衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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寒い……




準備とおでん

「こちらはどうでしょうか?」

 

「めっちゃいい!それも買っていこ!」

 

ショッピングモールでは大勢の人が賑わい、そして至る所の店にはもうクリスマス仕様の飾り付けがされている店もあった。

その中に雑貨屋で商品を見て回っているセイバーとあこ、そして近くで見守る士郎の姿があった。

 

「シロウ、こちらの買い物が終わりました」

 

「あぁ、あとは湊達と合流するだけだな」

 

「りんりんにメールしたから、多分そろそろ返信来ると思う!」

 

あこがそう言ってると、丁度返信が返ってきた。

 

「りんりん達の方も終わったみたい!」

 

「なら合流するか、集まる場所は最初に出会った場所でいいか?」

 

「えーっと……うん!いいみたい!」

 

「じゃあ、早速向かうか」

 

士郎達は1番初めに出会った場所へと向かった。

 

そう実は士郎とセイバーは本来別の用事でショッピングモールに来ており、そこでたまたま湊達に出会い手助けをしていたのだった。

 

 

─────約1時間前に遡る。

 

 

「えーっと、後は洗剤、その次に─────」

 

士郎がメモを見ながら残りの買う物を確認しながら歩いていると、隣で一緒に歩いていたセイバーがふと目を向けた先に見覚えのある5人組を見つけ足を止める。

士郎は隣にセイバーがいない事に気付き、後ろを振り返ると一点を見つめるセイバーを目にする。

 

「どうしたんだ?セイバー」

 

「シロウ、あちらを……」

 

セイバーが指を指した方を目で追いながら見ると

 

「あれは……」

 

 

 

「どうしましょうか……?」

 

「うーん、提案したのアタシだけどいざ実行に移すと色々と問題が出てくるよね〜」

 

「いえ、リサの案は悪くないわ。ただ私達では力不足なだけよ」

 

「ど、どうしますか?手助けを……」

 

「おねーちゃんに聞いてみようか?」

 

彼女達─────Roseliaのメンバーは案内表の横でとある問題に悩まされていた。

そんな彼女達に声を掛ける者が現れた。

 

「湊達も買い物か?」

 

声のする方へ振り向くと、士郎とセイバーが立っていた。

 

「シロにぃ!セイバーさん!こんにちは!」

 

「えぇアコ、こんにちは」

 

「お2人も買い物ですか?」

 

紗夜は士郎の手に握られている袋を目にしながら質問する。士郎はその視線に気付き、袋を軽く持ち上げる。

 

「まぁな、あと洗剤とか買ったら終わりだな。そっちは?」

 

「えーっと、アタシ達の方は……えへへ」

 

照れくさそうに頬を赤くして頭を搔く素振りを見せるリサに不思議そうな顔をする士郎とセイバー。

 

「士郎さん、セイバーさん、手を貸していただけないでしょうか?」

 

「ちょ、紗夜!?」

 

言おうか迷っていたリサに代わって紗夜が士郎達に協力を願った。

 

「どちらにしても人手を探していたのは事実です。でしたら協力を要請した方が問題は解決するのでは?」

 

「……一理あるわね。士郎さん、セイバーさん、お願いできるかしら?」

 

「俺は別にいいけど」

 

「えぇ、荷物持ちなら任せてください」

 

士郎とセイバーがそう言うと、湊達はそれぞれ安堵と喜びの顔を浮かべた。

 

「で、何を手助けすればいいんだ?」

 

「実はクリスマスの日にCiRCLEでクリスマスパーティーをする事になってー、スタッフの人も呼んでイブまでには準備を終わらせようって話になってね」

 

「え?俺聞いてないけど……」

 

「あれ?まりなさんが後で伝えとくって言ってたんだけどな〜?」

 

脳裏にまりながサンタの帽子を被り高笑いしているのが、何故か想像出来てしまい、士郎は苦笑を浮かべる。

 

「で、アタシ達は飾り付け&盛り上げ用の雑貨等を買ってくる係になってね〜」

 

「それでリサの案で二手に分かれて買う事にしたのだけど……」

 

湊は未だおさまる様子のない人混みに目を向ける。

 

「結構人混みが凄くてね〜、これだけの人混みだとはぐれちゃいそうで手分けして買うのは無理かもって話になっててね」

 

「なるほどな、確かに時間が時間だしな。ここからまた増える可能性だってあるもんな」

 

「それでどう分けましょうか?」

 

「そうね……士郎さんとセイバーさんの所にあこが入ってもらいましょう」

 

「はーい!」

 

「貴方達はこのメモに書いてある物を買って欲しいわ」

 

湊からメモを受け取り、軽く目を通す。

 

「了解。じゃあ早速向かうとするか」

 

「はい」「はーい!」

 

「私達も向かいましょう」

 

「そうですね」「わ、分かりました」「了解〜!」

 

そして二手に分かれて、リスト通りの商品を買いに向かった。

 

 

 

「お、もう着いてたみたいだな」

 

「あ、ホントだ!おーい!!」

 

あこが手を振りながら向かっていると、士郎達の存在に気付き、荷物を持ち近付いて来る。

 

「無事買えたみたいですね」

 

「あぁ、本当ならもっと早く終わってたんだけど、途中俺の用事で時間を食っちまった。ごめん」

 

「気にしなくていいですよ。元はその用事で来ていたのに私達が止めてしまったのが原因ですから」

 

「でもこの後飾り付けの準備もあるんだろ?なのに俺のせいで時間を遅らせてちゃったのは事実だしな……」

 

と士郎はブツブツと小声になりながら考え事をし始めた。

 

「あの士郎さん?」

 

「全く……こうなったシロウは止められませんから、素直に受け取ってあげてくれませんか?」

 

「アハハ……セイバーさんに言われたらね〜」

 

「確かに士郎さんの性格を考えるとそうした方が得策かもしれませんね」

 

そうこう言ってるうちに士郎が何か思い付き、スマホを取り出し誰かと通話をしだした。

 

「もしもし、士郎です。忙しい中すみませんが実はお願いがありまして─────」

 

 

CiRCLEに着き、中では香澄達が楽しそうに店の飾り付けをしていた。

 

「あ、おかえりなさーい!てあれ?士郎さんにセイバーさん!」

 

「あぁ、飾り付け作業おつかれさん」

 

香澄の声を聞いてか、他で作業をしていたメンバー達もぞろぞろと顔を出して来た。

 

「士郎さん、セイバーさん!こんにちは!」

 

「友希那先輩達、お疲れ様です!」

 

「えぇ、頼まれた物は全て調達できたわ」

 

士郎はまりなを見つけ、駆け寄っていく。

 

「お疲れ様です、まりなさん」

 

「士郎君もおつかれ!ごめんね!連絡し忘れちゃって!」

 

「別に大丈夫ですよ。それより電話のお話した件ですが……」

 

「バッチリ!確保しておいたよ〜。あとは好きに使っちゃっていいよ」

 

「ありがとうございます」

 

士郎が礼を言うと、まりなはいいのいいの、と言いながら香澄達のいる方へ向かっていき

 

「さー!今日は出来る所まで飾り付けを終わらせちゃいましょう!そして今日は特別に士郎君が晩御飯をご馳走様してくれるみたいでーす!」

 

「ホントですか!?」

 

士郎に視線が集まり、笑みを浮かべながら言う。

 

「あぁ、みんなが頑張ってるからな。もし良かったら晩御飯を食べていってくれ」

 

「わーい!」

 

「さー、士郎君のご飯が出来るのが先か、私達が飾り付けを終わらせちゃうのが先か、勝負しましょう!」

 

「いやいや、勝てないですよ!?」

 

「流石にこの数を今日中にはな……」

 

「最初から諦めてたら何も得られないよ?さぁ!皆の衆、かかれ!」

 

まりなが掛け声をあげ作業に取り掛かると、半分からは元気な声ともう半分からはヤケクソになって声をあげていた。

士郎はその光景に笑いながら、キッチンへと向かう。

 

キッチンには、士郎がまりなに頼んでおいた鍋が置かれていた。

 

「さて、始めますか」

 

 

おでんつゆ用の出汁と薄口醤油、酒、砂糖、塩を鍋に入れ、一煮立ちさせたら火を止めておく

大根は2~2.5cm幅の輪切りにして皮を厚く剥き、面取りと隠し包丁を入れたら米のとぎ汁で下茹で、串が通ったら水によくさらす

卵は固茹でにし殻を剥く

じゃがいもは皮を剥き半分に

出汁に使った昆布を2cm幅に切って、結び昆布を作る

こんにゃくは塩もみ後、片面に隠し包丁を入れて食べやすい大きさにしたらお湯で茹でてアク抜き

さつま揚げ、揚げ練り物、製品等はザル等に並べ、熱湯を回しかけ油抜き

厚揚げ、がんも、油揚げ等の豆腐製品はお湯で2~3分茹で油抜きしたら、それぞれ食べやすい大きさに切る

油揚げと餅は半分に切り、油揚げの中に餅を入れ、水で戻したかんぴょうか楊枝で止める

つみれやはんぺん等は下処理なし、そのまま食べやすい大きさに切る

鍋におでんつゆをはり、大根、ゆで玉子、こんにゃく、結び昆布を入れ、沸騰したら弱火にしコトコトいう程度の火加減で30~40分煮込む。

おでん種は味のしみこみにくいものからつゆの味を出すもの、味がつゆに出やすいものの順で入れていく

ちくわ、さつま揚げ、やさい天、ごぼう天、厚揚げ、がんも、じゃがいも、餅巾着を加え10~15分弱火で煮込む

魚河岸揚げ、鰯つみれを加えて更に3~5分煮込む

鍋を火から下ろし新聞と毛布でくるんで、2~3時間置いておく

最後にはんぺんを入れ、温めたら完成

 

 

「さて、持っていきますか」

 

鍋を持ち、彼女達がいるに向かった。

 

「いい匂いがしますな〜」

 

「モカ、口より手を動かして」

 

「確かにいい匂いがするな」

 

「もしかしてもう出来ちゃったの!?」

 

ひまりが声をあげ、外を見ると空は暗く白い雪が淡々と降っていた。

 

「て、もう夜じゃん!」

 

「ほんとだ」

 

彼女達が窓の外を見つめていると、美味しそうな匂いが近くまで香ってきた。

 

「お待たせしました」

 

「待ってました!」

 

士郎は用意されていた机に鍋を置き、蓋を開ける。

 

「えー、今日は冬の定番のおでんです」

 

『お~』

 

もう1つの鍋も運び出し、そして全員に行き渡るように皿に盛っていく。

 

「全員、行き渡ったかー?それじゃあ─────」

 

『いただきます』

 

口に運び、熱そうにしながらも美味しそうに食べる。

 

「ん〜、美味しい!!」

 

「大根、味がしみて美味しいですね」

 

「餅うま〜い!」

 

「シロウ、この白い物はなんでしょう?」

 

「それははんぺんだな」

 

各々美味しそうに笑い合いながら食べ続けていると、ふと外を見た蘭が呟いた。

 

「……雪、結構降ってきた」

 

士郎も外の景色に目を向ける。

 

「これは明日積もるかもな……」

 

「じゃあ明日は皆で雪合戦しよ!」

 

「1人でやってな」

 

「やろ!有咲!」

 

「やらない!」

 

 

 

 

 

白い雪は未だに降り続ける。




寒い日々が続いて今にも死にそうです……

次回はクリスマス編!なので次の投稿は25日に投稿します!
時間はおそらく0時に投稿すると思います!
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