川島ユウイチと吸血鬼   作:三重のシェフ

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今回は吸血鬼バトルというコンセプト通り戦います。


ブラッド様の華麗なる戦い

吸血貴族ブラッド様は昨夜人間を襲ってから人間の同盟者から提供された根城でこれからの作戦を考えていた。

 

(たしか明日はザコスギーノのヤツが人間界で暴れる予定だったなそれに乗じて人間界にちまちまダメージを与えるのを基本方針にするか。)

 

考える姿は凛々しく一枚の絵のように美しい

 

(派手に暴れて緋色と戦いになるのは不味い

 

ヤツは我らが王、麻生ハジメと戦い勝利するほどの男だ

そんなのと正面から戦って勝てるわけがない。

 

ザコスギーノのヤツは緋色を知らない

 

ヤツには緋色の目を引き付ける囮になって貰おう。

そのためにザコスギーノに大量の奴隷を与えてある

ザコスギーノが前線で暴れ人間界の目を引き付けている間に指輪の契約者の指輪を奪う、今狙うべきはこれだな。

 

この人間界では吸血鬼は魔力を充分に使えず、記憶が混乱する。

 

恐らく古の魔術によるものだろう、人間界に侵略する吸血鬼の力を封じることに特化した魔術が張り巡らされている

 

対して人間達は契約の指輪により仲間にした吸血鬼の魔力を存分に発揮できる。忌々しい)

ブラッド様は歯を鳴らし不機嫌さを表現された。

 

ブラッド様は素晴らしいお方だ

 

私に吸血小刀を、それに加え御身の血肉を分け与えてくださったのだ!!

 

それにより人間を越えた我ら「罪深き十字架」は人間を滅する吸血鬼の牙となったのだ!!

 

嗚呼、素晴らしき吸血鬼の力!!

この力があればなんでも出来る!

 

 

ブラッド様!!

 

「なんだ」

 

何なりとご命令を、わが命つきるともそのお望みを叶えましょう

 

「下がれ、うるせぇ」

 

私に出来ることは御身の守護、それを差し引いて下がることなどとても出来ませぬ

 

 

「決まりすぎてんな、なり損ないめ」

 

さて、ブラッド様は私を呼ぶ際になぜか「なり損ない」とお呼びになられる、理由を聞いても曖昧な返答ばかりで答えが飛んでこない。

 

初めてお会いしたときは名前で呼んでくださったというのに悲しい話である。

 

不意にブラッド様が虚空を睨み付けた。

 

まるで憎い敵でも見つけたが如く鋭い眼を何もないところに向けている。いくら敬愛するブラッド様でもこれは引く

 

ここは優しく声を掛けて差し上げるべきなのだろう。

 

「ブラッド様、虚空をにらんでも仕方がありません

 睨むならせめて私にしませんか?」

 

ブラッド様は吸血小刀を手に取りそれを投げつけた

 

キィン!!虚空を切るはずの吸血小刀が甲高い音を立てて弾かれた

 

「なんと!!」

 

目の前にはいつの間にか仮面を被った女が立っている。

その手にもつは吸血小刀、吸血鬼に違いない

 

「テメエは誰だ?雑な隠れ方しやがって」

 

女は答えない、ただ黙ってナイフを裏手に握り直した。

するとナイフが一対のトンファーに変わる

 

吸血小刀の変形!!

 

女は間違いなく吸血鬼だ

 

だがわからない、なぜ同じ吸血鬼で争う必要があるのか?

ブラッド様は吸血鬼界のために人間界に攻撃しているだけだ、吸血鬼に攻撃される理由などないはずだ。

 

「あなたを殺す」

 

「そうか、まだ生きてたんだな、人間の味方が5年前に力を見せつけてやったっていうのに」

 

人間の味方をする吸血鬼がいるというのは初耳だ、ブラッド様、どういうことでしょう

 

「単純な話だ。人間界で元々暮らしていた吸血鬼が吸血鬼事変前から居たのさ、お前たち人間界でも吸血鬼の伝承やら残っているだろう?元々人間と静かに暮らしている奴らがいたからこそ伝承が残っていたのさ。

5年前の宣戦布告は人間に対して行ったんじゃねぇ」

 

人間界に居る吸血鬼を含めて殺すと宣言したのさ

 

なんということだ!!

ではこの女は吸血鬼世界を裏切った不義理の吸血鬼!

 

つまり

「敵だな」

 

女がトンファーを振るう、その衝撃で私は堪らず吹き飛ばされた

 

痛ぁい!!

痛みが身体中に駆け巡る、だがそんなことよりもブラッド様を御守りせねばならぬ。

 

すぐに起き上がり女の方を向く

 

ーー先ほどまでいたはずの女が煙のように消えているー

 

どういうことなのだろう

 

ブラッド様は不適に笑みを浮かべている。

そして呟いた

「面白ぇ能力のヤツがいるな」

 

そしてブラッド様は私に質問をされた。

 

「テメエを使うぞなり損ない」

 

仰せのままに!!!

すぐさま私は腰に携えた吸血小刀を胸に深く刻み込む

そしてその名を叫ぶ

「ベイ」

 

ナイフは杭となり私の身体を深く貫くそれはさぞかし凄惨な光景なのだろう。

 

だが私の胸にあるのはブラッド様のお役に立てる喜びで満ちていた。

 

「なり損ない、お前の献身に感謝する」

 

そして私の意識は途絶えた。

一つだけ理解るのは、この戦いはブラッド様が勝つということだ

 

 

 

 

 

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