「おい、どうした?中二病でも発症したか?」
「ちげーよ!?」
ある日の午後────
霊使は眼帯を付けて授業に参加していた。
克喜は中二病でも発症したかと疑い、奈楽は吹き出し、水樹と颯人は顔を俯けて笑いを堪えており流星は何処か罰が悪そうにしていた。
(ゴメ…霊使…似合って…フフッ…)
ウィンも心の中で吹き出してしまう。
しかし、霊使には筒抜けなわけで。
(今日、晩飯抜きな)
(そんな怒る!?)
ウィンには晩御飯抜きの罰を与えることにした。
勿論冗談なわけだが、ウィンは本気でおろおろしている。
(可愛い)
(まーたマスターのウィンの惚気が入ったー)
ヒータの呆れたような声が聞こえた。
つい、可愛いと思ってしまった霊使。
そして、その心を余すことなく受け止めることになるエリア、ヒータ、アウスの三人。
二人が付き合うようになったのは知っている。
だがここまで惚気られると、こう、口の中が甘くなるというか。
全身が砂糖になって儚く散るのではないかと錯覚するのだ。勿論、人間やカードの精霊が砂糖になるなんて起こり得ないのだが。
(というかいい加減説明したらどうですか?このままだと中二病認定されてしまいますよ?)
(まあ、私達の召喚口上考えてる時点でアウトだと思うけどねー。)
エリアが中々に痛いことを言ってくれるが、相棒に召喚口上が無いのは寂しすぎる。
それはそれとして、アウスの言い分も最もだったので改めて話をすることにした。
「話をしよう。あれは今から────」
事の発端は今日あった体育の授業だった。
体力テストを行う事で生徒それぞれの身体能力を計っていた。
霊使のクラスは人数が多いために二つのグループに別れて体力テストの種目をこなしていた。霊使と同じグループに入ったのは流星ただ一人だった。
霊使達のグループは今日|1500m≪持久走≫をやる予定になっていた。
しかし、前日のにわか雨で走る事には支障がないが、それでも少しばかりグラウンドはぬかるんでいたのだ。
だから、あんな悲劇が起きてしまったのである。
スタートと同時に霊使と流星が駆け出した。ボール投げや握力の記録は壊滅的だった二人だがそれ以外の競技はまあ、凄かった。
50m走では二人とも6秒前半で走り、反復横飛びでは軽々と70回越え。立ち幅跳びでは3m近い記録を叩きだし、更に流星は上体起こしの回数は50回を越え、霊使は長座体前屈で79cmというアホみたいな記録を樹立した。
この化け物染みた身体能力を持った二人はいつしか互いに対抗心を燃やして持久走に望んでいたのだ。
そんな二人が先頭を突っ走ったためか大体の生徒はハイペースに着いていけずどんどん失速。
二人は1000mを3分15秒で駆け抜ける。早くも先頭の二人でデッドヒートが起きる。
そして、その悲劇が起こったのはゴール前だった。
若干先行していたのは流星。
そのまま霊使を突き放すために加速を図った。
それが、間違いだったのだ。
足が思いっきり蹴りあがる。
そしてぬかるんだ土が霊使の眼球に直撃した。
「イッタイメガーッ!?」
そのまま霊使は横倒しに転倒。
ゴール1m手前で悶え苦しむ霊使。
「あぁあぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁぁあああ!」
悲鳴にならない声を上げる。
そして霊使は先生の取り計らいで再測定をすることになった。
そして保健室で眼帯を貰って今に至る。
以上が事のあらましである。
「…嫌な…事件だったね…。」
克己はそう言わざるを得なかった。
今回の件は言ってしまえば事故――――誰も悪くないのだ。
ただ、霊使の運が無かっただけ。
それだけで中二病判定はちょっと可哀そうな気がしたのだ。
「まあ、その、なんだ。どんまい、二人とも。」
さっきまで大爆笑してた奴に慰められても嫌味にしか聞こえないわけで。
「お前が言うな。ロリコン」
「…グハッ!?」
きついカウンターをお見舞いしてやることにした。
そして数日後――――
「本当に…笑って、すまん!痛すぎるわ、これ…!」
今度は克己がやらかした。
「目ぇ弱すぎだな。」
「お 前 が 言 う な」
こうして穏やかで騒がしい日々は過ぎていくのであった。
決戦の時は、近い。
あともう一話くらい幕間やったらキスキル達との決戦ですかね。
ミニキャラ紹介No10 風見颯人
精霊はガスタの巫女ウィンダ。
ぶっきらぼうで口下手。
実はウィンダが居ないとまともに日常生活ができないポンコツ。
好物はカレーうどん
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア