拳の軌跡   作:攻略王補佐官

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特務支援課

ゼムリア大陸西部の内陸部に位置する土地“クロスベル自治州”

 

北のエレボニア帝国と東のカルバード共和国と言う二大国に挟まれており、両国の緩衝地となっており、またマインツ鉱山から豊富な七耀石が採れることから熾烈な領土争いの対象となってきた歴史がある。

 

そういう経緯から議会には親帝国派と親共和国派がしのぎを削って勢力争いをしており半ば帝国と共和国の代理戦争の場と化している。

 

そんな地に一人のある青年が訪れた。

 

「クロスベル市……ここに戻ってくるのは三年ぶりだな」

 

その青年の名はロイド・バニングス。

 

ここ、クロスベル出身の青年で、分け合ってカルバード共和国に住む叔父の下で暮らしていた。

 

だが、二年ほど暮らした後、クロスベル警察学校に入学し、つい先日卒業した。

 

さらに卒業と同時に捜査官試験に合格し、捜査官としての資格取得し、今日、三年ぶりにクロスベル市へと帰って来た。

 

「列車の中でお爺さんたちに聞いていたけど、随分と様変わりしたな」

 

三年ぶりに訪れた街は色々と変わっており、ロイドはその街並みを眺めつつ、クロスベル警察署へと向かった。

 

「街並みは変わっても、警察署の位置までは変わってないか。それにしても……」

 

警察署の前に着いたロイドは懐から一枚の封書を取り出す。

 

それはロイドに宛てられた配属命令書だった。

 

『ロイド・バニングス殿

クロスベル警察本部・特務支援課への配属を命ずる』

 

「特務支援課……警察学校のカリキュラムでは説明がなかったけど、一体どんな部署なんだろ?……ま、行けば分かるか」

 

命令書を仕舞い、警察署内へと入る。

 

「すみません」

 

「こんにちは。ようこそ、クロスベル警察へ。どのような御用でしょう?」

 

「今日からこちらに配属になりました、ロイド・バニングスです。よろしくお願いします」

 

敬礼をし、ロイドはそう言う。

 

「あ、新人さんですね。これからよろしくお願いします。あれ、でも、今日新人の方が来るって連絡受けてませんけど………」

 

受付の女性警察官にそう言われ、ロイドも困惑する

 

「クロスベル警察ではなくてクロスベル警備隊ではないんですよね?」

 

「はい、警察本部で合ってるはずです。一応、警察官学校で捜査官の資格も取得しましたし」

 

「そうなんですか!?凄いですね、新人の方では珍しいですよ!でも、それなら尚更連絡がないのはおかしいですし……配属はどちらですか?」

 

「えっと……特務支援課って言う部署なんですが……」

 

「特務支援課?………そんな部署ありましたっけ?」

 

「え?……ないんですか?」

 

困惑するロイドと女性警官。

 

「お~、来やがったか」

 

そんな二人に一人の男が声を掛ける。

 

「あ、セルゲイ警部!」

 

セルゲイと呼ばれた無精ひげの男は、二人に近寄り、ロイドの肩に手を置く。

 

「フラン、コイツはうちで引き取る奴だ」

 

「あ、思い出しました!警部が立ち上げた新部署の名前でしたね!」

 

「ああ、そうだ。ま、半年も経たずに潰れるかもしれんがな」

 

そう言ってセルゲイはロイドと対面する。

 

「特務支援課課長、セルゲイ・ロウだ。お前が、ロイド・バニングスだな?」

 

「は、はい!ロイド・バニングス!クロスベル警察・特務支援課への着任を「ああ、それはまだいい」

 

着任報告をしようとしたロイドを、セルゲイは口を挟んで止めた。

 

「え?」

 

「着任報告はまだ早いってことだ。とりあえず、付いて来い。他の奴らを紹介する」

 

そう言ってセルゲイは奥の廊下へと向かい、ロイドも慌て気味に後を追う。

 

ロイドが連れて来られたのは警察署内にある会議室だった。

 

会議室内には、既に4人の人物が居た。

 

赤毛の男とパールグレイの髪の少女、黒いローブの様な服を着た青い髪の少女、そしてソフト帽を被った茶髪の青年だった。

 

「待たせたな、コイツが最後のメンバーだ。自己紹介しろ」

 

「あ、はい!」

 

前に出される形で、ロイドは自己紹介をしようとする。

 

(あれ?この人達先輩って呼ぶにはあまりにも……新人?いや、それにしたって若すぎる子もいるような……)

 

他のメンツを見て、ロイドは思わず呆ける。

 

「ん?おい、どうした?名前と出身だけでいい」

 

「す、すみません!」

 

セルゲイに声を掛けれら我に返ったロイドは、一つ咳払いをして自己紹介をする。

 

「ロイド・バニングス、出身はクロスベルです。警察学校を卒業したばかりの若輩者ですがよろしくお願いします」

 

「ランディ・オルランドだ。クロスベル警備隊から来た。ま、よろしくな」

 

「初めまして、エリィ・マクダエルです。私も出身はクロスベル、よろしくお願いします」

 

「ティオ・プラトーです。レマン自治州から来ました。よろしく」

 

赤毛の男“ランディ”、パールグレイの髪の少女“エリィ”、青い髪の少女“ティオ”が自己紹介をし、最後にソフト帽の茶髪の青年が自己紹介をする。

 

「俺はジョン・S・レフト。同じくクロスベル出身だ。よろしくな」

 

ジョンはソフト帽は軽く持ち上げ、会釈する。

 

全員の自己紹介が終わると、ロイドはセルゲイに特務支援課とは何の仕事をするのかを訪ねた。

 

その直後、セルゲイの持っていた通信機に着信が入り、セルゲイが出る。

 

二言、三言話すとセルゲイはにやっと笑う。

 

「喜べお前たち。特務支援課が何をする部署なのか分かるぞ。………初仕事だ」

 




オリ主の名前の由来

ジョン・スミスは日本で言う山田太郎的な名前→ジョン=太郎

翔→SYOU→頭文字はS

左→レフト

全て合わせてジョン・S・レフト

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