「相棒」   作:ダンちゃん1号

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炎の蛇と黒魔女さんが通る!

 

「【蛇眼の炎龍】の効果発動!私か凪ちゃんのフィールド上の表側表示のモンスターか墓地のモンスター一体を()()()()()()()()()魔法・罠ゾーンに置く!私は墓地の【スネークアイ・エクセル】を魔法・罠ゾーンに!続けて【黒魔女ディアベルスター】の効果発動!場の【スネークアイ・エクセル】をコストに【黒魔女ディアベルスター】を特殊召喚!効果でデッキから【裏切りの罪宝‐シルウィア】をセット!」

 

―――使い方によっては大きな効力を得るであろうカード。

しかし、悲しいかな。鈴花はこれがこのデッキでの初デュエル。当然カードの実戦での動きは把握しようもない。

 

(…ふむ。なるほど…。これは…【ジェット・シンクロン】に、【ヴォルカニック・バレット】…それに「あの子」も入れられそうだね…。)

 

鈴花にとっての唯一無二の相棒は【ディアベルスター】と【フラン】であることは間違いないだろう。

そして、鈴花にとっての初めての切り札が【フルール・ド・バロネス】であることも変わらない。

そんな鈴花にとって「あの子」とはこの二つの関係性とはまた違う―――対等な友人としての存在だ。

 

「――…いや、デュエルに向かい合わないのはナギちゃんに失礼だ…!」

 

しかし雑念を持ったままのデュエルは対戦相手に失礼だという事も分かる。

だからまずは、全力でこの戦いを終わらせるのだ。

例え、相手がどんなデッキだろうと「勝つこと」を捨てることは絶対にしない。

 

「…バトル!【黒魔女ディアベルスター】で【六武衆の軍大将】を!【蛇眼の炎龍】で【真六武衆‐シエン】をそれぞれ攻撃!」

 

凪 LP8000→6500→5800

 

取り敢えずはこんなものだろうか。

まだまだ改良する余地の多いデッキだが、それでも十分に仕事を果たしたと言えるだろう。

凪のモンスターは全滅し、ライフアドバンテージも稼いだ。

 

「…カードを一枚伏せてターンエンド、かな。」

 

鈴花 LP8000 手札二枚

モンスターゾーン 黒魔女ディアベルスター

         蛇眼の炎龍(スネークアイズ・フランベルジュ・ドラゴン)

フィールド魔法  蛇眼神殿‐スネークアイ

魔法・罠ゾーン  伏せ×2

 

そうそう崩すことは叶わない。

鈴花はこの一見簡単に突破できそうな盤面を見てそう結論付ける。

それがディアベルスターの効果で伏せた【裏切りの罪宝‐シルウィア】の存在だ。このカードは自分場の【ディアベルスター】をコストに相手の場のカード一枚の効果を無効にすることができるカードである。このカードの無効にできる範囲というのがとても優秀で、相手の表側表示のカードの効果なら何でもかんでも無効にできるというものだ。

 

(…これで…あの罠を防ぐ…!)

 

ただ、そうすると自然と鈴花は相手のマストカウンターを見極める必要も出て来る。何でもかんでも無効にできるとはいえあくまで一枚しかカウンターできない。

ならば、相手が「何処にカウンターされるのが一番いやか」―――マストカウンターを見極めなければならないだろう。

 

「…私のターン、ドロー。…私は…手札から【真六武衆‐キザン】を召喚します。これで【六武の門】に武士道カウンターが2つ!」

「…そっち押さえたかったなー…。」

 

先に伏せた「裏切りの罪宝‐シルウィア」は罠カード―――チェーンを組まねば止まらない。

だが、肝心の【六武の門】の武士道カウンターを乗せる効果自体に反応して止めることは恐らくできない。

それよりも。

もっと確実な使い道があると踏んでいるから使わないというのもあるのだが。

 

「…さらに罠発動…【諸刃の活人剣】―――」

「ここだぁぁぁぁ!罠発動【裏切りの罪宝‐シルウィア】ぁぁぁ!【黒魔女ディアベルスター】を墓地に送り効果で相手の表側表示のカード一枚の効果を無効化ぁぁぁ!当然無効にするのは【諸刃の活人剣】だァ―ッ!」

「…流石にあからさま…すぎましたね。」

 

凪は案の定というか、やはりというか。

墓地の六武衆の蘇生を行うつもりだったようだ。シンクロ召喚したシエンやその素材となったモンスター達の蘇生はさすがに許されるものではない。

 

「…相手ターン中に墓地に送られた【黒魔女ディアベルスター】の効果発動。【蛇眼の炎龍】をコストに蘇生。【死の罪宝‐シルウィア】をセット。…【蛇眼の炎龍】は相手ターン中に墓地に送られた際墓地の炎族・レベル1モンスター2体を蘇生できる。…当然蘇生するのは【スネークアイ・エクセル】と【スネークアイ・ワイト・バーチ】の二体を蘇生!【エクセル】の特殊召喚成功時デッキから【スネークアイ・オーク】を手札に加える。…【スネークアイ・ワイト・バーチ】の効果発動。…【エクセル】と【ワイト・バーチ】をリリースしてデッキから【蛇眼の炎龍】を特殊召喚…!」

 

なので、まずは無効にする。

更にその向こうをトリガーに少しずつ盤面を回復させていく。

リソースが続く限り、このループは途切れることは無いだろう。

 

(最も肝心のリソースがだいぶ少ないんだけどね!)

 

―――一つ解決したと思ったら、また別の問題が湧いて出るのは愛嬌―――というやつなのだろうか。

デッキビルドとは実にままならないものである。

 

「…ここまで動かれては敵いませんね。エンドフェイズに入ります。」

「罠発動!【睨み統べるスネークアイズ】!効果で【真六武衆‐キザン】を永続魔法扱いで凪ちゃんの魔法・罠ゾーンに!」

「…無茶苦茶してくれますね?」

 

完全に効果を把握したわけでは無い。

十分に使いこなせるほどのタクティクスがまだ鈴花に存在していない。

それでもここまで凪を圧倒できたのはひとえに鈴花が「カードパワー」による圧殺を狙っているからだ。

 

「改めて…ターンエンドです。…これは…無理ですね。」

 

凪の場にはモンスターはいない。正確には炎の蛇に睨まれて完全に置物と化したキザンのみ。

流石に抵抗は出来ない―――凪はそう考え、息を一つ吐くと鈴花にターンを返す。

このデュエルの勝敗は―――もはや決したようなものだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

有能な新人を加入させたいのは何処の部活も一緒だ。

デュエルの天才が他の事に興味をもってしまう―――或いは「もうデュエルは腹いっぱいだ」という者たちは大体スポーツ系の部活に流れて行ってしまうのだ。

サッカーならW杯、野球なら甲子園やWBC、テニスならウィンブルドン―――とにかく、新入生によっぽどのデュエルジャンキーが居ないと伝統あるこの部活は潰えてしまう。

 

「で?今年は誰か入ってくれそうなの?」

「やめてくれプリメラ。その言葉は僕に効く…!」

 

今年の加入人数だが、プリメラという少女の指摘通りだ。去年は自分一人、今年に至っては希望者0。

少年は今まで誰も入部希望者がいないことに頭を抱えるしかないのだ。

なんでだろうと考えてみるが、理由がさっぱり思いつかない。

少なくともやましい行為は何もしていないし、設備もそれなりに整っている。

少なくとも他の所と比べてより楽しいデュエルライフを送れるようににはなっているのだ。

 

「でもほんとになんで入ってくれないのかねー?」

「アレじゃないのカ?マスターが変態だかラ!」

「ちょっとまってトゥルーデア!?人を勝手に変態にするんじゃないよ!?」

 

そんな彼を揶揄うのは浮遊している少女の形をした霊―――のような騎士、トゥルーデアである。

二人は「デュエルモンスターズの精霊」という存在らしい。

―――初対面の時は流石に冗談だろうと思っていたが、現実の存在らしい。

ただ、周りから見るとどうしても「なんか変な奴」に思われているらしい。―――言われてみれば、そもそも大多数の人間にとってのデュエルモンスターズはカードゲームでしかない。

それに対して急に「モンスターが実在する」なんて言ったらそれはもう白い目で見られる。

そんな事もあってか、少年はヤバい奴に認定されたというわけだ。

言ってしまえば人前に中々姿を現そうとしないプリメラとトゥルーデアのせいである。

 

「ま、今年は少なくとも何人かは入ってくれるでしょ。」

「そういえばちらほら同じような存在を感じるナ。…なんかとんでもないのがいるけド。」

 

そんな二人は新入生、転入生を含めていくつかの「同族」を見つけていた。

まあ、一部の人間に凄い偏っているというかなんというか―――

 

「おお…アイツ、ハーレム形成してるゾ。」

「あっ…ほんとだ!しかもなんか妙に強い…!?」

 

 

「―――また一人で話してる…。」

「…え?…なんか人が見えるけど…。」

「うっそだー…。」

 

―――しばらくはこのやべー奴という評価と付き合っていかなければならないだろうか。少年もまた別の意味で頭を抱えるのであった。




登場人物紹介

・凪
六武衆使ってボコボコにされた。

・鈴花
ディアベルスター鬼つええ!
ディアベルスターは最強だからね、しょうがないね。
なおフラン

・少年
センチュリオンが案の定糞強かったのでデッキだけ変更した。
ちなみに元のデッキは氷結界である。

次回もお楽しみに!

水樹君のデッキ強化

  • ネクロス
  • リチュア
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