「相棒」   作:ダンちゃん1号

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アンケート結果、咲姫のデッキはアレに決まりました。


どうすればええねん


嫉妬、暴発

咲姫は兄と並ぶウィンを見たとき、強い激情に駆られた。

なんでまだ図々しく兄の隣に並んでいるのかと。

 

「なんで…まだ消えてないんですか…ッ!」

 

また、兄を不幸にするつもりなのか、と。

 

「…なんで。また、不幸になる道を選ぶんですか…?兄さん…!」

 

全てを悟り、それでもその事実を拒むように咲姫は霊使に顔を向ける。しかし、霊使は申し訳なさそうに頭を掻くとこう、言い切った。

 

「不幸上等!…ってやつさ。…咲姫には悪いけど。それでも俺は、ウィン達を、ウィンを幸せにしてやりたいんだ。それが他の誰でもない俺の──()()()使()の、今の俺の思いだ。」

 

他の誰でもない、四遊霊使──四道の名を捨てた四道霊使──の本心を語る。

しかし、咲姫はそんな事を認めない。

 

「だったら、決闘です…!私が勝ったらウィンさんには消えてもらいます…!」

「…分かった。やろう。」

 

だから決闘する。

決闘して自分の方が強いと示す。

それだけだ。

それだけでようやく兄は救われる。

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

「先攻は俺だな。…手札から一枚捨てて、速攻魔法"精霊術の使い手"を発動!いつもの如く"憑依連携"と"憑依覚醒"を選択。一枚伏せて一枚手札に。そして、今伏せた"憑依覚醒”を発動。さらに、魔法カード"テラ・フォーミング"を発動。"大霊術―「一輪」"を手札に加え、そのまま発動。」

 

霊使はいつもの如くデッキを回す。そこに何一つ迷いは見られない。

 

「そして、手札から永続魔法"三賢者の書(トリス・マギストス)"を発動!」

 

流れるように展開を図る霊使。そこにはもはや霊使を阻む壁は無かった。

 

「行くぞ!俺は"憑依装着―ウィン"を特殊召喚!」

 

現れるは霊使が全てを預ける真の相棒、ウィン。

彼女はランリュウを完全に憑依させて、装いも新たになっている。

 

「"覚醒"の効果で1枚ドロー!さらに今引いた"憑依装着―エリア"を"三賢者の書"の効果で特殊召喚!」

 

「ひょえ?」と情けない声をあげながら尻餅をつくようにフィールドに現れたエリア。

 

「あ!良かった!よりは戻ったんだね!?」

「言い方ぁ!」

 

言い方が余りにもアレであるが状況には合っている。

 

「それよりも。なんで彼女と決闘を?」

「いや、あいつが…ウィンと別れたほうが幸せになれるって抜かすからちょっと"理解(わか)らせ"ようと思ってね。」

「…なるほどねー。じゃあ、本気で行きますか!」

 

咲姫に対して本気宣言をするエリア。

 

「…さらにカードを一枚伏せてターンエンド。」

 

霊使LP8000

 

モンスター 憑依装着─エリア

憑依装着─ウィン

フィールド魔法 大霊術─「一輪」

伏せ 二枚

永続魔法 憑依覚醒

三賢者の書(トリス・マギストス)

 

フィールドに伏せてあるのは"憑依連携"であることは分かっている。

ならば、恐れることはない。

 

「…私のターン。ドロー。……手札からフィールド魔法"リボルブート・セクター"発動。」

「……!?」

 

咲姫が発動したカードは"リボルブート・セクター"。

そのカードにウィンが驚いた。

 

「……そんな!?咲姫ちゃんのデッキは"ドレミコード"だったはず!?それにあんなにクーリアさんと仲良かったのに!」

「………クーリア?ドレミコード?…私のデッキは今も昔も"ヴァレット"……!?」

 

ウィンの叫びに呼応するように咲姫の中に浮かぶビジョン。

それは、咲姫にとっては存在しない、それでも()()()()()()()()()事だ。

現にそのビジョンの中で出てきた女性のペンダント同じものを咲姫は身に付けている。

 

だが。

咲姫にとってはそのビジョンは邪魔者以外の何者でもない。

兄が出ていく前の記憶なんて必要ない。

止める事が出来なかった弱い自分は必要ない。

既に咲姫は過去を捨てていた。

 

「"リボルブート・セクター"の効果を発動…!この効果により手札から"ヴァレット"モンスター二体までを特殊召喚します…!来なさい!"マグナ・ヴァレット・ドラゴン"!"シェル・ヴァレット・ドラゴン"!」

 

咲姫は過去のビジョンを振り払うようにヴァレットモンスターを召喚。

 

「更に自分フィールドに"ヴァレット"モンスターが居るとき"アブソルーター・ドラゴン"は特殊召喚できる!」

 

更にモンスターを召喚する咲姫。

 

「手札から"竜魔導の守護者"を召喚!そして、このモンスターの召喚時にデッキから"融合"を手札に加える!そして、そのまま"融合"発動…!」

 

咲姫は自身の切り札で以て勝負を決めようとする。

 

「私は"竜魔導の守護者"と"アブソルーター・ドラゴン"の二体を融合素材とする。」

 

しかし、それは些か早すぎた。

 

「来なさい!"ヴァレルロード・F(フュリアス)・ドラゴン"!」

 

降臨する咲姫の切り札。

しかし、それは一瞬で退場することとなった。

何故なら───

 

「罠発動。"神の警告"。2000LPを払いその召喚を無効にして破壊する。」

 

カウンター罠を仕掛けていたからだ。

そして、咲姫のフィールドには"ヴァレット"下級モンスターが二体のみとなった。

そして、既に攻撃力はウィン達に届かない。

咲姫は失意の内にターンエンドを宣言。

しかし、霊使は隙を逃がさない。

 

「エンドフェイズ時に"憑依連携"発動。"憑依装着─アウス"を特殊召喚。その後、属性が二種以上あるため相手フィールド上の表側表示のカード一枚を破壊する。俺が破壊するのは"シェル・ヴァレット・ドラゴン"!」

 

そして、咲姫を守るモンスターは最早一体。

それに対して霊使は手札こそ少ない物の三体モンスター居る。次のドロー待つまでもなく、自分の敗けだ。

 

「…俺のターン。ドロー。手札から"憑依装着─ヒータ"を召喚。バトルフェイズ。」

 

そして、咲姫は四霊使いの総攻撃をくらいそのままライフが0に。

 

「……完敗、ですね。」

「そうだな。」

 

咲姫は自分でも知らない内に涙を流していた。

 

「…悔しい、です。」

「それは、俺を連れ戻せないことに、か?」

「…全く。意地が悪いんですから。分かっているでしょう?私は決闘でボコボコにされた事が悔しいってことくらい。」

 

咲姫もまた、決闘者だった。だが、同時に彼女は勝ちにこだわりすぎた。

過去を捨てても霊使の隣に立つことすらままならない。

それが辛くて。

苦しくて。

過去を捨てた事を後悔して。

それでも、光を求めて歩くしかなかったのだろう。

 

「私は羨ましかったんです。いつも兄さんに選ばれる彼女が。」

 

ぽつりぽつりと語りだす咲姫。

 

「ウィンが居なくなれば私に、私達に気付いてくれると思ったんです。……でも、逆でしたね。」

 

咲姫は困ったように頬を掻いた。

 

「ごめんなさい。」

 

それだけ言うと、彼女は闇に消えた。

 

「……ウィン。兄さんを、頼みます。」

 

そう書かれた紙を残して。

 

 

 




咲姫の真のデッキであるドレミコードはしっかり出します。

安心してください。

ただ、今回のお話はどうしても彼女に悪役になってもらわなければいけませんでした。
だから敢えて一番人気の無かったヴァレットを採用しました。
重ねて言いますが、ちゃんとドレミコードは出すので安心してください

水樹君のデッキ強化

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