衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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バレンタインの回!
でもバレンタインの日じゃない!

(ノ≧ڡ≦)☆


イチゴのミルクレープ

「いちご……ですか?」

 

セイバーは士郎が持っている大量の苺に反応する。

 

「あぁ、前に藤ねぇから送られて来たんだ」

 

ご丁寧に手紙付きで、「お土産あげるわね!セイバーちゃん達と分けて食べてね」と書かれていた。

 

「では、今日はこのいちごを使われるのですね」

 

「そうしようと思ったんだけど……」

 

士郎は頭を掻きながら困った表情を浮かべる。

その顔を見てセイバーも察する。

 

「なるほど、確かにランがいないのに私達だけで食べるというのは……」

 

「苺の数的にも大丈夫ではあるけど、2人だけで食べるっていうのもな……って思っちゃって」

 

うーん、と2人は悩み、どうしようか考えていると、

 

「せっかくだから蘭が帰ってくるの待つか─────ん?」

 

玄関のチャイムが鳴り、士郎は早足で向かう。

玄関を開け、そこに立っていたのは香澄達だった。

 

「……香澄?」

 

「こんにちは!士郎さん!」

 

「どうしたんだ?こんなに大勢で……て、初めましての子がいるけど?」

 

香澄の後ろにたえ、りみ、沙綾、有咲と並びそして有咲の隣に白髪のショートヘアの子が立っていた。

 

「あ、そういえば士郎さんは初めて会ったよね?」

 

「ん?この子も香澄達と同じバンドのグループなのか?」

 

「私達とはグループ違うけど、そうだね。Morfonicaってバンドグループだよ」

 

たえの説明を聞き、その白髪の子に目を向ける。その視線に気付き、白髪の子は頭を下げ自己紹介を始める。

 

「は、初めまして!倉田ましろ、て言います!士郎さんの事は香澄さんから色々と聞いていました!えーっと、と、とても料理が上手い人って!」

 

恥ずかしそうにしながらも色々と何か話そうと頑張っているましろに微笑を浮かべながら、自分の自己紹介を始める。

 

「俺は衛宮士郎、ちょっとした事情があって今は美竹の家に居候させてもらってる。バンドとかはあんまり力になれないけど、困った事があったらいつでも言ってくれ」

 

士郎はそう言って、ましろに手を差し伸べる。ましろも慌てながら差し伸べられた手を握る。

 

「こ、こちらこそよろしくお願いします!」

 

お互いの自己紹介が終わり、士郎は香澄達に質問をする。

 

「ところで香澄達は何しに来たんだ?」

 

「そういえばそうでした!士郎さんは何してたんですか?」

 

まさかの質問を質問で返され、苦笑いで答える。

 

「藤ねぇから苺が送られてな、それをどうしようかセイバーと話し合っていたんだ」

 

「いちご!?」

 

何故か香澄は目を爛々と輝かせ、涎を垂らす。その頭を有咲がシバく。

 

「いちごで悩むって何かあったんですか?」

 

その2人を他所に沙綾が士郎に質問する。

 

「あぁ、蘭がいないのに先に食べていいのか?ってセイバーと話し合っててな、数的には問題ないんだけど俺とセイバーだけで先に食べるっていう罪悪感がな……」

 

士郎は苦笑いを浮かべながら頭を搔く。そんな士郎に沙綾とりみは同情し、あぁー、と声を漏らす。

 

「それ蘭がいないから食べづらいの?」

 

そんな中、たえだけが何か考えながら士郎に疑問をぶつける。

 

「まぁ食べようと思えば食べれるけど、2人で食うより多い方がいいって話になってな」

 

たえはその言葉を聞いた瞬間、笑みを浮かべる。

 

「じゃあ私もいちご食べたいなー」

 

「ちょ、おたえ!?」

「おたえちゃん!?」

 

たえの突然の発言に驚愕する。

 

「だっていちごなんて久しぶりだし、沙綾もりみも食べたいでしょ?」

 

「た、べたい……けど!」

 

「香澄は賛成でしょ?」

 

たえは後ろで有咲に抱きついてる香澄に話しかける。

 

「もちろん!!有咲も賛成だってー!」

 

「ちょ、私は何も言ってないだろ!?」

 

有咲の叫びをスルーし、次にましろに聞く。

 

「ましろは?」

 

「え!?わ、私は……その……」

 

「食べたい?」

 

たえがそう聞くと、顔を赤くしながら頷く。

 

「はい、多数決の結果賛成の勝ちで」

 

「えぇ!?おたえちゃん多数決取ってたの!?」

 

「絶対適当だろ!」

 

玄関前で言い合いをしてる光景を見ながら笑っていると、後ろからセイバーが話しかけてくる。

 

「良いのではないでしょうか?」

 

「セイバー」

 

「タイガの手紙にも書いてある通り、分け合うという手立てをとるのはどうですか?」

 

「確かに藤ねぇの手紙には3人で食べろなんて書いてなかったもんな」

 

そう考え込むと、すぐに答えを捕まえ香澄達の方を向く。

 

「じゃあ食べてくか?いちごのミルクレープ」

 

 

 

 

「さて、じゃあ早速作りますか」

 

 

まず初めに卵と牛乳は常温にしておく

次はボウルに生クリームと練乳を入れ、9分立てにする

いちごは約3~5mm厚に切る

続いて生地作り

バターはレンジで温めて溶かす

ボウルに全卵(ぜんらん)を割りほぐして、牛乳とバターを加えて混ぜたら、ホットケーキミックスをふるいに入れ更に混ぜ、こし器または網目の細かいザルなどでこす

時間があれば冷蔵庫で30分~3時間程寝かす

 

 

「続きは30分経ってから焼くとして、その間に晩飯の下準備でもしとくか?いや、それとも他の事をした方がいいのか?うーん……」

 

 

 

キッチンで1人悩む士郎を他所に居間では、セイバーとましろがお互いに頭を下げ、挨拶をしていた。

 

「倉田ましろです!その、よろしくお願いします!」

 

「セイバーです。マシロ、こちらこそよろしくお願いします」

 

セイバーを見た時から、ましろは頬を赤らめながら見惚れていた。その様子を見ていた沙綾達は彼女の肩を軽く叩きながら、頷く。

 

「わかるよ、セイバーさんめっちゃ美人だから見惚れちゃうよね」

 

「は、はい!まるでおとぎ話に出てきた人みたいに綺麗で優しくて……」

 

と、意識がどこかに旅立っていったましろにセイバーが話しかける。

 

「マシロ、1つ聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「……へ?あ、はい!何ですか?」

 

「マシロもバンドをやってると聞きました。それはつまりカスミ達のように仲間と共にやっているんですよね?」

 

「はい!透子ちゃんにななみちゃん、つくしちゃんにるいさんがいます!」

 

そこでましろはハッと気付く。つい名前を挙げていったけどセイバーには誰の事かさっぱり伝わっていない事に。

そこですぐ仲間達の説明に入ろうとしたましろよりもセイバーが先に話し出す。

 

「なるほど、でしたら貴女の友達にもお伝えできないでしょうか?」

 

「え、何をですか?」

 

「シロウと私に、貴女方のバンドを聴かせてもらえないでしょうか?と」

 

「え」

 

「シロウはCiRCLEのバイトをしてまして、私も臨時としてやらせてもらってるので、もし宜しければCiRCLEで聞かせてほしいです」

 

セイバーのお願いに耳を疑う。

 

「……いいんですか?」

 

「私もシロウも、バンドについて勉強の途中なのでぜひ貴女達のバンドも聴きたいと思ったんです」

 

そう言われ、彼女は嬉しそうに笑いながら

 

「私はみ、みんなに伝えておきます!」

 

「ありがとうございます、マシロ」

 

セイバーも笑みを浮かべて感謝を述べる。

 

「じゃあ私達も聴きに行っていい?」

 

「えぇ!?」

 

会話に香澄達も参加し、居間では騒がしく賑やかだった。

 

 

「……さて、こっちもそろそろ始めますか」

 

あまりにも騒がしかったので、途中から会話を聞いていた士郎だったが、30分以上経ったので料理を再開し始めた。

 

 

フライパンに薄く油をひき弱めの中火にかけ、お玉8分目程の生地を中央に流し入れ、手早くフライパンを傾けて生地を円形に広げ、表面がかわきフチが竹串などで持ち上げれるようになったら、ひっくり返す

裏面を5秒ほど焼いたら、バットの上などに取り出し平らに伸ばして冷ます

これを生地が無くなるまで繰り返し、焼き上がった生地は乾燥しないようにラップに包んで冷ます

焼いたクレープ生地を1枚置き、生クリームを全面に均等に繰り広げる

これを生地、生クリーム、生地、生クリーム、生地、生クリームと苺、と3枚毎に苺を挟みながら重ねて作っていく

ラップをかけて冷蔵庫で1時間以上冷やして……完成!

 

 

─────1時間後

 

「よし、出来たぞー」

 

『おぉ〜!』

 

完成品を居間の机に置き、人数分に切り分ける。

 

「お待ちどーさま」

 

「うわぁ!美味しそう!!」

 

「これが士郎さんの言ってた……」

 

「そう、イチゴのミルクレープ。セイバーが食べたいって言ってたからな」

 

セイバーは記事を取り出し、全員に見せる。

 

「こちらのページを見て、食べたいと思ってしまい……」

 

「あぁ……確かにこの写真を見せられたら、食べたくなるよね」

 

「そしてその写真のやつが今目の前にある、と」

 

「早くみんなで食べよ!!」

 

全員にいき渡り、手を合わせる。

 

『いただきます!』

 

フォークで各々の1口サイズを切り取り、口に運ぶ。

 

『美味しい!』

 

「いちごの酸味が効いてるな」

 

「生クリームもさっぱりしてて美味しいです!」

 

みんなすぐに食べ終わり、次へ次へとミルクレープを切り分け取っていく。

ましろも食べ終わり、次へいこうか渋っていると、香澄が皿に乗っける。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ね?士郎さんの料理、美味しいでしょ?」

 

香澄は口にクリームを付けながら質問する。ましろはそれに微笑みながら、答える。

 

「はい、とても美味しいです!」

 

士郎料理の虜が1人増え、笑顔を見せる人も1人増えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、君ら何しに来たの?」

 

『あっ』




この後、彼女達からチョコをもらった士郎だった。












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