(о'¬'о)ジュルリ
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肌寒い風が吹く今日。
士郎はこころの招待を受け、弦巻家に来ていた。それは士郎だけでなく、各バンドグループの彼女達もこころに招待を受け、遊びに来ていた。
「待っていたわ!早速入ってちょうだい!」
彼女の家の中へ案内され、執事、メイドに多大なる接待を受けながら、大広間に集まる。
「で、今度は何する気なの?こころ」
美咲は何か嫌な予感を感じながらも、この中の代表としてこころに質問を投げかける。
「あれ?美咲ちゃん達も知らないの?」
「わ、私達もこころちゃんに何も教えられてないの」
「メンバーにさえ、内容を隠す……まさに“敵を騙すにはまず味方から”だね!」
「言ってることは分かるけど、使い所間違えてない?」
彼女達が意図を探っていると、こころが目を輝かせ高らかに答える。
「今日は、みんなで夕食を作ってみようと思うの!」
『……えー!?』
間を空け、驚きの声を上げる。
「ちょ、こころ!?突然何言い出してるの!?」
「そんなにおかしいことかしら?とても楽しそうだと思わない!?」
こころは士郎の元へ走り出し、そしていつもの突撃をかます。
「グボッ!?」
「いつもあたし達にご飯を作ってくれるじゃない?その時の士郎がとても楽しそうだったの!」
いきなりの突撃に耐え切れず、倒れてる士郎の上でこころは理由を打ち明ける。
「だから!あたし達もその楽しさを体験しようと思うの!」
「理由は分かったけど、士郎さんから下りてから言いなさいよ!」
美咲に回収され、士郎はようやく起き上がりこころに向き直る。
「確かに料理は好きだけど……」
「あたし達が料理を……」
「とてもめんどくさいわね」
チュチュは本当に面倒くさそうに溜め息を吐きながら、それでもやらない、とは言わなかった。
「珍しく協力的なんですね」
「shut up!余計な一言よルイ!貴女もそう言いながらやる気あるの!?」
「それなりに、と言っておきます」
「私に出来るかな……?」
「出来ますよ!ジブンも微力ながらもお手伝いします!」
「私もお手伝いさせていただきます!なのでアヤさんも自分を信じてやってみましょう!何事にもチャレンジあるのみです!」
チュチュと瑠唯の言い合いが起き、ましろ達がそれを止めに入り、他のメンバーはやる気を見せ、結局全員がこころの提案に賛成という結果になった。
「みんなやる気なのね!とてもいい事だわ!」
「それでこころちゃん!何を作るの?」
「これだけの人数となると、それなりの量がある物じゃないと足りなくなるな」
「なら案内するわ!着いてきて!」
香澄の質問にこころは笑顔で、厨房へと案内する。
厨房に着くと、その机には沢山の野菜や肉、そして餃子皮と書かれた皮が大量に置かれていた。
「作る料理って、餃子か?」
「えぇ!餃子なら全員で作れるって聞いたわ!」
士郎はチラッと入口に目を向けると、いつもの召使いがこちらを覗いていた。目が合うと会釈をしてきたので、士郎は小さく会釈を返す。
「さぁ!みんなで作っていきましょう!」
『おー!』
半分以上が乗り気で取り掛かる。そして残りは半ば面倒くさそうにしながらも、一緒に取り掛かる。
「……よし!俺もやりますか」
まずキャベツを粗みじんにし、塩をふたつまみ程振って、全体に混ぜたら10分置く
長ネギはみじん切り、ニラは小口切り
ニンニクと生姜をすりおろしたら、醤油、酒、鶏ガラスープの素、砂糖、味噌、水を合わせる
剥きエビは背ワタを取り、軽く刻んでおく
先程のキャベツはよく揉んで水分を出し、更にキッチンペーパー等に包んでよく揉み、水気を絞る
ボウルにひき肉と塩ひとつまみを入れ、粘り気が出るまでよく混ぜ、キャベツ、ニラ、長ネギ、エビ、先程合わせた調味料を追加し、更に混ぜる
混ぜた餡は冷蔵庫で冷やしておき、味を馴染ませる
「よし、包んでいこうか」
餃子の皮の中心に餡13~15gをのせ、皮の縁に水を付け、包んでいく
餃子をのせるバットには薄く小麦粉を振っておき、作り終わったものは乾燥しないようラップをかけておく
「ん〜、上手く包めない」
「やっぱり難しいよね」
「具を少し減らして包んでみたら?」
全員で考え、そして協力し、餃子がもりもり出来上がっていく。
温めたフライパンに油をしき、餃子をある程度の間隔で並べ、再び火を点ける
軽く皮に焼き色が付いたら餃子が1/3浸かる程の熱湯を注ぎ入れ、蓋をして強火で2~3分程焼く
水気がある程度なくなったら蓋を取り、水気を完全に飛ばし、強火のままごま油を少量回しかけ、良い焼き色が付くまで焼く
ヘラで餃子をフライパンから剥がし、皿に盛り付けて……完成!
「どんどん焼いていくから、持っていってくれ」
『はーい』
そして作った餃子を全て焼き終え、テーブルへと並べていく。
「よーし、じゃあ早速頂こうー!」
『いただきます!』
サクッと咀嚼音が鳴り、そして頬を緩める。
「ん〜美味しい!」
「自分で作った料理をみんなで食べるっていいね!」
「この変な形をしてる餃子も美味しいわ」
「What?なんでそれをワタシを見ながら言うの聞いてもいいルイ!?」
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いて!」
ワイワイとはしゃぎながら、美味しそうに餃子を食べていく。士郎はその様子を黙ってみていると、隣に座っているこころから、笑顔が送られる。
「士郎!とても楽しいわね!」
「……あぁ、そうだな」
士郎は笑顔で返し、それに満足したのかこころは他のメンバーの所へ向かい、餃子を口に突っ込みに行った。
士郎は、こころに言われた“楽しそうに料理している”が、自分でもようやく分かった様な気がした。
「明日は、何を作ろうかな」
次回……最終話