GBD:ドレスアップ・ドールズ   作:朔紗奈

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多分新章的な何かなので初投稿です


桜野恋愛06: なんてことないある日。

 今でも、たまに思い出す。

 道の端に座り込んで、途方に暮れていた女の子。

 銀色の風になびく髪と青空のような色の瞳を持った、作り物めいた見た目の女の子。

 片足が義足の、私と同じくらいの身長をした女の子と、偶然出会ったあの時のことを。

 ────私が、一目惚れをした瞬間の事を。

 

 

 

 

 

「あの、どうかしたんですか?」

 

 と、遠慮がちな声をかけられてふと我に帰る。

 

「ん・・・・・・いえ、失礼しました。少し、考え事のようなものをしていました」

 

 カウンターの向こう、テーブルに置いている紅茶が少し入った飲みかけのカップを両手で包みながら私の様子を窺う、中学生、ともすれば小学生にすら見える──人の事は言えないけど──美少女。

 

「そう、なんですか?ならいいんですけど・・・・・・」

「ええ。・・・・・・少し、夜ノ森さんと初めて会った時のことを思い出していました。

 お茶のお代わりはいかがです?」

「じゃあ、頂きます。

 あの時は助かりました・・・・・・もう、4年前くらいになるんですね」

「義足の不調で座り込んでいる美少女とエンカウントするなんて、まさか現実にあると思いもしなかったので・・・・・・あの時は驚いたものです」

 

 新しいお茶を注ぎながらそう言うと、なんだかジトっとした目で何とも言えない表情になる夜ノ森さん。

 

「どうかしましたか?」

「・・・・・・いえ、あのチェリー・ラヴと同じ、と知ってからさくらさんの言動を思い返すと、腑に落ちると言うか・・・・・・見た目も、確かに髪型とか眼鏡とか以外ほぼ変わらないですし」

「まぁ、仕事中なだけで私は私ですから。・・・・・・ね、クーちゃん♪」

「・・・・・・そうね」

 

 ポニーテールに纏めていた髪を下ろし、メガネを外して言ってみると、呆れたような表情ながらクーちゃんの時と同じような話し方で同意してくれる。

 

「つれませんね、夜ノ森さん」

「・・・・・・髪と眼鏡、戻してくれないかしら。頭がおかしくなりそう」

「そんな事言わないで欲しいなー、クーちゃん♪」

「さくらさんの姿でその話し方にして欲しいとは言っていないのだけれど!?」

 

 そう叫んだ後にはぁ、とため息を一つ吐き、額に手を当てて顔を伏せてしまった夜ノ森さんを見て、一応仕事中だし流石にそろそろ戻そうかな、と手で握っていた髪をポニーテールに改めて纏め直していると、「全く・・・・・・」と呟きながら新しいお茶の入ったカップを口に運んでいた夜ノ森さんから声をかけられる。

 

「そう言えば、最近は配信の回数が減っているみたいだけれど・・・・・・どうかしたのかしら?」

「そうですね、減らそうとして減ってる訳では無いんですが」

「・・・・・・敬語」

「はい?」

「別に、敬語じゃなくていいわ。今は他にお客さんも居ないみたいだし、その方が楽でしょう?」

「ん、それじゃ遠慮無く。

 まぁ、夏休みとか色々な時期でバタバタしてたのと、ビスクちゃんがガンプラを改修したがっててさ、その手伝いでどうしても時間取られちゃって」

「ビスク、って言うと、あの、配信にも出てたELダイバーの子・・・・・・よね?えっと、さくらさんの、娘、だとか・・・・・・

 あの子の事は、その、どう思ってるのかしら・・・・・・?」

 

 ビスクちゃんが居たのはあの朝配信だけ。つまり見られてたって事かぁ、と少し気恥ずかしくなりつつも夜ノ森さんの顔を見ると、どこか心配そう?な表情。

 まぁ、私からしてもいきなりの事だったし、知らない子だから気にしてるのかもしれないな、と思いつつ答える。

 

「私の事尊敬してくれてるみたいで、事によっては暴走しちゃうけど、根はいい子なんだよ?ビスクちゃん。

 興味があるものと無いものへの反応の差が激し過ぎるのは、あまり良くない所だけど・・・・・・完全に無視するって訳でも無いみたいだから、その内落ち着いていってくれるって信じてる」

「そう・・・・・・そう、なるほど。────少し、安心・・・・・・ね」

「もし会うことがあったら・・・・・・まぁ、態度は良く無いかもしれないけど、悪い子じゃないっていうのは覚えといて欲しいかな。

 ほら、何かあった時は教えてくれれば、めっ!てするから!」

「そう、ね・・・・・・ふふっ、その時は、めってしてもらう事にしようかしら」

 

 それにしても、と夜ノ森さんが呟いて、

 

「バーって、夏休み期間だからってお客さんが増えるものなの?

 ・・・・・・あ、ええと、来てほしくないって訳じゃないのよ!?」

「そんな、繁忙期にも暇な店だと思われてただなんて・・・・・・およよ」

「だからぁ!!」

 

 ふふっ、とその様子を見て思わず笑ってしまうと、むすっとした表情で顔を逸らされてしまう。

 

「ごめんごめん。

 でもまぁ、案外大学生のお客さんとかが来たりもするんだよ?マギーちゃんとビーちゃんは、まぁ癖あるかもだけど人柄は良いから結構通ってくれるようになる人も居たりするし。

 はー・・・・・・私も4年前は・・・・・・4年前・・・・・・学生の頃も、今と大して変わってなくない?」

「そうね、さくらさんは初めて会った頃から・・・・・・・・・・・・え?」

「ん?」

 

 ぴたり。

 

「・・・・・・・・・・・・いま、なんて?」

「今と大して変わってなくない?」

「その!前!!」

「学生の頃?」

「その・・・・・・合ってる!!

 ええと、つまり、あの、初めて会った時って・・・・・・」

「ん、大学4年だよ?」

「大学4年」

「うん、ぴちぴちのじぇーでぃー」

「つまり・・・・・・・・・・・・私より年下?」

「夜ノ森さん、年上だったんだ・・・・・・永遠の美少女合法ロリじゃん・・・・・・」

「・・・・・・それ、あなたがそれを言うのかしら?」

「・・・・・・美少女、って、思ってくれてるんだ?」

 

 ────そっか

 

 とは口には出さずに。思わず浮かぶ笑顔を、違う意味に捉えてもらえるように。

 

「で・も♪夜ノ森さんの方が可愛いと思うよ♡」

 

 ちゅっ、と、投げキッスをして、GBNの中の時と同じように戯けてみせる。

 

「な、ななななな・・・・・・っ!?」

 

 良い感じに誤魔化せた・・・・・・かな?




本文2434文字だったらしいですよ奥さん。

てな感じで、だいぶ前にカンテラさんちでも書いてあった通り、ここでもうちよそCPにようやく踏み込んでいったりいかなかったりするわよー

これからもちまちま書いていきたいとこではあるけどもまあ更新頻度はそこまで期待はせんでもろて。
来たらスナック菓子つまむくらいの感覚で読んで貰えればって感じですなー

ではではアリゲーター
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