「相棒」   作:ダンちゃん1号

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一つの終わり

「「特殊召喚!"Evil★Twinsキスキル・リィラ!"」」

「なん…だと…?」

 

キスキル達は自分達をあらためて召喚した。

纏う空気が変わり、霊使の全身が総毛立つ。

 

「このカードは自分たちの墓地に"キスキル"モンスターと"リィラ"モンスターがあれば攻撃力、守備力ともに2200上昇するわ。」

 

二人が言うには攻撃力、守備力ともに4400になっていると言う。そして二人はさらに追い打ちをかける。

 

「…"Evil★Twinsキスキル・リィラ(ワタシ達)"の効果を発動!相手はフィールド上のカードが二枚になるように墓地に送らなくてはならない!さあ、選びなよ…レイジ君!」

 

自分の意思で相棒達を墓地に送れ、と。

二人はそういった。

 

「お…俺は…!」

 

自分フィールド上のカードは四枚。

伏せが1枚、そしてウィンとエリアとその二人をつなぐ魔法―――憑依連携。

伏せカードは今この場で発動しても何の恩恵も得られない"憑依解放"であるため一枚を決めるのは早かった。

しかし、もう一枚だ。

もう一枚をどのカードにするか。そこが重要だ。

ウィン達霊使いを残せばこのターンは凌げるだろう。

しかし、次のターンで逆転のカードを引けなければ敗北は必至だ。

もはや、詰んでいた。

後にも先にも道はない。そしてうだうだ考えていても始まらない。

このターンを凌ぐ。そして、次のターンで逆転する。

どちらもやらなければいけない。

そうしなければ、負ける。そのことが霊使の思考を鈍らせた。しかし―――

 

「どうする?霊使の決断がどうであっても私たちは霊使に従うよ。精霊になった以上はマスターと一蓮托生だからね…。覚悟はできてるよ。」

 

ウィンのこの一言が霊使から余計な力を抜けさせた。

 

「俺は…ウィンとエリアを場に残す!」

 

堂々と宣言する。

 

「そうかい…なら二人以外は墓地送りだ!」

 

自分フィールド上から伏せカードが消える。

これでもう霊使達三人を守る壁は何もない。

そして、キスキル達は止まらない。

 

「…悪いね。一気に決めさせてもらうよ!ワタシは、墓地の光属性モンスターである"Live☆Twinキスキル"と闇属性モンスターである"Live☆Twinリィラ"を除外!」

「…しまった!」

 

キスキルの属性は光でリィラの属性は闇である。そしてその二つの属性を除外して召喚するカードなど一つしかない。

 

「光と闇、即ち混沌。その混沌(カオス)より現れし戦士よ!我らの刃となりてあまねく敵を討ち滅ぼせ!降臨せよ!"カオス・ソルジャー―開闢の使者―"!」

「まさか、開闢が入ってるなんて…!」

 

カオス・ソルジャー―開闢の使者― ATK3000

 

開闢の使者は非常に厄介な能力を持っていた。

それは次元を超える刃だ。

敵を捉えた刃は次元を超えても襲い掛かる。

 

「さあ行くよ!"カオス・ソルジャー―開闢の使者―"で"憑依装着―エリア"を攻撃!―――開闢双破斬!」

 

エリアに飛び掛かる混沌の剣士。エリアの放つ水流を尽く躱しエリアの懐で一閃。

 

「…え。」

 

声を出すことなくエリアは気絶させられた。

流石の剣士も女性を真っ二つにするのは気が引けたらしい。

しかしエリアが受けきれなかった剣の衝撃は霊使に直接伝わる。

 

「ぐッ…!」

 

霊使 LP8000→6850

 

そして開闢の使者は追撃の構えをとる。

 

「"開闢の使者"の効果発動!相手フィールド上のモンスターを破壊したときもう一度攻撃できる!今度は"憑依装着―ウィン"に攻撃!これが!時空突刃(じくうとっぱ)―開闢双破斬!」

「くっ…!」

 

ウィンは一太刀目をギリギリで避ける。

しかし、二太刀目は避ける事が出来ず杖で受け止める。

 

「私は…ま…けら…れ…ない…──ッ!」

 

しかし、抵抗虚しく押しきられ、気絶。

その衝撃は霊使に痛みとして反映される。

 

「があ…ッ!」

 

霊使 LP6850→5700

 

モンスターは全滅。

次の攻撃はこの身で受けなくてはならない。

 

「"Evil★Twinsキスキル・リィラ(ワタシ達)"でプレイヤーにダイレクトアタック!行くよ!」

「Twin★Devilクラック!」

 

二人の駆けた軌跡が電撃となって霊使を襲う。

 

「……ッ!?」

 

霊使 LP5700→1300

 

その痛みは今までのモノとは比べ物にならないものだった。これだけ意識が飛んでしまいそうだ。

しかし、まだ決闘は続いている。

ここで意識を投げ出したりしたら、それこそ自ら道を譲ったことになる。

それに気になるのはキスキル達の動機だ。

今、倒れたらそれも聞き出せない。

二枚カードを伏せターンを終了したキスキル達を見る。

二人は覚悟している目だった。

霊使をここで倒す事を受け入れている目をしていた。

 

「俺の…ターン…!」

 

視界が霞む。余りの痛みに呼吸をする度体が悲鳴を上げる。

それでも、逃げない。

一枚のカードに一縷の望みを賭けて引いた。

 

「ドロォォォォォォォッ!」

 

全てを賭けたドロー。

その結果は――――

 

「俺は、手札から永続魔法"三賢者の書(トリス・マギストス)"を発動!そして墓地の"憑依連携"の効果を発動!墓地のこのカードを除外することで自分の墓地の"憑依"永続魔法・罠カード一枚を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

「墓地から罠カードだってぇ!?しかも表向きで置く!?まさか…!」

「その…まさかだ!俺は墓地から"憑依覚醒"を再び発動!そして"妖精伝姫(フェアリーテイル)―カグヤ"を通常召喚!」

 

霊使いではないがこのデッキの裏方と言っても差し支えのない"カグヤ"だった。

 

「"カグヤ"の効果と"覚醒"の効果でチェーンだ!"カグヤ"の効果でデッキから攻撃力1850である"カグヤ"自身を手札に加える!そして三賢者の書(トリス・マギストス)"の効果で今…今加えた"妖精伝姫(フェアリーテイル)―カグヤ"を守備表示で、特殊召喚…!」

 

カグヤが二体並んだ。

だが、そこまでだった。

 

これ以上はもう、何も、ない。

 

「ターン…エンド……!」

 

もう、打つ手がない。

どうやっても、勝てない。

そんな事はエリアやウィンが破壊された時に分かっていたのだ。

だが、逃げない事を選択したのは霊使自身だ。

だから、最後まで足掻く。

だから最後までやりきる。

 

「ワタシ達のターン…。ドロー。…バトルフェイズ。」

「この瞬間、"カグヤ"の効果を"カオス・ソルジャー─開闢の使者─"を対象とし発動…!この効果は対象のモンスターと同名のカードをデッキから墓地へ送る事で無効に、できる。」

「なら……墓地に送ろう。二枚目の"カオス・ソルジャー─開闢の使者─"をね。……ワタシ達は君に敬意を払わせてもらう。そして、敬意を持って君を屠ろう…!」

 

キスキルはいつもの飄々とした態度から一変。

威厳を伴い霊使に敬意を持って接していた。

 

「"Evil★Twinsキスキル・リィラ(ワタシ達)"で"妖精伝姫─カグヤ"に攻撃…!」

 

そして、最大限の敬意が込められたその一撃は霊使に容赦なく叩きつけられた。

 

霊使 LP1300→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




対キスキル・リィラ決着です

水樹君のデッキ強化

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