「大丈夫かい…!?」
「…?見ての通り俺は全然無事だけど?」
「あ…そう、か。良かった…!」
霊使と無事に合流できた奈楽は霊使の無事を確認して安堵のため息を吐いた。
その様子に思う所があったのか霊使は奈楽に何があったのか聞くことにした。
ただ。
あのいつも飄々としている奈楽がここまで焦っている時点で相当穏やかじゃないのは確かな事なのだろうが。
「―――これ、相当、というか物凄く頭に来る話なんだけど…。"四遊霊使を
奈楽から霊使に知らされた内容は一言で言えば「訳の分からないもの」であった。
およそ人扱いされていない霊使はこの事を聞いてどう思っているのだろうか。
顔色を窺うように霊使の方を見てみればどこまでも呆れかえったような顔をしていた。
「俺、一体どんだけ馬鹿な家に居たんだろ…。」
もはやここまでくると「馬鹿」だとかそういったレベルの域を超えている。
最早呪いの域にまで達している四道の持つ霊使への執念は行きつくところまで行った。
しかし、霊使はその執念を一蹴する。―――どころかどうでもいいとさえ思っている。
それこそ自分は一体どれだけ馬鹿な家に生まれてしまったのかということで頭を抱えるくらいには。
霊使にとっては向かってくるなら斃すし、もしそうでなければスルーする位の存在だ。
それよりももっと長い時間をウィンやダルク、エリアといった霊使い達や、克喜や奈楽、颯人達と言った友人たち、今では唯一の肉親ともいえる咲姫達と言った人たちともっと多くの時間を過ごしたいのだ。
少なくとも四道とかいう頭が逝かれた狂気的な集団と関わるよりは留年した方がマシ。
霊使にとって四道とはそれくらいの価値しかない相手だ。
なんなら「相手にする気がない」といっても差し支えは無いだろう。
むしろ霊使が心配しているのはウィンの方である。
霊使に深い愛情を見せるようになったウィンは霊使を害そうとしたり、誘惑しようとしたりする者には容赦がない。
それこそ以前の小夜丸とウィンのやり取りがいい例だろう。
「よし、ヒータちゃんに頼んで燃やしてもらおうか。そしてそのままエリアちゃんに押し流してもらってアウスちゃんに埋めてもらおう。」
「「「それはオーバーキルが過ぎる。」」」
案の定、ウィンは物騒な事を考えていた。
思わずその発言に吹き出してしまう霊使達。
「そうだね。…でも、それをやるとこっちも向こうと同じになっちゃうよ?」
「む…それはそうだけどさー…」
ウィンの言わんとしていることは分からないでもない。
それでも四道と同じ手段を行使するのは気が引ける。
「まあ、今皆に伝えたからすぐに来ると思うけど―――」
奈楽のその言葉が発せられたとき―――
爆音が、地面を揺らした。
「―――!?」
三人は互いに頷き合うと急いで煙の上がる場所へと急ぐ。
放火魔は放火現場に必ず居合わせるというように、その爆発の下手人もまたそこに現れると三人は確信していた。
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「咲姫ッ!」
咲姫とクーリアと無事に合流できた霊使一行。
咲姫は未だに四道との通信網を持っているのか、降りかかる火の粉を払ってくれただけなのかは分からないが、何か一悶着あったようだった。
「…兄さん。無事だったんですね!」
「まぁ、な。それよりも―――」
「爆発―――のこと、ですよね。そうですね。それは―――私にあったことを話してしまった方が早いでしょう。」
そうして咲姫は今日起こったことをぽつりぽつりと語り始めた。
霊使を狙う者と決闘になったこと。
決闘は制したこと。
―――そしてその相手が四道の手の者であるということ。
―――そしておそらくは四道の手先としての役目を果たせずに処理されてしまったということ。
つまり、あの爆発は四道が起こした物であり、そして。
それは他人を殺すためのものであったということだ。
人の命を簡単に使い捨てられるような奴らが自分達を狙っているという事に霊使は、初めて激情を覚えた。
「…俺、さ。初めて四道の奴らと出会ったときさ。『出来ればこいつらとは関わりたくない』って思ったんだ。」
霊使はあれほどどうでもいいと思っていた四道の行いが急に許せなくなっていた。
思い返せば自分が殺されかけた恨みとかもあったのだろう。
だが、それは自分を瀕死に追いやったあの床に対しての恨みであって、別に四道そのもののへの恨みは無かった。
だが、今は違う。
四道の非道な行いを知った。
四道は人を簡単に殺せるのだと知った。
四道にはおよそ良心が無いことを知った。
ならば、霊使は四道を壊滅させる事ができる。
何故なら、それは霊使の日常を侵すものだから。
「―――でも今は違う。俺は四道をぶっ潰す。今日、これから。」
故に霊使は戦う選択をした。
規模も強さもどれほどのものか分からない。
だが、別に怖くは無い。
「今の俺は負ける気がしない…。かかってこい、四道!」
腹の底から大声で叫ぶ。
今、ここから四遊霊使の新たな戦いが幕を開けた。
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「ふぅ…なんかこっちに戻るのも久しぶりだな、ウィンダ。」
「そうだねー。…元気にしてるといいんだけど。」
颯人とウィンダは無事に精霊界から帰還した。
彼らはガスタの里の近況を聞いて、胸を撫でおろしていた。
というのも、敵対部族であったリチュアの頭目が呪いに侵されていたからだ。
「まさかあそこまで共存が進んでいるとは…。」
「でもこれでエリアルとも大手を振って遊べるだろ?」
「そうだね!」
ウィンダはそう言って笑う。
そこには争いの影など無く、ただ互いに思い合う気持ちだけがあった。
だが。
二人とも理解している。
これからは再び戦いに身を投じることになることは。
二人が四遊霊使を対象とした命令を聞かされるまで後、数秒。
登場人物紹介
・四遊霊使
捕獲対象。
ぶっちゃけ、四道の現有戦力よりかは強い。
・九条克喜
霊使の決断を尊重。
というか殴り込みを掛けに行く予定だった
・星神奈楽
貧乏くじを引きまくっている子。
・風見颯人
帰還
さて今回は霊使の改まった決意でした。
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア