかけになったのだが。
だがまあ今は結という正式なマスターの元に居て。
彼女達も本当の意味で自由に戦えて。そして何よりも霊使達も、結たちも、あの頃よりずっと強くなった。デッキ自体は変わっていなかったとしても、より洗練された動きができるようになったというべきか。
とにかく、今までのデュエルとはまた違ったひりつきを味わえるだろう。
「…相変わらず拗らせてるみたいだねぇ…。」
「悪かったな。拗らせたい年ごろってやつなんだよ、キスキル。」
「そんな年頃があってたまるかい。…ま、いいか。」
これ以上は余計な言葉を交わす必要はない。
デュエリスト同士が向き合ってデッキを構えたならやることは一つしかないのだから。
「さあ、始めようか…!私達のリベンジマッチを!」
「何べんでも返り討ちにしてやる!防衛戦だ!」
「言ってな!行くよ、結!」
「了解。」
なんやかんや言い合いながらも結と霊使は互いに手札を五枚引く。
オートで行われたコイントスの結果、先攻はどうやら結になったようだ。
「私の先攻!私は魔法カード【シークレット・パスフレーズ】を発動。効果でデッキから【Live☆Twin トラブルサン】を―――。」
「流石にそれはノーサンキューだ。手札に【灰流うらら】の効果発動!」
「いやー流石にそれはダメだって。【灰流うらら】にチェーンして【墓穴の指名者】発動。うららの効果を使わせてたまるかぁ!うらら除外して無効!」
「ですよねー!」
結の初動に対して霊使は【灰流うらら】による妨害を試みる。
ところが結は最初に手札に対手札誘発決戦兵器こと【墓穴の指名者】を引き込んでいたようだ。妨害することは叶わず、そのまま初動を通してしまう結果となった。
「それじゃ改めて【シークレット・パスフレーズ】の効果で【Live☆Twin トラブルサン】を手札に加えるよ。それで【Live☆Twin トラブルサン】発動。発動時の効果処理としてデッキから【Live☆Twin キスキル】を手札に。そのまま【Live☆Twin キスキル】を召喚。効果でデッキから【Live☆Twin リィラ】を召喚!それでいつもの流れで二体で【Evil★Twin キスキル】をリンク召喚!そのまま墓地のリィラを蘇生してイビルツインの方のキスキルと今蘇生したリィラで【Evil★Twin リィラ】をリンク召喚!そんで墓地の【Evil★Twin キスキル】を蘇生!で、リィラが居るからデッキから一枚ドローするね。」
「手札減ってないよね?」
「それがキスキル達の強みだからね。特殊召喚を繰り返すから【サモンリミッター】とかとてつもなくきついわけだけども。」
結のフィールドには二体のリンクモンスターと一枚の永続魔法があるにもかかわらず手札は五枚のままだ。相変わらずイビルツインはいい展開能力を持っている。
そして霊使の手札に手札誘発がない以上、既に結の動きは止めることなどできはしない。
結はノリノリでデッキを回し始める。
「おまけに永続魔法【リィラップ】もつけとくね!このカードは私の墓地からモンスターが召喚されたときに発動して君は1000のライフを失って私は500ライフ回復するよ!」
「人のライフを何だと思ってるんだ!?」
「収益だよ!」
「人のライフで勝手にスパチャ払わせんなや!」
「でもターン1だからね。―――で、イビルツインなキスキルとリィラで【
結 LP8000 手札三枚
EXモンスターゾーン(右) Evil★Twin's トラブル・サニー
魔法・罠ゾーン Live☆Twin トラブルサン
リィラップ
伏せ×1
わいわいぎゃーぎゃー騒ぎながら霊使は結の展開を見守った。その結果がこのありさまである。
「これでも控えめな方だねー」と冗談めかして言う結に思わず「控えめ」の意味を小一時間問いたくなる霊使。むしろそれほどまでに結は【イビルツイン】を理解しているという事なのだろうか。―――そう考えた方が今の霊使にとっては建設的だった。
「ああもう、俺のターン!ドロー!」
引いたカードは【精霊術の使い手】。それ以外の手札は【
「いくらでも巻き返してやる…!俺は手札の【憑依装着-ウィン】をコストに速攻魔法【精霊術の使い手】を発動!手札に【憑依連携】を加えて、フィールドに【憑依覚醒】をセット!そんでもってそのままセットカードである【憑依覚醒】発動!」
霊使は自身のカードの効果で伏せたカードを発動。これに対して結は何もアクションを示さない。―――そのことから霊使はそれが【サイクロン】や【砂塵の大竜巻】といったバック除去系のカードではないと辺りを付ける。もし伏せカードが【ツインツイスター】であれば大惨事待ったなしでもあるのだが。
「…よし、そのまま【妖精伝姫-カグヤ】を通常召喚!攻撃力1850のモンスターが登場したため【憑依覚醒】の効果発動!さらにそれにチェーンしてカグヤの効果を発動。カグヤの効果でで攻撃力1850の【憑依装着-アウス】を手札に。そして【憑依覚醒】の効果でワンドロー。更ににフィールド魔法【大霊術-「一輪」】を発動させてもらう。」
「…【墓穴の指名者】は―――失敗だったね、これ…。でも私のフィールドに【イビルツイン】モンスターが居るから【Live☆Twin トラブルサン】の効果で200え―――じゃなくて200のライフポイントを恵んでもらうよ!」
「あーもう!だから俺は貢ぐならウィン達にだって!推し活できるような金はは無いんだけど…。」
「あ、なんか、ごめん…。」
霊使 LP8000→7800
結 LP8000→8200
今の結は【墓穴の指名者】の効果によって【灰流うらら】を使用できない。そういう制約があると分かっていてでも【灰流うらら】を止めたかったという事だろう。
それはそれとして今の結には【トラブルサン】がある。これは【イビルツイン】モンスターが居る限り、相手がモンスターを召喚、特殊召喚する際に相手ライフに200ダメージ、自分はライフを200回復できる優れものだ。
召喚を抑制するという意味でも非常に有用なカードである。
――だがそれは霊使にとっては痛い出費なわけで。家計が火の車であるせいか思わず現実の出費とトラブルサンの効果を重ねてしまった。なお、結はキスキル達の動画のお陰で食うに困らない程度には稼いでいたりする。
なお霊使の手札も4枚ある。【憑依覚醒】の効果で引いたカードが引いたカードなだけに結が発狂しそうだな、なんてことも考えていたりする。
「まあいいや。永続魔法【妖精の伝姫】発動。さらにそのまま手札の【憑依装着-アウス】を【妖精の伝姫】の効果で召喚させてもらう。」
「…え?正気?これでまた200ダメージ…。」
「ライフは回復できるが、俺は【妖精の伝姫】の効果で攻撃力1850のモンスターが居ればダメージを受けない。1ターンに一度だけどな。」
「わーお、優秀…。」
霊使は【大霊術-「一輪」】の効果を発動しないことを選択。これは後々の為に効果を取っておきたい、という霊使なりの考えがあっての事だった。
「アウスとカグヤをリリースしてデッキから【憑依覚醒-デーモン・リーパー】を特殊召喚。【デーモン・リーパー】の効果で墓地から【妖精伝姫-カグヤ】を効果を無効にして蘇生。」
「あ、じゃあ【憑依覚醒―デーモン・リーパー】の召喚成功時【Live☆Twinトラブルサン】の効果発動ね。そのまま【カグヤ】分もあげるよ!」
「ターンに一度じゃないのかそれぇ!?ああもう、もってけドロボー!」
墓地からの特殊召喚により、再び【トラブルサン】の効果が発動。霊使は400ダメージを、結は400のライフゲインを得る。これで霊使のライフは7400、結のライフは8600になった。
何処かの漫画に「金は命よりも重い」なんて言葉があったか、と霊使はこの状況を見て考える。
【トラブルサン】の効果で召喚するたびに200のバーンダメージが飛んでくる。それはない金を無理矢理搾取されるような、金欠な霊使にとってはあまり良いイメージの物では無かった。
何よりも。
無理矢理金を搾り取ろうという魂胆が気に入らない。少なくとも、霊使がいろいろと画策するくらいには。
「…そうだな…。せっかくだ。新しい仲間を見せてやる。」
「―――え!?」
結は霊使の切り札は【I:P マスカレーナ】によって霊使から見ての相手のターンに降臨する【
もし、別の切り札があるとしたら、それはいかなる効果を持つのであろうか。
「行くぜ!俺はフィールドの【妖精伝姫-カグヤ】と【憑依覚醒-デーモン・リーパー】の二体をリンクマーカーにセット…!アローヘッド確認、召喚条件は
「なんだって!?」
結は思考する。
霊使の切り札への繋ぎである【I:P マスカレーナ】の召喚条件は「リンクモンスター以外のモンスター二体」だ。少なくとも、そこに属性の指定なんてものは無かった。
「まさか…!それはリンクモンスターの【霊使い】…!」
霊使の秘策中の秘策―――というほどでもないがそれなりに隠し通してきたのがリンクの【霊使い】だ。少なくとも結は霊使がそれを使って負けたところを見たことが無いし、なんなら攻撃力4400の【キスキル・リィラ】でさえ打ち破っている。
「光の霊を従えし者よ。新たな友と
「…【Live☆Twinトラブルサン】の効果発動。」
「締まらねぇ…。」
霊使 LP7600→7200
結 LP8400→8800
霊使は新たな力と称してリンクの力を得たライナを召喚。
そして霊使い特有の相手のモンスターを得る効果を発動する。そしてかつてダルクが発動した効果と同じく、リンクの霊使いは総じて相手の墓地からモンスターを奪う―――もとい、相手の墓地のモンスターの力を借りることができる。
もはや霊使は【トラブルサン】のダメージの事など眼中になかった。―――必ずかの
「俺は結の墓地の光属性モンスター…【Live☆Twin キスキル】を対象に【照耀の光霊使いライナ】の効果発動!対象のモンスターを【照耀の光霊使いライナ】のリンク先に特殊召喚する!」
(―――何が狙い?)
「【Live☆Twinトラブルサン】の効果発動。」
霊使が対象にした【Live☆Twin キスキル】は展開用のカードだ。少なくとも相方であるリィラが居なければ攻撃力500のモンスターでしかない。
だから、結は霊使の効果をそのまま通すことにした。
「…よし!俺のフィールドに魔法使い族モンスターが居る為、手札から【デーモン・イーター】を特殊召喚する!」
「【Live☆Twinトラブルサン】の効果発動。」
「さらにさらにぃ!【デーモン・イーター】と【Live☆Twin キスキル】でリンク召喚!【崔嵬の地霊使いアウス】!」
「最終破壊兵器だこれぇ!?えーと【Live☆Twinトラブルサン】の効果発動!」
霊使 LP7200→6600(【Live☆Twinトラブルサン】の効果三回)
結 LP8800→9400(【Live☆Twinトラブルサン】の効果三回)
霊使は三度の特殊召喚によりさらに600のライフを失う。
だが、そんな事は知ったことかと霊使はデッキをぶん回す。
「これで終わりだ!【照耀の光霊使いライナ】と【崔嵬の地霊使いアウス】の二体で最終決戦兵器こと【アクセスコード・トーカー】をリンク召喚!」
(オイオイオイオイ死んだね、私。)
霊使 LP6600→6400
結 LP9400→9600
そして霊使は最終決戦兵器たる切り札にして新たなフィニッシャー―――【アクセスコード・トーカー】を特殊召喚。そして結とのデュエルは新たな局面を迎えることになる。
登場人物紹介
・四遊霊使
今のデッキには【アクセスコード・トーカー】や【旧神ヌトス】×2、【召命の神弓-アポロウーサ】、【ウィンドペガサス@イグニスター】×2、【灰燼竜バスタード】が入っている。ちなみに今回は【アポロウーサ】か【アクセスコード】か悩んで【アクセスコード】にした。ほとんどマスターデュエルで使っているデッキと同一。
・白百合結
がっぽり稼いでいる。ライフアドはつけられたが最終破壊兵器アクセスコードを見て絶望している。
所詮俺はレアコレを変えなかった敗北者じゃけぇ…。
クオシクのウィンが欲しい…。
というわけで次回もお楽しみに。
水樹君のデッキ強化
-
ネクロス
-
リチュア