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土曜日の早朝、男子校では生徒達の声で賑わっていた。
「こっちにネジもってきてくれ!」
「誰か足場抑えてくれ!」
「こっちも頼む!」
各教室、廊下から声が飛び交う。
士郎はその中を駆け足で通り過ぎて行く。
「ごめん、ちょっと通るぞ!」
彼の腕には大量のポスターとペンキ等を抱えており、自分の教室の元まで駆けていく。
「ペンキ追加持ってきたぞ!」
「ナイスだ士郎!そこに置いといてくれ!」
「分かった」
自分の教室に着くと、教室の飾り付け、看板等がほぼ完成状態まで近付いていた。
士郎は言われた通りペンキを近くに置いて、自分の役目を果たしに教室を出ようした時
「おーい、士郎ー」
「大輝?そっちは終わったのか?」
「あぁ、まだ未完成だけどな。今は少し休憩中だ。そっちは?」
「ペンキ追加を届けたから後はポスターを貼りにこれから校舎を回っていこうとしていた所だ」
「なら手伝うぜ。1人より2人の方が早く終わるだろ?」
「悪いな、休憩中なのに」
「気にすんな!」
士郎は持っていたポスターを半分渡し、手分けして貼りに行く為に別々の方向に走って行った。
ポスターを貼りに回っていると、他のクラスの露店等が目に入る。
「へぇー、ここは射的するのか……他のクラスも気合入ってるな」
そしていつの間にか走っていた脚が歩いてるのに気付き
「いけねぇ!早く貼り終わらさないと!」
また校内を走って行った。
ポスター貼りが終わり、教室まで帰って来ると既に貼り終えていたのか大輝が待っていた。
「おぉ、そっちも終わったのか?」
「あぁ、なんとかな。そっちは?って聞くまでもないか」
「へへっ、まぁな!」
友の笑みに釣られ自分も笑みを零し、それから士郎は新しい仕事を貰い大輝とは別れた。
別れ際に
「こっちも終わったら手伝いに行くわ」
と言いながら去って行ったので、士郎は笑いながら見送りそして作業を始める。
貰った最初の仕事内容は、簡単に言うと機材チェックだけだった。機材に不備はないか又は問題なく使う事が出来るかの確認だった。
これに関しては何も問題無く難なく終え、次の仕事に移っていく。
次は屋台で使う材料の間違いがないか、そして予定個数あるかの確認を取っていた。─────すると。
「おーい、手伝いに来たぞー」
自分の作業が終わった大輝と同じく作業が終えてきた達也が声を掛けてきた。
「うげっ、頭使うのは勘弁願いたいぜ……」
「お前は運動馬鹿だからな、全く……だから失敗ばかりするんだぞ」
「お前だってナンパ失敗してんだろ!」
「俺の場合はタイミングが悪かっただけで作戦は悪くなかった。そうだ、タイミングが悪かっただけだ!」
と、馬鹿な喧嘩をしている2人に呆れながらも助けに来たことに対して感謝し頼み込む。
「喧嘩は後で好きにやっていいから!大輝はあっちのダンボールをこっちに持ってきてくれ!達也は俺と一緒に個数確認をお願いしたい」
「おう!任せろ!」
「いい構成だ。適材適所、という訳だな。任された!」
2人の協力もあり、順調に作業が進み、更には大輝の呼び掛けにより人手がさらに増え、予想していた時間より早く終える事が出来た。
「流石にクラス2つ分の人数が協力すれば物事も早く終わるものだな」
「あぁ、大輝には感謝しないとな」
「運動馬鹿であるのと同時に顔が広いのが奴のいい所だな、この学校内だけだが」
「ハハハ……」
上げて落とす達也の発言に士郎は笑みを零し、1つ気になった事を達也に聞く。
「そういえば達也」
「何だ?」
「なんかお前の口調、少し変じゃないか?」
「ほう……そこに気付くとは、流石は士郎。俺が認める友だな」
達也は眼鏡を少し上げ、レンズが光る。
「俺が調べた結果、こういう口調の方がモテる、という情報を得てな。だから今のうちにこの口調に慣れておこうと思って練習中なんだ!」
「へ、へぇー……」
聞いた事に少し後悔していた士郎だったが、達也は何かを思い出し士郎に詰め寄った。
「そういえば士郎、俺からも聞きたい事があるんだが」
「何だ?」
「この前、今大人気“Pastel✽Palettes”のテレビ番組に出ていなかったか?」
「え?……あぁ、確かに出たな」
そう口にすると、肩を掴まれ激しく揺さぶられる。
「やはり貴様だったか!何故か見た事ある奴がいるなー!と思っていたら!クソ……なんて羨ましい奴なんだお前はッ!!」
「おーい、口調戻ってるぞー」
「構わん!」
「なんでさ……」
その話を聞いていたのか周りにいた男子達も士郎に詰め寄ってきた。
「その話確かなのか!?」
「まさかアイドルに興味無さそうな士郎が……アイドルの番組に……!?」
「俺の日菜ちゃんはやらんぞ!」
「なんでてめぇのになってんだよ!」
「実物のイヴちゃんはどうだった!?」
「バカおめえ!千聖ちゃんが1番に決まってるだろ!」
「何言ってんだ!麻弥ちゃんだろ!?」
「彩ちゃんは可愛い、異論は認めん!!」
男子達から質問攻めに合う前に先生が止めに入り、作業に専念する方向に進んだ。
「はぁ、助かった……」
「あぁ、聞きたい事色々あったが……仕方ない、作業を早急に終わらせるか」
「終わっても質問は受け付けないからな?」
「「ダニィ!?」」
「大輝いたのか」
「さっきもいたぞ?」
大輝の方の作業が終わり、士郎と達也の方もそろそろ終わりが見えてきた頃、士郎は改めて2人に感謝を伝えた。
「手伝ってくれてありがとな、助かったよ」
「なに俺達は友達だろ?当たり前の事をしただけだ」
「何も感謝される事はない」
「けど……」
すると、大輝が何か閃いた。
「あ、なら今度ライブのチケット取ってくれよ」
「ライブ?」
「CiRCLEで行われるライブだよ」
「あぁ〜、そういえばまりなさんがそんな話してたな」
「な?いいか!?」
「はぁ……わかったよ、一応取れるか聞いてみるよ」
「よっしゃ〜!」
「おい士郎!勿論俺の分も……!」
「はいはい、2人分聞いとくよ」
2人は拳を手に掲げ、涙して喜んでいた。その様子を士郎は微笑を浮かべながら、見守っていた。
午後6時を回るくらいの時間に終わり、士郎は自転車で帰路を辿っていた。
しばらくこいでいると、見た事ある後ろ姿をした5人組を見つけた。
「よ、モカ達も帰りか?」
「あ!士郎さん!」
「もうモカちゃんはお腹ペコペコですよー」
「モカは途中からサボってたじゃん!!」
「えー」
士郎は5人の歩くペースに合わせ自転車から降り、隣を歩く。
「士郎さんも学園祭の準備?」
「あぁ、てか凄い3日になりそうだよな」
「1日目が士郎さんの学校で2日目がアタシ達の学校、3日目が花咲川って順番だもんな」
「ほんと奇跡だよね」
士郎は手で自転車を押しながら5人の話に耳を傾けていると
「士郎さん」
「ん?どうした、蘭?」
「……お腹が空きました」
顔を隠しながらそう言う蘭だったが、耳が赤くなっているのを士郎は見つけると笑みを零しながら
「そうだな、セイバーもお腹空いてるだろうし、早く帰ってあげよう」
「あたしも食べた〜い!」
「モカちゃんも食べたいですぞ〜」
「アタシも食べたいな」
「わ、私も!」
「はいはい、じゃあ早く帰って準備しますか」
そう言うと駆け足で家に向かって行く5人を後ろから眺めながら、その後を追う士郎だった。
楽しかった 『学園祭』!!編
٩(・ω・)วlet's go!
※16時に間違えて公開設定してしまったので、だいぶ焦りましたが誰も見てませんよね?( ´;゚;∀;゚;)