お菓子をくれなきゃ投稿しないぜ〜!
(この後親と友達から菓子を貰いました)
⤵
『お疲れ様です!』
「はいおつかれー、今日も良かったよ〜」
今日の撮影を終えた彩達はスタッフや監督に挨拶を交わし、次の仕事の内容を聞く。
「次なんだが、料理番組の方を収録する事になっていたんだ」
「へぇー、料理番組……美味しい物が食べれるのかな?」
「勿論!一流のシェフに来てもらって料理を振舞ってもらい、君達はその味の感想を言ってくれればいいんだよ」
彩達はそれを聞き、目を輝かせていたが、千聖は監督のある言葉を聞き逃していなかった。
「ですが先程、なっていたんだ、と言っていましたよね?何か問題があったんですか?」
「あぁ、実は来てくれる筈だったシェフさんが体調不良を起こしてしまってね、出来なくなってしまったんだよ」
「えぇー!」
「その人は大丈夫なんですか?」
「聞いた話だと熱を少々って感じらしい。だからそんな大事なことではないみたいだよ」
良かったぁ、と安心したが監督は頭を悩ませていた。
「んー、どうしたもんかね……」
「その料理番組だけなかった事にとか出来ないんですか?」
「もう局と話ついちゃってスタジオの準備も出来てるんだよね……」
監督は他のスタッフを呼び、どうするかを話し合いに彩達から離れていった。
そして彩達の方でもどうするか話し合っていた。
「どうなっちゃうんだろう……」
「最悪の場合、局に謝罪の電話をしてその番組を取り止め、他の番組に回して貰うしかないわね」
「でも監督さんはそんな事したくないんだよね……」
「カントクさんは私達の為にいつも動いてくれてますからね!」
「えぇ、でも今回は監督さんにもスタッフの方々にもこれ以上迷惑掛けられない……だからこの仕事は下りましょ?」
千聖がそう言うと他の4人は頷き、監督の方へ歩み寄る。
「監督さん、今回の仕事は─────」
すると、近くからプルルル、という着信音が鳴り響いた。そして先の言葉を電話の着信音がかき消した。
全員が辺りを見渡して探していると、恥ずかしそうに小さく手を挙げる人がいた。
「申し訳ないッス……ジブンのスマホ、ミュートになってなかったッス」
「別に今は休憩中だから構わんよ、ほら出てあげて」
「すみません、失礼するッス」
麻弥はスマホを耳に当て、電話に出る。
「もしもし、お久しぶりッス!士郎さん!」
麻弥が士郎という名を口にすると彩達や監督が急いで麻弥に目を向ける。
『久しぶりって、最近会っただろ?』
「あはは、ただのジョークッスよ!」
『全く……今大丈夫なのか?掛けといてあれだけど』
「はい、今は休憩中なので何の問題もないッスよ!」
『そうか、それは良かった。実は少しお願いがあってな─────』
麻弥は真剣な顔で士郎の話を聞き、何故か頷く素振りを見せたりしながら話し合いは進んで行った。
「─────分かったッス!」
『助かる、ありがとな』
「いえいえ、むしろジブンの方が士郎さんに良くしてもらってるので少しでも恩返しになるのならいつでも協力するッス!」
『そんな事ないけどな……じゃ、仕事頑張れよ!』
「はい!ありがとうございます!」
と麻弥が電話を切ろうとした時
「ストーーーップ!!」
「へっ!?」
『うおっ!?どうした!?』
その前に監督が止め、麻弥に近付く。
「相手は士郎君かね?」
「え、えぇ、そうッスけど……」
「少し代わってもらってもいいかな?」
「は、はい」
麻弥は言われた通りスマホを監督に渡し、監督は電話に出る。
「やぁ、士郎君!元気にしてるかな?」
『えっ監督さん!?げ、元気にしていますけど……』
「それは上々、実は君に折り入ってお願いがあるんだがいいかな?」
『何ですか?』
監督は笑みを浮かべ、次の言葉を告げる。
「士郎君、テレビに出てみないかね?」
士郎は監督に指定された場所へやってき、監督が来るのを待っていた。
「俺がテレビに、か……き、緊張するな……」
監督からのテレビ出演の誘いに断りはしたものの、困っていたから結局その話を受け、士郎は今こうして指定場所にいるが、少し後悔していた。
「いや、監督さんには前にお世話になったんだ!ここで返さないつ返せるか分からない……心決めるか……!」
と言葉で言い聞かせ、監督達が来るの待ち続ける。
しばらくすると黒い車が止まり、中から彩達が出てきた。
「あ!士郎さん!」
「シショウ!!」
彩達は士郎に駆け寄り、各々挨拶を交わし士郎は監督の方へ向き直る。
「やぁ、士郎君。まず初めに今回この話を受けてくれてありがとう」
監督はそう言い、士郎に頭を下げて礼をする。
士郎は咄嗟の事で驚きながらも頭を上げるように監督に言う。
「今回の撮影、君にとってメリットは少ないかもしれない……もしかしたら君に対して誹謗中傷の意見も出てくるかもしれない……そうなった場合我々が全力でサポートするから安心してほしいが……」
「監督さん、俺はその事を承知の上で来ています。覚悟は出来てます」
監督は士郎の眼が冗談では無いと語っているのを理解し、笑みを零した。
「分かった……では今から今回の撮影の内容を確認する。分からない所は各自必ず聞きに来なさい」
そして士郎達はスタジオに入り、それぞれの準備を始める。
番組の時間は長くて15分だ。本来はもっと長かったが異例に更に異例な事が重なった事により、局と話し合って決まった。
そして今回は士郎が料理を作り、彩達に食べさせる……ではなく、誰でも簡単に作れる料理を彩達と一緒になって作って食べる、といった内容に変更された。
そして今回作る料理は初めっから監督に伝えているので、材料等の心配はなく、あとはグダグダにならず時間通りに終える事が課題だ。
「本番まであと5分です!」
彩達は先に表の方へ準備し、士郎は名前が呼ばれるまで裏側で待機する。
「本番まで5、4、3」
スタッフが指でカウントし、合図を出す。
「皆さん、こんにちは!Pastel✽Palettesです!今回はお家で誰でも簡単に作れる料理を実際に作っていこうと思います!」
「皆は料理は出来るの?」
「私は苦手かな……」
「ジブンも少し……」
「私はよく料理するわね」
「私も料理しますね!」
「なるほどー、では今回彩ちゃんと麻弥ちゃんでも簡単に作れる料理を教えてくれる人にご登場してもらおうー!どうぞ!」
日菜の合図と共に、士郎は表へと歩き出した。
「どうも」
拍手の中、頭を下げながら彩達の近くまで歩いていく。
「はい!今回はこちらの方!衛宮士郎さんに来てもらいました!」
「衛宮さんは高校3年生で弓道部に入部していたみたいですね」
「しかもその弓道の腕前は見事なもので、前の弓道の大会では日本一を勝ち取ったそうです!」
「そしてそんな衛宮さんですが、なんと料理が得意らしいです!ですので今回は衛宮さんに料理を教わっていきたいと思います!よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」
企画進行などは彩達がやっていく、という事なので士郎は必要な事以外言葉にせずにいたが、あまりのスムーズ差に驚きながらも、必死に食らいつこうと努力する。
「では今回は何を作るんですか?」
「今回は誰でも簡単に、という事なのでホットケーキを作っていこうと思っ……てます」
いつもの感覚で喋っていたが、テレビという事で瞬時に丁寧語に言い換える。
「なるほどー、では早速作っていきましょう!」
エプロンを着用し、材料を机の上に並べ料理の準備ができた。
「では、作っていきましょう。まず始めに─────」
まず始めにボウルに卵、牛乳を入れてよく混ぜる
これにミックス粉を加えて混ぜる
「コツとしては強く混ぜる、じゃなくて切るように混ぜるようにして方がいいですね」
そしてフライパンで焼く前に、フライパンをよく熱しておく
フライパンをよく熱した後、濡れた布巾の上に1~2秒置き、その後に混ぜた物をフライパンに入れ焼く
火は中〜弱火にして20~30cm上からお玉1杯分、流し込む
2~3分すると表面に小さな気泡が出てくるので生地をひっくり返し2~3分焼いたら……
「ホットケーキの完成!」
『おぉー』
「あとはバターを乗っけて、ハチミツを掛けてやれば……完成!」
全員が出来上がったのをカメラで映してからスタッフが用意した席に着き、手を合わせる。
『いただきます』
ナイフで1口サイズに切り分け、口に運ぶ。
「ん〜!美味しい!!」
「生地がふわふわで食べやすいわね……」
「ふわふわにするコツはさっきも言ったけど、強く混ぜ過ぎないこと、あとは粉を混ぜたら早く焼くのと生地を焼き始める時の温度が重要だから、それさえ出来たらふわふわに作れると思う」
「これはジブンでも家で作れそうッス!」
「お腹が空いた時に早く作れますね!腹は減っては戦は出来ぬ!っです!」
美味しそうに食べているとスタッフから終わりの合図が出され、千聖が食べるのをやめる。
「そろそろお別れの時間になりました。衛宮さん、今回は来て頂きありがとうございます」
「いえいえ、こちらの方こそ」
「それでは本日はここまで、また何処かでお会いしましょう。以上Pastel✽Palettesとゲストの衛宮士郎さんでした」
千聖達が手を振っていたので士郎もつられ手を振り、スタッフが終わった事を知らされる。
「終わりました!お疲れ様です!」
それを聞いた途端、士郎は肩の力を一気に抜け落ち、背もたれに体重をかける。
「はぁー……終わった」
「お疲れ様です、士郎さん」
「あぁ、千聖もおつかれ」
脱力して目を瞑っていると、誰かが近付いて来ている足音が聞こえ、瞼を開ける。
「お疲れ様、士郎君!初めてにしては結構良かったよ!」
「ありがとうございます……」
苦笑いで返す士郎に監督は豪快に笑って見せる。
「アハハハッ!緊張したかい?」
「えぇ、改めて千聖達は凄いんだなぁって実感しました」
「あの子達は何度もテレビに出てるからね」
「尊敬しますよ……あ、ホットケーキ入ります?」
「ありゃ?余ってたかい?」
「えぇ、材料がまだ……ここにいるスタッフの皆さんにも英気を養えるか分かりませんが、少しでも休めるなら」
「なるほど、なら私が皆集めておくよ」
そう言い残し監督はスタッフに大声で集まるように招集を掛けていた。
士郎はその間脱力した身体をシャキッと正し、再び生地作りを始めた。─────すると。
「手伝いますよ」
千聖が横に立ち、ボールを持ち同じように生地作りを始めた。彩達もそれが目に入り、同じく手伝いを始め出した。
「今日はありがとうございました」
「……!あぁ、こっちも貴重な体験が出来たよ、ありがとう」
そして士郎達はスタジオにいるスタッフ一同にホットケーキを提供していき、スタジオ一帯が甘い匂いに包まれていった。
「あ、士郎さんがテレビに出てる」
「ホットケーキですか……シロウ!私にもホットケーキを!」
「はいはい、夕食の後でな」
家に帰ってもホットケーキを作る羽目になる士郎だった
※ここだけの話
実は最初はバンドリじゃなく、プロセカで書こうとしていた