「相棒」   作:ダンちゃん1号

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決戦…!?キスキル・リィラ!

(……げぇ!)

(うへぇ…。)

 

決闘を開始した直後の手札を見て、、二人は心の中で悲鳴を上げた。

 

(初手モンスターゼロ枚…!?)

(初手魔法5枚…!?)

 

二人の手札が事故を起こしていたからだ。

しかし、相手にそれを悟られたら負けに繋がる。

それを見越して敢えて虚勢を張る二人。

 

「フフッ…!」

 

キスキルは微笑み、

 

「よし…!」

 

霊使はとても良い笑顔で笑い──

 

「「完璧な手札だ!」」

 

互いに良い手札だと言いきった。

そして、互いに身構える。

 

(あれ…?これ、不味いんじゃ…!?)

(何でそこで虚勢を張るのよ!キスキルのバカちん!)

 

キスキルは内心滅茶苦茶動揺していた。

虚勢を張ることで何とかなると思っていたが、むしろ逆だったかもしれない。

リィラも大分焦っていたが、何とかなる…はずだ、と自分を納得させていた。

一方、霊使は割と冷静だった。

確かに初手に魔法5枚はきついが、よく見ると"精霊術の使い手"や、"テラ・フォーミング"、"強欲で貪欲な壺"といった有用な魔法カードばかりであった。

ある意味では本当に"完璧な手札"と言えるかも知れない。

 

「俺の先攻だ!俺は手札を一枚捨て、"精霊術の使い手"発動!俺は"憑依装着─ウィン"と"憑依覚醒"を選択!一枚を手札に、一枚をセット!さらに俺は魔法カード"テラ・フォーミング"発動。俺はデッキから"大霊術─「一輪」"を手札に。そして、そのまま"一輪"を発動!」

(ああああ!)

(キスキル!思考を放棄しない!)

 

"完璧な手札"宣言の通りにどんどんデッキを回転させる霊使。キスキルはその様を見てメンタルがズタボロになりそうであった。

 

「まだまだぁ!俺はセットカードの"憑依覚醒"発動!」

「来る…!」

 

"憑依覚醒"は攻撃力1850───つまりは"憑依装着"達を召喚すれば1枚ドローできる。

キスキル達には霊使が次に召喚するカードが手に取るように分かった。

 

「風霊従えしものよ、精霊の力その身に宿し新たな風を巻き起こせ!"憑依装着─ウィン"召喚!」

 

現れるのは、幾多の決闘をともに乗り越え、名実ともに最高の相棒となったウィン。

そんな彼女は、杖を構えてこちらを見据える絵柄だったカードが、今は、ランリュウを首に巻き付け笑顔を浮かべている絵柄に変わっていた。

より絆が強くなったせいだろう。

今なら、ウィンの力を余すことなく引き出してやれる。

 

「"覚醒"の効果で一枚、ドロー!更に俺は魔法カード"強欲貪欲な壺"発動!俺はデッキから裏向きで10枚除外する!そして、二枚ドロー!。そして、カードを三枚伏せてターンエンド!」

「"完璧"っていうには程遠いんじゃないかい?本当に"完璧"なら…」

「…この"伏せ"がミラフォって可能性もあるんだけどな!」

「…む。」

 

霊使 LP8000

フィールド 憑依装着─ウィン

フィールド魔法 大霊術─「一輪」

伏せ ×3

憑依覚醒

 

"ミラフォ"―――正式名称は"聖なるバリア―ミラーフォース"。相手の攻撃に反応して発動するミラーバリア。その効果は"相手フィールドの表側表示のモンスター全てを破壊"するというシンプルながらに強力なもの。この時代では伏せ除去が多いために発動される前に対策されることが多いカードだ。しかし、最高のタイミングで発動出来た場合は、相手フィールドは壊滅する。

勿論霊使のデッキにミラーフォース等採用されていない。事故った手札を処理するためのただのブラフだ。

 

「…ごちゃごちゃ考えてたって始まらないねぇ。ワタシのターンだ!ドロー!ワタシは…手札を一枚捨てて速攻魔法"Live☆Twinエントランス"発動!デッキから"ライブツイン"モンスター一体を特殊召喚する!来い!"Live☆Twinキスキル"!」

「…動画のアバターじゃねぇか!」

「さすがに視聴者相手じゃばれるね!だが、キスキルの効果発動!デッキから―――」

「皆大好き"大霊術―「一輪」"の効果発動!その効果を無効にする!」

「…むぅ。…なら、手札からカードを一枚墓地に送って、魔法カード"サイバネット・マイニング"発動!」

 

相手フィールド上に現れたのはキスキルをカートゥーン調にしたようなモンスター。もちろん、アレはキスキルのアバターである。――そんなキスキルのアバターのモンスター効果は相方であるリィラの特殊召喚。しかし、その効果は無効となり、キスキルは仕方なくサーチ魔法である"サイバネット・マイニング"を使用したというわけだ。

 

「効果でレベル4以下のサイバース族モンスター一体を手札に加えさせてもらうよ!」

「対象は…"Live☆Twinリィラ"…か。」

 

キスキル達のアバタ―――"ライブツイン"モンスターはレベル2のサイバース族モンスター。

つまりは"サイバネット・マイニング"のサーチ対象である。

 

「まだ、通常召喚権は残ってる。だから、"Live☆Twinリィラ"を通常召喚!行くよ…!」

「現れて、夜空を切り裂くサーキット!」

 

あの時と同じだ。

キスキルをリンク召喚し、効果でリィラのアバターを蘇生し、その二体を用いてリィラをリンク召喚。

 

「…リィラの効果で、墓地の"Evil★Twinキスキル"を特殊召喚…!"キスキル"の効果で一枚ドロー。」

「"Evil★Twinsキスキル・リィラ(切り札)"は引けたか?」

「残念ながら…引けなかったねぇ…。でも、こいつがあれば!」

 

キスキルはそう言うと一枚のカードを差し出した。

 

「魔法カード"シークレット・パスフレーズ"発動。コイツはデッキから"ライブツイン"魔法カードもしくは"イビルツイン"罠カードを手札に加える事が出来るカード!」

「…だが、"Evil★Twinsキスキル・リィラ"はサーチ出来ないだろ?」

「…それはどうかな?」

「何!?」

 

キスキルは悪戯に成功したような無邪気な笑みを浮かべるとデッキからカードを一枚引き抜く。

 

「"シークレット・パスフレーズ"は自分フィールド上に"キスキル"モンスター、もしくは"リィラ"モンスターが居れば"イビルツイン"モンスターカードをデッキから手札に加える事が出来るのさ!」

「…!」

「ワタシは勿論、"Evil★Twinsキスキル・リィラ"を手札に!」

 

"Evil★Twinsキスキル・リィラ"は特殊召喚モンスター。召喚条件はリンクモンスター二体をリリースすること。そして、今、キスキル達のフィールドにはリンクモンスターである"Evil★Twin"達が居る。

 

「「夜空を駆ける怪盗達は今、一つとなりて闇も光もすべてを切り裂く!」」

「"Evil★Twinsキスキル・リィラ"!降臨!」

 

キスキル達の真の姿──二人で一つの怪盗。そして、そのカード効果は余りにも絶大なものだった。

だが、それを経験済みである霊使は対策位は立ててある。

 

「さあ、"Evil★Twinsキスキル・リィラ(ワタシ達)"の効果発動!」

「そうは行くか!罠発動!"夢幻泡影"!このターン"Evil★Twinsキスキル・リィラ"の効果を無効にする!」

「んなぁ!?」

 

キスキルが情けない声を上げる。

誰だってそうなるだろう。エースカードの効果を無効にされたら。

 

「…なら、ワタシはフィールド魔法"Live☆Twinチャンネル"発動。更にカードを一枚伏せる!」

「ところがどっこい!速攻魔法"ツインツイスター"発動!手札一枚を捨てて相手フィールドの魔法、罠カードを二枚破壊する!」

 

キスキル達の目論見を悉く潰していく霊使。

 

「あーもう、ターンエンド!これで"Evil★Twinキスキル・リィラ"の攻撃力は元に戻る!」

 

キスキル LP8000

フィールド Evil★Twinsキスキル・リィラ

 

果たしてこれを"リベンジ"と言っていいのだろうか。

なんというか友人とワイワイ騒ぎながら行う決闘というか。少なくとも決闘前に霊使が言っていた"楽しむ"という事を地で行く決闘である事は確かだろう。

 

「…えー…。」

「仕方ないでしょ!君のマスターが私達の戦術を悉く潰すから、攻めるに攻められないの!」

 

思わず声が漏れたウィンにリィラ顔を真っ赤にしながら反論する。

 

「それが決闘だからね…」

「俺達もあの時より少しは強くなってんだ!舐めてもらっちゃあ困る!」

 

キスキルはある種の諦念を抱いていた。

決闘に"必然"は無いのだと。

だから、霊使が戦術潰し───ロックという極単純でかつ、強力な戦法を取るのも頷けた。

霊使い達一枚一枚のカードパワーは確かに低い。

しかしながら霊使のデッキはその低いパワーを補いかつ、戦術の中心には霊使い達が居る。

正しい意味での"力を引き出す"デッキなのだ。

 

「うっし…俺のターン…!ドロー!永続魔法"三賢者の書(トリス・マギストス)"発動!更に"三賢者の書"の効果で手札のレベル4の魔法使い族モンスター一体を特殊召喚。」

「……さて、次は誰が来るかな…」

 

霊使は既に霊使い達に全てを預けている。

だから、誰が来るかなんて事はどうでもいいのだ。

ただ、引いたカードを召喚するだけ。

 

「水霊を従えしものよ、精霊の力その身に宿し清き流れを呼び起こせ!"憑依装着─エリア"召喚!」

 

次に現れたのはエリア。

なんというか、やけにこの二枚を召喚している気がする。

 

「"覚醒"の効果で一枚ドロー!…俺は更にモンスターを伏せて、ターンエンド。」

 

思ったより、ドローカードが芳しく無かった。

ただ、引いても困るようなものでもない。

大方キスキル達も霊使が何を伏せたかは察しているだろう。

手札不足で困ったときに、逆転を狙えるカード。

メタモルポット―――通称メタポである。

 

霊使 LP8000

フィールド   憑依装着―ウィン

        憑依装着―エリア

        伏せモンスター(メタポ)

フィールド魔法 大霊術―「一輪」

魔法・罠    伏せ×1

        憑依覚醒

 

「ワタシのターンだ。…ドロー!このまま攻撃に移るよ!私は"Evil★Twinsキスキル・リィラ"でセットモンスターを攻撃!」

「この瞬間に罠発動!"憑依解放"!」

 

憑依解放―――このカードが"魍魎跋扈"と対を為すもう一つの相手ターンでの展開札。

 

「このカードは自分フィールド上のモンスターが破壊されたときにデッキから元々の属性が異なる守備力1500の魔法使い族モンスター一体を表側表示、もしくは裏側守備表示で特殊召喚すことができるカードだ!」

 

このカードは自分のモンスターの破壊をトリガーとして、守備力15000の魔法使い族の後続を召喚できる。

そして、破壊されるモンスターに条件はない。

 

「そして、俺の伏せモンスターは"メタモルポット"!」

「互いに手札を捨てて5枚ドロー…!」

 

しかし、霊使には"覚醒"がある。

 

(…これで実質手札は七枚…!)

 

"覚醒"がフィールド上に存在する限り、霊使は攻撃力1850のモンスターが出れば1ドローできる。

一ターンに一度という縛りがあるが、大きく、手札アドバンテージを稼がれてしまう。

 

「…俺は、守備力1500の"闇霊使いダルク"を裏側守備表示で特殊召喚。」

「…なら、カードを四枚伏せてターンエンド…!」

 

キスキル LP8000 

フィールド Evil★Twinsキスキル・リィラ

魔法・罠  伏せ×4

 

(わざわざ…一枚ドローを…捨てた?)

(分からない…でも、なんか嫌な予感がするわ…)

 

キスキル達はまだ"霊使い"の効果を知らない。

何故なら、霊使が今までずっとキスキル達にひた隠しにしてきたからだ。

言ってしまえば、それはデッキの構成上のたまたまなのだが。

 

「…俺のターン!ドロー!俺は"闇霊使いダルク"を反転召喚!このカードのリバース時、相手の闇属性モンスター一体のコントロールを得る!…俺は"Evil★Twinsキスキル・リィラ"を選択!」

「…なら、このタイミングで罠発動。"メタバース"!効果により、フィールド魔法"Live☆Twinチャンネル"を発動させてもらうよ。」

「…その後、"Evil★Twinsキスキル・リィラ"は俺のコントロール下に入る。」

 

ダルクが杖を一振りするとキスキル達が引っ張られるように、霊使達のフィールドにやってきた。

あくまで対峙している状態なので互いに向き合ったまま、距離だけが近づいた感じだ。

だが。

今までに無いほどキスキル達は動揺していた。

そう、顔が近いのだ。

誰の顔が近いのか。

それは勿論、霊使のである。

 

「ん゛ん゛っ!」

「お前もかよ…。」

 

濡れているような、吸い込まれるように黒い黒髪を短く切りそろえ、ほんの少しだけ吊り上がった目は見る者に勇ましさを感じさせる。

その闘争心満々な、しかしながらどこか幼さを感じる霊使の顔に不覚ながらときめいてしまったのだ。

ちなみにダルクを除く霊使い全員が霊使の顔にときめいている。

 

「まぁいいや。取り敢えず、"闇霊使いダルク"と"Evil★Twinsキスキル・リィラ"をリリース。」

「…マスター、ストップ!このままじゃ――――」

「デッキから"憑依装着―ダルク"特殊召喚。」

 

霊使は取り敢えず特殊召喚することを選択。

いつもは手札から直に召喚している憑依装着。

しかし、本来は霊使い達の強化形態だ。

召喚条件は対応する霊使いと同じ属性のモンスターをリリースすること。

そして、"装着"というように対象のモンスターを模した衣装になることが多い。

しかし、霊使はそんな事は露知らず、ダルクとキスキル達を容赦なくリリース。

つまり―――

 

「…やめろ…!そんな目で俺を見るな二人ともぉ!」

 

フリフリな衣装に赤と青のチェックが入ったニーハイをはき、ミニスカートをヒラヒラさせた―――端的に言えば、女装したダルクが出来上がったのだ。

 

「わ…割と違和感ないね…」

「…ごめん、さっぱり訳が分からないよ…」

 

先ほどまでのシリアスな空気は完全に死んでいた。

 

「こんなはずじゃないのにぃ!」

 

完全に、顔が真っ赤になるダルク。

 

「…一応、世界の命運をかけた―――とまではいかないけど…割と重要な決闘だよな…?」

「そのはずなんだけど…ねぇ…」

「やっぱキスキルもレイジくんも、あれだね。シリアスなんて似合わないよ。」

「……あー確かに」

 

緩い空気の中で着々と進む闇の決闘。

 

「…ふざけるのは、ここら辺にしようか。"覚醒"の効果で一枚ドロー。…俺は、"ダルク"が自身の効果で特殊召喚されたときの効果を発動!デッキからレベル3か4の光属性・魔法使い族モンスター一体を手札に加える。俺が手札に加えるのは"憑依装着─ライナ"!」

 

ライナとダルクには特別な繋がりがある。

だからダルクはライナを呼べるし、ライナもダルクを呼べる。

 

「俺は"三賢者の書"の効果で手札のレベル4魔法使い族一体を特殊召喚する。"憑依装着─ライナ"召喚!」

「ようやく出番だよぉ~。」

「……気を引き締めるぞ、ライナ。」

 

そして、まだ通常召喚権が残っている。しかし、敢えて召喚しない。

少なくとも、メインモンスターゾーンを一つ開けておきたいのだ。

 

「…ライナ召喚時に罠発動!"Evil★Twinチャレンジ"!効果で墓地の"キスキル"または"リィラ"モンスターを蘇生する!"Evil★Twinキスキル"召喚!さらに速攻魔法"サイクロン"発動!」

「…しまった!」

 

速攻魔法"サイクロン"。

相手フィールド上の魔法・罠カード一枚を無条件で破壊できる強力無比なカード。

 

「狙いは効果を無効にする"一輪"か!」

「勿論!メインフェイズ終了時に"Evil★Twinキスキル"の効果発動!自分フィールド上に"リィラ"モンスターが居なければ墓地の"リィラ"モンスター一体を特殊召喚できる…ワタシは"Evil★Twinリィラ"を特殊召喚!さらに、リィラの特殊召喚成功時に効果発動!破壊するのは勿論、"憑依覚醒"!」

 

相手フィールド上にはキスキルとリィラが居る。さらには一輪も覚醒も破壊された。

これでまた、"Evil★Twinsキスキル・リィラ"の召喚条件が整った。なんとしてでもこのターンで決着をつけなければならなくなってしまった。

 

「バトルだ!"憑依装着─ライナ"で"Evil★Twinキスキル"を攻撃!」

「そうはさせないよ!"Live☆Twinチャンネル"の効果で"Evil★Twinキスキル"をリリース。そして、その攻撃を無効にする!」

「な…ッ!でも、まだだ!"憑依装着―ダルク"で攻撃!」

「罠発動!"攻撃の無力化"!これで、このバトルフェイズは終了だよ!」

 

結局、破壊することは叶わず、リィラをフィールド上に残してしまう。

しかも効果を使っていないというおまけ付きで。

 

「…俺は二枚目の"覚醒"を発動。さらに永続魔法"妖精の伝記(フェアリーテイル)"発動。さらに、カードを二枚伏せてターンエンド。」

「エンドフェイズ時に"Evil★Twinリィラ"の効果発動!墓地から"キスキル"モンスター…"Evil★Twinキスキル"を蘇生。…その後"キスキル"の効果で一枚ドロー。」

「…改めてターンエンドだ。」

 

霊使 LP8000

フィールド   憑依装着―ウィン

        憑依装着―エリア

        憑依装着―ライナ

        憑依装着―ダルク

魔法・罠ゾーン 憑依覚醒

        妖精の伝記(フェアリーテイル)

        三賢者の書

        伏せ×2

 

「私のターンだ。…ドロー!ワタシはフィールド上の二体のリンクモンスターをリリースして、墓地の"Evil★Twinsキスキル・リィラ"を特殊召喚させてもらうよ!」

「なら罠発動!"メタバース"!俺はデッキから、"大霊術―「一輪」"を発動!」

「…"Evil★Twinsキスキル・リィラ"の効果を発動…。」

「…"一輪"の効果で無効化だ。」

 

再び現れる二人の切り札、"Evil★Twinsキスキル・リィラ"。

霊使のフィールドのカードを二枚まで減らす効果こそ無効にされたものの、それでも、攻撃力4400は驚異的な数値だった。

 

「バトルだよ…!"Evil★Twinsキスキル・リィラ"で"憑依装着―ライナ"に攻撃!」

「"妖精の伝記"の効果で元々の攻撃力が1850のモンスターが居る限り、一ターンに一度、俺が受けるダメージは0になる!」

 

ライナはキスキル達の攻撃に耐えきれず気絶。

しかし、ライナが散り際に生み出した光の尻尾が霊使を衝撃から守ってくれた。

 

「…バトルは終了…メインフェイズ2になるねぇ…お生憎さまだけど、これで、ターンエンド。」

「なら、このタイミングで、"憑依連携"発動!俺は"憑依装着―ライナ"を特殊召喚!さらに属性が二種類以上ある時―――は、もちろん満たしてる!俺は"Live☆Twinチャンネル"を破壊する!」

「げ。」

 

辛うじて、ライフを減らさずに済んだ霊使。

しかしながら、攻め手にかけていた。

 

「…俺のターンだ。…ドロー!…このターンで、決める!」

「…!へぇ?なかなかなこと言うね?…じゃあ、やってみなよ!」

「分かったよ…取り敢えず、速攻魔法"サイクロン"発動!…お前の伏せカードを破壊する。」

 

突風で消し飛ばされるキスキル達の伏せカード。

 

「…"神風のバリア―エア・フォース―…!全バウンスされるところだった…!」

「危なかったね…。これしか攻撃を防ぐ手段が思いつかなかったんだね。」

「…そうだね。大分追い詰められてる。…でも、君だってそうじゃないかい?…今の君達じゃ、どう足掻いても攻撃力4400のワタシ達を破壊できない。状況はこっちよりなんだ!」

「…そいつは、どうかな?」

「…え?」

「あっと驚くモノを見せてやるよ!俺は"一輪"の効果発動!手札の魔法使い族モンスター一体を相手に見せる!俺は、手札の"憑依装着―ウィン"を公開する!そして、相手に見せた属性と同じで攻撃力1500、守備力200のモンスター一体を手札に加える!…俺は、"ランリュウ"を手札に!その後、見せたカードをデッキに戻す。」

 

デッキから、風に導かれて一体のモンスターが手札に加わった。

確かにキスキル達の言う通り、全てのメインモンスターゾーンを使用しても攻撃力は4150…キスキル達の4400には及ばない。

ならば、EXモンスターゾーンを使い、6()()()()()()()()()()()()()()

 

「"ランリュウ"は、自分フィールド上に魔法使い族モンスターが居れば特殊召喚できる。」

「…!?何をするつもりだい…!?」

「何をって…こうするつもりだ!」

 

霊使は腕を高々と上げると、大声で叫んだ。

勝利への鍵をこの世に顕現させるために。

 

 

「現れろ…!」

 

「まさか…!」

 

「風霊導くサーキット!」

 

本来、存在しないはずのサーキットの、名を呼んだ。

 




覚醒の時がやってきました。
今ここで軽くいっちゃいますし、本編でも言ってた通りなんですが、キスキル達はマスターの命が最優先です。
だから、決して悪人ではありません。

水樹君のデッキ強化

  • ネクロス
  • リチュア
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