「相棒」   作:ダンちゃん1号

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四遊霊使奪還作戦その⑥:The end of the game

「俺は―――"HSR/CWライダー"で"鎖龍蛇-スカルデット"を攻撃!」

「ぐぅッ…!」

 

四道霊使 LP8000→6800

 

颯人は霊使に攻撃を仕掛ける。

ここが攻めるべきときと理解しているからだ。

 

「続けて、"ダイガスタ・ガルドス"で"パワーコード・トーカー"を攻撃!"ブレイブ・フェザー・チェイン"!」

 

続けて"ダイガスタ・ガルドス"―――ウィンダとガルドが突貫を行う。

それを迎え撃つのはパワーコード・トーカー。

ウィンダの突進とパワーコード・トーカーの拳がもろにぶつかった。

ほんの少しの間だけ力比べが起きて最終的にパワーコード・トーカーのパワーを大きく上回ったウィンダがパワーコード・トーカー諸共に消し飛ばした。

 

「団結の 力って すごい!」

「言ってる場合か!ウィンダァ!」

 

霊使 LP6800→3700

 

その衝撃は相当で霊使にもそれなりの衝撃がやって来た。

否、「それなり」という範疇は既に超えていたのかもしれない。

何故ならその衝撃で霊使は吹っ飛んだのだから。

 

「霊使ッ!」

「大丈夫だ。死にはしない。」

 

余りの吹っ飛びようにウィンは霊使のもとに駆け付けようとする。

颯人はそれを手で制した。

 

「…それにまだ決闘の途中だ。」

「…そう、だね。」

 

愛するものを自らの手で傷つけたようなものだ。

そのせいか、ウィンは自分が霊使の傍にいてやれないことに何かが煮えくり返りそうな思いをしていた。

 

「…続けて"ダイガスタ・ラプラムピリカ"で攻撃!」

 

颯人の攻撃はまだまだ続く。

しかしながらこのままのペースでは完全に削り切れないことは十分に理解していた。

それでも、削れるだけ削る。

そうしなければ負けるのが決闘の常だからだ。

 

霊使 LP3700→1800

 

「最後だ。"HSR―GOMガン"でダイレクトアタック!」

「そう簡単にはくたばれませんね…ッ!」

 

霊使 LP1800→800

 

一世一代を賭けた総攻撃。その結末は四道霊使のLPが健在という形で終わった。

さすがの颯人も驚きを禁じ得ない。

 

「…まさか耐えて来るとは…!」

「言ったでしょう?そう簡単にはくたばれないと…!」

 

既に手札にカードが無い颯人はターンエンドを宣言せざるを得ない。

余りにも濃密なそれぞれの一ターン目が終了して、ボード・アドバンテージ的には颯人が有利だが、一方の霊使の墓地にも大量の"インフェルニティ"が眠っている。

デッキトップのカードによっては逆転されかねないこの状況に颯人は内心焦っていた。

 

「ターンエンドだ。」

「私のターン…ドロー!」

 

霊使はデッキから引いたカードを見て、その顔に笑みを浮かべた。

 

「…私は今引いたカードを公開します…。」

「何…?」

「私が今引いたカードは"インフェルニティ・デーモン"!このカードは手札が0枚の時に引いた場合後悔することで特殊召喚することができるカード!"デーモン"の効果で"インフェルニティ・ワイルドキャット"を手札に!そのまま私は"インフェルニティ・ワイルドキャット"を召喚!"ワイルドキャット"の効果発動!私は墓地の"インフェルニティ・デーモン"を除外して"ワイルドキャット"のレベルを1上げます!」

「…神がかりだな。」

 

霊使が引いたカード―――"インフェルニティ・デーモン"によって再び展開を繰り返す。

 

「私は"インフェルニティ・デーモン"にレベル4となった"インフェルニティ・ワイルドキャット"をチューニング!」

「"インフェルニティ"の本領発揮ってところか。」

「煉獄の竜よ、その百の眼で炎と恐怖を焼き付けろ!EXモンスターゾーンにシンクロ召喚"ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン"!」

 

現れるのは死者の魂をその目に移しとる龍。

 

「…"ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン"の召喚成功時に"HSR/CWライダー"の効果発動!S(シンクロ)召喚したこのカードをリリースすることでEXデッキの風属性レベル7のシンクロモンスター二体を特殊召喚する!来い、"クリアウィング・シンクロ・ドラゴン"、"クリアウィング・ファスト・ドラゴン"!」

 

現れるのは水晶の翼を持つ二体の龍。

これでモンスターの頭数が増えた。

さらにこのモンスターを、今、このタイミングで出したことによりもう一つの効果を防ぐ狙いもある。

 

「…私の墓地の"舞い戻った死神"は自分フィールド上の"インフェルニティ"が場から離れた場合フィールドにセットできる効果があります。従って"舞い戻った死神"をセットします。そして発動。"インフェルニティ・ネクロマンサー"を蘇生します。"ネクロマンサー"の効果で"ワイルドキャット"を蘇生。"ワイルドキャット"の効果で墓地の"インフェルニティ・デーモン"を除外して"ワイルドキャットのレベルを1上げます。」

 

しかしながら霊使は効果を使おうともしない。

本当は分かっているのだ。

この状況は既に詰んでいる状況なのだと。

それでも最後まで足掻くのは決闘者の誇りを持っているから。

どれだけ無様でも。

どれだけ醜くても。

どれだけ愚かでも。

決着がつくその瞬間まで、決闘から目を逸らさない。

力尽きる最後の時まで自らの全てをかけて、相手に挑む。

そこには「剣」でも「盾」でもないただの「霊使」という人間がいるだけだ。

だからもう、何も抑える必要はない。

あるがままの自分で、あるがままに決闘を行おう。

この強敵に勝つために。

 

「私は…ッ!…()はッ!負けたくないッ!だから諦めないッ!」

「それでこそ決闘者(デュエリスト)だ…!来い、四道霊使!」

 

四道霊使の纏う雰囲気が自分達が良く知る物に変わる。

根底はやはり同じだった。同じ人間だった。

目に光が宿り、その視線は四遊霊使の物と全く同じ、鋭く、そしてすべてを見渡すような目。

颯人はその目に惹かれていたのだと、否、彼を助けようとする全ての者がその目に惹かれたんだと理解できた。

こうなった彼は実に強い。

だから気を引き締めなければやられるのはこちらの方だ。

 

「もちろん!俺は"インフェルニティ・デス・ドラゴン"をシンクロ召喚!」

「…チィッ!俺は"クリアウィング・ファスト・ドラゴン"の効果で"ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン"の効果を無効にしてその攻撃力を0にする!」

 

ここで手を誤まればいともたやすく最悪の状況が作り出されてしまう。

だがもうしばらくこの混戦は続きそうだ。

 

「―――バトルだ!俺は"インフェルニティ・デス・ドラゴン"で"クリアウィング・シンクロ・ドラゴン"を攻撃!」

「がッ…!」

 

水晶の翼を持つ龍と死を冠する龍の戦いは一瞬だった。

"デス・ドラゴン"の放つ煙幕状のブレスが死をばらまく。

その一撃を諸に喰らった"クリアウィング・シンクロ・ドラゴン"はいともたやすくその命を散らした。

その衝撃はソリッドビジョンを通じて颯人にも与えられる。

 

颯人 LP8000→7500

 

「…ここまで、だな。」

「ああ。そうみたいだ。」

 

一見"インフェルニティ・デス・ドラゴン"の効果で攻撃力5400の"ダイガスタ・ガルドス"を破壊すればまだ決闘できたとそう感じた。

現に霊使はそれを行動に移そうとした。

しかしながら"ダイガスタ・ラプラムピリカ"の効果により、"ダイガスタ・ラプラムピリカ"以外を対象に取ることができない。

"インフェルニティ・デス・ドラゴン"の効果は対象を取る効果であるため、その効果はどうやっても"ダイガスタ・ガルドス"には届かない。

 

「ターンエンド、だ。」

 

霊使 LP800

 

フィールド インフェルニティ・デス・ドラゴン

      ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン

 

「俺のターン…ドロー。…バトルだ。俺は"ダイガスタ・ガルドス"で"インフェルニティ・デス・ドラゴン"を攻撃。」

 

文字通り最後のターン。

最後のドロー。

決闘には終わりが来るものだ。

だからこそ、この結末に異論はない。

死力を尽くして戦って、その上で迎えたこの結果なのだから。

 

故に、四道霊使は、心の底からの笑顔でその結末を受け止めた。

 

「満足…したなぁ…。」

 

霊使 LP800→0

 

その声は荒れ狂う暴風の中でもやけにはっきりと颯人の耳に届いた。

 

 




登場人物紹介

・四道霊使
根本は同じ人。
だから今回の一件でも満足できた

・四遊霊使
簒奪者だと思っていたが…?

・風見颯人
決着をつけた人。
何処かで"霊使"はいると確信していた。


というわけで決着です。
来週テストがあるので投稿できないかもしれません。
それではまた次回お会いしましょう。

水樹君のデッキ強化

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