衛宮さんの今日のごはん   作:パーカス

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最終話です





衛宮さんの今日のごはん

学校の下校時刻。

 

俺は今日の献立を頭で考えながら、帰りの支度を済ます。

 

「おーい、衛宮ー」

 

「一緒に帰ろうぜー」

 

「あぁ、すぐ行く」

 

学校の友人である大輝、達也が教室扉の方で壁にもたれかかって待っていてくれた。

 

「悪い、待たせた」

 

「よし!じゃあ帰り際に商店街寄って行こうぜ!」

 

「賛成ー、めっちゃ腹減ってるから何か買い食いしてくかー」

 

「俺も買い物したいし、同じく賛成だな」

 

そう言って俺達は、学校の校門を抜け、商店街へと足を進めた。

商店街に辿り着くと俺は近くの八百屋、肉屋に1件1件寄って買い物していった

 

「悪いな、付き合ってもらって」

 

「気にすんな、勝手に着いてきてるだけだしな」

 

大輝と達也は嫌な顔一つもせず、俺の買い物に付き合ってくれた。むしろ今日の献立の案も一緒に考えてくれたよ。

 

「なんなら俺ん家と同じで鍋にしようぜ」

 

その一言で今日は鍋にする事にした。

 

「てか、久しぶりじゃね?俺達が一緒にこうしてだべりながら帰ってるの」

 

「まぁ、互いに忙しかったからなー」

 

「確かにな……ん?」

 

魚屋近くまで来ると、見知った顔が接客業をしていた。

 

「おぉー坊主じゃねぇか!」

 

「えっと、バイト中か?」

 

「おぉ、見ての通りだ」

 

ランサーは笑いながら、魚を売り出してくる。

 

「活きのいい魚ばっかりだ!どうだ?買ってかないか?」

 

「悪いな、今日は鍋にするから。また今度安いのを買いに来させてもらうよ」

 

「ほー、鍋か……」

 

あ、まずい。そう思った時にはもう遅かった。

 

「坊主、俺もそれ食いに行かせてもらうわ」

 

「はぁ、言うと思った……」

 

「ったりめぇよ!それに最近坊主の飯を食ってなかったからな!じゃ、よろしくな!」

 

そう言って俺達は魚屋から離れて行った。

 

「衛宮、あんなガタイのいい人と知り合いだったのか?」

 

「知り合いというかなんというか……」

 

なんと言えばいいのだろうか?

俺は考えたけど、別に言う必要ないな、と思い話を逸らして話題を無理やり変えた。

 

あの後、しばらく買い物を続け、鍋の材料を買い込み終え、大輝と達也と別れ、今帰路を辿っていた。

家に向かい、歩いているといつの日かの光景と重なった。

 

「確かあの時もこんな肌寒い日だったっけ」

 

そう干渉に浸っていると、後ろから声をかけられた。

 

「士郎さん」

 

「ん?おぉ、蘭。それにひまり達も一緒か」

 

いつもの彼女達が笑顔で挨拶を交わすので、俺もそれに応え笑顔で挨拶をする。

 

「今、帰りか?」

 

「はい、士郎さんも帰りですか?」

 

「買い物帰りだな、今日は鍋にしようと思ってな」

 

袋を持ち上げて、中を見せる。

 

「おぉ〜、じゃあ今日は鍋パーティーだね〜」

 

「楽しみ!」

 

「え?どういう事だ?」

 

俺はなんの事か分からず、質問をするが何故か彼女達も疑問そうな顔をする。

そうすると、蘭が思い出したかのようにハッと顔を上げる。

 

「士郎さんに伝えるの忘れてた」

 

「えぇ!?ちょ、蘭ちゃん!?」

 

「そりゃあ士郎さんも分からない訳だよ」

 

つぐみは驚き、巴は苦笑いを浮かべる。

 

「ま、まぁ、結構買い込んだし、多分大丈夫だと思うぞ?」

 

ランサーが来ると聞いたあの時に、更に野菜や肉等を買い足しに戻ったから、ひまり達の分も確保は出来ている……はず。

 

多少の不安も残りつつも、俺達は家に帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「おかえりなさい、シロウ、ラン」

 

「セイバーさん!お邪魔します!」

 

「おや、ヒマリにモカ、それにトモエとツグミも一緒でしたか。ゆっくりしていってください」

 

俺は靴を脱ぎ、家に上がると居間からランサーが顔を出す。

 

「よぉ、邪魔してるぜ」

 

「ランサーさん!?」

 

「ん?なんだ嬢ちゃん達も一緒か!今日は祭りだな!」

 

そう笑っていると、居間から他に笑い声が聞こえた。

 

「え?他に誰かいるのか?」

 

「なんだ坊主、知らなかったのか?これで嬢ちゃんら全員いんぞ?」

 

俺は驚きながら、居間に入る。そこにはランサーの言う通り香澄達がいた。

 

「あ、士郎さん!お邪魔してます!」

 

香澄が笑いながら、全員の代表として挨拶をしてくる。

俺はいつもの光景に笑いながら、事情を飲み込む。

 

「シロウ、今日もみんなでご飯ですね」

 

「そうだな、いつも通り賑やかになりそうだな」

 

俺は材料をキッチンに持っていき、料理の準備をする。とランサーが袋を持ってくる。

 

「そういや坊主。これ魚屋のおっちゃんがくれたんだが、坊主にやるよ」

 

「いいのか?」

 

「まぁ俺には必要ねぇからな」

 

中身は新鮮な野菜類だった。

おぉ、これは地味にありがたい。それに鍋の具材としても使える……。

 

「さて、始めますか」

 

まずは鶏つみれの種作り、長ネギをみじん切りに、生姜はすりおろし、ボウルに鶏ひき肉と塩を入れて粘り気が出るまでよく混ぜ、卵、長ネギ、生姜、酒、片栗粉を加えて混ぜ合わせる

大根は皮をむき、円を描くみたいに力を入れないで細かい粒になるようにすりおろす

すりおろしたら、鍋に軽く汁気をしぼり入れる

その他の野菜、焼き豆腐、豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、餅は焼いておく

大根のしぼり汁を入れた鍋に、水と顆粒鶏がら、スープの素、塩、酒、みりんを混ぜ合わせたものを加え、ひと煮立ちさせる

弱火にして、鶏つみれの種をスプーンで1口大ずつすくったら、鍋に落とし入れ、鶏つみれに火が通ったら、皿に取り出す

アクを取り除く

白菜、長ネギ、しめじ、焼き豆腐、豚バラ肉を入れて火を通し、春菊、餅、鶏つみれ、大根おろしを加え、ひと煮立ちしたら……完成!

 

 

「よし、出来たぞー!」

 

『おぉー!』

 

机にカセットコンロを置き、その上に鍋を乗せる。そして、鍋の蓋を開ける。

 

「今日は大根を使ったみぞれ鍋です」

 

人数分の器によそい、そして手を合わせる。

 

「それじゃあ─────

 

『いただきます!』

 

ホカホカと湯けむりをあげてる鶏つみれを食べてる。

 

「この肉うめぇなぁ!」

 

「こちらの鶏もふわふわで美味しいですね」

 

「大根ってこんなに美味しかったけ?」

 

「おろし方もあるけど、ランサーが持ってきた大根が甘い大根だったからってのもあるな」

 

「心染みますね〜」

 

「とても美味しいわ!」

 

「えぇ」

 

俺はスープを啜りながら、周りを見る。

いつもの光景、見慣れた食卓。

でもどこか、いつもより違って見えた……。

 

「どうかしましたか?シロウ」

 

「いや、なんでもない。それよりよそうか?」

 

「えぇ、お願いします」

 

セイバーから皿を受け取り、具をよそう。

 

今日も賑やかなに食卓を囲う。

 

 

明日は何を作ろうか?

 

 

明日はどんな事が待ってるのだろうか?

 

 

それを楽しみにしながら、今日も食卓を囲う

明日もまた、みんなでここで─────

 

 

 

 

『ごちそうさまでした!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛宮さんの今日のごはん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで見て下さりありがとうございます!!

活動報告にて、最終話を終えての個人的な感想とこれからについて、書いています。
ぜひ見ていってください!

約2年間、ありがとうございました!!
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