衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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アレレ?ワタシドレクライヤスンダノカナ?


大変ながらお待たせしました!!



Morfonicaと……【前編】

「ごめんなさい……巻き込んでしまって……」

 

「気にする事はないさ、俺も気になってはいたから寧ろ誘ってくれて嬉しかったよ」

 

窓際の席に座りながら、手で顔を覆い隠すましろを士郎が慰めていた。

 

土曜の昼過ぎ、士郎はましろと一緒にショッピングモールのカフェに来ていた。

2人のテーブルには2人分のパフェとドリンクが置かれていた。が─────

 

「けど……まさかドリンク1つでストローが2本なのは流石に驚いたな……」

 

「うぅぅ……ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

そう、2人が頼んだ品は“カップル限定パフェセット”だったのだ。

 

元々2人は約束などしておらず、ましろがカフェのサンプル品を眺めていた所をたまたま士郎が声を掛け他愛の話を交わしていると、その場面を店員に見られカップルと勘違いされ店内に案内されたのだ。

 

「うぅぅ……何であの時にカップルです、なんて言っちゃったのぉ……私……」

 

「あはは……ま、まぁ、折角だしパフェ食べようか」

 

「はい……」

 

ましろは顔を赤らめながら、パフェを口を運ぶ。

 

「……美味しい」

 

「あぁ、生クリームがいい感じ味を出してる……これは俺には再現できないな……」

 

士郎はそう感想を口にしながら、ましろの方を見る。先程の赤面してる彼女ではなく、とても美味しいに食べている美少女がいた。

そんな顔を見て、士郎は笑みを零しながらパフェを食べる。

 

ましろは今、幸せだった。先程までの羞恥など何処へ行ったのか……本来は眺めるだけで済まそうとしていた時に、士郎がましろに話し掛けてくれた事により、中にいた店員が2人をカップルと勘違いされた。士郎はすぐに訂正しようとしたが、ましろが珍しく大きく宣言したのだ。

 

「こ、恋人です!!」

 

士郎の腕に捕まり、カップルを思わせる様な雰囲気を頑張って作り出し、カップルとして店内に入る事が出来た。

しかし、ましろは店内に入ってすぐ後悔した。

会って数回の男性─────士郎を自分の目的の為に利用した事に……

だが士郎は、別に気にしてない、とましろを慰めたのだ。

嫌われても仕方ない……そう思っていたましろだったが、士郎はそんな事を微塵も考えていなかった。

ましろは、士郎の優しさが心地よくそして、恥ずかしくなり士郎の顔をまともに見れなくなっていた。

だが、彼女は今日という日を忘れないだろう……

 

それはいい意味でも、悪い意味でも─────

 

「美味しい……」

 

それは突然起きた。

ましろがクリームを口に運ぼうとしたその時─────

 

「あー………?」

 

たまたま店内の窓を見ると、そこには

 

「「「「……」」」」

 

「……」

 

見覚えのある顔が4人いた。

 

「…………─────ッ!?」

 

ましろは声に出ない悲鳴を上げた。

そこにいたのは、同じバンドメンバーの桐ヶ谷透子、広町七深、二葉つくし、八潮瑠唯だった。4人それぞれ違う表情を浮かべながら、ましろの事を見ていた。

 

「なんッ!?どうし……!?えっ!?」

 

「ど、どうした?ましろ?」

 

そこで士郎はようやく気付いた。

自分達の席の窓の外からこちらを見てくる彼女達を。

 

「うおっ!?……えっと、友達か?」

 

「は、はい……友達、です」

 

ましろは再び手で顔を覆い隠しながら、答える。彼女の耳は真っ赤に染まっていた。

 

「えっと、会計しとくから会いに行けば?」

 

「そ、そんな!私が勝手に巻き込んだのに、払わせるなんてできません!」

 

「じゃあ、また今度何か返してくれたらいいから、な?」

 

「で、でも……」

 

「友達を待たせるのはよくないぞ?」

 

「うぅ、ず、ズルい……」

 

ましろは渋々承諾し、外にいる仲間の元へ向かった。

 

 

店の外へ出て行き、つくし達の所に向かった。

 

「あ〜、しろちゃん来たよ?」

 

「み、みんな!何でいるの!?」

 

「私は普通に買い物をしに来たのだけど」

 

「そこでましろちゃん以外のメンバーとたまたま会っちゃって」

 

「もしかしたらシロもいるんじゃ?って話してたら、ね」

 

「うぅぅ……」

 

ましろは、今日で何度目かの赤面を見せる。

 

「てかシロと一緒にパフェ食ってた人って誰なの!?めっちゃ気になるんだけど!」

 

「私も思った!何かいい雰囲気だったよね?あの人誰なの!?」

 

つくしと透子がましろに詰め寄り、聞き出そうとしている様子を冷めた目で瑠唯は見つめていた。

 

「倉田さんの事情なのに何故あんなに聞きたがるのかしら……」

 

「まー、実際私も気になるしね〜」

 

「貴女もなのね」

 

「るいるいは気にならないの?」

 

「気にならないわね」

 

そんな時に、会計を終わらせた士郎が店から出て来た。その瞬間を見ていた透子は、目を光らせ士郎の元まで走り、手を取った。

 

「え?」

 

そして有無を言わさずましろの元まで連れて行く。

 

「さぁ!洗いざらい話してもらうよ!」

 

「え、えぇ……」

 

士郎は困惑しながらも、状況を理解しようと模索する。

 

「って、士郎さんじゃないですか!」

 

模索していると、そんな声が聞こえ振り返る。

 

「あれ?つくし?」

 

士郎もそうだが、つくしや周りのメンバーも驚いていた。

 

「え?ふーすけ、知り合いなの?」

 

「うん、バイト先の先輩」

 

「二葉さんって確か羽沢珈琲店でアルバイトをしていたわね」

 

「そうだよ!でもまさか士郎さんがましろちゃんと付き合ってただなんて……」

 

「えぇッ!?」

 

つくしの発言にましろは顔を真っ赤にしながら、弁解しようと頑張っているが、頭がパニックを起こしていて中々言葉が出て来なかった。

それを見ていた士郎は、誤解を解く為に代わりに話す。

 

「何か勘違いしてるみたいだけど、俺とましろは別に付き合ってる訳じゃないぞ?」

 

「でもカップル限定のパフェ食べてたよ〜」

 

「あれは、店員さんが俺達をカップルと勘違いしてただけ」

 

士郎は降り掛かる彼女達の質問攻めに答えていく。

 

「私もう帰っていいかしら?」

 

「えぇー!どうして?」

 

「たまたま目的が同じだったから一緒にいただけで、ここで時間を潰すのなら私は先に行かせてもらうわ」

 

瑠唯がましろ達に背を向け歩き出すと、つくしと七深と透子がそれを食い止める。

 

「ちょちょちょ、もうちょっとだけ!ね?」

 

「それにしろちゃんとつーちゃん以外初めましてだから挨拶くらいしよ〜?」

 

「……確かにそうね」

 

何とか留める事に成功し、そして改めて自己紹介を始める。

 

「Morfonicaのギター担当してる桐ヶ谷透子です!」

 

「ベースを担当してまーす、広町七深だよ〜」

 

「バイオリンを担当してます、八潮瑠唯です」

 

自己紹介を聞いていると、バンドでは珍しい楽器の名前が挙げられた。

 

「へぇー、バイオリンを含めたバンドか……ましろから聞いた事あるけど、1度聴いてみたいな」

 

「機会がありましたら」

 

「あぁ、その時はお願いするよ」

 

士郎は笑みを浮かべながら次は自分の自己紹介を始める。

 

「俺は衛宮士郎、つくしと同じ羽沢珈琲店でアルバイトしていて、あとCiRCLEのスタッフとしても働いてるから、もしかしたら会えるかもしれないな」

 

他にも手伝いとして色々な場所で働いているが、アルバイトとして主な2つを挙げた。

 

「CiRCLEのスタッフさんもやってたんだ!じゃあもしかしたらあたし達、何処かで会ってたかもしれないね!」

 

「かもしれないな」

 

透子と笑いあっていると、何かを思い出しハッとした顔をする。

 

「じゃなくて!本当に付き合ってないの?」

 

「つ、付き合ってないよ!し、士郎さんにはもっと素敵な人がいるから……」

 

「え?もし彼女持ち?まさかシロをナンパ……!?」

 

「なんでさ!さっきも言ったけどましろと会ったのはたまたま!あと彼女はいないよ!って恥ずかしい事言わすな!」

 

「自分から言ったよー?」

 

それからなんとか誤解が解け、士郎は説明で疲労困憊状態に陥った。

 

「ハァハァ……まさか誤解を解くためとはいえ、こんなにも疲労するとは……」

 

「アハハ、ごめんなさい。ちょっと士郎さんの反応が面白くて」

 

「だろうな!途中から分かってたよ!」

 

疲労してる士郎を心配そうに駆け寄るましろとつくし、そしてそれを眺めながら呆れてる瑠唯。

 

「人を虐めて何が楽しいのかしら……」

 

「ちょ、虐めてないよ!変な事言わないでよ!」

 

「虐めてるのと大差変わらないわ」

 

そして透子と瑠唯が口喧嘩を始め出した。

 

「ふ、2人とも落ち着いて!」

 

「また喧嘩しちゃった……」

 

「止めなくていいのか?」

 

「しろちゃんが止めに行ったから大丈夫だよ〜」

 

七深が言う通り、ましろが2人の仲裁に入っていき、無事止める事が出来た。

 

「あ、そうだ!」

 

つくしが何か思い付き、ましろ達に提案する。

 

「これからみんなでスイーツ食べに行こう!そうすればみんな平等になるでしょ?」

 

「でもここら辺でスイーツ出してる店なんてあった?」

 

「え?んー、ましろちゃんが行ってた店のパフェは……」

 

「あの店は基本珈琲一色でパフェはカップル限定だから行っても珈琲しか頼めないと思うぞ?」

 

士郎の一言によってつくしの提案は叶わぬものとなってしまった。そう、士郎達がいるショッピングモールは飲食店はあるが奇跡的にもスイーツ系の店が一切なかったのだ。

 

「じゃ、じゃあ今からスイーツ店の方まで向かうのは……」

 

「その場合は、私は遠慮させてもらうわ。今日は買い物をしに来ただけだから」

 

「んー、私も今日は流石に無理かな〜?」

 

「アハハ、実はあたしも……」

 

「そ、そんな……」

 

つくしは膝から崩れ落ちそうになるが、なんとか留まる。

 

「士郎さんは今日何か予定あるんですか?」

 

「ん?俺は今日はバイトだな。明日はカフェのバイトだけど」

 

ましろと士郎の会話が耳に入り、再び皆に提案する。

 

「あ、明日!明日ならどう?」

 

「明日なら予定はないかな?」

 

「特に考えてはいないわ」

 

「ノープラン〜」

 

それを聞くとつくしは顔を明るく笑顔を見せ、予定を組み始める。

 

「じゃあ明日昼過ぎに集合ね!集合場所は……どうしよっか?」

 

「行く場所も決めといた方がいいよね」

 

「うーん、それじゃあ……」

 

つくしはパッと後ろにいる士郎が目に写った。

 

「……羽沢珈琲店でいいかな?」

 

「え?」

 

まさかの提案にメンバーじゃなく士郎が反応した。

 

「おー!賛成!」

 

「広町的には士郎さんの作る料理が食べたいかな〜」

 

「いや、なんで俺の料理なんだ?」

 

「だって前にしろちゃんが士郎さんの料理をべた褒めしてたから〜、やっぱり気になるじゃん?」

 

士郎は横にいるましろを見ると、真っ赤にした顔を隠しながら

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

と謝っていた。

 

「はぁ、わかった。おやっさんには俺から言っとくよ」

 

「やったー!」

 

「私は一言も行くなんて言ってないわよ」

 

「どうせ暇なんでしょ?なら行こ?」

 

「はぁ……確かに個人的にも衛宮さんの料理は気になってはいたから」

 

「最初っからそういえばいいのに」

 

「……やっぱり行くのやめるわ」

 

そこから再び2人の口喧嘩が始まり他の3人が仲裁に入っていく光景があった。




今回は前編後編に分けての投稿です!
次回は飯テロありで投稿します!

この度は私事の事情で大分投稿が遅れた事をお詫び申し上げます。
こんな事は今回限りだと願いながらも、いつもの通常投稿をしていきたいと思います!

(投稿が空いたから文字ミスが多いかも……)
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