「相棒」   作:ダンちゃん1号

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まだウィン達をイチャイチャさせるわけにはいかないんじゃ。


記憶と思い

―――そうだ、消えよう。

ウィンは虚ろな目で呟いた。

自分が消えて無くなってしまえば、もう、いい。

だって、彼女の兄を奪って生まれたのが"私"なのだから。

もう、誰も追ってこないでほしい。

このままうずくまっていればきっと誰にも見つからない。

きっと霊使と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()はずだ。

これが精霊の癖に人間に好意を持ってしまった愚か者への罰なのだろう。

 

「さよなら、霊使。妹さんと幸せに」

 

 

 

 

 

放課後、精霊特捜部の六人は部室に集合していた。

例の怪盗―――キスキルとリィラをどう止めるか話し合うためだ。

 

「さて、霊使。お前はあの二人と戦ってどう思った?」

 

単刀直入に克己が聞いてくる。

どう思った。

そんなことは簡単だ。

 

「誰かに止めてほしい、そう思ってたように感じた。それと同時に、絶対に曲げられないことがあるのも…。」

「そうか。…すまん。今回は俺たちがお前に無茶させすぎた。」

「大丈夫。」

 

そう霊使は気丈に答えた。

 

「次は…負けない。」

 

そう決意する。この思いが揺らぐことはきっと無い。

――だからこの時、霊使は微塵も考えていなかった。

先にウィンとの関係が崩壊してしまうかもしれない、なんて事を。

 

「ところで、ウィンは?」

「咲姫に呼ばれたってさ。―――今頃屋上じゃないか?」

 

 

 

一方、ウィンは咲姫に呼び出されていた。

何の用事か。

そんなことは分かりきっている。

これは罪の追及であり断罪である、と。

 

「…来ましたね。私が言いたいことは分かっているでしょう?」

 

厳しい顔をして咲姫が聞いてくる。

 

「…分かってる。霊使から離れろって言いたいんだよね。」

「なんだ。"自分の所為"って自覚はあるんですね。だったらなんで離れなかったんですか?」

「それは…」

 

ウィンは言い淀んでしまう。

何故離れなかったか―――。

それは、霊使とゼロからやり直したかったからだ。

あの時と変わってしまったところもあるが、それでも"霊使"と共に居たかったからだ。

思えば、幼少の頃の彼も今の彼も根本的な所は全く変わっていない。

だからこそ、彼に惹かれたのだ。

 

だから、好きになった。

 

「…好き、だったから。」

「そうですか。―――なら、余計に不相応で不誠実なのでは?」

「そう…だね」

 

どこまでも咲姫の言葉は正論だ。残酷なまでに、正論なのだ。

過去を知って教えないのは不誠実。

どこまでもいっても霊使と釣り合わないのは不相応。

自分は彼の隣にいるには余りにも醜い。

 

「そう。貴方が兄様の傍にいるだけで、あの人は不幸になる。家を追い出された理由も貴方ですしね。」

「…。」

 

そして自分の所為で霊使は家を追い出された。

これに関しても自分が彼の傍に不釣り合いな存在なのだ。

 

「話はこれだけ。どうするかは、貴方が決めてください。」

 

その言葉を最後に咲姫はその場を去る。

 

「私が決める…。」

 

ウィンは空を見上げて、呟く。

 

空には黒い雲が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 




あれ?最近、短い話しか書いてない?
ていうかドレミコードへの投票率すげぇ。

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