仮面ライダートライズ   作:ちくわぶみん

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第5話「悪魔のチェーンにご用心」

「おじさーん、ありがとー」

 

時刻は15時を回ったところ。駄菓子屋「みやじま」から数人の小学生が出ていく。

背中にランドセルを背負っていることから、下校途中だとうかがえる。

 

「おう、また明日か明後日な~」

正樹は小学生の列にそう別れの挨拶を告げた。

それと入れ替わるように、買い出しに行っていた翔琉の乗ったCRF250が停車してきた。

 

「ただいま~」

「おう、すまなかったな。買い出しまでさせちって」

「これがおつりと、あとこれ」

 

翔琉はグロテスクな怪獣のようなキーホルダーを正樹に渡した。

 

「なんじゃこれ…?」

「コンビニのスピードくじで当たったやつ。ほら、オヤジさんってそういうキモかわいい?怪獣の人形みたいなの集めてるじゃん。なんなら店にも飾っているし…」

「まぁ、そりゃそうだけど。アレはあのサイズ感だからいいわけであってなぁ…」

 

翔琉と正樹が軒先でそんな雑談をしていると…

 

「あの…すいません」

 

と、高校の制服を着た女子高生が話しかけてきた

 

「どうした?」

「ここで何でも屋をやっている人がいるって聞いたんですが…」

 

正樹の問いに女子高生がそう答えた。

 

「そうだけど…」

「あの、助けてほしいんです!!警察とかに知られたら、親に怒られるんです…」

 

女子高生は声を張り上げそう言った。

 

 

第5話「悪魔のチェーンにご用心」

 

 

事態を重く見た翔琉は女子高生を店に上げ、話を聞くことにした。

女子高生の名は新藤 春香。美園地区の櫻岡女子高等学校の3年生だ。

 

「さっき言っていた、助けてほしいって話。詳しく聞かせてくれるか?」

 

翔琉は春歌にそう聞いた。

 

「実は…。私、前にNewtuberのカミシロユウキに自撮りの写真を強要されていて…!!気づいたときにはもう手遅れで、学生証の写真も後らされて、アイツに弱み握られて…」

「カミシロユウキ?昨日元アイドルの子とデキ婚発表したあの?」

「あぁ、アイツ?」

 

翔琉も正樹も驚きの顔を隠せなかった。

何を隠そう、Newtuberのカミシロユウキはその顔立ちの良さから瞬く間にトップに躍り出て、カリスマという呼び声も名高い存在だったからだ。

その「できちゃった婚」の報道は昨日のスポーツ紙の一面を飾るほどの大ニュースだったのだ。

 

「確かにそんな事やってりゃ、親御さんには言えないわなぁ…」

 

正樹はそう呟く。

 

「とにかく、相談には乗るし、このことは警察にも言わないし、君の親には言わない。だから心配しないで。な?」

 

翔琉は春香に優しく諭した。

 

「こっちから解決策を探してみるから、何かあったらここに連絡して」

 

翔琉は駄菓子屋の電話番号と翔琉の携帯番号を書いたメモを春香に手渡す。

「…分かりました。ありがとうございます」

 

安堵の表情を一瞬浮かべた春香は、店を出ていった。

「しかし、とんでもねぇ一大スキャンダル掴んじったな…」

 

春香が出ていった店の中で正樹はそう呟く。

 

「そうっすね…」

 

翔琉もそう言うしかなかった。どうやら、何か気にかかることがあるようだ。

 

 

「これでよし…」

春香は駄菓子屋「みやじま」からそう離れていない公園のベンチに座っていた。

携帯で、先ほど渡されたメモの携帯番号を登録し終えていた。

 

「よかった…。これで私の心の荷が下りればいいけど」

春香はそんなことをつぶやきながらベンチから離れ、公園を出ていった。

だが、その光景を陰で見ている男がいた。

 

「まずいなぁ、そこまでやられると…。でも、キミとオレはの鎖は、一生断ち切れないようにしてあるからねぇ…」

 

その男の手には、『CHAIN』と書かれたドーグチャージャーが握られていた。

男はその光景を見終えると、停車してあった高級スポーツカーに乗り込み、その場を後にした。

 

 

「カミシロユウキ?」

 

数分後、すっかりこのガレージに気に入っているのか、よく来るようになった涼葉がそう言った。

 

「ってあのNewtuberでしょ?昨日元アイドルの渡部夕夏と婚約発表した。しかもできちゃった婚」

「確かだけど、俺の記憶が正しければなんだ、一回ソイツ女性絡みで問題起こしてなかったか…?」

 

こういうことはジャーナリストが詳しいと判断したのか、翔琉は涼葉に聞いた。

涼葉はバックからノートパソコンを取り出し、調べ始めたが

 

「見っけ、カミシロユウキって人、2~3年前に交際していた女性に酔った勢いで暴力振るって暫く活動止めてたみたいだね」

 

机でタブレット端末を操作していたマヒロに遮られた。

先を越された涼葉は思わずずっこける。

 

「ちょっと!ジャーナリストの仕事取らないで!」

「そう言われるのを予測していればボクに先を越されないで済んだんじゃない?」

「ぐぬぬ…」

 

マヒロの反論に何も言えなかった涼葉だった。

 

「で、なんで今頃カミシロユウキ?デキ婚発表のニュースで気になったとか?」

「いや、違うんだ。実はさっき女子高生から依頼があってな。なんでもカミシロユウキに自撮り写真を強要させられて、後に引けなくなって俺に相談されたんだ」

「なにそれ一大スキャンダルじゃん!!」

「うるさっ」

 

涼葉は声を張り上げた。思わず翔琉もマヒロも耳をふさぐ。

 

「でもな、女子高生曰く親にバレたくないから大ごとにしたくないんだと。警察にも探偵にも相談できなくてここに持ち込んできたんだって」

「う~ん…。なんだかフクザツ…。私もその子の立場になったらそうするかも…。だけどジャーナリストだからそっちも……」

 

涼葉の女としての心と、ジャーナリストとしての心の葛藤が続いたが

 

「でもたとえNewtuberであれなんであれ、そんなことするなんて最っ低!女の敵!!スクープはいらないからソイツにギャフンと言わせてやるー!!」

 

涼葉はそう一念発起すると、ガレージを出ていった。

 

「いや、女ってカタキが現れるとああなるの?」

 

マヒロはその光景に呆れかえっていた。

 

「いや、多分アイツだけだな…」

 

翔琉はその問にそんな事しか言えなかった。

 

 

それから翌日、春歌は通っている女子高校から帰路についていた。

その時突如翔琉の眼前に黒いSUVが止まり、数名の黒服を着た男たちが降りてきた。

 

「お前が新藤春香だな」

黒服の男がそう尋ねる。春香は思わず戸惑う・

 

「クライアントの要望だ。お前を潰せと」

男たちはドーグチャージャーを取り出す。

 

[GUNtrooper!]

 

男たちはドーグチャージャーでガントルーパーと呼ばれる戦闘兵に変貌を遂げた。

ガントルーパーは一歩、また一歩と春香に近づいていく。

 

その時だった、ガントルーパーの背後から翔琉の乗るCRF250がガントルーパーたちをはね飛ばした。

 

「大丈夫だったか?」

 

翔琉はCRF250を降りるや否や、春歌の無事を確認した。

 

「私はなんとも…。翔琉さん、どうして?」

「恐らくカミシロユウキの取り巻きか本人が君を襲うって最悪の事態に備えてついて行ってたんだ。ゴメンな」

「いえ、助かりました!」

「おのれぇ…。貴様!」

 

それを遮るかのようにガントルーパーの隊長各が声を上げた。

 

「春香。下がってな!」

 

翔琉はカメンデバイザーを取り出し、起動した。

 

[トライズドライバー・スタートアップ!]

デバイザーに1号・クウガ・ゼロワンのカメンチャージャーをデバイザーにセット。

[1号!クウガ!ゼロワン!カメントライズ!]

「変身!」

[うなれ正義の必殺キック!ライジングジェネレーション!!]

 

翔琉はトライズに変身。手にはトライジングキャリバーを手にしている。

 

「来な!」

 

トライズはガントルーパーに啖呵を切った。

ガントルーパーは有無をも言わずにトライズに突撃する。

トライズは間合いを取り、跳躍。落下の勢いでガントルーパーの1体を叩き斬る。

ガントルーパーの一体が銃の装備を捨て、背面から警棒のようなロッドを手にしてトライズを突こうとする。

然しトライズも、空中に宙返りしそれを躱す。

 

「ちょうどいいや。お仕置きの電気、喰らわせてやるぜ!」

 

トライズはデバイザーを引き抜き、1号・クウガ・ゼロワンのカメンチャージャーを取り外す。そしてベルト右のホルダーからストロンガー・ブレイド・カブトのカメンチャージャーを取り出し、デバイザーにセットした。

 

[ストロンガー!ブレイド!カブト!カメントライズ!]

 

トライズは再びデバイザーをベルトにセットする。

トライズの右前にブレイド、左前にカブト、正面にストロンガーのホログラムがうつしだされ、トライズの身体に融合し、頭部はブレイドのマスクにカブトのホーン、ストロンガーの複眼とクラッシャー、体の各部はストロンガーの赤いライン、胸部・肩はストロンガーとブレイド、腕部はブレイドとカブト、脚部はブレイドとストロンガーを模した装甲を纏う。

 

「轟け甲虫のスパーク!スパーキングビートル!!」

 

ここにトライズ第3の形態にして雷の力を司るスパーキングビートルが姿を現した。

 

「姿を変えようが無駄だ!」

 

ガントルーパーの隊長格は再び啖呵を切る。

 

「それはどうかな!轟雷ソニック!!」

 

トライズがそう発すると、トライズの姿が見えなくなり、それと同時にガントルーパーがなぎ倒される。

 

「こ、これはどういうことだ!?」

「答えは簡単。超高速で叩きのめしただけだ!」

 

轟雷ソニックとは、スパーキングビートルだけが持つ加速能力。トライズはこの能力を活かし、ガントルーパーを見えない速さで倒していったのだ。

 

「ボルトを上げるぜ!電撃ストレート!」

 

トライズはガントルーパーの隊長格に、電気エネルギーを秘めた拳を打ち出す。

ガントルーパーは大きく後ろに吹っ飛ぶ。

 

「そろそろフィニッシュに行くか!」

 

トライズはドライバーからデバイザーを引き抜き、ボタンを2回押し込む

 

[チャージングバースト!]

 

必殺状態へと移行したトライズの右足に、稲妻のようなエネルギーがチャージされていく。

 

トライズは高く跳躍した。

 

「メガスパークキック!!」

 

右足にチャージされた電気エネルギーを載せた必殺のキックは、ガントルーパーの隊長格を撃退するのに十分だった。

ガントルーパーの隊長格の身体から、ドーグチャージャーが排出される。それを確認した翔琉が隊長格に駆け寄る。

 

「なんであの子を狙った!?」

 

もう白状するしかないと諭したのか、隊長格は口を開く。

 

「か、カミシロユウキ…。ソイツのサポートで、我々は…」

「カミシロ!?まさかアイツもドーグチャージャーを!?」

 

その時だった。翔琉の方向からまっすぐに伸びた鎖が飛んできて、隊長格の身体を貫いた。

隊長格は無残にも消滅した。

翔琉は鎖が飛んできた方面を振り向く。そこには、右腕を伸ばした、腕、足、そして首にはチェーンがぶら下がり、胴体にはチェーンが巻き付いたような見た目をしたドーグが立っていた。

 

「その鎖…。ってことはチェーンか…。そんで正体はアンタか。カミシロユウキ!!」

「ご名答~!さっすがぁ!」

 

鎖のドーグことチェーンドーグは、変貌を解いた。

そこにいたのは、話題に挙がっていたNewtuber・カミシロユウキこと神代結城本人だった。

「なんでこの子を…春香を狙う!?」

「なんでって、キミは世間知らず?こんな事実をばらまかれたら婚約したオレとて、立場が危ういからね。せっかくまたここまで上がってこれて、その子とかによって地位をまた蹴落とされたら生活もままならない。理由はそれだけ?理解った??」

 

結城はNewtubeと変わらずのテンションで翔琉の問いをいなす。

「とりあえずは現段階では警告だけにしておくよ。それと春香、もしキミがまたこんなバカなマネをしたらどうなるか。理解ったよね?アディオース・仮面ライダー!」

 

結城はそう言うと、停車してあった高級スポーツカーに乗り込み。去っていった。

翔琉はその光景を、拳を握り締めて見ているしかできずにいた…。




というわけで、スパーキングビートル初登場回でした。

とりわけ今回のチェーンのドーグチャージャーの持ち主は…。ご察しの通りモデルがいます。言わないでください()
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