「相棒」   作:ダンちゃん1号

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皆さんはバトル・オブ・カオスを購入しましたか?
私は1ボックス買って氷水帝コスモクロア×3とダイノルフィア・テリジア×2。
それに凶導の白聖骸×1とイリュージョン・オブ・カオスと超魔導戦士―マスター・オブ・カオスが出ました。
ダルク君は出ませんでした。
おのれディ…


四遊霊使捕獲命令 その⑤:Encounter with the master mind

四道零夜を下した霊使は胸を撫で下ろして地面にへたり込んでいた。

我が家に被害が無かったことを確認して大きなため息を一つ吐く。

 

「あ…危なかった…。」

 

サイクロンを積んでなかったらと思うとゾッとする。

何か一つ狂うだけで今回の勝利はあり得ないものなのだと分かっていた。

だが今、この場で勝ったのは自分というのは紛れもない事実。

取り敢えずの危機は去ったのだと感じ、霊使はようやく一息付けた。

 

「取り敢えず縛るか。」

「好きにしろよ。どうせもう長くねぇ命だ。」

 

そして目の前の男―――零夜もとうとう霊使に負けたことを受け入れた様子で抵抗する気の一つも起こさない様子だった。

それを見た霊使は安心したようで胸を撫で下ろす。

ここでウロボロスやらなんやらの精霊で抵抗されたら流石に捌き切れなかったであろう。

抵抗をやめたのは決闘者としての矜持か。

はたまた全く持って別の理由か。

 

「…お前は今、俺達の誰よりも強い…か。」

「何が言いたい?」

「…いや、何でもねぇ。―――お迎えが来たみてぇだな。」

 

見れば屋根を伝って一人の男がこちらに向かってきている。

普通に考えてあり得ない速度で向かってくるその男はひらりと霊使と零夜の間に立つ。

その男は、包囲していたウィン達を一撃のもとに吹き飛ばすと、力なく垂れる零夜の腕を肩に通した。

霊使はその男の事を知っている。

否、この空虚な目を知っている。

 

「四道…空也…!」

「…何故お前が俺の名前を知っている…?咲姫からでも聞いたか…?」

「何故…ここに…!?」

 

目の前の男―――四道空也は零夜を助けに来たようだった。

何故なのだろうか。

確か、「自分を始末する」とかそんな感じの任務を請け負い失敗したはずの咲姫は四道の刺客に狙われるようになった。

では、何故目の前の男は任務に失敗した零夜を助けるのか。

それは―――

 

「ここに来た理由か。それは―――まだこの男に父上が利用価値を見出しているからだ。それ以上でもそれ以下でもない。」

「―――な。」

 

言葉が出ない。

四道は人間を人間としてみていない。

実の子供たちでさえもそれは同じであった。

 

「…何も思わないのか…!?そんなふうに命を使いつぶされて…!何も感じないのか…ッ!?」

「俺達は創星神様を復活させるための()()だからな。感情なんてな、感じる感じないでいえば―――()()()()()()()()()()だ。―――色々な意味で振り切れてると言った方が正しいかもな。」

「―――ッ!」

 

何も思わない。何も感じない。

空也が言葉を放つ度に霊使の中で四道に使われる者達への哀れみが増していく。

人間は常に何かを感じて生きている。そしてその経験が未来の自分を形作っていくのだ。

つまり彼らは人間であることを捨てた肉人形。

そんな存在になり果ててしまった彼らを哀れと言わずに何と言おうか。

 

「本当に何も感じないのか…?」

「そうだな。感情なんて無駄なものだ。」

「よく言うよ。」

 

それ以上、二人が言葉を交わすことは無かった。

今の霊使は疲弊しているし、空也は霊使に手を出すつもりはない。

しばし、無言のまま向かい合う両者。

じんわりとした緊張が辺りを包む。

 

「空也よ。何故霊使を捕らえぬ。」

 

そんな緊張を破ったのはあからさまに不機嫌そうな老爺の声だった。

霊使はその声を聞いた瞬間体から体温が奪われたかと思うような寒気を覚えた。

 

「―――お前が。」

 

こんな禍禍しい気配を感じたことなど無い。

霊使にも今は実体化を解いているウィン達霊使いにも確信が持てるほどの悪意。

目の前のこの男が四道を操っている存在である、と全身が警鐘を鳴らす。

 

「お前が、四遊霊使か。―――あの弱者がよくもまぁ、駒を斃せるようになったものよ。」

 

声を聞いただけで分かる、威圧感。

動作からにじみ出る残虐さ。

今までの四道とは明らかに格が違う。

 

「お前が――――ッ!」

「ふん。貴様のような下賤な者には名乗りたくもないが特別に名乗ってやろう。我が名は"四道安雁"。四道の長にして創星神様の復活を担うものである。」

 

全ての黒幕にして最強の敵―――四道安雁とこの男に全てを狂わされた少年―――四遊霊使は今、邂逅した。

 

 

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四遊霊使と四道安雁が邂逅したその瞬間、九条克喜は異常なまでの力場を感知した。

 

「何があった…!?」

 

そして次第に赤く染まる空。

これが大騒ぎになってないことから精霊と契約している者しかこの光景は見えないのだろう。

だからこそ異常なのだ。

今は情報整理に努めなければ。

 

「ああくそッ!」

 

しかしここでじっとしていたって始まらない。

 

「出るんですか!?克喜!」

「出なきゃ何も始まらない!もしかしたら霊使の身に何かがあったのかもしれない!」

 

しかも発生した力場は霊使の家の方面から徐々に広がっているのだ。

このままではこの町全てを飲み込むだろう。

それほどまでに強大な精霊があの場所に居るのだ。

その事は特捜部ほぼ全員が理解しており、全員がやるべき事を見出していた。

早くあの場所に行かなければ手遅れになってしまう。

そんな感覚を克喜だけが抱いていた。

 

 

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空が赤く染まる。

その光景を見たとき、自分は一体何を相手にしているのかを悟ってしまった。

今の自分達では絶対にあの男に勝つことはできない。

 

(霊使…逃げれる…ッ!?)

(無理だ…足がすくんで…動けないッ…!)

 

霊使は安雁の実力を一目見ただけで格の違いを思い知らされた。

威圧感と共に膨らむそれは明確な死を霊使の喉元に突き付ける。

余りの恐怖にウィン達も闘争を薦めてくるが既に後の祭り。

足がすくんで全く動けない霊使に逃走できるはずが無かったのだ。

 

「ふむ…これで気絶しないとは。やはり貴様は色々と面倒だ。これから先計画の邪魔にならないとも限らない。―――が、その決闘の腕は欲しい。後、その精霊もな。」

「…うる…せぇ…ッ!ウィンは…皆は…俺が守る…!」

 

安雁が一言言葉を放つ度に体により重圧がかかる。

それでも逃げられないのなら迎え撃つしかないのだ。

それこそ勝てないと分かっていても。

 

「だから貴様も我が()()()になるがいい。」

 

安雁はそのか細い腕にデュエルディスクを装着する。

どうやら決闘を行うしかなさそうだ。

 

(悪いな…ウィン…皆。腹ァくくれよ…!)

(うん!)

(もちろん!)

(ええ。)

(分かってるよー!)

(ああ。)

(言ったでしょ。私達は霊使についてくだけ!)

 

霊使い達も霊使も覚悟を完了させた。

そして霊使は震えながらもデュエルディスクを腕に装着した。

 

「俺のタァァァァァンッ!」

 

そして、霊使はデッキからカードをドロー。

今、ここに一つの決戦が始まろうとしていた。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

九条克喜がその場にたどり着いたとき、その目にはあり得ない光景が飛び込んできていた。

 

「…嘘、だろ…?」

 

辺りにはピクリとも動かない霊使い達が倒れている。

辛うじてウィンだけは意識があるようだった。が、その顔は、決闘(デュエル)の顛末を眺める事しかできなかった悔しさに歪んでいる。

一言で言えば四遊霊使は何一つ手を出せずに敗北した。

霊使は立ったまま気を失っている。

不意に霊使の上体がぐらりと揺らいだ。

 

「おい…ッ!?」

「霊使…ッ!」

 

間一髪でウィンが無理矢理体を動かして霊使の頭を抱きかかえた。

やはり霊使は気絶しているようだ。

ただ今の状態は非常に不味い。

なんやかんやで特捜部の中でも一二を争う実力を持つ霊使が敗北したのだ。

 

「…お前の目的は…なんだッ!?」

 

克喜は目の前の老爺を睨む。

この男しかこの状況を作り上げられるのはいないのだから。

 

「目的か。そんなものは既に果たした。―――喜べ霊使。貴様に早速仕事をくれてやる。―――今から来る羽虫どもを一匹残らず潰せ。そしてその娘を儂の所まで連れて来い。」

 

その言葉を合図に今まで目を閉じていた霊使が目を覚ます。

―――が、その瞳に生気も正気も何もかも残っていなかった。

怪しく輝く紫の瞳が克喜を捕らえる。

 

「―――対象、固定。排除、開始。」

「…なッ!?」

 

嫌な予感を感じた克喜はその場を退く。

その瞬間、人知を超えた蹴りが地面を砕いた。

 

「しっかりしやがれ!霊使ィッ!」

「霊使…?何やって―――え?」

 

ウィンは思考を硬直させ、あり得ないものを見る目で変貌した霊使を眺めていた。

一方の克喜は視線は離さないままに今の霊使を見る。

だが、それが失敗だった。

 

「目標、視認。複数の目標を確認。―――決闘(デュエル)で殲滅を図ります。」

「…くそ!ダメだッ…!完全に自我を消去されてやがる…!霊使を狙ってたのって操り人形にするためかよッ…!」

「なんで…?なんでこうなっちゃうの…?」

 

増援は未だ望めず。ウィンの思考は散乱したまま。

かといって目の前の親友を見捨てることもできず。

故に克喜はたった一人でおかしくなってしまった親友と戦う事を強いられてしまった。

しかも既にデュエルディスクにはデッキが装填されている。

 

「いいぜ…やってやるよ。」

「…承認。決闘(デュエル)開始。」

 

克喜は霊使を救うため、そして取り戻すためにデュエルディスクを装着。

恐らく霊使のデッキは【憑依装着】ではないだろう。

四道はパワーカード主義だと聞いた。

 

「何が来るか―――。」

「私のターン。…私は"インフェルニティガン"を発動―――」

 

煉獄の悪魔は解き放たれた。

それに立ち向かうは魔法道具の職人たち。

 

「絶対に戻してやる。…だから今は耐えろよな…ッ!()()()()!」

 

そして少年と少女の命運を分ける決闘が幕を開ける。

 

「嘘だ…こんなこと…!」

 

ただ一人、ウィンはその場に入れずに。

二人の決闘をただただ眺めるしかなかった。




登場人物紹介

・四遊霊使
洗脳された。洗脳時の使用デッキはいつの間にかデュエルディスクにセットされてた【インフェルニティ】。満族が一人増えた。

・四道安雁
黒幕の一人。霊使を洗脳した。
使用デッキは【■■■】。

・九条克喜
ウィッチクラフトでインフェルニティと戦う羽目に。
おまけに初手にガンがあっるという時点でかなり絶望。

・ウィン
多分一番悲しんでるし状況が呑み込めてない。


この話を読んで「いや、お前が洗脳されるんかーい!」と思った貴方。
それは正しい。
急転直下の第二章、完結までもう少しです!

水樹君のデッキ強化

  • ネクロス
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