熱中症にならないように気をつけてくださいね!
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「────でー、今日すごく暑いですよねー?」
「確かに、今日は一段と暑いよな……」
CiRCLEの受付で座っていると、汗を流しながら暑そうに団扇を仰いでいた美咲が士郎の前に現れる。今日はハロハピのメンバーが練習に来ており、今は休憩中……という事で美咲は1番冷房が効いている受付に涼みに来たのだ。
「一応楽屋にも冷房は効かせてるけど、部屋そんなに暑いのか?」
「普通ならいい温度だと思いますけど、あたしはミッシェル着てやってますから、2倍に暑いんですよねー……」
「……えっと、熱中症には気をつけろよ?」
「体調管理は勿論してますよ。ただここ数日暑さが異常過ぎて、ミッシェル着るの躊躇っちゃうんですよね……」
美咲の言う通り、ここ数日猛暑の日々が続き、空を見上げると雲ひとつも無く、風は吹くが生暖かい風しか吹かず、外に出て数分後には大量の汗を掻く……そんな日々が続いている。
夏っぽいといえばそうだが、明らかに体調管理をしっかりしなければ熱中症になってしまう状況だ。
「美咲ちゃん?」
美咲が士郎と会話していると部屋から花音が出て来た。
「あれ?花音さんも涼みにきましたか?」
「えっと、部屋から美咲ちゃんがいなくなってたから探そうと思って……」
「すみません、ちょっと暑くて……」
「ほんとだ……ここ涼しいね……」
「士郎さんはここにずっといるんですよ?いいご身分ですよねー」
「なんでさ……」
美咲から含みのある笑みを向けられ、士郎は若干呆れながらも微笑を浮かべる。
「いやーっ、あたし達が暑さを我慢しながら練習しているのに、士郎さんは涼しい所で座っているだけですか?」
「いや、これが俺の仕事なんだけど……」
「み、美咲ちゃん……!」
「えーっ、残念だなー」
士郎はそこで美咲の考えに気付き、困った笑みを浮かべながら両手を上げ降参する。
「分かった…俺に出来ることっていったら、料理とかしかないけどそれでいいか?」
「えぇ!?……いいんですか?」
「あぁ、といっても何を作るかはまだ見当もついてないんだけどな」
頭を悩ませ、何作るかは迷っていると、丁度いいタイミングでこころ達が部屋から出てきた。
「あら?花音、ここにいたのね!それに美咲も!」
「ここは涼しいね……いきしは気付かなかったけど、一汗かいた後でここに来ると気付く……あぁ、なんて儚いんだ……!」
「ホントだ!ここ涼しい!!」
こころ達が来た事により、受付所が賑やかになる。それを見ていると、ある事を思い出す。
「あっ、そういえばこんなんあったな」
そこで士郎が取り出してきたのはペンギンの形をした機械だった。
「わぁ、可愛い……!」
「これは……?」
「これはかき氷機だな」
「いやいやそこじゃなくて……」
唐突に出てきたかき氷機にツッコミどころ満載だったので、美咲は突っ込まずにはいられずいつもの調子でツッコミどころ満載を入れる。
「何であるんですか……」
「まりなさんがな、知り合いから貰ったみたいなんだけど、自分は使わないって言って置いてったんだ」
「それなら外の屋台で使えばいいじゃない?」
「そうは言ってもねこころ……見た目が……」
「あぁ、明らかに自家用なんだよな……」
愛らしい見た目をしたかき氷機を可愛がる様にこころ達は囲みながら眺める。
唯一参加してない美咲だけは、士郎に質問する。
「それで何でアレを取り出したんですか?」
「ん?いや、アレを見た時にさ、何となく作ってみようって思ってな、一応氷と果物を用意してたんだ」
「何で見ただけで……?」
「えっと……それについては俺にも分からん……」
士郎は奥から氷と切り分けたフルーツ等を持ってくる。
これらの材料は全て少し前に士郎が下準備した物だ。
まず氷は天然水に砂糖を溶かし、冷蔵庫で冷やし固める
使う時は氷の表面が少し溶けてくるまで放置
そして士郎は、ついつい興が乗ってしまいバニラアイスも作り出した。
ボウルに卵を割り、砂糖を1/2量入れ、ふわふわになるまで泡立てる
別のボウルに純正生クリームと残りの砂糖1/2量を入れ、軽く角が立つくらいに泡立てる
これらを合わせバニラエッセンスを2~3滴加え、ヘラでさっくりと混ぜ合わせ、冷凍出来る容器に移し4~6時間程冷やし固める
フルーツは切り方等はそれぞれで、オレンジは身と皮の間に包丁を入れ、皮を切り込み、くるっと皮を入れたり、クシ型に切ったリンゴをVの字に切り込み、ずらしてみたり、イチゴはヘタごとVの字に切り、縦半分に切る。すると、ハート型のイチゴが完成!など、色んな形にしたりする。
かき氷機に氷を入れ、皿をセットし、頭のハンドルを回す。
すると、皿に切り刻まれた氷が溜まっていく。
「これに……」
士郎はかき氷にフルーツとバニラアイスを乗せ─────
「はい、まず1つ目のかき氷完成!」
『おぉー!』
「先に誰が食べる?」
「じゃあ……美咲ちゃんから」
「え?」
まさか自分にくるとは思ってなかったのか、間抜けな声が出てしまう。
「あたしはそれでいいわよ!」
「私もそれで構わない」
「じゃあ次はぐみね!」
「いやいやいや、ちょっ」
美咲が反論する前に決定されてしまい、次に出来た時の食べる順番を決めていた。そんな困った顔をしている美咲に花音が笑顔で話す。
「私達の中で1番暑さに耐えてたから……美咲ちゃんが1番に食べるべきかなって、思って」
「花音さん……」
花音の意見に否定出来ず押し黙ってしまい、何とか反論しようと口を開こうとした時に、士郎に止められる。
「譲ってくれてるんだったら、素直に食べたらどうだ?」
「で、でも!」
「何かと含みのある言い方で俺にここまでさせたのは誰だっけ?」
「それは!暑い中頑張ってるこころ達の為を思って─────あっ」
そこで美咲は隠してた本心が口に出てしまった事に気付く。士郎はやっぱりか、と言って笑う。
「美咲ちゃん……私達の為に……」
「……えぇ、そうですよ。士郎さんに色々嫌味を言ってこころ達に何か作ってもらおうって」
「なら仲間の為に気遣えるなら、花音達の気遣いも汲み取ってやれよ」
そう言って士郎は出来たかき氷を美咲の前まで持っていく。美咲は観念したのか、そのかき氷を受け取り口を運ぶ。
「……美味しい」
「それは良かった、よし!あと4つ作るか!」
そして士郎は4人分のかき氷を作り、こころ達はそれを美味しそうに食べていく。
「とても美味しいわ!毎日でも食べたいくらい!」
「こ、こころちゃん、流石に毎日はお腹壊しちゃうからやめよう?」
「見てー!ライオンにそっくりでしょ!!」
「あぁ、そして見かけに勝らず食感も完璧……これは子猫ちゃん達にも食べさせてあげたいよ……!」
彼女達の様子を遠目で見ていた士郎の横に、美咲が来た。
「士郎さん」
「どうした?」
「……嫌味な言い方して、すみませんでした」
「気にすんな、別に気にしてないから」
「でも……」
それより、と士郎はもう一度こころ達の方へ目を向ける。それに釣られて美咲もこころ達に目を向けた。
「美咲が望む光景にはなったか?」
「まぁ……そうですね」
美咲は小さく微笑みながら、そう応えた。
外は猛暑で暑いが、内はかき氷のおかげで涼しい気分になった日であった
かき氷は美味しいね!
また暑くて溶けそうになった時にまた作りたいぜ!