実は先週の日曜日に投稿しようと思ったんですけど、その日がイヴちゃんの誕生日だったじゃないですか?
見たら分かると思うんですけど、今回の内容はイヴちゃんの誕生日には出せないな、と思い投稿しなかったんですよ。
あとは、また新しい内容の小説を書いてまして、いつか投稿しますが、その代わりこっちの投稿ペースが下がりますのでご了承を
では⤵
小雨が降る日曜日の昼過ぎ、食器を拭いていた士郎の元にメールが届いた。
送り主は麻弥で、内容が『今日、握手会があるので来て欲しい』と書かれてあった。
「シロウ、何処か行かれるのですか?」
「あぁ、ちょっと知り合いに呼ばれてな」
食器を拭き終え、玄関で靴を履いていると後ろからセイバーが声を掛けてきた。そんな時、士郎はある考えを思い付く。
「セイバーも一緒に来るか?」
「よろしいのですか?」
「あぁ、セイバーにもいつか紹介しようと思ってたし、それに街もついでに案内出来るからな」
「なるほど、それならご一緒させてもらいます」
セイバーは微笑みながら、傘を持ち靴を履いて2人で家を出て行った。
目的地までの道のりで他愛のない話をしながら色々な店を見てまわっていた。
「そういえば今日ランを見ませんでしたが、何処かに行かれるのですか?」
「あぁ、モカ達と一緒にバンドの練習しに行ったよ」
「バンド?シロウ、バンド、とは何ですか?」
「バンドてのは、楽器を演奏する集団の事を言うんだ」
「ほぉ、ではラン達はそのバンドというものをやっているのですね」
「そうだな、ちなみに蘭はギターとボーカルだな」
「ボーカル?」
セイバーはまた頭上にハテナを浮かべていた。
「あれ?蘭から聞いてなかったのか?」
「いえ、ランからギターを実際に見せてもらい理解はしましたが……ボーカルとは何ですか?」
「ボーカルは歌い手の事だな」
「歌い手……つまりランはギターを弾き、更には歌えると?」
「まぁそうだな」
「流石ランです!」
セイバーはまるで自分の事のようにドヤ顔で喜んだ。その様子を見て、士郎は微笑を浮かべた。
「蘭のチームはあと、モカと巴、ひまりにつぐみだな」
「な!?モカ達もバンドをやっていたのですか!?」
セイバーは驚愕した顔で、士郎を見やる。
「5人で1チームだからな、バンド名がAfterglowだな」
「Afterglow……彼女達にピッタリの名前だと思います」
セイバーは微笑みながら、目を瞑る。そして次の瞬間、彼女のアホ毛がピーンと立った。
「この匂いは……!?」
「え、ちょ、おいセイバー!?」
突如セイバーが走り出し、士郎はその後を追う。
「ここは……」
着いた場所は、パン屋だった。しかも士郎がよく知る人が営んでいる店
「シロウ!見てください!とても美味しそうですよ!」
セイバーは涎を少し垂らしながら、パンを見やる。
─────そんな時。
「あれ?士郎さん?」
店から沙綾が出て来た。
「あぁ、おはよう沙綾。今日も店番か?」
「はい、今日は親が少し外出してて」
沙綾は視線を士郎からガラスに張り付いているセイバーに向ける。
「えっと、この人は士郎さんの知り合い、ですか?」
「えっと、まぁ、そうだな」
士郎はまだガラスに張り付いたままのセイバーに近付き
「何か買ってくか?」
「な!?いいのですか!?」
セイバーは目を輝かせ、勢いよく振り向くがすぐ我に返る。
「い、いえ、別に私はそこまでお腹空いてはいませんが、シロウがどうしてもと言うのであれば仕方ありませんが私も仕方なく頂きましょう!えぇ!私は別にお腹が空いている訳でありませんが!」
「わ、分かった!分かったから!」
早口で喋るセイバーを落ち着かせて、沙綾にオススメのパンを7つ選んで貰い、買って行った。
「そういえばシロウ、何故パンを5つ多く買ったのですか?」
目的地までもう少しの所で、セイバーはパンを食べながら質問してきた。
「今から会う人の分も買ったんだよ」
「5人もいるのですか?」
「あぁ、それも結構人気な人達だな」
そして目的地まであと少しという所で、何やら騒ぎが起きていた。
「何だ?」
「シロウ、あちらの方で騒ぎがあるみたいです」
セイバーが指した方角には──────
「いい加減にしてください!」
そこには5人の女の子とそれを守るように立つ大人達と対立するように立つ男が3人いた。
「貴方達が何と言おうと彩は私達の仲間です!」
「流石のあたしも許せないな〜、彩ちゃんに謝って!」
千聖と日菜が男達に怒りを顕にしながら叫び、イヴと麻弥は彩は慰めながら背中を摩る。
「事実だろ?俺そいつを見てるだけ鬱陶しかったんだよ、早くやめてくれねぇかな?」
「貴方ね!!」
「落ち着くんだ千聖君!」
「落ち着いていられません!仲間を侮辱されたんですよ!?許せません!!」
「それでも落ち着くんだ!ここで騒ぎ起こしてしまえば君達の顔に泥を塗ることになるぞ!?」
「それでも構いません!私はあの男が彩に謝るまでやめるつもりはありません!」
「やめるんだ!日菜君も落ち着くんだ!」
何とか千聖と日菜を止めている監督とスタッフ
しかし男達は反省する気はおろかまだ偉そうに侮辱する。
「だいたいそんな奴がアイドルとしてやって行けるんだったらそこら辺の奴でもなれるだろ」
「君達もいい加減やめるんだ!それ以上は名誉毀損で訴えるぞ!」
「はっ、俺は普通に意見を言ってるだけだぜ?何か悪い事でもしましたか〜?」
「貴方達、いい加減に───!」
「いい加減にしろ!」
まだ罵倒しまくる男の肩を掴む者が現れた。
「士郎さん!?」
「士郎君!」
士郎は男を睨むように見ながら肩を強く掴む。
「何だお前?」
「何も知らないお前らなんかに彩を馬鹿にする権利なんてない!」
士郎は声を荒げながら怒る。
「俺はアイドルとは何なのか詳しくは知らない……それでもアイドルが大変で苦しい事が沢山ある事は知っている。その中で有名になろうと思うとその何倍の苦難が待ち受けているんだろう。そして彩は仲間達と共にその苦難を乗り越え、今に至った。彼女達の苦難を知らないで偉そうに人を馬鹿にするなよ!」
「うるせぇな!この野郎!」
男は肩を掴んでいる士郎の手を振りほどき、そして士郎に殴りかかった。
『士郎さん!!』
「士郎君!!」
士郎はそのまま倒れそうになるのを踏ん張り、口から出た血を拭う。
「倒れてたまるかよ……」
「はぁ?」
「人を馬鹿にするような奴の拳で、倒れてたまるかって言ってんだよ」
「てめぇ!!」
そのまま士郎は男に3発も喰らい、よろけるが踏みとどまる。
「ハハ……」
士郎は嘲笑うように男を見遣り、煽る。
「どうした?倒れてないぞ?」
「ッ!てめぇ!!」
「夢があるから、人は何かを頑張ろうと思える。人の夢を応援しようと思えるから、支え合える」
士郎は睨み付ける
小雨は徐々に止み上がる
「お前なんかに彩の夢を馬鹿になんてさせねぇ」
士郎は拳に力を込める
雨は止み、日差しが差し込める
「彩の夢は決して、その道がどんなに険しくても!決して諦める事なんてしない!」
そして高らかに叫ぶ
日差しが士郎を照らしあげる。
「彩の夢は、間違いなんかじゃないんだから!!!!」
士郎は地を蹴り、男の顔をめがけ拳を振り上げた。
男はそのまま地に倒れ、鼻から血を流した。
「いってぇ……」
男は自分の鼻に触れ血が流れているのに気付き、士郎を睨む。
「てめぇ……調子こいてんじゃねーよ!!」
男が殴りかかろうとした時、遠くからパトカーのサイレン音が聞こえてきた。
「は!?何で警察が!?」
「君達が士郎君を殴っている間に通報させてもらったよ。これだけの目撃者がいるんだ。言い逃れはできないぞ?」
「チッ……行くぞ!」
男3人は人を押しのけながら、何処かに行ってしまった。
士郎は男達がいなくなるのを確認した後、地面に座り込んだ。
「士郎さん!」
千聖達が近付いて来て、士郎の傍に座り込む。
「大丈夫ですか!?」
「あぁ、大丈夫だよ。こんなのアイツの拳に比べたら全然……」
「アイツ?」
「い、いや、何でもない!それより!彩」
涙を流しながら、蹲っていた彩に語りかける。
「士郎さん……」
「俺は彩の夢が間違っているなんて思っていない。それどころが尊敬してるんだ」
「尊敬?」
「あぁ、彩は夢を諦めずずっとアイドル目指してきたんだろ?それに比べて俺は夢を何度か諦めかけた事があるんだ」
「士郎さんが?」
「彩、この先あんな奴みたいに嫌味を言ってくる奴が現れるかもしれない。それでも彩はアイドルとしてやっていくのか?」
彩は士郎の問いに俯き、そして覚悟した目で応えを述べる。
「勿論です!私は……アイドルを諦めたりしません!」
「彩ちゃん……」
「流石彩ちゃん♪」
「アヤさん!私はずっと一緒にいますからね!」
「ジブンもッス!彩さんの為なら頑張るっス!」
イヴと日菜が彩に抱き着き、千聖と麻弥は微笑みながらその光景を見ていた。
「これから大変だけど、頑張れよ。俺も応援してるからな」
「はい!」
彩は最高の笑顔で返事をした。
それと同時に警察の人達が到着した。
「士郎君!怪我しているだろ?」
「大丈夫ですよ、これくらい」
監督の質問に士郎はそう応えセイバーを呼ぼうと振り返ると、セイバーの姿はどこにもなかった。
「あれ?セイバー?」
「ん?誰かいたのかね?」
「いえ、あの金髪の女性見ませんでしたか?」
「金髪の女性?あぁ〜そういえばその金髪の人から君に伝言を預かっているよ」
「伝言?」
「えっと、確か───────
──────少し用事を思い出しました
「どうする?」
男達は路地裏で溜まり、警察のサイレン音が鳴り止むのを待っていた。
「大丈夫か?」
「いってぇ……あの野郎、覚えてろよ……!」
男は鼻血を止めながら、今日殴り返してきた男を憎むように愚痴る。
そこに───────
「ようやく見つけました」
1人の女性が路地裏に入ってきた。
「何だお前は」
「貴方達にはまず感謝を」
「は?」
男達は何言ってるか分からないといった顔で女を見る。
「貴方達のお陰で士郎のカッコイイところが見れました。そこには感謝しましょう。ありがとうございます」
「お前、何言って────「ですが」ッ!?」
次の瞬間、女の雰囲気がガラリと変わり、それは男達に絶望と恐怖を与えた。
「お前達の行いは私の許せる範囲を超えた」
ようやく見えた彼女の瞳は、美しくもありそして、おぞましさも感じれる金色の瞳が、男達を見据えていた。
「覚悟はいいな?下等生物」
──────私の愛する鞘を傷付けた事、後悔するがいい
その後、男達は警察に捕まったが、何かに怯えた様子で発見されたという
セイバーオルタ再び
我が愛する鞘(士郎)を傷付けた者、騎士王の鉄槌を受けるべし