部活動設立を決めた霊使達六人。
しかし六人にはとても大きな問題があった。
それは───
「部長、どうする?」
部長という大仕事を誰が行うかということだ。
真木もそこまで決めていなかったが、既に白城を連れて退室している。この六人のなかで話し合いして決めろということだろうか。
しかし霊使は何一つ迷うことなく──
「俺は降りる。」
真っ先に降りる事を宣言した。
もちろん霊使には理由があった。
「俺が部長やったところでウィンダールが言うこと聞くか?」
霊使を毛嫌いしているウィンダールが霊使の指示を聞くかどうかだ。少なくともウィンは絶対に聞かないと思っているようで首を全力で縦に振っている。
ウィンダも頭に手を当てるが何も言わない辺りウィンダールの事を悟っているのだろう。
ちなみにウィンダール本人は拗ねて外に出ていってしまった。
ただ、こうしていると颯人に罪悪感が湧いてくるわけで。
「俺も…降りよう。」
結果、颯人も降りる事態に。
こうなってしまっては最早誰が先に降りるかの腹の探りあいだ。
「僕は降りるよ。そういう器じゃあない。」
そして、奈楽が離脱を宣言。
続けて水樹も離脱を宣言した。
理由はエリアルは人見知りだからというもの。奈楽も性格は部長に向かないということで降りた。
結果、流星と克喜だけが残る。
「おい、デュエルするか。」
「…だよね。」
そして、克喜と流星は命運を決闘に託すことにした。そして、互いにデュエルディスクをセット。
「「
克喜 LP8000
「先攻は俺だ!……俺は手札から"ウィッチクラフト・ピットレ"を召喚!」
まず克喜が召喚したのは髪が絵筆のようになっている少女だった。"ウィッチ"というだけあって克喜のデッキである"ウィッチクラフト"はほとんどが少女だ。そして、ピットレや以前克喜が召喚した"シュミッタ"は共通の効果を持つ。
それは───
「"ピットレ"をリリースし、手札から魔法カードを捨てることにより、"ピットレ"の効果を発動!デッキから"ウィッチクラフト"モンスター一体を特殊召喚できる!"ゲート・ドロウ"!」
ピットレは全てを込めて一つの絵を描く。その絵は実体をもち、異空間と繋がるゲートになる。しかし、全てを使い果たしたのかピットレは疲弊し、克喜の元に帰っていった。
「魔女の工房の長よ。その叡智を以て魔法の真髄をここに為せ!"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"を守備表示で特殊召喚!」
そして、そのゲートから現れたのは──幼女だった。
青い髪が先に行くにつれて赤くなっている、ドヤ顔をかまし、寝転び始める幼女だった。
「……やっぱロリコンじゃないか?」
流星は率直に感想を言った。
「…なに?ますたーをバカにするの?…ならば、我らの叡智を見せてくれよう…!行くぞ、この不埒者ォ!」
そして、ヴェールはキレた。
「こいつ、俺の事をバカにするかロリって言うとキレるぞ。そして、カリスマモードに突入する。」
「それ、何気に重要じゃないか!?」
「…まあ、デュエルになればカリスマの方は発揮されるんだけどな。」
圧倒的怒気を撒き散らすヴェールをよそに克喜はプレイを続ける。
「墓地の"ウィッチクラフト・ピットレ"の効果を発動!このカードを除外して一枚ドロー!そして、手札から"ウィッチクラフト"カード一枚を捨てる。俺は"ウィッチクラフト・シュミッタ"を墓地へ。」
克喜の手札は3枚。先攻一ターン目では攻撃できないが、思いっきりデッキを回転させる。
「墓地の"ウィッチクラフト・シュミッタ"の効果を発動させる!このカードを除外し、デッキから"ウィッチクラフト"カード一枚を墓地に送る!俺は"ウィッチクラフト・デモンストレーション"を墓地へ!更に手札から"愚かな副葬"発動!デッキから魔法カード一枚を墓地に送る!俺は"ウィッチクラフト・クリエイション"を墓地に送る!」
「あんなに魔法カードを墓地に送っているけど…何かあるのかな。」
水樹は克喜の行動に然したる意味を見出だせなかった。しかし、霊使は心の中で流星に合掌した。
霊使と霊使い達は知っているのだ。
あれが克喜の最高の戦術だと。
ヴェールの効果にはとても手を焼いたものだ。以前のデュエルで克喜のデッキに惨敗した過去を思い出す。
「そして、エンドフェイズ!墓地の"ウィッチクラフト"魔法カードの効果を発動!"ウィッチクラフト"モンスターが居れば墓地の"デモンストレーション"、"クリエイション"、そして最初のピットレの効果で墓地に落とした"サボタージュ"は手札に戻る!そして、ターンエンド!」
克喜LP8000
フィールド "ウィッチクラフトマスター・ヴェール"
伏せ 無し
三枚の魔法カードが墓地より克喜の手札に戻る。
これで克喜の手札は5枚。あれだけ回して元通りの枚数になるのはさすがとしか言えない。
しかし、流星は克喜の実力を前にして笑っていた。
「君みたいな凄い奴とチームを組めて光栄だよ、克喜君!だから、俺も最初っから全力だ!俺のターン!ドロー!」
流星は勢い良くカードを引く。
「よし!俺は魔法カード"テラ・フォーミング"発動!デッキからフィールド魔法である"
流星が"ファフニール"を発動した瞬間、観戦していた霊使達を含め宇宙空間のような場所に飛ばされる。もちろん、ソリッドビジョンで写し出された景色であるため窒息、なんて事は起きない。
そして、流星の背後には巨大な機竜が佇んでいた。
「更に俺は"エマージェンシー・サイバー"を発動!光属性、機械族である"
そして流星の背後の機竜から小さな機竜が一機射出される。
正に王道の機竜。霊使は童心に帰って、ドライトロンを見つめていた。
「まだまだ!"ルタδ"をリリースして"
「!?ちょっと待って!僕の知ってる儀式モンスターはレベルを揃えて特殊召喚するんだ!"メテオニス=DRA"のレベルは12なのに下級ドライトロンは全部レベル1…!?どういうこと!?」
どうやら儀式モンスターが主力である"ドライトロン"。しかし、儀式召喚するには、どうやっても条件が揃わないというエリアル。
儀式召喚とは儀式モンスターとそれに対応する儀式魔法、そして、儀式モンスターのレベル以上になるように生け贄を捧げ召喚する方法だ。もちろん、儀式の使い手たるエリアルはその事を熟知している。
だから、おかしい。どのような儀式を行っても、エリアルの知る限りではエースモンスターを召喚することはできないのだ。
「それは、後のお楽しみってやつだよ。よし、手札の"メテオニス=DRA"をリリースして"
流星のフィールドに居たルタδが巨大な機竜に帰還する。そして、新たな機竜が二機射出される。
「まだまだ!墓地の"ルタδ"を"バンα"をリリースし、特殊召喚!手札の儀式魔法─"流星輝巧群"を君に見せて1枚ドロー!そして儀式魔法"
二機の機竜が
「──魂の輝きは彼の者に繋がれた!星の彼方より来るは破邪の光!"
そして、星の彼方より機竜が顕れる。蒼と白の身体を持つ機竜は神々しさを感じさせるゆったりとした動きで降臨した。
「墓地から儀式召喚!?…僕の知ってる儀式じゃない…?」
エリアルはメテオニスを一目見て自分達の儀式ともはや別物になっている事を悟った。
一方のヴェールはその力を目の当たりにしても全く怯まない。
「ふん!そのような小細工等無意味!我らウィッチクラフトの叡智の前に平伏すがいい!この機械トカゲ!」
「そういう貴様はもう少し落ち着いたらどうだ?長がそれでは示しがつかんな、このロリ魔女。」
互いの精霊が互いに罵り合う。まるで知り合いか何かのようだ。
というか、あの厳つい見た目からは想像できないような寛容な性格に克喜は驚いていた。
「メテオニス=DRAでヴェールに攻撃!"デストラクション・レイン"!」
流星はヴェールに対し攻撃を敢行。メテオニスの口から全てを消滅させる極光が発せられる。
が、その一撃はヴェールの元には届かない。
「悪いな。ダメージ計算時に"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"の効果を発動させて貰うぜ!手札のカード名の異なる魔法カードを任意の枚数見せる!俺は、手札の"ウィッチクラフト・クリエイション"、"ウィッチクラフト・デモンストレーション"、"ウィッチクラフト・サボタージュ"、
"ウィッチクラフト・コラボレーション"、"墓穴の指名者"をお前に見せる!」
一枚見せる毎にヴェールを覆う結晶が厚くなっていく。
「そして、ヴェールの攻撃力、守備力は見せたカード一枚につき1000上昇する!従って今のヴェールの守備力は7800!攻撃力4000のメテオニスじゃあ届かない…!これがヴェールがウィッチクラフトの長たる所以…"
ヴェール DEF2800→7800
完全にメテオニスの放った極光を防ぎきったヴェールの防御壁。
そして、余った防御壁を吹き飛ばす。
「反射ダメージだ…クラエ3800ノダメージヲォ!」
「何かおかしくないッ!?」
流星 LP 8000→4200
防御壁の欠片はそれぞれが意志を持つように流星に襲いかかる。
流星は自分のターンで手堅い反撃を食らってしまった。
「……ターン、エンド…!」
セットできるカードは手札に無いようで、何もセットせずにターンエンドを宣言せざる得ない流星。
そして、克喜にターンが帰ってくる。
「俺のターン、ドロー!俺は手札から"ウィッチクラフト・コラボレーション"発動!この効果で"ヴェール"は二回攻撃が可能となる!」
「なら!俺は攻撃力の合計が2000になるように、墓地からカードを除外!俺は墓地のルタδを除外して"メテオニス=DRA"効果を発動!相手フィールド上のモンスター一体を墓地に送る!"デモリッシュ・レイ"!」
メテオニスは極光をチャージし始める。これに呑まれればヴェールとてただでは済まないだろう。しかし、その極光は、放たれることなく、その光を散らした。
「…"ヴェール"の効果発動!手札の魔法カード一枚を墓地に送って、相手フィールド上の全てのモンスターの効果を無効にする…!"クラフトスキル・スキルヴァニッシュ"!」
他ならないヴェールに妨害されたからだ。
ヴェールがいつの間にか書き上げていた魔方陣がメテオニスをガッチリと捕らえている。
「そして、俺は"ヴェール"を攻撃表示に変更!そして、バトルだ!俺は"ウィッチクラフトマスター・ヴェール"で"
ヴェールはその小さい身体にある力を魔法を用いて限界まで引き出すことで
「!?」
その何かの間違いと思うような光景を見て霊使霊使い達全員を除いた者達が一斉に吹き出した。
そして、杖の先端に結晶を生成するとそのままメテオニスめがけて振り下ろす。
「ダメージ計算時に"ヴェール"の効果発動!手札の"コラボレーション"、"墓穴の指名者"、"サボタージュ"、"デモンストレーション"の四枚を見せる!これでヴェールの攻撃力、守備力を4000上昇させる!」
ヴェール ATK1000→5000
先端の結晶はメテオニスを押し潰せる程に巨大になる。
「いっけぇぇぇ!"
そして、ヴェールはメテオニスに結晶を叩きつけた。
「ぬおおおお!?」
余りの重量にメテオニスは抵抗できず、押し潰されてしまう。
その余波は流星にまで届いた。
「うわあああッ!」
流星 LP4200→3200
「まだだ!"ヴェール"は"コラボレーション"の効果で二回攻撃できる!ヴェールでプレイヤーにダイレクトアタック!"
流星 LP3200→0
克喜の勝利でデュエルは終了した。
ここで克喜は一つの可能性に思い至る。
確かに流星は全力を尽くしていた。
それをノーダメージで勝ったいうのはやばいのでは…?
案の定、部長は克喜にする方向で話が進んで行った。
「…やっべぇ。ヴェール、ハイネ、……俺は逃げる。」
「逃がしませんよ?」
克喜は急いで逃げようとしたがハイネの操る布にガッチリ捕らえられそのまます巻きにされてしまう。
「顧問の精霊が相棒の母親ってなんかやりにくいんだよォォォォ!」
克喜の絶叫が暗くなった空に響いた。
はい。
ドライトロン使いの方は誠に申し訳ない。
いつかちゃんと彼らを活躍させるので、許して…
ミニキャラ名鑑No.5ヴェール(カリスマ)
普段はあどけないしゃべり方だがデュエルになると、一転してもの凄い威厳を発揮する。
普段でもマスターがロリコン呼ばわりされるか、幼女という単語に反応してこっちのモードになる場合がある。
素は普段の九歳らしいほうでこっちはギルド全体が嘗められないように必死に作っている面
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア