「相棒」   作:ダンちゃん1号

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前回無事に部長を決める事ができた六人。
早速精霊特捜部としての活動を開始しようとする。


一章:怪・盗・決・闘
四遊霊使の"遭遇"


克喜は部長として初めての指示を出した。

それは至極単純なもので、

 

「とりあえず、下校時刻ギリギリまでパトロールな。そして、このLIME(ライム)で結果を共有すること。連絡がない場合はそいつの担当地域を残りのメンバーで捜索、そいつを発見し次第、離脱。そしてそいつに話を聞くぞ。」

 

LIMEと呼ばれるSNSを用いて手っ取り早く捜索結果を連絡すると言うものだった。

 

「グループ名は…精霊特捜部でいいか。」

 

克喜が作ったグループに全員が加入して準備を完了させた六人はそれぞれの担当地域に向かって行った。

 

 

自信の担当地域に到着するや否や、霊使は霊使い達全員を顕現させて最大限の警戒を行っていた。

どんな方法で盗んでいるのか知らないが、伝説の再現は阻止しなくてはならない。

もし、本当に創星神なるものがいるのならば、今の世界を、自らの存在を忘れ去った世界を望んでいるだろうか。

もしくは創星神の力を得て、支配者にでもなるつもりなのだろうか。

どちらにしても、創星神の復活を阻止しなければいけない。そうしなければ世界は終焉を迎え、この地球という星そのものが作り変えられてしまう。

 

「確か…俺達の担当する博物館は…。」

端河原市(ここ)の南に位置する南条(なんじょう)町立博物館、ですね。」

「行った事が?」

「勿論。この町で私が行っていない博物館はありませんから。」

 

ふんす、と自慢気に胸を張るアウス。

彼女は休日は、一人で博物館に行く事が多い。

今回、彼女が訪れた事がある博物館なのは幸いだ。

周辺で何処を警戒するべきかすぐに分かるからだ。

 

「…価値ある文化財を盗むなんて許せません。この、五人でやれる事をやっていきま───うわぁ!?」

 

アウスが改めて文化財を守ると決意するのと追突されるのはほぼ同時だった。

 

「おっと…ごめん。マップ見てたらぶつかったみたいだ…。…怪我はないかい?」

「大丈夫です。」

 

アウスにぶつかった人物はアウスに手を差し出す。

アウスはその手を取って、起こしてもらった。

アウスにぶつかった人物は赤のロングヘアーが特徴的な女性だった。アウスに対して申し訳無さそうな顔を浮かべている辺り、今回の件は自分が悪いと認識しているのだろう。

 

「全く…気をつけて歩きなさいよ。目的地を確認するためにわざわざ見ながら歩くなんて、馬鹿の所業よ。…大丈夫だった?」

 

赤髪の女性の連れであろう黒髪の女性が赤髪の女性を扱き下ろす。それでもアウスに対して心配している辺り、悪人ではないのだろう。ただ──

 

「失礼を承知でお聞きしますが、貴女方、精霊ですよね?」

 

アウスは彼女達を精霊だと確信しているようだ。

そのアウスの問いかけに対して二人はただ、

 

「そうだけど…?」

 

と否定すること無く認めた。

 

「やっぱり…。」

 

アウスは手で額を押さえると、天を仰ぐ。

 

「どうした?やっぱ何処か痛むのか?…我慢せずに言ってくれよ?元と言えばワタシの前方不注意が原因なんだから…。」

「それは大丈夫ですよ。それよりもなんかこの街に怪盗的な何かの精霊が潜んでいるみたいなんです。気をつけて下さいね。」

「ええ。忠告ありがとう…。」

 

霊使は黒髪の女性の表情が少しだけくもったのを見逃さなかった

 

(彼女達の正体を探るついでに彼女達を案内しようか。)

(それがベストだね。)

 

ウィン達とこの後をどうするか素早く決めると、アウスがこう切り出す。

 

「ここで会ったのも何かの縁です。貴女方の目的地に案内しましょうか?」

「いいのか?」

「もちろんですよ。で、何処ですか?」

「南条町立博物館さ。」

「そうですか。じゃあ、行きましょう。…と。その前に私のマスターを紹介しますね。」

 

アウスはそう言うと霊使に目を合わせた。

霊使は頷くと二人の女性の前に歩み出る。

 

「彼女達のマスターの四遊霊使です。宜しく。」

「ワタシはキスキル。で、こっちがワタシの相棒の──」

「リィラよ。道案内宜しくね。レイジ君。アウスちゃん。」

「承りました。それじゃ、アウス。案内よろしく。」

「もちろん、さあ行きましょう。皆、行くよ。」

 

 

移動している時にキスキル、リィラの二人が動画配信をしていて、そのネタを探すためにここまで来た事を知った。

どうやら彼女達は普段はゲーム実況を行っているようだが、たまに各地に残る伝説だったりの紹介をしているらしい。今回は"創星伝説"について解説して欲しいとのリクエストがあったので、思い切って調べることにしたそうだ。精霊だからか、まだ、創星伝説についてあまり知らず、自分達が拠点にしている街の伝説を知らないで解説者を名乗っていいのという不安もあったらしい。

 

そういう事を話しているといつの間にか博物館前に着いていた。

 

「今日はもう閉館みたいです。」

「あっちゃー。でも、まあ場所分かったからいいか。皆の話も楽しかったし。」

「そうね。ここまで案内してくれてありがとう。お礼に一つ教えといてあげるわ。今まで私達が調べた所によると──この街の"伝説"。アレはただのお伽噺なんかじゃないわ。」

「──────!?」

「なんてね。それじゃあまた会いましょう。」

 

その言葉を最後に二人は去っていった。

 

「まさか、な。」

 

 

 

「本当によかったのか?リィラ。」

「ええ。親切だったあの子達を騙してしまったのは心が痛い。けれども私達のマスターを助けるためには仕方がないの…。」

「…そうだな。でも、せめて別の──西にある博物館からやろう。」

 

二人はとてもばつが悪そうにしていた。

結果的にあのマスターの親切を裏切る形になってしまうからだ。

 

それでも二人は止まらない。否()()()()()

彼女達のマスターを助けるためには止まってはならない。

その事実が二人の心を打ちのめしていた。

 

 

 

 

 




ミニキャラ名鑑No.6 アウス
地霊使いアウスその人。
趣味は考古学でよく博物館に行く。
基本的に誰にも敬語で話すが、霊使い達には砕けた口調になる。
好物は潮汁(うしおじる)


今回はアウスがメインの回です。
霊使い達全員可愛いんでなるべく一話は各霊使いをメインにした話が書きたい。


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水樹君のデッキ強化

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