衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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大変長らくお待たせしましたm(_ _)m





具材たっぷり豚汁

「ハァ……ハァ……」

 

士郎は今、絶体絶命の危機に瀕していた。

 

「まずいな……」

 

夕暮れの森の中、冷たい風さえ感じられない程士郎の体は熱を発していた。士郎が熱を発している原因は“焦り”。

では何故焦りを見せているのか?その訳は、目の前にいる怒りをあらわにしている猪が答えだった。

 

 

何故こうなったのかは、時は遡る─────。

 

 

 

家で皿洗いをしていた所、一通のメールが届く。送ってきた相手は麻弥だった。送り主が分かると、すぐに内容を確認する。

 

「イノシシ狩り?」

 

 

士郎は指定された場所へ向かい、そこにいたメールの送り主─────麻弥達を見つける。

 

「お、いたいた」

 

「あ、士郎さん!こんにちはッス!」

 

「シショウ!お疲れ様です!」

 

「だから師匠じゃないって……」

 

士郎は5人の少女……パスパレの彼女達に挨拶を交わす。

周りにはスタッフの方と猟師の人達が何人かいた。

そこで士郎はメールを貰ってから1つ気になる事があったので彼女達に質問する。

 

「イノシシ狩りってアイドル的に大丈夫なのか?その、言い方が悪いけどイノシシを倒しに行くんだろ?」

 

「安心してください。本当にイノシシを倒しに行くのではありませんから」

 

「それはよかった……ん?なら、イノシシ狩りって何するんだ?」

 

「今回はほとんど森の散歩になりますね、あとは罠等の説明をしてもらったりします」

 

どうやらイノシシ狩りにおいて狩りに使う道具やイノシシと出会った時の対応の教えらしい。

流石にイノシシを彼女達の前で倒しに行く訳じゃなく、ほぼ森の散歩と聞き、どこか安心した。

そんな時、どこか聞き覚えのある声で呼び掛けられる。

 

「おぉ、坊主じゃねぇか!」

 

「ラ、ランサー!?何でアンタがここに!」

 

ランサーは帽子を脱ぎ、手で回しながら答える。

 

「知り合いのおっちゃんに参加しねぇか、て誘われてな。まぁ暇だったし着いて来たって感じだ」

 

「そ、そうなのか」

 

「それに嬢ちゃん達も行くって聞いたからな、知り合いがいるなら尚更行くしかねぇだろ?」

 

ランサーは、日菜とハイタッチして互いに笑い合う。

 

「おーい!そこの背の高い青髪の兄ちゃん!」

 

猟師の人に呼ばれ、トラ柄の上着を渡される。

 

「兄ちゃんは背が高いから合うサイズが無くてね、1番デカいこれを着ておいてくれ」

 

「俺はいい」

 

「そうもいかなくてね、こちらの為と思って着てほしいよ」

 

「ほー」

 

ランサーはそう言われ、仕方なく上着を羽織る。それに続くように士郎達も同じ柄の上着を羽織る。

 

「久々に腕が鳴るねぇ」

 

「程々にな……」

 

ランサーと会話してると、周りのスタッフや猟師も会話に入ってくる。

 

「それにしても兄さんガタイいいな、何かスポーツかやってましたか?」

 

「ん?あぁ、()()()()

 

少し?と士郎は疑問を浮かべながら、言葉にはしなかった。

 

森に入ってから数分が経ち、周りを見渡しながら先へと進んで行く。

士郎達の前では、カメラが回り彩達が猟師の説明を聞きながら、順序よく進行が進んでいるみたいだった。

 

「なぁ坊主」

 

そこに小声でランサーが士郎に語り掛けてくる。

 

「さっきから嬢ちゃん達は何してんだ?」

 

「さっきも説明した通り、テレビの撮影だよ」

 

「確かによく見るが、こんな事しながらやってたんか」

 

ランサーは興味深そうにしながら、彼女達を見つめる。

 

「それにしてもいねぇな。なんでぇ、ここらのケモノは臆病なのか?」

 

「今回は会わないルートを行ってるみたいだからな。まぁ、イノシシも生き物だからもしかしたらこっちに近付いて来るかもしれないらしいけど」

 

「そういうの任せとけ」

 

「ハハハ……大英雄に守ってもらえるなら安心だな……」

 

森の奥に入るにつれ、道が増えたりしていきそして士郎は─────。

 

「て……あれ?」

 

 

迷子になっていた。

 

 

「さっきまで一緒にいたのに、はぐれた?」

 

士郎は周りを見渡し、ランサー達を探す。すると、ガサッと草木を押し退けて来る音が聞こえた。

 

「なんだ、そこにいたの……か」

 

そう言って士郎は振り返る。しかし、そこに居たのは人でなく、イノシシだった。

相手がイノシシだと分かった瞬間、一瞬で血の気が失せ顔を真っ青になる。

 

イノシシは今すぐにでも突進してきそうな気迫を感じさせながら、お互いに距離を空け見合う。

 

(落ち着け……イノシシと出会ったら落ち着いて後ろを向かずに速やかに後退すること……)

 

士郎はゆっくりと後退しながら、頭を冷静にさせる。

 

(刺激しないように、大声を出さないように)

 

ゆっくりと後ろに下がる。が

 

「うわっ!!」

 

下がった先に運悪く陥没しており足場がなく、足を滑らせ転倒する。

 

「いっつ……っ!?」

 

転倒した際、驚きのあまり声上げてしまい、イノシシを興奮させてしまった。

 

(しまっ─────)

 

イノシシは勢いよく走り出し、士郎に向かって突進!─────せず、空へと飛んで行った。

 

「え?」

 

士郎の目の前にはランサーが立っていた。

 

「しまった。加減を間違えた」

 

ランサーはそう言って茂みの方へ歩いて行った。

 

「え?ランサー?」

 

士郎は何が起きたか分からず、混乱した。とりあえず士郎はゆっくり立ち上がり、転んだ際に着いた土等を払い落としていると─────

 

「よぉ坊主、こいつどうする?」

 

「え」

 

ランサーは先程飛んでいたイノシシを回収してきたのだった。

 

 

 

「いや〜、よく1人で担いで来れたなぁ」

 

最初の広い広場に全員帰って来ており、ランサーがイノシシを倒した事に盛り上がりを魅せていた。

 

「あんな軽々と持ってくるし、一発で倒しちまったって言うし、これかも手伝わんか?」

 

「やめとく」

 

猟師にスカウトされてるランサーを他所に士郎は彩達に心配されていた。

 

「ランサーさんがいなかったら士郎さん危なかったんですよ!」

 

「あ、あぁ、反省してるよ……」

 

「ほんとッスよ!どれだけ心配したと思ってるんですか!」

 

「ご、ごめん……」

 

「まぁまぁ、無事だったのだからそのくらいにしてあげたら?」

 

千聖の助け舟により、渋々許される士郎。

 

「そういえばあのイノシシどうなったの? 」

 

「向こうで解体してるらしい」

 

「もしかして食べられるの!?」

 

「残念だけど少し時間かかるみたいだ」

 

「なーんだ、残念」

 

日菜は口を尖らせながら、残念がる。

 

「うー、寒くなってきた」

 

「日が落ちたら一気に寒くなってきたな」

 

そう言って士郎は自分の鞄からある物を取り出す。

 

「まー、そうなるかと思って一応温まりそうなやつ準備はしておいたんだけど」

 

『お〜』

 

 

まずは下準備

大根、にんじん、里芋の皮を剥く

ごぼうは皮を剥がず、土汚れを落とす

皮が気になる場合は包丁の背でこそぐか、アルミホイルで擦ると皮が薄く剥ける

こんにゃくはアク抜きが必要な場合は塩で揉むかお湯で軽く湯がす

里芋は1口大、大根はいちょう切り、にんじんは半月切り

ごぼうはささがきして水をさらす

こんにゃくは4.5cm程の短冊切り、しめじは軸を取り小房に分け、長ネギは斜め切りに

長ネギは白い部分と青い部分を別にしておく

 

士郎は猟師からコンロと鍋を借りて、最後の仕上げをする。

 

鍋にごま油を入れ熱し、切った野菜を加え炒める

この時には長ネギの青い部分は入れないこと

大根が透き通ってきたら、豚コマ肉を加え更に炒め、肉に火が通ったら、木綿豆腐を手で崩しながら入れる

水1ℓを加え、沸騰したらアクを取る

粉末鰹出汁と味噌を1/2量溶き入れて弱火で20~30分煮込み、煮詰まってきたら水を約200cc程足す

大根や豆腐に味噌の色が染み込み、全体的によく煮込めたら味噌の残り1/2量を溶き入れる

水や味噌で味を調整し、長ネギの青い部分を入れて火が通ったら……完成!

 

 

「豚汁の完成。イノシシの肉じゃないけど、具も沢山入れたから食べごたえあるぞ」

 

器に注ぎ、全員に配って行く。

 

「お、美味そうじゃねぇか。それじゃまぁ────」

 

『いただきます!』

 

先に渡ってきた人達から豚汁を食べて行く。

 

「う〜ん!美味い!」

 

「ハァ〜身体が温まっていくよ〜」

 

「相変わらず坊主の飯はうめぇな!」

 

士郎は全員に渡し終えた後に、豚汁を啜り、笑みを浮かべる。

寒い星空の下で、温もりでいっぱいになっていた。

全員に行き渡ると




お待たせしました!
しばらく体調不良等で手付かずにいました
休みが多くなる事もありますが、暖かい目で「また休んでら〜」と軽い気持ちで見守って下さい
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