⤵
「今日の夕飯、何にするかなぁ」
士郎はテーブルに肘を乗っけながら、今日の献立を考える。
すると、机の上に水の入ったコップが置かれる。
「シロウ、水をどうぞ」
「ありがとう」
セイバーが入れてくれた水を頂き、2人で外を見ながら談話する。
「ラン達は大丈夫でしょうか?今日は暑いようですから……」
「一応そこら辺の対策はしてるらしいから大丈夫だと思うけど、夏バテにならないとも限らないしな……」
ミーンミーン、と蝉の声が鳴り続ける。
「がっつり肉系でもいいけど、夏は食欲落ちることもあるらしいからな」
「私は大丈夫ですが、その可能性もあるのですね」
「あぁ、どうするか……ん?」
すると、玄関が開く音が聞こえ、そして聞き覚えのある少女達の声が聞こえた。
「蘭達が帰ってきたみたいだな」
「えぇ、彼女達の分のお水を用意してきます」
セイバーが立ち上がり、キッチンに向かった後に彼女達が部屋に入ってきた。
「ただいま」
『お邪魔しまーす!』
「あぁ、おかえり」
部屋に入るやいなや、モカとひまりは机に突っ伏して溶ける。
「暑くて溶けちゃうよ〜」
「外暑すぎだよー!」
「確かに今日は一段と暑かったな」
巴が笑いながら手に持っていた袋を机に置く。
「ん?巴、これは?」
「実は知り合いの方から貰ったんですよ」
その袋の中身は、野菜だった。
「茄子にトマト、とうもろこしもあるのか」
「貰ったのはいいけど、量が……」
巴はアハハと微笑を浮かべて笑う。
「確かに巴ちゃんの家にダンボールで大量にあったね……」
「そこでシローさんにあげよ〜って事になったのさー」
「なるほどな」
士郎は野菜を手に取りながら、頭に今日の献立が出来上がった。
「今日の夕飯はこれで決まりだな」
「シロウ、今日は一体何を作るのですか?」
5人分の水を持って戻ってきたセイバーの質問に答える代わりに、笑みを浮かべる。
「あぁ、今日は夏にピッタリのやつを作ろうと思う」
「夏にピッタリ?」
士郎はキッチンに向かい、料理の準備を始める。
「アンタらも食ってくか?」
「勿論!」
「お腹空いた〜」
「お願いします!」
了解、と返事し、エプロンを付ける。
「さて、まずは─────」
にんにく、生姜はみじん切り、他の材料は一口大に切る
鍋に油を引き、ズッキーニ、茄子を高温で炒め、6割ほど火が通ったところで皿に取り出す
鍋の温度を下げ、新たに油を引き、中低温でにんにく、生姜を焦がさないように炒め香りを出し、玉ねぎを加え、塩少々をふり、玉ねぎがしんなりするまで炒める
鶏肉を入れ炒め、表面の色が変わり焼き目がついたらパプリカ、かぼちゃ、とうもろこしを加え炒め、全体に油が回ったら水を具がかぶる程度加え中火で煮込む
「さて、ここでこれを使う……」
かぼちゃに火が通ったらココナッツミルクを加える
トマトと先に炒めておいたズッキーニ、茄子、いんげんを加え入れ、市販のカレールーを溶かしたら……完成!
「お、いい匂いがしてきたな」
「この匂いって……」
士郎がキッチンから出てくる。
「えー、今回は巴が持ってきてくれた夏野菜全部入れてみた南国風カレーです」
置かれたそのカレーの匂いに全員が幸せそうな顔をする。
「ん〜美味しそうー!」
「早く食べよう〜」
「じゃあ早速……」
全員手を合わせ─────
『いただきます!』
スプーンを手にし、カレーを1口食べる。
「ん〜まろやか!」
「でも、私の知ってるカレーと違うような……」
「実はカレーにココナッツミルクを入れてるんだ」
「なるほど、いつものカレーとはまた違う味わい」
「とうもろこしも甘くて美味しい……」
「暑い時にあえてカレーってのもいいもんだろ」
順調に食べ進め、全員の皿が空になる。
「あぁ〜お腹いっぱい」
「ひーちゃん食べ過ぎだね〜」
「モカだけには言われたくない!」
ひまりとモカは3杯もおかわりしていた。
「うぅ……また太っちゃうよ〜」
「だ、大丈夫だよひまりちゃん!」
「そうだよ!まだ増えた訳じゃないだろ?」
つぐみと巴がひまりを慰めるが、ひまりには一向に届かなかった。
「うぅ、セイバーさんが羨ましいよ……そんなに食ってるのに……」
「私ですか?」
セイバーは5杯目のおかわりをしようとしていた。その光景に慣れてはいるが、それだけ食って太らないセイバーに疑問を持たずにはいられなかった。
「セ、セイバーはそういう体質なんだよ。それに俺から見るとそんなに太ったようには見えないぞ?」
「そ、そうかなー?そうですよね!」
「ひまり」
「蘭?」
蘭はひまりの肩に手を置き、笑顔を見せる。
「体型が変わってもひまりはひまりだよ」
「蘭……!」
ひまりは嬉しそうに涙を浮かべる。
「あれ褒めてるのか?」
「ま、まぁひまりがいいならいいんじゃないんかな?」
「そ、そうだね」
「ひーちゃんは単純だね〜」
幸いにも士郎達の声は聞こえておらず、また傷付くことはなかった。
セイバーだけなんの話か分からず、彼女達の仲の良さに微笑みながら、5杯目を平らげるのだった。
夏の暑さはまだ続く。
そして、あの計画が実現される事になろうとは、士郎はまだ知らなかった。
最近、モチベが落ちてるね……
暑いからかな〜?(現実逃避)
それはそれとして誕生日おめでとう!ロック!