小夜丸を何とか無事に送還中の霊使一行。
ウィンと小夜丸の間には完全な上下関係が出来上がった。
だからなんというか、ウィンと話すときのときの小夜丸は一言で言ってしまえばチワワだ。
そう、チワワなのだ。
ぷるぷると顔を震わせる姿が、涙に潤んだその目が完全にチワワなのだ。
「あーあ。どうするよ、ウィン…」
「…私はわるくないもんっ!」
「いや、かわいいなおい。」
どうやら小夜丸の行為がそうとうウィンの琴線にふれていたらしい。
いや、言わんとすることは分かる。
だが。
あそこまで徹底的にやる必要はあったのだろうか。
いや、無かったはずだ。
これで再起不能にでもなったらさすがに気まずい。
一方、マスカレーナは小夜丸に霊使とウィンの関係を語っていた。
その話を聞いて、何故、自分があそこまで黒い感情を向けられたか理解したようだった。ウィンに誠心誠意謝罪をすればすぐにウィンも許した。
「……うう。人の心の機微とはとても難しいですね…」
「そういうものなの。だから、真に心が通じ合った人がいるならその人を奪われたくないって思うんだよ。そして、大切な友人を失いたくないって思っちゃうんだ。」
「…なるほど。…ん?それはつまり、ほーん…なるほどそういう事ですか…。ってはぁ!?」
「どういう事?」
「い…いえ!何でもないです!」
小夜丸はウィンの言葉にどこか納得している自分が居るのに気が付いた。
感じていたのだ。
この少女にとって、この男が「真に心が通じ合っている」相手なのだと。
まさか「人生」の相棒になっているだなんて思いもしなかったが。
「あ、ここです。本当に色々と申し訳ありませんでした。…最後にひとつだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」
小夜丸はバイクのサイドカーから飛び降りると霊使に最大の問を投げかけた。
小夜丸の疑問は霊使がこれだけの精霊を集めて一体何を目的にしてるかだ。
そもそも一人で精霊八体を率いるなんて聞いたことのない事象だ。
警戒心を露わにして霊使を見つめる小夜丸にほんの少しだけ笑って霊使は答えた。
「…俺がこの世に残るため…かな。」
「…は?そ、それって…!?」
「そのままの意味さ。ウィン達霊使いを除く六属性全ての精霊と契約しなきゃ俺が俺でなくなる。…ただ、それだけだよ。…見てくれよ、この傷。アイツ、絶妙に急所を避けて、失血死させようとしやがった。…ま、そのせいで、俺は死にかけ。今は半分精霊って感じさ。人間の俺はその時死んだのさ。」
「…だから、精霊の力を欲しているんですね。…良かったです。貴方たちを執行対象にせずに済みました。」
小夜丸は霊使の回答に満足気に頷くと、周りを確認してから、小さな声で霊使とウィンに囁いた。
「…私はここまでしか協力できません。一応S-Forceの一員なので…個人に協力しすぎるのはよくないんです…。だから、これだけ。…
「やっぱりか…!」
跳ね返るように後ろを見るウィン。確信していたようにゆっくり振り返る霊使。
そこには無邪気な顔で人々を襲う少女の姿と複数の人影があった。
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「ねえ、おじさん。力、貰っていい?…ま、答えは聞いてないけど。」
自分はは今まで普通の人生を送ってきたはずだ。
この世界の根幹を為すソリッドビジョンの開発を行い、新たなカードを創造する。
決闘を壊さない程度の強さを持ったカードを何枚か作って、は世に出した。
普通というには少しばかり順風満帆だったが。
それでもまだまだ人生に満足はしていなかった。贅沢かもしれないがもっともっと幸せになりたい。そう思った。
そう思っていた。彼女に目を付けられるまでは。
それは、本当についさっきの事だ。
その少女に「力が欲しい」とねだられ、気づけば、へなへなと座り込んでいた。
何が起こったのか分からなかったが、ただ、「自分はここで死ぬ」という漠然とした確信があった。
「うーん…中々おいしいね。よっぽどいい生活してたんだろうなぁ…」
無邪気に少女は嗤う。
その目は既に自分には向けられていなかった。
呪眼に魅入られた男が最期にみたのは巨大な口を開けて飛び掛かってくる大蛇でだった。
「―――――ッ!」
声を上げる間もなく一飲みにされた。
自分はこんな所で餌として、一生を終える。
その事実だけが残った。
「おいしかったよ。」
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悍ましい光景を見た霊使一行はその少女の前に躍り出ていた。
男から何かを「奪った」少女はその男を大蛇の餌にしたのだ。
流石にそれを見過ごすほど霊使達は穏やかな気性をしていない。
何故ならその少女は余りにも無邪気に人を殺したからだ。その異常性は推して知るべしだろう。
「…あっ。…マスターの探し人だ。」
「…なに?」
「んふふ…。ちょうどいいや!
その少女はマスターの探し人とクルヌギアスの方を向いて言った。
「…そうか。貴様等か。妾の封印を解いたのは。だが、残念だったな。既に契約の枠は余ってないぞ。」
クルヌギアスはそう返す。
しかし、その少女はそんなこと知ったことかと話を続けた。
「ついでにマスターの始末対象までいるし♪」
「――――ッ!」
その発言で全てを悟った霊使。
前回の襲撃ではアイツが自分の事を「末弟」と呼んでいた。
つまり、この少女のマスターは四道の人間だ。その人間が
「さて…と。今回尾行してる奴は誰だ?」
「気づいていたのね…。なんだか複雑な気分。今まで歯牙にもかけなかった相手を始末するなんて。どうせアンタには記憶がないでしょうから、自己紹介してあげるわ。私は
真子はゆっくりと決闘盤を差し出す。
かつて空也が使っていた決闘盤と同じタイプのものだ。
互いを拘束して
それを向けられたということは決闘の相手をするという事と同義である。
しかも相手は明確な敵意を持っている。おそらく、相手は闇の決闘を仕掛けてくるだろう。
「…良い餌がたくさんあるねっ。ザラキエル様。」
「そうだな。…すべてを奪って我らの糧にしてくれよう。良いな?マスター。」
「ええ。でも…ゴスロリ女神だけはダメよ?」
「…承知した。」
既に相手は勝ったつもりでいるようだ。
こちらとしても糧になるのは勘弁である。
「……さて、と。アイツ等の自尊心へし折ってやろう。行くぜ…皆ァ…!」
「かかってらっしゃい。全部、吸いとってあげる…!」
こうして、生まれ変わった霊使は新たな戦いに挑む。
新たな仲間を加えて新たな戦いが幕を開ける。
「…なら、私のターンね。…ドロー。私はフィールド魔法"呪眼領閾―パレイドリアー"発動!効果でデッキから"眷現の呪眼"を手札に加えるわ。…さらに私は魔法カード"手札断殺"を発動。互いに手札を二枚捨てて二枚ドローよ。…ふむ。」
真子は少しばかり偏っていた手札を"手札断殺"で調整。さらに"パレイドリア"の効果で必要なカードの内の一つを持ってくることができた。
「…私は"呪眼の死徒サリエル"を通常召喚。効果でデッキから"セレンの呪眼"を手札に加えるわ。そして、そのまま"セレンの呪眼"をサリエルに装備。」
白髪の男に赤いレンズの入った片掛眼鏡のようなものが装備される。その姿はまさに"ザラキエル"にそっくりだった。
「私は、魔法カード"眷現の呪眼"発動!本来は"呪眼の眷族トークン"一体を特殊召喚するカード…。けれど、"セレンの呪眼"があれば"呪眼の眷族トークン"二体を特殊召喚できるカード!現れなさい!二体の"呪眼の眷族トークン"!」
相手フィールドに現れるのは爬虫類の目"だけ"がそこにある、とてつもなく歪なトークンモンスターであった。
それが、二体。
「ヒエッ…」
思わず小さな悲鳴を上げてしまうウィン。
というか、霊使も若干悲鳴を上げそうになった。
だって、むき出しの目がギョロギョロしているのだ。気持ち悪いことこの上無い。
「ふふっ…お子様には少しばかり刺激が強かったかしら?」
「よし。ぶちのめそう霊使。」
「おっ、そうだな!」
真子の挑発に完全に乗ってしまった霊使とウィン。
ウィンも霊使もお子様扱いされたされたことに関してガチで切れていた。
といっても真子にはそんなものだろう。
「ああ、可愛い…。全部奪って私が飼ってあげたいくらいだわぁ…!」
「なんだコイツあぶねぇぞ!?」
明らかにやべぇ奴であることだけがわかる。
おそらく、敗北すれば碌でもない目に合う事だけは確かだ。
「さぁ、全部奪ってあげる!"セレンの呪眼"の効果発動!私が"セレンの呪眼”を装備したモンスターが効果を発動する、もしくは私が"呪眼"魔法・罠カードが発動するたびに装備モンスターの攻撃力を500上昇させ、私はライフポイントを500失う!"ライフ・アブゾーブ"!!」
真子 LP8000→7500
真子の体から赤い光が漏れる。
その光はサリエルの体に吸い込まれ明らかに力が増した。
「…魔法カードによるパンプアップか…!」
「ええ。これでサリエルの攻撃力は2100よ…!さらに私は永続魔法"静冠の呪眼"を墓地の"眷現の呪眼"を除外して発動!この効果により一枚ドロー!そして、"セレンの呪眼"の効果が発動!"ライフ・アブゾーブ"!」
真子 LP7500→7000
再び攻撃力が500ポイント上昇。
攻撃力は下級モンスターにしては驚異の2600に到達。
「これで…条件が整ったわ!現れなさい。呪いで満ちる未来回路!」
そして真子はリンクマーカーを呼び出した。
「私は攻撃力2600の"サリエル"と二体の"呪眼の眷族トークン"をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!」
サリエルと二体のトークンがリンクマーカーに吸い込まれる。
そして、遂に、呪眼の王が姿を現す。
その姿は正に"歪"だった。
頭部はサリエルとそう大差ない。
しかし、首から下が明らかに異常だった。
「呪いの力を取り込みし王よ!その力を以て、あまねく災いを振りまき、全てを滅ぼす呪いを齎せ!リンク召喚!現れなさい、"呪眼の王ザラキエル"!」
その首の下は完全に黒く染まっており、所々目玉が覗いていた。
「まさに悪魔だな…!」
そして、いきなりのリンク3モンスター。
つまりは相手は初ターンから切り札を切ってきたことになる。
「ふふッ…更に、墓地にある"セレンの呪眼"の効果発動。1000LPを支払い、自身の墓地にある"呪眼"魔法・罠カードを除外することでこのカードをセットできるわ。そして再び"セレンの呪眼"発動。今度は"呪眼の王ザラキエル"に装備。」
ザラキエルの手に収まったその呪いの目は明らかに今までとは違う力を宿していた。
否。
呪眼によってさらにザラキエルが強くなったという所だろうか。
「ザラキエルは攻撃力2600以上のモンスターをリンク素材にしたときに二回攻撃できる…ま、今は先攻一ターン目だから攻撃も何もできないけれど。…これで、ターンエンドよ。」
真子 LP6000
フィールド 呪眼の王ザラキエル(セレンの呪眼装備)
フィールド魔法 呪眼領閾―パレイドリア―
魔法・罠ゾーン 静冠の呪眼
どうやら相手のデッキは"呪眼"。様々な代償を払うことで相手に多量のデバフを撒く厄介なんてレベルじゃないデッキだ。おまけにザラキエルは二回攻撃に加えターン一で自分のカードを破壊し、おまけにセレンの呪眼せいで戦闘・効果では破壊されず、追い打ちをかけるように対象に取られないというなかなかにぶっ飛んだ性能をしている。そう、ダルクが教えてくれた。
霊使の強みはある程度とはいえ、霊使い達から相手のデッキについて聞けることだ。
今まで何回この説明に助けられてきただろうか。
この説明に頼らずとも勝てるだけの実力は霊使にはあるが、相手が相手だ。
四道の人間に負けるわけにはいかない。
「俺のターン。…ドロー!俺は永続魔法"三賢者の書"発動!」
「なら、"ザラキエル"の効果を発動するわ。その"三賢者の書"を破壊する。そして"セレン"の効果が発動するわ。"ライフ・アブゾーブ"!」
真子 LP6000→5500
どうやら、三賢者の書は破壊されてしまったようだ。おまけにこの効果でザラキエルの攻撃力は3100。どうにもこうにもこのターンでは突破できなくなってしまった。
唯一の救いは未だに手札に"妖精の伝姫"があることである。
「よし…俺は手札から魔法カード"強欲で貪欲な壺"発動!デッキの上から十枚除外して二枚ドローだ!そして、俺は手札を一枚捨てて速攻魔法"精霊術の使い手"発動!効果でデッキから"憑依覚醒"と"憑依連携"を選択!その後一枚セットして、一枚を手札に加える!」
そしてさらに手札には"精霊術の使い手"もあった。
こう考えてみると、相手は少しばかり"三賢者の書"を警戒されすぎな気もするが、これで有利な盤面に持ち込むことができた。
「俺は今伏せた永続魔法"憑依覚醒"を発動!そして、俺は"
今回の霊使のデッキは少しだけ"カグヤ"達"
もしかしたら、前のデッキ構成に戻すかもしれないがとにかく今はこのデッキでやれるところまでやってみる。
「さらに"妖精の伝姫"の効果発動!自分フィールド上に同名カードがない攻撃力1850のモンスター一体を通常召喚する!来い!"シンデレラ"!」
もしかしたらだが、この決闘、余りにも霊使いたちの出番が少ないかもしれない。
後で、何かしらで慰めてやらないとなぁ、などという暢気な事を考えていた。
「さらに自分フィールド上に魔法使い族モンスターが居る時、"稲荷火"と"ランリュウ"は特殊召喚できる!行くぜ、現れろ!世界を繋ぐサーキット!」
相手がリンク召喚を行うというならばこちらもリンク召喚で対抗する。
だが、新しい仲間が加わった今の状況では彼女たちを活躍させてやりたい。
それはそれとして絶対にウィンは召喚するが。
「召喚条件はリンクモンスター以外のモンスター二体!俺は"カグヤ"と"シンデレラ"をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!LINK-2、"I:P マスカレーナ"!」
そういうわけで新たな仲間の内の一人であるマスカレーナをリンク召喚。
そして改めて効果を確認して霊使は思わずにやついた。
相手の心をへし折る準備が完了したのだ。
「…俺はカードを二枚伏せてターンエンド。」
しかし、今は攻撃力においてザラキエルを超えるモンスターは居ない。
故にターンエンドを選択。
霊使 LP8000
フィールド I:P マスカレーナ
妖精伝姫―カグヤ
妖精伝姫―シンデレラ
魔法・罠ゾーン 憑依覚醒
妖精の伝姫
伏せ×2
「…私のターンね。ドロー…。」
真子はこの時に何かを感じていた。
"絶対にヤバい何かがある"と考えていた。
そうでなければ、攻撃力3100の二回攻撃を行うことができるザラキエルを前にして3体ものモンスターを残さない。つまり、考えられるのは壁役か、"ヤバい何か"の二択だ。
イイ。とてもいい。
ただの弱者の排除だと思っていたがなかなかいい仕事じゃないか。
思わず口角がめくれ上がる。それほどまでに目の前の相手を征服して支配したい。
「あぁ…ぞくぞくするわぁ…!霊使ィ…!強くなったアンタを壊して、私が飼ってあげる…!"ザラキエル"の効果を発動!対象は"I:P マスカレーナ"!」
「かかったなアホが!"マスカレーナ"の効果発動!」
しかし、彼女の願望は叶う事は無かった。
彼女は"マスカレーナ"の効果を知らずに、効果を発動を許してしまったのだ。
「現れろ…。冥神導くサーキット!」
「相手のターンにリンク召喚ですって!?」
マスカレーナは飛び上がったかと思うと上空にリンクマーカーを形成。自らその中に突っ込んでいった。
「アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター4体以上!俺はLINK-2の"マスカレーナ"に"ランリュウ"、"稲荷火"そして、お前のフィールド上の"呪眼の王ザラキエル"の四体をリンクマーカーにセット!…サーキットコンバイン!」
自ら進んで入っていった三体のモンスターとは異なり、ザラキエルはリンクマーカーから漏れる闇によって無理矢理リンクマーカーへ取り込まれる。こうして上、右上、右、右下、下の計五つのリンクマーカーに光が灯る。
「光届かぬ闇の底、
そして姿を現すクルヌギアス。
彼女は影の竜を従え、悠々とそこに立っていた。
「"マスカレーナ"はこのカードと自分フィールド上のモンスターでリンク召喚を行うカード。そして、"クルヌギアス"は相手のモンスター一体をリンク素材にすることができる。…言ってしまえば"よっぽどの事が無い限り100%の除去"が行えるコンボってところだ。"フォーミュラ・シンクロン"と"シンクロ・マテリアル"を使ったコンボと同じだな。更に、"マスカレーナ"はこのカードをリンク素材としたリンクモンスターに効果破壊耐性を与える。」
ザラキエルの力を吸収したことでついにこの場に顕現したクルヌギアス。
改めてクルヌギアスの力の強さを感じる。
本当にライナが霊術をぶっぱなしてくれなかったら今頃ウィン共々野垂れ死んでいただろう。
霊使いはライナの行動にキレていたが。ライナには本当に感謝し足りない。
「…そして、クルヌギアスは自身を対象とした効果以外の相手が発動した効果を受けない。おまけに破壊耐性付きだ。」
「対象を取るバウンスか、除外くらいでしか除去できないってわけね…!」
「そーゆー事だ。」
「…でもまだ私のターンは終わってないわ…!私は"呪眼の死徒メドゥサ"を召喚!」
諦めずに反撃の糸口を掴もうとする真子に霊使は追撃をかける。
「罠発動!"憑依連携"!このカードはは墓地の守備力1500の魔法使い族モンスター一体を特殊召喚できる…!」
真子は知らないだろうが霊使は最初の"精霊術の使い手"できっちりと墓地に条件を満たすモンスターを落としてある。こうすることでハンデスの対策になるからだ。
つまりそれは、霊使にとっての"魂のカード"そのものである。
「風霊従えしものよ、精霊の力その身に宿し新たな風を巻き起こせ!行って来い!"憑依装着―ウィン"を特殊召喚!」
「よ…ようやく出番がきた。…行くよ。」
「さらに"連携"は特殊召喚した後、自分フィールド上に属性が二種類以上あれば相手フィールド上の表側表示のカード一枚を破壊できる。俺は、"呪眼の死徒メドゥサ"を粉砕!」
ウィンの急襲によりメドゥサは破壊され、真子のフィールドは再びがら空きとなる。
そしてウィンとクルヌギアス。この二体のモンスターはどう足掻いたって今の手札では突破できない。
「…そんな…!?」
「俺の仲間を奪わさせたりなんざさせない。…少しばかり舐めすぎたな!ついでに罠発動!"メタバース"!俺はデッキから"魔法族の里"を発動させてもらう。このカードは自分フィールド上にのみ魔法使い族モンスターが居る時、相手の魔法を封じる。今のアンタは、サイクロンも、ツインツイスターも何も撃てない。」
「…ターンエンド。」
真子 LP5500
フィールド モンスター無し
フィールド魔法 呪眼領閾―パレイドリア―
魔法・罠ゾーン 静冠の呪眼
(あの、落ちこぼれが…なんでここまでの力を…?)
真子は苦戦することはあっても負けないと信じていた。
年下の妹より弱く、キーカードは攻撃力1850の雑魚。
そんな相手に敗北が確定するところまで追い込まれている。
恐らく、墓地にある、"超電磁タートル"は分かっていないはずだ。
だが、そうして一ターン稼いだ所で一体何ができるというのか。
「俺のターン…ドロー!俺は手札から魔法カード"貪欲な壺"発動!"マスカレーナ"、"稲荷火"、"ランリュウ"、"シンデレラ"、"カグヤ"の五枚をデッキに戻し、二枚ドロー!…更に俺は手札から速攻魔法"墓穴の指名者"発動!お前の墓地の"超電磁タートル"を除外!そして、このターンは、"超電磁タートル"の効果は使えない!更に俺は"妖精の伝記"の効果で、"憑依装着―ダルク"を通常召喚し、さらに"憑依装着―アウス"を召喚!」
「…ッ!」
見抜かれていた。
超電磁タートルを封じられ、その上でモンスター二体の展開。
最早自分に勝ち目はないのだと悟る。
「…お父様、すみません…」
「バトルだ!クルヌギアスとウィンでプレイヤーにダイレクトアタック!」
真子 LP5500→1300→0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ふうっ…」
なんとか四道の人間に勝つ事ができた。
あの時、相手の手札に"バトルフェーダー"が居なかったのは幸運だった。
「というわけで、クルヌギアスの事は諦めてもらうぞ」
「…そうね。余り事を荒立てるなと言われてるし…今日の所は引いてあげるわ。…はぁ。また創星神様の復活が遠のくのね…?」
「何?」
真子が何気なくつぶやいたその一言。
「貴様…奴の手の者か…!ならば、ここで殺す…!」
「あら、血気盛んね。そういうのは嫌いじゃないわ。でも…」
しかし、真子は一瞬でその場から掻き消える。
どうやらいつの間にか幻を見せられていたらしい。
今、下手に動くと確実にまずいだろう。
「…抑えろ。…今はな。」
「…そうだな。次に会った時は容赦せん。妾の全てでもって妾の世界に送ってやる。」
今回の接触で一つ分かったことがある。
四道の人間は"創星神"が存在していたと確信しているという事だ。
ため息を一つついて、霊使は笑った。
そして、ウィンの方を向くと、こう言った。
「さ、帰ろう。今日は本当に色々あって疲れたからなぁ…」
ウィンと霊使は肩を並べてゆっくり歩きだす。
何はともあれ、今日は襲撃を凌ぐことができたのだ。
少しくらいゆっくりしても許されるだろう。
どのみち、またこの二人を紹介しなくてはならなくなる。
「お前、また精霊見つけたのか…」
別にわざとやってるわけじゃないのだ。
自分が行く先々に精霊が現れるだけだ。
ただ、それだけなのに。
克喜に散々にいじられる未来が見えて霊使は頭を抱えた。
この世界でも精霊というのは非常に珍しい存在です。
ポンポン精霊が出てきますが霊使君がおかしいだけなのです。
・キャラ紹介 四道真子
優しいドS。決闘で負かした相手の尊厳や人格を壊して悦を感じるやべーやつ。
使用デッキは【呪眼】。
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア