海の浜で花火を
「海……ですか?」
「あぁ」
夕飯の準備中の士郎から、バイトの仕事で海に行くと伝えられた。
「蘭も俺と一緒で合宿に行くから、悪いけど1日留守を頼んでもいいか?」
「えぇ、もちろん。構いませんよ」
「悪いな、作り置きはして行くから夜に食べてくれ」
「わかりました。それで海にはいつ行かれるのですか?」
士郎は手を休めること無く、料理しながら応える。
「1週間後だな。だからこれから色々と準備しなけきゃな……」
「そうですね、楽しんで来てください」
「あぁ、と言っても俺は蘭達のオマケだからな。彼女達をサポート出来るように頑張って来るよ」
「えぇ、そうしてください」
この話は終わり、セイバーにとって関係のない話……だと思っていた。
◆
「シロウ、持ちましょうか?」
「いや、大丈夫だセイバー。そっちも重いのにこっちの物まで持たせられないよ」
1週間後の合宿にセイバーもいた。
セイバー自身も前日まで知らず、留守番する気でいた。しかしそれを香澄達が変えた。
セイバーは留守番と知ると、全員でまりなに頼み込みそしてまりなはそれを迷う事なく許可した。
最初はセイバーは遠慮し断ろうとしたが、士郎が─────
「別にいいんじゃないか?一緒に来ても」
「ですが!」
「許可したのがまりなさんだからな、諦めた方がいいぞ。あの人は藤ねぇ並に強引だから……」
士郎は諦めた顔をしながら、笑顔を見せた。
そして、セイバーも無事海に行ける事になったのだ。
「私も海に連れて来て下さりありがとうございます」
「それなら蘭達に礼を言ってくれ。俺じゃなくて蘭達がお願いしたからな」
「はい、後で改めてお礼を言います」
士郎はその返事を聞くと、笑みを浮かべながらセイバーと共に彼女達の後に続いて行った。
◆
士郎が食材を買いに出かけて行った後、セイバーは何しようか悩んでいると、香澄達に声を掛けられる。
「セイバーさん!私達のバンド聴きに来てください!」
「セイバーさん、あたし達のバンド聴きに来てくれませんか?」
「セイバーさん!私達の音楽、聴きに来てください!」
「セイバーさん、貴女の感想が聞きたいから私達の演奏を見に来てくれないかしら?」
「セイバー!あたし達と一緒に歌いましょ!!」
『え?』
ほとんど同タイミングでセイバーに話し掛ける。
「……誰から先に聴いてもらう?」
「私達は最初じゃなくてもいいわ」
「私達も準備とかあるから、後かな?」
「だったらクジで決めましょ!」
そしてこころは紙に番号書き、5枚にちぎり美咲が番号が書かれた方を隠すように握る。
「それじゃー1枚選んでください」
代表の5人が1枚ずつ手に取り、美咲が手を離す。
順番はハロハピ、パスパレ、ロゼリア、ポピパ、アフグロの順に決定した。
セイバーはまず初めにハロハピのバンドを聴きに向かった。
「待ってたわ!さぁ、早速始めましょ!!」
こころの掛け声で始めようとしている所に、セイバーがある事を思い出し、静止の声を上げた。
「少しいいでしょうか?」
「あら、どうしたの?」
「演奏を聴く前に1つ質問をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「えぇ!もちろん構わないわ!」
元気よく返事をするこころに少し笑いながら、質問を投げかける。
「貴女達にはシロウがどんな人に見えるか、それを聞かせてほしいのです」
この質問はアフグロ以外の他のメンバーにも投げかけた。
ハロハピの回答は─────
「とても素敵な人だと思うわ!」
「料理がとても美味しい!!」
「演技においても彼は中々の逸材だと思っているよ」
「と、とても優しい人、かな?」
「士郎さんは自分を卑下にする事が多いかな」
パスパレの回答は─────
「料理が美味して、凄く優しい人だと思う!」
「あたしも同じ!」
「でもあの人はいつも自分を下に見てるわね」
「シショウはとても凄い人です!」
「士郎さんはシブンが尊敬してる人ッス!」
ロゼリアの回答は─────
「彼の手際の良さにはいつも感謝してるわ」
「そうですね、機材の不調もそれほど時間もかけず直されていきますからね」
「あと色々と頼んだら手伝ってくれたりしてくれるよね〜」
「あこもこの前、勉強で分からないところ教えてもらったよ!」
「し、士郎さんとは……よく話せます……」
ポピパの回答は─────
「料理が美味しくて、優しくて、何でもできる人!」
「それは言い過ぎだろ!」
「でも本当に何でもできそうに思えるよね」
「士郎さんって苦手な物ってあるのかな?」
「んー、そういえば知らないね」
セイバーは彼女達の回答を聞き、彼女達は蘭達同様に信頼できると確信した。
士郎は今の自分に彼女達の力になれていないと思っている。
そんな彼の事を理解している、または信頼している人達がいた。
最後にアフグロの所へ向かうと
「どう?セイバーさん」
部屋に入ると蘭達が質問を投げかけてきた。
どうやら他のメンバーから話を聞いたらしく、彼女達の回答を聞き、どう思ったかを聞くために待っていたのだ。
「私達の事、信用出来ますか?」
「……えぇ、疑ってしまいすみませんでした」
「セイバーさんの気持ちも分かるし大丈夫ですよ!」
「それにこれからは私達の事を信用してくれるって事ですよね?」
つぐみの問にセイバーは笑みを浮かべ、頭を下げる。
「えぇ、改めてよろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
蘭は手を差し伸べる。その手をセイバーは見つめ、そしてその手をとる。
「おーこれでいっぱいお話できるね〜」
「その前にアタシにはやることがあるだろ?」
巴がそう言うと、蘭達は笑い準備する。
セイバーは席に座り、始まるのを待つ。
「じゃあ蘭、今日はどうする?」
「もちろん─────
─────“いつも通り”でいくよ!
彼女達のバンドを聴き終えた後、一緒に海で遊び尽くしたのだった。
書き始めはちょっと良かったけど、後半から着地点が見つからなくなった……
まぁ外伝だから許してください