衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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2週間?3週間ぶりですね!
いや~最近忙しくてかく時間ありませんでした!
すみません!


槍兵と魚

晴れ渡る空の下で、釣り堀にたった1人座り込んでいる男がいた

 

涼しい風に当たり、海の波音を聞きながら男は静かに獲物が掛かるのを待っていた。

ルアーが沈み男は竿を引き上げる。

そこには針に掛かった魚がいた。

 

「お、今日は大漁だな」

 

 

そんな男を遠くで見ていた人がいた。

 

「アイツ、何してんだ?」

 

赤銅色の髪をした男───衛宮士郎は男の方を見ながらそんな事を呟いた。

 

 

 

────遡る事数分前

 

 

 

今日は部活もないし、気分転換に海に行くか、なんて思ったのが事の発端だった。

俺は必要最低限の物だけ鞄に詰め、海の方まで歩いて行った。

海の方へ近付くに連れ香る塩の匂い、そしてここまで聞こえる海の波音……

それだけで気分がスッキリした感じがした。次第に視界いっぱいに広がる海が現れた。

 

「海に来たのって、何年ぶりだっけ……」

 

そんな事思いながら、岸辺の方へ歩みを進めていく。すると堀の方に人が居ることに気が付いた。どうやらその人は釣りをしているみたいだった。

 

「釣りか……」

 

釣りといったらアイツが思い付くのが何故か気に入らないけど……

 

「ん?」

 

岸辺に近付くに連れて堀にいる人物が誰なのか判明した。

 

青髪の大男でさらに、見間違いじゃなければ俺はアイツのことをよく知ってる。

 

「アレって……ランサー?」

 

ランサー。真名はクー・フーリン。

ケルト神話の半神半人の大英雄で、1度俺を殺した事があるサーヴァントだ。

 

いや、てか何でアイツがここにいるんだ?

 

「アイツ、何してんだ?」

 

俺は話し掛けに行く為に、ランサーの方へ向かう。

 

「よ」

 

ランサーの近くまで行くと脇目でこちらを見ながら、返事をしてくる。

 

「よ、ってこんな所で何してんだよ」

 

「見てわからねぇか?釣りだよ」

 

「いや、それは知ってるけど……」

 

何でここにいるんだ?と聞く前にランサーが答える。

 

「前の釣り堀がよ、あの赤いのに取られちまったから移動してきたって訳だ」

 

「な、なるほど」

 

要するにアイツに釣り場所を取られたから仕方なくこっちに移動してきたって事か……

俺はそう思いながら、現在の成果を聞いてみる。

 

「釣れるのか?ここ」

 

「おう、ぼちぼちだな」

 

そう言いながら魚の入ったバケツを見せてくる。

 

「結構釣れてるな……」

 

「そうか?」

 

「ここの釣り堀はアジが釣れるのか……」

 

「持ってくかあ?」

 

「え、いいのか?」

 

「おう」

 

なら、有難く頂くとしてこれを使って何を作ろうか……

 

「ん〜これだけあったら、なめろうとかやってみたくはある」

 

「なめろう?って何だ?」

 

「アジをさ、きざんで葱とか生姜、味噌なんかを混ぜ合わせたやつ」

 

「へえ〜」

 

「ご飯の上にのせて食べても美味いだろうな〜」

 

俺はなめろうの完成図を思い浮かべながら話していると

 

「そこまで言われちゃあ、しょうがねぇ」

 

ランサーは立ち上がり、こちらに振り返り

 

「坊主、それ俺にも食わせろ」

 

「は、はぁ!?」

 

ランサーのとんだ提案に俺は驚きの声を口にする。

 

「いいじゃねぇか、それにそんな話を俺にした坊主が悪い」

 

「いや別にいいけど、大丈夫なのか?」

 

「何がだ?」

 

「いや、この後の事とか」

 

「別に対した用事もねぇし、坊主がいなけりゃ今日はずっと釣りしてただろうし大丈夫だ」

 

「そ、それならいいんだけど」

 

こうして、俺はランサーと一緒に帰路を辿ることになった。

 

 

 

帰路を辿っている際、ランサーが酒を買い出しそれに付き合わされ、ちょっと帰る時間が遅れてしまった。

 

「そんなに酒買って飲めるのか?」

 

「何だ、坊主飲めるのか?」

 

「未成年だぞ、俺は!」

 

「こまけぇ事を気にするなよ、大きくなれねぇぞ?」

 

「余計なお世話だ!」

 

ランサーの手には酒が沢山入った袋が握られており、俺は溜息をつきながら家まで向かう。

 

「そういや坊主」

 

「なんだ?」

 

「セイバーとは会ったか?」

 

「え?セイバーと?いや、まず家に帰ってないから会ってないけど……」

 

「なら、顔を見せに行ってやれよ?この前会った時顔暗そうにしてたからよ」

 

「セイバー……」

 

確かにセイバーと最後に話したのは3ヶ月も前だったっけ……、そろそろ顔を出しに帰る事もしないとな

 

「わかった、ありがとなランサー」

 

「おう、気にすんな」

 

俺とランサーは軽い雑談を交わしながら、家に向かった。

 

 

★美竹宅

 

 

「はぁ〜、ここが坊主が住んでる家か?」

 

「そうだけど……」

 

ランサーは家の前で何か思ったのか辺りを見渡している。

 

「坊主の家と似てんな」

 

「まあ、言われてみれば確かに似てる所は多いけど、そんなに気になる事か?」

 

「いや〜、ここまで似てると何か坊主の家に邪魔しに来てるみたいでよ」

 

「そうか?」

 

「ま、気にしても仕方ねぇ。早く入ろうぜ」

 

玄関を開け、中に入ると居間の方から楽しそうな話し声が聞こえた。

 

「お?先客か?」

 

「多分蘭の友達だな、今日来てたんだな」

 

「らん?」

 

「この家の持ち主」

 

「はぁ〜、なら挨拶しとかないとな!」

 

そう言ってランサーはドカドカと居間へと歩いて行った。

 

「お、おい!ちょっと待てよ!」

 

 

 

「あれ?士郎さん帰って来────」

 

「ん?どうしたのひま────」

 

「……」

 

「おーい、3人とも!帰ってこーい!」

 

「お〜、大きな人がいるね〜」

 

5人は突如現れた青髪の大男にそれぞれの反応を示す。

 

「蘭っていう嬢ちゃんは誰だ?」

 

ランサーはそう言うと蘭が更に表情を強ばらせる。───すると。

 

「おい!ランサー!自分の荷物くらい自分で持っていけよ!」

 

「お?悪ぃ悪ぃ、忘れてたわ」

 

「ったく」

 

大男の後ろから見知ったそして、今この瞬間を待ち望んでいた人物が姿を表した。

 

「士郎さん!」

 

「ん?あぁ、ただいま。みんな遊びに来ていたんだな」

 

「お、お邪魔していますって、それより!その人は?」

 

「えっとコイツは────」

 

「坊主とは昔からの縁でよ、今日は美味い飯を食いに来たんだ」

 

「シローさんのご飯は格別だよ〜」

 

「あぁ、士郎さんのご飯は美味しいからな。食べたくなるのも分かるよ」

 

「へぇ〜、やっぱ坊主の飯はうめぇのか」

 

「それはエモいくらいに〜」

 

「ほう?」

 

モカと巴がランサーと雑談していたので俺はその合間にキッチンへ向かおうとすると、蘭とひまりに捕まった。

 

「ちょ、士郎さん!あの人本当に知り合いなんですか!?」

 

「あ、あぁ、知り合いだけど……」

 

「あの人、絶対年上ですよね!?」

 

「まぁ大分歳は離れてるな」

 

相手はケルト神話の大英雄様だからな……

 

「まぁあんな性格だけど根は優しい奴だから話してみたら?」

 

「は、はーい」

 

「……わかった」

 

そう言うと蘭達はモカと巴の元へ向かった。

 

さて始めるか

 

 

まず初めに生食用のアジは皮を剥き、中骨を取り除く

長葱、みょうがはみじん切り、しょうがはすりおろす

 

 

「さて、次は────」

 

「おう、坊主」

 

後ろを振り返るとランサーが立っていた。

 

「何か手伝ってやろうか?」

 

「え?」

 

「こまけぇ事は頼むなよ、向いてねぇから」

 

「え、じゃあ今からアジをきざむけど、やるか?」

 

「任せとけ」

 

 

アジを細く……切りきざみ……

 

 

「お、おお……ズタズタだ」

 

早すぎて残像が見えるとかなんだよ

 

 

粘り気が出てきたら、きざんだ長葱、みょうが、しょうが、味噌、風味付けの醤油を加えて混ぜるように叩く

 

 

もう1品くらい作るか……

 

 

三枚に卸し、軽く塩をふり、5分ほど置いたアジは出てきた水分をペーパー等でよく拭き取っておく

大葉は軸を切り、大根はおろし、梅干しは種をぬき包丁で叩きペースト状にする

アジの皮目に浅く切れ目を入れ、身側には叩いた梅干しをぬり大葉をのせ、頭側から巻き楊枝で止める

これに片栗粉を満遍なくつけ、余分な粉を落とす

フライパンに少し多めの油をひき、中火で全面が満遍なく焼けるように転がしながら焼いて、火が通ったら完成!

 

 

(あとは盛り付け……の前にちょっと味見を)

 

箸でひとつまみして口に持っていく。

 

(……皿まで舐めたくなるほどだからなめろうだっけ)

 

思った以上に美味しかったのでもうひとつまみといこうとするが、そこを何とか耐え抜いた。

 

 

ご飯の上に海苔を揉みながらちらし、きざんだアジを盛り、白ごまをふりかけて……

 

 

「出来たぞー!」

 

「「待ってました!」」

 

ランサーともう1つ女の声が聞こえてきた。

 

「ひまり、また太っちゃうよ?」

 

「うグッ!お、美味しいご飯作る士郎さんが悪い!」

 

「確かにそれは一理ある」

 

「あるんだ……」

 

「えーっと、もういいかな?」

 

「お願いしま〜す」

 

「えー、本日のご飯は、アジのなめろうとアジの梅しそ巻き、あと骨煎餅です」

 

料理を全員の前に置いていく。俺も席に座り、全員が揃った所で

 

『いただきます』

 

なめろうを口に入れ、それぞれに幸せそうな顔をする。それを見てランサーが

 

「いいねぇ、美人のそういう顔は。作りがいがあるってもんだ、なぁ坊主!」

 

「う、まぁ、うん」

 

「び、美人ってそんな〜」

 

ひまりは嬉しそうにして、蘭とつぐみは顔を赤くして、巴は少し恥ずかしそうにハハハと笑い、モカはあまり気にせずなめろうを頬張っていた。

 

「美味しいね〜」

 

「アジって美味しいんだな、あこにも食べさせてやりたいよ」

 

「まだアジ残ってるし作り置きして持って帰るか?」

 

「いいのか!」

 

「あぁ、別に構わないよ」

 

「ありがとな、士郎さん!」

 

「あ、でもこれは今しか食えないかもしれないな」

 

「それって?」

 

俺は冷蔵庫からある容器を持ってくる。

そしてなめろうにかける。

 

「出汁茶漬けの完成」

 

「士郎さん!私にも!」

 

「あたしも欲しい」

 

「モカちゃんも欲しいぞ〜」

 

「ハイハイ、全員に行き渡る量あるから焦るなって」

 

それから全員に作り置きの出汁をかけ、蘭達は美味しそうに頬張る。

 

「魚1匹でこうも色々食えるもんかね」

 

「色んな味が楽しめていいだろ?」

 

「ま、美味しい事には変わらねぇから別にいいけど」

 

そして全員が食べ終わる。

 

「ごっそーさん、美味しかったぜ!やるな!坊主!」

 

ランサーは勢いよく俺の背中を叩いてくる。

 

「いっでっ!?」

 

バンッ!と背中を叩く音が居間に響き渡る。

 

「いや〜久しぶりに美味い飯食ったわ!坊主、また頼むわ!」

 

「お、おう」

 

背中を擦りながら、応える。

食器を洗う為キッチンへ向かうと、何故かランサーが手伝いにきた。

 

「ん」

 

「……」

 

「ほれ、早く受け取れ」

 

「……何の真似だ?」

 

「なに、一宿一飯の恩義っていうだろ?」

 

「一宿一飯って、それ泊まるって意味もあるからな!?」

 

「いちいち細かいねぇ、坊主は」

 

皿洗いが終わり、手を拭いているとランサーが冷蔵庫を開け、自分が買った酒を取り出す。

 

「よっし、食後の酒盛りと行こーかね!!」

 

「いや、全員未成年だから飲まそうとするなよ!?」

 

「お酒いっぱいあるね」

 

「私達にも何かないんですか〜士郎さん!」

 

「おいおい、士郎さんに集るなよ」

 

「ハァ、皆んなの分もジュース買ってあるから」

 

「流石シローさん」

 

色々とツマミやお菓子を広げ、その後を皆で楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

ちなみにランサーが酒を飲みきるまで、晩酌は続いたという




ランサー登場回!
彼の登場シーン必ず釣りと決めていたのだよ……( -ω- `)フッ

次に登場するサーヴァントは誰かな!?

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