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★CiRCLE
「お疲れ様です」
昼過ぎに士郎はダンボールを持ちながら、バイト先であるCiRCLEに出向いていた。
すると裏からまりなが現れ、挨拶を交わす。
「お〜、士郎くん。おはよー」
「お疲れ様です、まりなさん」
挨拶も交わしたので、着替える為に士郎も裏に入ろうとした時、まりなに止められる。
「あー、ちょっと待ってちょうだい」
「なんですか?」
「実は今、友希那ちゃん達が来ててね」
「はい、それがどうかしたんですか?」
まりなは困った顔をしながら、士郎に伝える。
「ちょっと今ね……別のバンドグループの子達と揉めてるの……」
「え?友希那達が揉め事を?」
そんな事をする子達では無いと思っていた士郎にとっては、非常に驚きな事であり、そしてまりながその先に言うセリフを先読みしてしまった。
「……まさか」
「ちょっと止めて来てもらってもいいかな?」
「なんでさ……」
想像通りの展開すぎて頭を抱える。しかし、友希那達が何故揉めているのか気になったので、渋々ではあるものの承諾した。
「分かりました……制服に着替えた後向かいます」
「ごめんね!ありがとう!」
士郎はすぐ制服に着替え、まりな教えられた場所へ向かう。すると、そこには友希那達のRoseliaと士郎の知らない子達が6人いた。─────たった1人を除いて。
「リリィ?」
「あ!シロウ!!」
リリィは誰よりも早く士郎の存在に気付き、飼い主を見つけた犬のように跳ねるように士郎の元へ走ってきた。
「姉さんから聞いていました!本当にここでアルバイトをしてたんですね!」
「あ、あぁ、そうだけど……リリィはなんでここにいるんだ?」
「私ですか?私はですね─────」
「リリィ?その男は知り合いなの?」
リリィが答えようとした時、後ろから猫耳のヘッドホンを付けた少女に声を掛けられる。どうやらいつの間にか注目を浴びていたみたいだった。
「あ、ごめんなさい。こちら、私の姉の……なんでしょうか?」
「そこで俺に振るのか!?」
士郎はどう答えるか悩むが、自己紹介が先だと思いそのついでに今回の騒動の内容を聞き出す事にした。
「えっと、ここCiRCLEでアルバイトしてる衛宮士郎です。えっと、揉め事があったと報告を受けて来たんだけど、何があったか教えてくれないか?」
士郎の問いにリサが代わりに答えてくれた。
「えっと、実はね?本当ならそこまで大きな事にしたくなかったんだけどね……ん〜、なって言ったらいいのかな?」
リサもなんとか伝えようとするが、どう伝えていいか分からず困り果てていた。
「彼女が練習の邪魔をしに来たのよ」
「邪魔とは言いがかりよ!ワタシは、湊友希那!貴女に用があるのよ!」
「その用ならもう聞いたわ。もういいかしら?」
「No!答えをまだ聞いてないわ!」
再び揉め始めた2人を他所に他のメンバーが士郎に挨拶しに来る。
「ご迷惑をおかけしてごめんなさい!チュチュも悪気はないんです!」
「今回はちょっと熱が篭もり過ぎただけなんだ」
「そうなんだ……えっと、君達は……」
士郎が聞くと、リリィが答え始めた。
「この人達はRAISE A SUILENと言うチュチュさんが作ったバンドグループです。そのメンバーのレイヤさん、ロックさん、マスキングさん、パレオさんです!」
リリィが名前を呼び、呼ばれた彼女達は順に自己紹介を始める。
「レイヤです。本名は和奏レイ……RAISE A SUILENのボーカルとベースを担当してます。
「朝日六花……あ、ロックです!ギターを担当してます!よ、よろしくお願いします!」
「佐藤ますき。チュチュからマスキングって呼ばれてる。担当はドラムだ」
「RAISE A SUILENのキーボードメイド、パレオと申します!よろしくお願いします!」
「ん?キーボードメイド?」
聞き覚えのない言葉が出て聞き返す。
「はい!キーボードメイドです♪」
「そ、そうか……キーボードメイドか……」
聞いても答えが返ってきそうになかったので、聞くのは辞めることにした。すると、今度はパレオが士郎の顔を見て、声を上げる。
「あぁー!」
「ど、どうしたの?パレオ?」
唐突に大きな声を上げたので、友希那とチュチュも驚き言い合いをやめた。
「あの!もしかしてテレビに出たことありませんか!?」
「え?あ、あぁ、1度だけ出たことあったな」
「やっぱり!それってアイドルの料理番組でしたよね!」
「あぁ、彩達の番組に出さしてもらったな」
士郎はそう言いながら、あの時の風景を思い出す。
士郎が思い出に浸っているとパレオが小刻みに震えていた。
「はぁ〜、パレオ感激です!」
「うぉっ!?」
唐突に顔近くまで近寄られ、驚きながら1歩下がる。
「まさか有名人である士郎さんに出会えるなんて……!」
「有名人、では無いと思うぞ?」
士郎が否定していると、リサ達が会話に入ってきた。
「士郎さんが知らないだけで結構有名だよ?」
「え?」
「私もよく耳にしますね」
「わ、私も、聞いた事があります……」
「あこもあこも!おねーちゃんと買い物してた時に聞いた事あるー!」
まさかの本人が知らない間にそんなことになっているとは思ってもみなかったようで、困惑していた。
「もしかして花ちゃんが言ってたしろうさんって……」
「香澄先輩が言ってた人って……」
「この人だったのか」
RASのメンバーもどうやら士郎の事を知っていたようだった。
すると、チュチュが士郎に接近する。
「貴方がシロウだったのね!」
「うぉっ!?」
チュチュは士郎をジロジロと観察しながら、
「リリィがいうスゴい人とは思えないけど……まぁいいわ!」
「ハ、ハハハ……」
チュチュは士郎にある頼み事をする。
「Mr.シロウ!ワタシに貴方の料理を食べさせなさい!」
「えっと、注文って事でいいのか?」
「えぇ、貴方が噂通りの料理人なら簡単なことでしょ?」
「その噂ってのは気になるけど、まぁ作って来いって言われてるのなら作ってくるけど……何か作ってほしいものでもあるか?」
「んー、特にないわね……そこは任せるわ」
「了解、他の皆はどうだ?」
士郎は他の子達にも注文があるか聞く。すると、見事に全員が食べたいと言い、士郎は急いで厨房に向かう。
「あ、それともう揉め事はやめてくれよ?他のお客さん達に迷惑がかかっちまうから」
『ごめんなさい』
行く前にしっかり注意し、そしてまりなに注文を受けた事を伝え厨房を借りる。
「んー、なんでもいいか……」
何を作ろうか悩んでいると、丁度今日持ってきたダンボールの中身が目に入った。
「あ、そうだ」
まず初めに米をといでお釜に入れたら、既定の水位まで水を加え、30分程米を吸水させる
とうもろこしは半分の長さに折り、包丁で身をこそぐ
とうもろこしの身と芯を釜に入れ、酒、塩を加えてご飯を炊く
その間に先程こそいでおいたとうもろこしと打ち粉用の薄力粉を加え、表面に粉が満遍なく付くように混ぜる
別のボウルに薄力粉、水、塩を入れ、切るように軽く混ぜたら、薄力粉をまぶしたとうもろこしに加え入れ、すくって落とすようにざっくり混ぜる
170~180度の油にタネを大きめのスプーンひとすくい程の量を入れ揚げていく
1~2分程揚げたら、バットへ縦に置いて、油をきり塩を少々ふる
吹き上がったら芯を取り除き、バターと粗挽き胡椒を加えて混ぜ合わせ、ご飯と天ぷらを皿に盛り付けたら……完成!
「ん〜、いい匂いがしてきた〜♪」
「この匂いって、とうもろこし?」
「大正解」
レイヤの疑問に答え、そして姿を見せる。
「えぇー、本日の料理はとうもろこしご飯と天ぷらです」
そして机に並べて置く。
「これが貴方の料理ね……」
「あぁ、まぁ本当なら昨日の方が食べ頃だったんだけど、それでも甘さは残ってるから美味しいと思う」
「じゃあ手を合わせて〜」
あこがそう言うと全員が手を合わせ─────
『いただきます!』
サクッと音が鳴り、そして次々に感想が零れ落ちる。
「甘いですね……」
「うん!とうもろこしってこんなに甘くなるんだ!」
「士郎さん、これあたしにも出来ますか?」
「作り方は簡単だし、なんならレシピ書いて渡そうか?」
「ありがとうございます!」
マスキングと料理の話をしている横で、パレオはチュチュに士郎の料理はどうか聞く。
「どうですか?チュチュ様!美味しいですよ!」
「……
するとチュチュは士郎の元に行き、指を指す。
「Mr.シロウ!貴方を料理人として雇うわ!」
「なんでさ……」
士郎は初めてこころに会って飯を作ってあげた時にも言われた事がある事を思い出す。
「……流石にそれは聞き捨てならないわね」
「えぇ、私も流石に止めさてもらいます」
「んー、アタシも止める側かな?」
「わ、私も……」
「シロにぃはあこが守る!」
Roseliaがそれに猛反対をみせ、チュチュに攻める。しかしパレオが士郎に余計な質問をしたせいで更にヒートアップする。
「士郎さんは、料理以外に何かされますか?」
「料理以外なら基本家事が得意かな?掃除は軽くだけど毎日やってるし、あとはバイトを2つ掛け持ちしてるから基本休みとかは1週間に1回あるかないか位かな。あぁ後、知り合いの爺さんの手伝いに行ったりもするな……あと学校で色々と手伝いとかで遅くまで居ることがあるくらいかな?」
「働き過ぎだろ……」
あまりの士郎のスケジュールにボソッと本音を漏らすマスキング。
「言い換えるわ!やっぱりRAS専属のスタッフとして雇うわ!」
「確かに士郎さんの様な人がスタッフにいると安心するかも」
「パレオはチュチュ様の案に賛成です!」
「それも認めないわ」
そしていつの間にかRoseliaとRASの士郎争奪戦へと趣旨が変わってしまった。
「なんでさ……」
士郎がこの光景を見て、嬉しさと呆れが混じったため息を吐く。
「それほどシロウが魅力的なんです」
すると、隣にリリィがいた。
「私はシロウの魅力にこんなにも気付いてくれていることに、嬉しく思ってます!」
「ハハハ、俺も嬉しいけど、ここまでは求めてないかな?」
目の前の光景を目の当たりにしながら、応える。
「彼女達と一緒は楽しいか?」
「はい!とても楽しいです!」
「そっか、それは良かったよ」
士郎はリリィの本当に楽しそうな顔を見て満足し、彼女達の争いを止めに入った。
ちなみに、チュチュの提案は断りはしたが、困った時は助けに行く、と伝えた。
もうキャラ多すぎてパンクしそうだぜ……
次回は、ハロハピかポピパかな?
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追加は21時過ぎに行います