衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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Zzzz……






GW4日目 ロゼリア

★CiRCLE

 

 

今日はCiRCLEのバイトが入っており、受付の所でスタッフとして立っている。しかし、士郎は仕事とは別の考え事をしていた。

 

何を知れば、彼女達の事をよく知れるだろう……とか

 

何を学べば彼女達の見てる景色が見れるだろう……とか

 

士郎は思考を回しながら、考える。

幸いにも客は来ず、予約入れてる客もあと1時間近く先の事なので、仕事を放棄してる、とまでいかずにいた。

 

士郎の頭の中には、昨日の監督の言葉が過ぎり続ける。

 

 

『人にはね、士郎くん。それぞれの感情を持った笑顔があるのだよ』

 

 

『怒りを催す笑顔や、悲しみを表す笑顔、そして楽しみに満ち溢れた笑顔。言い出したら数え切れない程の笑顔があるね。その中で君は幾つの笑顔を人に見せてきた?』

 

 

『君が悔いの無い道を選ぶ事を私は勧めるよ』

 

 

「悔いの無い選択、か」

 

考えれば考え込むほど、分からなくなってくる。

士郎の表情は徐々に曇っていく。どれだけ悩んでも望む答えは出ない。それどころか逆に悩みが増えていく。こういう時にすぐ答えを出せない士郎は自分が悔しくなっていた。

 

しかし、時間はそれを許してはくれない……

 

悩み続けていると、扉が開き2人の女性が入ってくる。

 

「あら?士郎さん?今日バイトの日だったんですね」

 

「あ、ほんとだ、てあれ?士郎さん?」

 

紗夜とリサが来ている事に気が付かず、まだ頭を抱えたまま俯き続ける士郎。そんな士郎を心配に思い、駆け寄る2人。

 

「士郎さん?大丈夫ですか」

 

「士郎さん?おーい、士郎さーん」

 

「え……うおっ!?」

 

2人が顔を近付け、そこでやっと士郎は2人の存在に気が付いた。

 

「ふ、2人共早いな、まだ予約時間より早いぞ?」

 

士郎は時計を見ながら、2人に言う。

 

「早めに着いておいた方が時間を無駄にしなくて済みますからね……それより」

 

「どうした?」

 

2人は士郎の顔を心配そうにみる。

 

「大丈夫?士郎さん、何か俯いてたし、アタシ達が近付いても気づかなかったし」

 

「あ、あぁ、ごめん。ちょっと考え事をしてた……」

 

「それに顔色も悪いですよ?」

 

「そ、そうか?」

 

「そうそう。いつもは頼りになる士郎さん!って感じだったけど今の士郎はなんか疲れ果てた士郎って感じ」

 

「それほど深刻な悩みでしたら私達に相談してください。微力ながら力になれると思いますので」

 

「いつもお世話になってるからね、お姉さんに話してみ?」

 

「お姉さんって……俺より1つ歳下じゃないか……」

 

「細かい事は気にしないの、ささ、話してみ?」

 

士郎は話すかどうか悩むが、これは自分の問題だと決めつけ断ろうと言葉にする。

 

「いや、大丈夫だ。特に困るような悩みじゃ───」

 

 

「なら、私達に話してもいいんじゃないでしょうか?」

 

紗夜に言葉を遮られる。更にはリサに詰め寄られる。

 

「いつも助けて貰ってるし、これくらいの恩返しはさせてくれないかな?」

 

「で、でも───」

 

「そうですね、士郎さんにとって私達は信用に値しないっということなのでしょう」

 

「そ、そんな事思ってないぞ!」

 

「なら話してくれもいいんじゃないでしょうか?」

 

ウグッと小さく呻き声を上げ、言葉に詰まる。

 

「……アタシ達にも、何か手助けさせてくれない?」

 

トドメにリサからの涙目で、士郎は腹を括り話す事にした。

 

「ハァ……俺の負けだ、話すよ」

 

そう言うと、紗夜は呆れた顔と共に溜め息をつく。

 

「最初からそう言えば良かったんです」

 

「まぁまぁ話してくれるみたいだから結果オーライでしょ?」

 

そんな紗夜をリサが宥める。

 

「アンタも涙目で詰め寄ってただろ……」

 

「気にしない〜気にしない♪」

 

リサの相変わらずの対応に溜め息を零しながら、話し出す。

 

「特に深刻、て感じの問題じゃないんだ。ただ……」

 

「ただ?」

 

「蘭やモカ達、それに香澄達や麻弥達の事を俺は知らなすぎるのかもしれないなって思って……」

 

「どういう事です?」

 

「簡単な話、俺は彼女達の日常面の顔しか知らないってなだけだよ」

 

「つまり士郎さんは───」

 

「彼女達の近くで支え続ける為には、他にもっと知らなきゃいけない事もあるんじゃないか?て思ってな」

 

「美竹さん達なら、そんな事しなくても近くに居てくれるだけでいいと思っていますよ?」

 

「あぁ、おそらく蘭達ならそう言うだろう。だからこれは俺の我儘でもあるんだ。アイツらの為に力になってやりたいって」

 

「なるほどね」

 

士郎の話を聞き、2人はどうすればいいか考え出す。そこにリサが────

 

「あ!ねぇ紗夜、こんなのはどう?」

 

何か思い付いき士郎に聞かれないように、紗夜に耳打ちする。

 

「それは名案ですね」

 

「でしょ?」

 

「早速湊さんに連絡してみます」

 

紗夜はスマホを取り出し、店から出て行く。そんな状況を理解できてない士郎はリサに問いただす。

 

「お、おい、一体何の話を────」

 

「ねぇ、士郎さんってまだ休憩って取ってない?」

 

「え?あ、あぁ、まだ取ってないけど」

 

「じゃあさ、その休憩時間の10分くらいアタシ達にくれない?」

 

「い、一体何する気なんだ? 」

 

「それは起きてからのお楽しみ〜♪」

 

 

 

 

数分してから湊とあこ、燐子が入店してくる。

 

「話は紗夜から聞いたわ」

 

「いや、俺はまだ聞かせれてないが」

 

「シロにぃ、まっかせておいて!あこがビシッと決めるから!!」

 

「何を!?てかシロにぃ?」

 

「そう!シロにぃ!」

 

ニッコニコで応えるあこ、その隣に立っている燐子は───

 

「ち、力になれるかどうか分かりませんが、が、頑張ります……!」

 

どういう事が状況をまだ理解が出来ず、リサの方へ振り向くが、笑顔で返された。

 

「では、スタジオへ向かいますよ」

 

「俺もか!?」

 

「アタシ言ったよ?10分時間を頂戴って」

 

「た、確かに言って承諾はしたけど……」

 

「つべこべ言わずに行きますよ」

 

「お、おい!ちょ───」

 

士郎に有無を言わさずスタジオの中に押し込むRoselia

中に入ると士郎を椅子に座らせ、自分達は楽器のセットを始める。

 

そこでようやく彼女達の意図を掴んだ。

 

「あ、やっと理解した?」

 

「あぁ、やっと理解したけど、理由がまだ分からない……」

 

「士郎さんが他の子達の日常以外の顔を知ったきっかけってバンド経由でしょ?」

 

「あ、あぁ」

 

「なら、バンドの事について知ればその子達の事も分かってくるんじゃないかなって思って」

 

それに、とリサは付け出し─────

 

「アタシ達の事も知って欲しいしね!」

 

そう言うと演奏する準備が出来たらしく、湊が

 

「貴方には私達『Roselia』の実力をその目で確かめて貰うわ」

 

そしてあこのバチを3回叩いた後、彼女達『Roselia』のバンドが始まった。

 

 

士郎は彼女達の技術の高さに驚かされていた。士郎は『Poppin’Party』『Afterglow』『Pastel✻Palettes』の3つのグループのバンドしか見て来ていない素人同然だが、それでも彼女達のバンドには何か惹かれるものがあった。士郎はそれが答えかもしれない、と考えるがやはりどれだけ聴いてもその答えは掴めず、その代わり彼女達が今までどれほど努力し高みへと目指したか、身にしめて分かった。

 

 

「ふぅ……どうだったかしら?」

 

演奏が終わり、湊は士郎に感想を求める。

 

「あぁ、率直に言うと凄い、としか言い様がないな……俺には音楽の知識とかあまり無いから専門的な感想は述べれないが、素人の俺から見たら5人共凄くカッコよかったよ」

 

「ふふん!」

 

あこがドヤっとした顔し、それを見た士郎は笑みを零す。そこにリサが士郎に問い掛ける。

 

「それで何か掴めた?」

 

「いや、まだ分からないままだ……でも聴いてると何か掴めそうになった事はあるが、そのまま聴き入っちゃってな」

 

頭を掻きながら、謝罪を述べる。

 

「ごめん、俺の為に時間を使ってくれたのに」

 

しかし、それを咎める声は上がらず、代わりに────

 

「なら、また聴けばいいじゃん」

 

「え?」

 

「何も謝る事の程じゃないわ、私達はやりたい事をやっただけで、逆に士郎さんの時間を使って聴いて貰ったのに答えが掴めなかったのは、私達の技術不足なだけです」

 

「そんな事はないさ!湊達はよく頑張ってたさ!掴めなかったのはただ俺の───」

 

士郎が次の言葉を発する前に、リサに遮られる。

 

「じゃあお互いに悪かったって事にして次に進んで行こう、ね?」

 

「……そうね」

 

リサの言葉に湊は納得したが、士郎は納得いかず言葉を続ける。

 

「でも俺は君達の練習時間を借りてまで聴かせて貰ったのに……俺は……」

 

「じ、じゃあ、また来たら……いいんじゃないかな……?」

 

「え?」

 

燐子の発言に士郎は間抜け声を出した。

 

「し、士郎さんさえ良ければですが……」

 

「あら、名案ね」

 

「そうですね」

 

「りんりん冴えてる〜!」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

Roseliaの中では納得したが、士郎がまた納得言ってないのか食い下がる。

 

「俺がいたら君達の練習の邪魔になるだろ?君達に迷惑はかけたくない。それに───」

 

「士郎さん」

 

彼女達は笑みを零しながら呆れ顔で応える。

 

「最初に言ったでしょ?アタシ達はやりたい事をやってるだけだって、それに迷惑かけてるのはアタシ達の方だよ?」

 

リサは言葉を続ける。

 

「この前バイト先で人数不足だからって、助っ人で来てくれたよね?アタシも嬉しかったし、店長さんも喜んでたよ?」

 

「私は貴方に色んなアドバイスを貰ったわ」

 

「私も貴方には迷惑をかけてしまう事が多々ありまし、それに妹のピンチをいつも助けてくれて、ありがとうございます」

 

「こ、この前わたしが人に話しかけられて、戸惑っていた時に、助けてくれましたよね」

 

「あこはね!いつもおねーちゃんと仲良くしてくれているのと、いつも美味しいご飯を作ってくれて嬉しかった事かな!」

 

リサは士郎に近付き、問い掛ける。

 

「アタシ達はいつも士郎さんに迷惑をかけちゃってるから、逆に士郎さんから迷惑かけちゃってくれてもいいんだよ?」

 

「そんな迷惑だなんて思ってないさ」

 

「私達もですよ」

 

「え?」

 

「私達が練習している所を見てもらっても迷惑だなんて思いませんよ」

 

湊は士郎に近付き、微笑む。

 

「私達に恩返しをさせてほしい」

 

その後ろで紗夜、リサ、燐子、あこが微笑む。それを見た士郎は驚いた顔をしたが、彼女達の意思は本物だと分かり、諦める。

 

「そこまで言われちゃ、頼るしかないな……お願いしてもいいか?」

 

湊は微笑み返す。

 

「フフ……えぇ、勿論よ。貴方の迷惑────

 

 

 

 

 

 

 

──────Roseliaが引き受けたわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールデンウィーク4日目 Roseliaの恩返し




見てくれてありがとう!!

え?料理シーンはどこいったって?


ハッハッハ!!




ゴールデンウィークの話ではお見逃しください!!
私のネタが切れてしまいますので、何卒!!!!



次回がゴールデンウィーク最後の日 『ハロー、ハッピーワールド!』です!!
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