どういう…ことだ…?
評価して下さった方、本当に有難うございます!
「おーい、そろそろ時間だよー!」
霊使はそんな声に導かれて目を覚ます。
「ん…んんんぅ…」
「起きたー?」
目を開けると少女の顔が視界一杯に入ってきた。
「………!?」
「そこまで驚かなくてもいいじゃん!?」
霊使は状況が飲み込めず全力で縮み上がった。
その姿を見て、目の前の少女は少し不服そうな顔をする。
「全く…ビックリさせないでくれよなぁ。…なぁ、エンジェリア…?」
「いやー流石のボクもそこまで驚くとは予想外だったなぁ…。あ、そうそう、朝御飯の準備ができたよ。後、
少女───エンジェリアは要件を伝えると部屋から去っていった。
「さて…」
霊使は用意された服に着替えると、ウィン達を起こしに向かうのだった。
「おはようございます。霊使いさん。」
「おはよう、エリーティア。」
廊下で、青い髪の気弱そうな少女───エリーティアと遭遇した。
「ウィン達はもう、起きてるか?」
「ええ。起きてます。貴方を起こしにいくとウィンさんは言ってましたよ?」
「…まじか。」
「はい、大まじです。」
既にウィンが起きていた事と、霊使を起こしに行った事を伝えられ、大急ぎで引き返す。
途中でウィンとばったり会って、互いに笑いながら朝食へと向かった。
食事場では、出来立ての料理が湯気を立てて並んでいた。
「…なるべく、貴方達の世界の食材を使って調理してみた。口に合うといいんだけど…。」
「わざわざそんなに気を使わなくてもいいのに…」
「…家が無くなったのはクーリアとマスターの責任。気を使う使わないの話じゃなくてそれが最低限のルールなの…。」
「そういうものなの?グレーシアさん。」
「うん。そういうもの…。」
どうやら調理をしてくれたのは紫の髪を長くまとめ、物憂げな表情を浮かべた少女───グレーシアらしい。グレーシアはわざわざ霊使達の世界の食材を使って調理を行ってくれた。
「いただきます」
暖かな湯気を立てるスープを一口啜る。
「…ん!」
口の中に色々な食材の上質な旨味だけがとけだしたスープとしか言い様のないスープだった。
「旨い!」
「美味しい!」
霊使やウィンを筆頭としてそれぞれがこの筆舌にし難い──あまりにも上質なスープを飲み干す。
一見、なんの変哲もない目玉焼きや付け合わせのトマト。さらにはパンも。何もかもが別次元の味だった。
「せ…世界を跨いだだけで、こんなに美味しい料理に出会えるなんて…」
「…口にあったみたいで良かった…。」
それぞれが思い思いに朝食を楽しんだ。
「おはようございます。皆様方。」
「おはよう、ミューゼシア。」
ミューゼシアが霊使達を迎えに来た。
この天上の楽園から去るときがやって来たのだ。
「帰りたくねぇなぁ…」
「それなら、戦いが終わったらまたいらして下さい。…後、エリーティアかエンジェリアから話が有ったと思いますが、客人が貴方達の家にお見えになっているので。」
「何から何まで本当にありがとう、ミューゼシア。」
「いえ、やらかしたのはこっちですから。」
そう言ってミューゼシアは目の下に隈を作っている、半死半生の二人を別の部屋のベッドに寝かせたといい、そして、霊使の背中を軽く押す。
優しく、激励するように。
「それでは、また。」
霊使の視界は白く染め上げられた。
「おっと。」
光が収まると霊使の前には自室が広がっていた。
「おお…完璧に元通りだ…」
記憶の通りに調度品が並べられている。
記憶の通りに本が散乱している。
一体、どんな魔法を使ったのだろうか。
リビングに出てみれば、家電や家具、食器が記憶の通りに並んでいた。
家電の電源こそOFFになっていたが、それ以外は完璧だった。
「おお…。」
最早感嘆の息しか出てこない。
それほどまでに完全に元通りになっていた。
それと同時に客人がドアを叩く音がする。
「はーい」
そう言って、ドアを開ける。
そこに居たのは───
「アンタが四遊霊使で間違いないか?」
「新しい精霊ですよー?」
一組の少年少女だった。
「あ、ダルク君。ライナちゃん。久し振りだねぇ。」
「ええ、エリアさん。久し振り。」
「エリアさん久し振りー。」
少年少女を家に入れると真っ先にエリアが二人の名を呼んだ。
少年がダルクという名前で少女がライナという名前らしい。二人は"先輩"である四人を追い掛けてこっちにやって来たらしい。
「二人は何が目的なの?」
そう、エリアが聞いた。
すると、ライナとダルクは───
「貴女達のマスターがどんな人か確かめに来ました。」
「ついでにライナ達の新しいマスターさんになってもらおうかなーって。」
霊使を見極めにきたと言う。ダルク曰く四人の少女達を相棒にしてなおかつ強い決闘者が居るという噂が耳に入ったらしい。
二人を奴隷同然に扱う前のマスターからなんとか逃げ出し、"先輩"達のマスターである霊使を頼りになんとかここまで来れたという事を涙ながらに、悔しそうに話すダルクに霊使い全員がダルクの元マスターに怒りを抱いた。
「なあ、ダルク。教えてくれないか?そいつがどんな奴だったか。」
「教えて、どうするつもりだ?」
「控え目に言ってぶちのめす。」
「ピエッ」
霊使はと言うと、ダルクの話に出てきた元マスターに対して怒りの表情を見せる。
どうやら物凄い顔をしていたらしく、ライナは軽く悲鳴を上げた。
「……ふぅ、警戒した俺が馬鹿だった。…というか先輩達そんなにべったりくっついてる時点でいい人なんでしょうね。」
「確かに!」
しかし、そんな理不尽に怒る霊使はダルクにとって、好印象だったようだ。
というか、そもそもの話、悪人ならば、霊使にこんなにべったりと先輩達がくっついてる訳がない。
信じてもよさそうだと思ったダルクはおもむろに手を差し出した。
「貴方なら、信じても大丈夫そうだな。…俺達のマスターになってくれないか?」
「俺で良いんだな?」
「ええ。貴方が良いです。」
ダルクはそう言い、笑う。
「おお…。最近余り笑わなかったダルクが笑った。これはライナ的にも高得点ですよー?」
「ライナ、話の腰を折らないでくれ…」
ダルクがそうぼやく中、霊使はダルクの手を取った。
「……これから、よろしくな、ダルク。」
「はい……いや、よろしくな、マスター。」
二人は熱い握手を交わす。
「こ…これが男同士の友情…!」
ウィンは自分と霊使の関係とはまた違った関係を目にして、目が激しく眩んだ。
「あ、ダルク。すっかり忘れてた。俺の名前は霊使。四遊霊使だ。」
「いや、締まんないな!?知ってるし!」
そう言いながら笑い合う二人。
その姿を見てライナは鼻頭が少し、ツンとした。
そして────
「って、ああ!ライナとの契約を忘れないでぇぇぇええぇぇ!」
危うく契約し損ねで、宿無しの精霊になるところだった。
この後無事にライナは契約することが出来た。
また、目が覚めた咲姫は霊使の精霊が六人になった事で頭痛を覚え、また倒れたのだがそれはまた別の話である。
というわけでライダルコンビの登場回でした。
霊使の家に冠してですが、記憶の改竄を施された上での追放でしたので"別の家族は全員死んだ"という刷り込みをし、より強力に"偽物の記憶"を埋め込もうとするために割りと良い家に住んでます。
二階建てです。
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア