「"憑依装着―ダルク"を召喚!」
「…相変わらずモンスターを並べて来るか…。」
ロイは
相手のデッキは"
弱点は"憑依覚醒"を破壊されること。
逆に言ってしまえば"憑依覚醒"さえなければ相手のカードは攻撃力1850の準バニラだ。
後は何とかして"妖精の伝記"を破壊してカガリでぶん殴れば勝ち。
だがそれを行わせないために"魔法族の里"で相手の魔法を封じるのだろう。
そしておそらくだが、彼はまだデッキの全てを見せてはいない。
「魔法カード"強欲で貪欲な壺"。デッキの上から10枚を除外して2枚ドロー。そして"妖精の伝記"の効果で手札から"憑依装着―ライナ"を通常召喚。…更に自分フィールド上に魔法使い族が居る時、手札から"稲荷火"は特殊召喚できる。…行くぞ!現れろ!闇霊導くサーキット!」
「…何だって!?」
そういえばサラリとリンク召喚していたがどんな効果を持っているかなんてさっぱり分からない。
ここで情報というアドバンテージを得られなかったロイは―――絶対に罠を積むと決めた。
「召喚条件は闇属性を含むモンスター二体!俺は"憑依装着―ダルク"と"稲荷火"でリンク召喚!現れろ!"暗影の闇霊使いダルク"!」
「さて、と…。行くかぁ!」
ダルクは今まで従えていた使い魔とはまた別の使い魔を引っ提げてフィールドに再誕した。
そして、今までウィンですら条件が整っていなくて使わなかった効果をダルクで初めて使う。
「"暗影の闇霊使いダルク"の効果発動!相手墓地の闇属性モンスター一体をこのカードのリンク先に特殊召喚する!"閃刀姫―レイ"を俺のフィールド上に特殊召喚!」
流石に
「ひゃあああ!ドッペルゲンガー!死んじゃうんですか私ィ!」
「やめろ、レイ…落ち着けぇ!」
「…大丈夫、あれはただのソリッドビジョン…。」
『あいつを斃せば…私が本体…。』
「…俺は知らないぞ。」
と思ったら本体を乗っ取るとか言い出したレイの分身のような
流石に操ったダルクも、精霊にの事を知っている観客も皆一堂に首を傾げるばかりだ。
一方の
余りのレイの顔色の悪さに味方であるはずのライナとヒータ、それに未だ出番のない霊使い御一行様からクルヌギアスまで全員が―――
『ないわー』
と声をそろえた。
そろそろダルクの目に涙が溜まってきた所で弄るのは勘弁してやろうと思いなおす霊使い御一行。
(マスター、今回…俺何か悪いことしたか?)
(ダルク…。お前に同情するよ。明日にでもなにかお菓子作ってやる。)
(…じゃあ少し苦めのティラミスで手を打った。…さあ、決闘に集中するぞ、マスター。)
(…ああ。)
ダルクの好物で手を打った霊使改めてカードを2枚伏せてターンエンドした。
霊使 LP8000
フィールド 閃刀姫―カガリ
魔法・罠 憑依覚醒
妖精の伝記
伏せ×3
手札×0
これで何とかするしかない。
市雄はこのターン位ならば凌げるが―――後のターンの事は後になってみないと分からない。
「…ん?」
そんな時だった。
正にこれから
『中断です!中断です!選手の皆様や、お客様は大急ぎで室内に入られますよう!』
「…クソッ!俺だけ手札見せ損じゃないか!」
「…不完全燃焼極まりないね…。」
そして互いに悪態を付きながらスタッフの指示で誓うの室内に避難する二人なのであった。
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「へっくし!」
「ぶぇっくしょい!」
霊使とロイはいきなり降り出した豪雨を諸に浴びた。
そのせいで物凄く体が冷えてしまった。
「稲荷火あったけぇ…」
「…霊使君ずるいぞぉ…。」
レイの無言ながら「私のここ、空いてます」というアピールに気づかず、稲荷火をモフる霊使を羨ましそうに眺めるロイ。
(ふわふわ…もふもふ…)
まるで夢心地のような撫で心地であろう稲荷火はそれだけロイにとって魅力的に見えたのだろう。
「マスター、大丈夫、ですか?」
「僕はだいじょ…ってレイ!」
「どうしたんです―――あっ!?」
レイに声を掛けられてロイは初めて自分の姿を確認した。
――濡れて下着が見えてしまっている。
体は温まっているにせよ、なるほど。
彼が気づかないふりをしているわけだ。
「…見ないでください。」
「…うん。」
多分見てしまったこの関係ではいられなくなってしまう事を知ってか知らずか、ロイは暫くレイの方をまともに見る気が起きなかった。
「…どうして私を使わなかったの?」
一方、ロイにギリギリまで近づいているのはロゼだ。
どうやら彼女はこの大会で一度も出番が無かったことを根に持っているようだ。
「あそこで
「…でも彼のデッキはEXモンスターゾーンを多用するデッキじゃなさそうだったし…。」
「でも"
「…そうかもしれないね。でもそれは結果論じゃないかなって僕は思うよ。」
「…どういうこと?」
霊使は目の前で繰り広げられている戦術講義に首を傾げるばかり。
稲荷火は既に睡眠に入っている。
ぶっちゃけ霊使もすぐに寝てしまいそうだ。
自分の使っているデッキ以外の戦術も役には立つが効果も何も知らないカード単位の話になると話は別だ。
「もしかしたら手札に"エフェクト・ヴェーラー"を握っていたかもしれないし"憑依連携"の追加効果の餌食になったかもしれない。」
「…む。」
「そうなってしまえば窮地に陥るのは僕らの方だ。」
「…むむむ…。そう、なのかな…。」
ついには
しかしながらどうにもこうにも締まらない形で霊使いと閃刀姫、そのマスターたちの初めての決闘は幕を閉じたのだった。
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翌朝。
ロイたち端河原松市郊外にある南条駅のホームで電車を待っていた。
その隣には霊使と、あと結がいる。
「二人とも…。来てくれたんだ。」
「宿題もこなしちゃって暇だったしねぇ。」
「将来のライバルになりそうな予感がしたから…かな。俺が来たのは。」
「理由になってないじゃん…。ありがとう。」
ロイは見送りに来てくれた二人に笑いかける。
同じところに長い間は留まれない。
その理由は二人には話せない。
「…もう少し早く来てくれれば俺の友人たちに紹介出来たんだけどな。」
「霊使君の友人かぁ…。皆いい人そうだね。」
「ああ。皆いい奴らさ。」
「そうだね。君は良い人だから…きっと君の傍にはいい人が多いんだろうね。」
「あはは、嬉しいこと言ってくれるね。私もそう思うよ。」
「結まで…。」
この笑顔を巻き込めないから、巻き込みたくないから。
だから精一杯の笑顔でサヨナラしなくてはいけない。
彼らとはたった一日の付き合いなのだから、特に思い入れもない。
だから大丈夫。
そう自分に言い聞かせても何故かうまく足が動かない。
(マスター…。)
分かっている。
自分の気持ちに嘘はつけない。
「じゃあね…。僕の初めての友達。四遊霊使君、白百合結ちゃん。」
もう既に。
彼らの事を無二の友人だと思っている。
「…ああ。また会おう。俺の新しい友達―――レーゼス・ロイ。」
「君ならいつでも歓迎するよ!レーゼス・ロイ君!」
「ありがとう…じゃあね!」
その言葉を最後にロイは電車に乗り込んだ。
発車のベルが鳴り響く。
「じゃあな!」
列車の窓越しでも霊使のその声はしっかりと聞こえた。
別れはいつの日かの再会を願う物。
彼らのいつの日かの再会は割と早く訪れるかもしれない。
登場人物紹介
・ロイ
不完全燃焼。
実はシズクでどうにかするつもりだった。
・霊使
不完全燃焼
実はクルヌギアスでどうにかするつもりだった
・結
友人。
ロイにとっては霊使と同じ親友。
というわけで強制的に二人の決闘を打ち切りました。
この二人には第2部で思いっきり戦ってもらうので。
ここで優劣つけたらそれはもう、そういう力関係になってしまう気がして。
水樹君のデッキ強化
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ネクロス
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リチュア