衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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……特に書くことが思い付かなかった

どうぞ⤵


里芋の煮っころがし

「シショー!!」

 

商店街

士郎はいつも通り今日の献立を考えながら、食材を買いに商店街を歩いていると、突如後ろから声を掛けられ振り返る。

 

「イヴ?どうかし────」

 

士郎が声を掛ける前にイヴは士郎の手を掴み、懇願する。

 

「シショー!私に……里芋料理を作ってください!!」

 

「───え、はい?」

 

突然の事で士郎は理由が分からず、間抜けな声を出す。しかしイヴの方は目をキラキラと輝かせながら、真剣な眼差しで士郎を見つめる。

 

「えっと、どういう事だ?」

 

やっとの事で士郎はイヴに質問する。

 

「はい!実は────」

 

 

────それは数分前に遡る。

 

 

イヴ達は今日の収録を終え、事務所から立ち去ろうとしていた時だった。

 

「今日もお疲れ様〜」

 

「えぇ、明日も頑張っていきましょ」

 

「もっちろん♪でも、流石に今日は疲れたな〜」

 

「お腹も空いてきたッス……」

 

「どっか食べに行く?」

 

5人は事務所の廊下を歩きながら、話し合う。

 

「流石にこの時間帯だと人気のお店はいっぱいでしょうね……」

 

「ポテト食べに行く?」

 

「日菜ちゃん、アイドルやってるのだから栄養管理はしっかりしないと駄目よ?」

 

「はーい」

 

スマホで色々な飲食店を探すが中々決まらず、どうしようかと悩んでいると

 

「おーい!」

 

後ろからスタッフが走って来ていた。

 

「あら、スタッフさん。お疲れ様です」

 

「お疲れ様、君達これ要らないか?」

 

そう言ってスタッフが手に持っていた袋を開ける。

そこには─────

 

「里芋?」

 

「そう、里芋」

 

中には里芋が沢山入っていた。

 

「実家から送られて来たんだけど、こんなに沢山あっても食えないから困っていてね。出来れば貰ってくれないか?」

 

「そういう事でしたら……」

 

千聖は里芋が入った袋を受け取った。

 

 

 

「さて、これをどうしましょう……」

 

受け取ったのはいいものの、その後の事をあまり考えていなかった5人は里芋をどうするか悩んでいた。

 

「う〜ん、誰か里芋で料理できる?」

 

「わ、私はちょっと……」

 

「私は一応料理は出来るけど、里芋は料理した事がないわ」

 

「ジブンも無理ッス……」

 

「里芋……初めて見ました」

 

「うーん、あたしもあまり得意じゃないし……どうしようか?」

 

うーん、頭を悩ませながら商店街を歩いていると、見知った人物が歩いていた。

 

「ねぇ、あれって」

 

「士郎さんですね」

 

「お兄さんって料理得意だっけ?」

 

「大の得意ッスよ」

 

彩は何か思い付き、千聖達に話す。

 

「じゃあお兄さんに作ってもらおうよ!」

 

「それいいね!それじゃあ早速───」

 

「士郎さんの予定も聞かずにお願いするの?」

 

「「うっ」」

 

千聖からの正論に彩と日菜は走り出しそうな脚を止める。千聖は溜め息をついていると、1人居ないことに気付く。

 

「あれ?イヴちゃんは?」

 

「イヴさんならもう士郎さんの所まで走って行ったッスよ」

 

「え───」

 

そう言って麻弥は指を指す。

千聖は麻弥が指を指された方向へ目をやると、シショー!と叫びながら走っているイヴの姿を見つけた。

 

「イヴちゃん……」

 

「私達も行こ!」

 

彩がそう言って日菜と一緒に士郎の所へ駆け出して行く。

 

「あの子達は……」

 

「ま、まぁまぁ、ジブン達も行きましょう?」

 

「……そうね」

 

そして千聖と麻弥も後に続いて駆け出して行った。

 

 

♢

 

 

「なるほど、つまり里芋を貰ったからそれを俺が料理すればいいんだな?」

 

「いいんですか?」

 

イヴの説明の合間に彩達が現れて、その後の説明を千聖から聞いた。

 

「別にこの後用事もないしな、それに里芋か……いつぶりだろうな」

 

「お兄さんは里芋食べた事があるんですか?」

 

「あぁ、あるよ」

 

「へぇ〜」

 

士郎は説明を聞いた後里芋の他に合いそうな食材を買い足し、今は魚屋の前に来ている。

 

「魚も買うんですか?」

 

「あぁ、芋だけじゃなくあと3品くらい作ろうと思ってるんだ」

 

「そうなんですか?」

 

「アイドル様ご要望の里芋を使った煮っころがしに小松菜の和え物と味噌汁、でメインを今が旬のさんまにしようと思うんだ。脂がのってて美味いぞ?」

 

そう言うと彩達の口から涎が少し垂れそうになっていた。その中で千聖だけは涎を垂らさず、冷静に分析していた。

 

「食事のバランスも考えられた構成……流石士郎さんですね」

 

千聖の褒め言葉を素直に受け取りながら、魚屋のおっちゃんに話しかける。

 

「さんまください」

 

「あいよ、お?アンタ士郎って名前か?」

 

「え?」

 

唐突に魚屋のおっちゃんに名前を言われ、疑問に思った士郎だったがおっちゃんから貰った1枚の紙で納得した。

 

「ほれ、伝言じゃ」

 

「伝言?」

 

その紙にはこう書かれていた。

 

“よぅ、坊主。こっちの魚屋でもバイトすることにしたわ。だからよ、また飯食いに行くから、そん時は美味い飯頼むわ”

 

この紙を見て、士郎は誰なのか理解した。

魚屋でバイトして尚且つ、自分の事を“坊主”なんて呼ぶ奴はアイツしかいない……

 

ランサーの野郎……

 

士郎は苦笑いを浮かべながら、心の中で悪態をついた。

 

 

 

◆美竹家

 

食材も買い終え、士郎達は家に来ていた。

 

「まさか本当に蘭ちゃんの家に住んでいたなんて……」

 

「ハハハ……俺もおじさんに言ったんだけど、蘭の事を任せたって頼まれてな」

 

「士郎さんだから安心して任せる事が出来たんだとジブンは思うッス」

 

「そうかな?」

 

「本当なら男女2人っきりで住ませるのはよくないんですが、士郎さんは別って私も思いますよ?」

 

「私も思ったー!何だろ、何かこう……そう!お兄ちゃんがいるみたいな感覚になって安心出来ちゃう!」

 

「おねーちゃんとおにーちゃんか……悪くない!士郎さん!あたしのおにーちゃんにならない?」

 

「なんでさ……」

 

「こう、るんっ☆てきたから!」

 

玄関から騒がしく入るが、家には誰もいなかった。

 

「あれ?蘭ちゃんは?」

 

「ん?今日はモカ達とバンドの練習に行ってるぞ」

 

「へぇ〜、じゃあ今家には誰もいないの?」

 

「まぁ、そうなるな」

 

士郎は食材をキッチンに持っていき、早速料理を始めようとする。

────そこに。

 

「士郎さん」

 

千聖が袖を捲り、キッチンに入ってくる。

 

「私も手伝います」

 

「作る数が多いから、助かるよ」

 

「私も手伝います!」

 

「じゃああたしもやろうかな〜」

 

「ジブンもやるッス!」

 

「私もお手伝いします!」

 

「なら、まずは里芋の皮むきからだな」

 

士郎は里芋を見て、布巾と包丁を取り出す。

 

「新物とそうじゃないのもあるから二手に分かれてむいていこうか」

 

話し合った結果

布巾組……彩、日菜、麻弥

包丁組……士郎、千聖、イヴ

となった

 

「新物なら布巾で擦るだけでむけるけど、そうじゃないのは里芋の上下を落として気持ち厚めにむいていってくれ」

 

「わかりました」

 

千聖とイヴは手際よくむいていき、彩達の方も楽しそうに布巾で擦っていく。

 

里芋はぬめり取りの為に1度下茹でをする

沸騰したお湯に里芋を入れ、3~4分茹で、そのまま流水にさらしながら芋のぬめりを洗い流す

鍋に里芋と里芋が被る程度出汁を入れ、火をかける

煮立ったら砂糖、酒、みりんを加え、落とし蓋をして煮汁が少し煮立つ程度の弱火で5~6分

醤油を加え更に5~6分煮詰めていく

煮汁が小さくなったら焦がさないように鍋をゆすりながら、里芋に汁を絡ませ、ツヤが出てきたら完成!

 

「わぁ……美味しそう……」

 

じゅるりと涎を垂らすアイドル達を横目に、士郎は次の工程に進む。

 

丸一尾の魚を扱う時は必ず水洗いしてから魚の頭を持ち、包丁をねかせ気味で頭から尾っぽの向きで軽く擦る感じでする

下処理をし、水で魚のぬめり等を洗い流したら、よく水気を取る

臭み抜きの為さんま全体に軽く塩を振り10~15分放置

水気が出てくるのでこれを拭き取る

さんまの皮に軽く切れ込みを入れ、今度は味付けの為塩をふり焼いていく

 

そんな時、玄関が開く音が聞こえた。

 

「ただいま…………え?」

 

居間に入るとまさかパスパレのメンバーがいるとは思わず、素のリアクションをしてしまう蘭だった。

 

「おかえり、蘭」

 

「お邪魔してます」

 

「「蘭ちゃんおかえり〜!」」

 

「美竹さん、お邪魔してるッス」

 

「お邪魔してます!」

 

「……何で?」

 

やることが無くなったから、彩と日菜が何故いるのか説明をする。

 

「蘭ちゃんの事は彩ちゃん達に任せましょう」

 

「そうだな、じゃあこっちは残りもやっつけちまおう」

 

小松菜は茹でたら氷水に落として熱を取る

おひたしに入れる油揚げは油抜きをする

味噌汁は沸騰させないように気を付ける

 

「あとは盛り付けて……完成!」

 

出来た料理をテーブルに並べ、各々席に座り手を合わせる。

 

『いただきます』

 

先に里芋から口に入れ、美味しそうに頬張る。

 

「美味しい!!」

 

「えぇ、いい味が出てとても美味しいわ」

 

「ん〜!おいひい〜!」

 

「いくらでも食べれそうッス!」

 

「これが里芋料理……美味しいです!」

 

「うん……美味しい」

 

それぞれ感想を述べながら里芋を口にする。

 

「里芋は一晩置くともっと味が染みて美味しいだろうな」

 

「そっちも食べてみたいな〜」

 

「魚もふっくらとしていて美味しい……」

 

「お兄さん、料理上手ですね!」

 

「そう言ってもらえて嬉しいよ」

 

彩の褒め言葉に笑顔で返す。その真隣で食っている日菜が蘭に頭を下げて懇願する。

 

「蘭ちゃん!お兄さんをください!」

 

「駄目です」

 

「そこを何とか〜!」

 

「駄目です」

 

そのやり取りを士郎達は笑いながら見ていた。

 

 

 

 




見て下さりありがとうございます!

え?季節がおかしいって?

気にしなさんな……
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