霊使 LP2850 手札一枚→二枚
モンスターゾーン 憑依装着-ダルク
魔法・罠ゾーン 憑依覚醒
結 LP5700 手札一枚
モンスターゾーン Evil★Twins キスキル・リィラ
魔法・罠ゾーン Live☆Twin トラブルサン
リィラップ
結は、今見た光景が信じられなかった。
霊使が引いたカードが光り輝いているように見えたからだ。
カードには精霊が宿るもの―――だからと言って発光現象が起きるかと言えば絶対に違うだろう。少なくとも、そんな事が起きるのならばきっとデュエルモンスターズは停電時でも役に立つ。
「…気のせい、だろうけどね。」
信じられないとはいえ、結は確かにそれを見た。
ならばそれが現実だ。
どういう訳か知らないが、確かに霊使が今引いたカードは輝いていた。一瞬にすら満たないわずかな時間とは言え、確かに輝いていた。
観客がそれを見たかどうかは分からない。そもそも見えているかどうかでさえ怪しい。
「…結。俺は負けるつもりはないぞ。」
「だろうね。その目を見ればわかるよ。―――逆転の一手でも引いた?」
「そんななまっちょろいもんじゃない。」
どれだけ状況を自分の方に傾けていてもたった一瞬のやり取りで簡単に状況は変わる。その一瞬は「一枚のカード」だったり、それこそ一枚のカードの攻撃だったり。
何処でどうやって、何によってひっくり返るか分からない。
だから、決闘は楽しいのだ。
「―――勝つためのカードを引いたんだよ。今、ここで勝つためのカードを!」
それはきっと、今の彼が一番感じている事だろう。
こんなにもこのデュエルは楽しいのだから。
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霊使はたった今引いたカードがわずかに熱を帯びている気がした。
それはカード自身が鼓動しているような、何とも言えない感覚。にもかかわらず霊使はこのカードが一体何なのかという事を理解していた。
「俺は墓地の【憑依連携】の効果を発動。墓地からこのカードを除外することで自分墓地の【憑依】永続魔法・永続罠一枚を表側表示で俺のフィールドの魔法・罠ゾーンに置くことができる。当然俺は墓地に送られた【憑依覚醒】をフィールドに。」
「…それは「魔法の発動」じゃない、か。」
結が怖い確認をしてくるが発動したわけでは無いのも事実だ。それを隠す理由もないので大人しく答えを返すことにする。
どのみち今の結では【憑依覚醒】を破壊することは叶わないのだから。
「俺は手札の【憑依装着-エリア】を通常召喚。【憑依覚醒】の効果により一枚ドロー。俺は【憑依装着-エリア】と【憑依装着-ダルク】の二体でリンク召喚!【暗影の闇霊使いダルク】!【暗影の闇霊使いダルク】の効果で結の墓地から【Live☆Twin リィラ】を蘇生!」
「トラブルサンの効果を3回受けてもらうよ。」
霊使 LP2850→2250
結 LP5700→6300
霊使は相変わらず結の墓地からモンスターを特殊召喚することを選ぶ。こうすることで自分の消費も多少は抑えられるし、相手の読みを外す事さえできる。
今まで霊使は【
だがそれは別に【I:P マスカレーナ】でなくともできる事でもある。マスカレーナをリンク素材とする場合のメリットは「効果破壊耐性」が付くこと。これによって霊使は「対象を取らない効果」に加え、除去効果で最も普遍的な「対象を取る破壊」も対策していたのだ。
だが、これには当然デメリットもあり、攻撃力800のリンクモンスターを棒立ちにさせ、相手が「何かある」と察すると破壊されてしまうかもしれないという点だ。当然破壊されてしまえばクルヌギアスの召喚が狙えなくなる上に、相手のエースが暴れ散らかしてしまう。
霊使のデッキは嵌ると圧倒的は爆発力を産むが、切り返し能力に乏しいという弱点も併せ持つ。
だから、霊使は【I:Pマスカレーナ】という見えているもののほかに。
「とっておき」を一枚だけデッキに忍ばせていた。さっきのターンでエリアを引けたという事を含めて今回のデュエルは運がいい方だ。酷ければ五枚全部罠という悲惨な目に合う事もあったから。
「俺はカードを二枚伏せてターンエンド。」
霊使 LP2250 手札0枚
EXモンスターゾーン(右) 暗影の闇霊使いダルク(リンク状態:Live☆Twin リィラ)
モンスターゾーン Live☆Twin リィラ (リンク状態:暗影の闇霊使いダルク)
魔法・罠ゾーン 憑依覚醒
憑依解放
伏せ×2
霊使はやれることはすべてやったと言わんばかりに静かにターンエンドを選択。このターンに仕掛けてくるしかないと踏んでいた結はマメ鉄砲を喰らったような顔をしていた。
ここで一度互いの状況に目を向けてみよう。
霊使の手札は先と変わらずすっからかんである。だが、今伏せたカードの内一枚はもはやすっかりおなじみとなった、それこそ霊使の代名詞と言っても過言ではない【憑依連携】だ。実質手札は一枚あると同義である。
一方の結も手札は残り一枚とかなり追い詰められている。だが結のフィールドにはエースモンスターである【Evil★Twins キスキル・リィラ】が存在している。更に墓地にある大量の光属性、闇属性モンスターを除外することで【カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐】の特殊召喚さえ狙える。
総じて少し結の方が有利と言ったところだろうか。
「私のターン。…ドロー。…さあ、このターンで終わらせるよ。私は墓地の【Live☆Twin キスキル】と【Live☆Twin リィラ・トリート】を除外することで手札から【カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐】を特殊召喚!」
「その特殊召喚成功時に罠発動!【憑依連携】!効果で墓地から【憑依装着‐エリア】を特殊召喚!更に俺のフィールド上の属性が二つ以上存在するため【カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐】を破壊。出オチにさせてもらうぜ!」
結はたった今引いた【カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐】を特殊召喚。霊使はこの特殊召喚に対してためらうことなく【憑依連携】を使用。効果で墓地の【憑依装着‐エリア】を蘇生し、そのまま【カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐】を破壊。
「だがこれで君を守るものはもうない!さらに【Live☆Twin トラブルサン】の効果発動!」
「…ッ。」
霊使 LP2250→2050
結 LP6300→6500
結の言葉に霊使は何も返さない。
状況だけ見れば結の言う通りだ。霊使のフィールドには伏せカードが一枚のみ。当然それはミラーフォースのようなカードではない事を結は知っているだろう。今まで霊使はそのようなカードを使った事はほとんどないのだから。
だからこそ彼女は「守るものはもうない」などと言ったのだ。
彼女は終ぞ、霊使のセットした罠に気付くことは無かった。
「一応伏せは除去しておこうか。魔法カード【ハーピィの羽箒】発動!」
結はもう妨害が無いと信じてやまない。だが、それでも反撃の芽を完全に潰そうと考え、霊使の魔法・罠ゾーンのカードをすべて破壊しにかかる結。
「…これで私の勝ちだ!」
「…くっ…。」
「霊使君討ち取ったりィィィ!」
高らかに勝利を宣言する結の姿を見て、霊使はとうとう笑いを漏らしてしまった。まさかここまで隠ぺいが上手くいくとは霊使自身も思っていなかったのだ。相手がそんな戦略にドはまりしてくれたものだからおかしくなってしまうのも仕方ないだろう。
「ふふふふっ。あっはははは!」
「何笑ってるの?君はもう何もできないんだよ?…気でも狂った!?」
「ここまで上手く嵌るとは思ってなかったからなぁ。笑いが止まんないんだ。」
結からしてみれば急に霊使が笑い始めたようにしか見えないだろう。もしかしたら若干引かれたかもしれない。それとも負けるという事が霊使の精神を狂わせたとか、そんな感じに思われたのだろうか。
事実は全く持って違うのだが。
「…え?う、うそでしょ…!まだ何か…!」
「じゃあ見せてやろうかぁ!もっと面白いものをよぉ!【ハーピィの羽箒】にチェーンして罠発動!【
霊使は余りのハイテンションによって口調が大きく変化する。
あとから見たら顔を真っ赤にして記憶から消し去りたいと霊使は宣うだろう。
だが今の霊使はそんな事を考える余裕さえないほどにハイになっていた。今まで隠しておいた「とっておき」が功を奏し、あまつさえそれが勝ちにつながるのだからハイになるなというのが無理な話でもあるのだが。
「このカードの効果は相手ターン中にリンクモンスター一体をリンク召喚できるカード!リンク召喚するのは当然―――【
霊使が叫びながら点に手を翳せば互いのフィールドのちょうど真ん中に点灯していないリンクマーカーが現れる。
「俺は【暗影の闇霊使いダルク】!【憑依装着-エリア】!【Live☆Twin リィラ】!そして―――」
現れたリンクマーカーにそれぞれのモンスターが突入。クルヌギアスの持つリンクマーカーに対応する位置に光となって吸収され、リンクマーカーに赤い光を灯した。
しかしまだ一カ所――――下を向いているリンクマーカーには光が灯っていない。その代わりにその部分から闇が染み出し、キスキルとリィラをしっかりと拘束。そのままリンク素材として吸収してしまう。
「結のフィールド上に存在する【Evil★Twins キスキル・リィラ】の四体をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!昏き世界よりその姿を見せ、我らが敵を深淵に堕とせ!リンク召喚!LINK-5【
「【ハーピィの羽箒】の効果で魔法・罠をすべて破壊…だけれども。」
結局結が破壊できたのは【憑依覚醒】たった一枚のみ。当然、霊使の墓地には【憑依連携】が存在するため次のターンに間違いなく再利用される。というか霊使自身する気満々だ。
「…ターンエンド。」
結 LP6500 手札0枚
モンスターゾーン なし
魔法・罠ゾーン Live☆Twin トラブルサン
リィラップ
結は当然ターンエンドを選択。手札もゼロ枚、モンスターもゼロ枚。場には【イビルツイン】モンスターが存在しなければ意味がない【Live☆Twin トラブルサン】と墓地からモンスターを特殊召喚出来なければ意味がない【リィラップ】のみ。
だが、霊使のフィールドに存在するモンスターは【閉ザサレシ世界ノ冥神】ただ一体のみ。
例え墓地の【憑依連携】で【憑依覚醒】を再設置されようがまだ耐えることができる。
きっと結はそんな事を考えているのだろう。―――だが、霊使はこのターンで決着をつけるつもりだった。
「俺のターン、ドロー!俺は墓地の【憑依連携】の効果を発動。このカードを除外し再び表側表示で【憑依覚醒】をフィールドに。…俺は手札の【憑依装着-ウィン】を通常召喚!効果でデッキから一枚ドローする!」
霊使は思いっきりデッキの上から一枚目を引き抜く。
サラリとウィンが来てくれているが、彼女はいつも一番欲しい時に来てくれるのだ。
彼女はいつだって、自分の期待に応えてくれていた。
ならば今度は自分がその期待に応える番だ。
「…俺が引いたカードは、【精霊術の使い手】!」
「―――嘘、でしょ?そこで二枚目を引くの…?」
霊使が引いたカードは【精霊術の使い手】。このデュエルにおいては二度目の登場となる。
そのカード効果は至ってシンプルで手札一枚をコストに【霊使い】の関連カード二枚を引っ張ってこれるというもの。当然、強力無比なカードであり、それと同時に最も対策のしやすいカードでもある。
何故なら灰流うららが余りにも致命的に刺さるからだ。
当然、このカードの使用のために払ったコストは帰ってこないのでこのカードにうららを当てられる=負けと言っても過言ではない。手札二枚のディスアドに加えて最悪動けるカードがないという大惨事にもつながるのだから。
だが、今この状況に関して言うのであれば。霊使にとっては最高のタイミングで、結にとっては最悪のタイミング
問言葉でしか言い表せない。
「俺はこれで【憑依覚醒】を手札に。三枚目の【憑依連携】をセット。そしてそのまま永続魔法【憑依連携】発動!【憑依覚醒】の効果は重複するから、クルヌギアスとウィンの攻撃力はそれぞれ1200上昇だ!」
「…これは、運に見放されたかな…。」
結はもはや好きにしろという感じで両手をホールドアップ。
当然抵抗もできないし、霊使の従えるモンスターの攻撃力の合計は7250。結の現在のライフの値を上回っている。
「バトル!クルヌギアスとウィンでそれぞれプレイヤーにダイレクトアタック!」
結 LP6700→2500→0
そうして、ここにこの大会の開幕を告げる試合は終了したのだった。
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『ゲームエンドォォォォ!勝者はァ!四遊霊使ィィィィ!』
相当集中していたからだろうか。
結の耳にはようやく実況やら歓声やらが飛び込んできた。
実況も告げている通り、勝ったのは四遊霊使―――つまり白百合結は今、ここで負けた。
「悔しいものだねぇ…。」
(結…。)
最後の最後に霊使にしてやられたと思うとやはり悔しいものがある。
しかも途中が良い流れだっただけに、あそこで押し切る事が出来たらという後悔の念もわく。
だが途中のプレミも、相手との駆け引きもひっくるめて、これがデュエルなのだ。そのやり取りの結果に文句をつけるものではない。
それに。
負けても命が終わるわけでは無いのだ。いつでもリベンジができるのだから。
だから結は霊使に惜しみない賞賛を贈る。自分を下したものとして、これからも勝ってきてほしいから。
「勝ってこい、四遊霊使!」
この言葉は歓声にかき消されていたかもしれない。
だが確実に霊使の心に届いていると、結は断言できた。
それが分からないほど浅いつながりではないつもりだから。
登場人物紹介
・霊使
勝った。
・結
負けた
これであともう一回くらいデュエルしてそしたら決勝ですかね。
決勝の展開はある程度考えてあるので次は私がマスターデュエルで使ってるもう一つのデッキをそのまま出してみましょうか。
次回もお楽しみに
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア