1月10日、水島新司先生の一周忌を前に投稿したいと思いますので。
「タイム願います」
『山田くん、たまらずタイムを要求しました。最終回、明訓が逆転した後でのこの場面は誠に珍しい。それほど、明訓の反撃は相手の心を折るものなのです。つけられた点差と、抑えきれなかった無念さで意気消沈し、そのまま敗れた者の何と多いことか。だが、しかし。墨谷はそうはなりません。そうです。昨年度の夏の予選では、二度に渡り九回裏に逆転し、野球は九回ツーアウトからを体現して見せたのがこのチームなのです。その予想外の粘りには、さしもの明訓もさぞ戸惑っていることでしょう』
「まさか連打を浴びるとはな」
「ああ。タマもコースも悪くなかったが」
「墨谷の粘り勝ちってことか……」
「そうとしか思えない」
里中と山田のやりとりに、そっと近づいた殿馬がグラブで口元を隠しながら囁く。
「戻っているづらよ、サトのクセが」
「え⁉」
表情を悟られぬよう、里中も同じく口元を隠す。
「試しに逆に投げてみればいいづら」
「成程」
「ええか。後アウト二つや! ダブルプレイなら一回で終いや。甲子園を四度も制したわいらがここで負けてみい。どの面下げて明日から生きていくんや。全国の高校球児に申し訳がたたんと思わないんか! 甲子園はそれほど安いもんではない筈やで‼」
岩鬼の檄に明訓ナインはオウっと気勢を上げる。
「へ~え。はっぱが珍しくいいこと言っているづら」
「何やと! わいの名言金言を聞いとらんのかい!」
「お前の言葉は右から左に一方通行づらによォ」
「とんま~!」
とぼける殿馬と怒る岩鬼。いつも通りのやりとりに、険しい表情だった里中と山田の頬が緩む。
「とにかく、次のあいつはやべ~づら。心していかないと負けるづらぜ」
「ああ。内野陣はよろしく頼むぞ!」
「オウッ!」
『四番ピッチャー谷口くん、四番ピッチャー谷口くん』
ドワアアアアアア‼
わっせわっせわせ‼
国分寺の森にどよめきと歓声がこだまする。
それと同時に、あちこちから聞こえる見知った声。
「まさか、こいつらがここまでやるなんてな」
「練習試合をした時にはそうは思わなかったが」
「どうだ、佐野。勝てそうか」
「分かりません。ですが、秋季大会、厳しい闘いになりそうです」
「それはそうだ。だが、うちも相当なレベルアップをしている。やってみなければ分からんさ」
「明訓相手にここまで粘る相手だったとはな。お前の言った通りだったな、百瀬」
「へっ。連中と一度でも戦ったことがある奴なら、その力はご存知の筈だぜ。何を今さら」
打席に立った谷口の様子を、山田は静かに伺った。
先ほど打たれた時はショックの表情を浮かべていたが、今は微塵も感じられない。
この短い間で気持ちを切り替えたのだとすればとんでもない精神力の持ち主だ。
(里中、用心していくぞ)
(ああ。こいつは要注意だ)
すっと自然にバットを構える谷口から感じる気迫に、常勝明訓を支えてきた里中も目を見張る。
(まさか、あの一球を打たれたと言うのにか)
見ていた里中自身、魂をこめた一球だった。あれを打たれては、自分のこれまでの頑張りを全て否定されたと思っても仕方ないほどのタマだった。それを、あそこまで完璧に打たれたというのに。
初球。里中の軸足はプレートの上。
(カーブか)
だが来たのはインコース高めのストレート。谷口堪らずこれをファール。
二球目。里中の軸足はプレートの前。来たのは外角低めへのカーブ。谷口、これをよく見てワンエンドワン。
(クセが出ていることに気づいたか)
明訓バッテリーの思惑に勘づいた谷口は、里中のクセについて頭から消し去る。
(こうなったら来たタマに食らいついていくだけだ)
三球目。外角低めへのストレートを一塁線にファール。
四球目。真ん中高めへのストレートを後ろに飛ばす。山田、これに懸命に飛びつくも届かず。
(ダボハゼみたいになんでも振ってきていやがる)
(そう見せて何か狙っているかもしれん)
慎重に谷口を打ち取ろうとする明訓バッテリーは、やがて谷口という男の真の恐ろしさを知ることとなる。
キィン!
『これまた、ファール! カウントは変わらず、ツーツー。粘ります、谷口くん。里中くん相手になんと十一球投げさせています。タマは前には飛ばぬものの、確実に里中くんの体力を奪っていることでしょう。里中―山田の黄金バッテリー、内外高低と使い何とか打ち取ろうとしていますが、上手くいきません。最終回、勝利を目前にしてピンチです!』
「ぬふう~震えてくるで」
たまらないといった表情で、五利が吹き出た汗を拭う。
「これが練習試合かよ。プロが情けなくなってくるで」
「里中はバテとらん。山田のリードも別段おかしくはない。あの谷口がおかしいんや」
「一球入魂のタマをああも打たれた後やで。普通は気負ったり、闘争心をむき出しにしたりするもんやろ」
ちらりと球道を見ながら鉄五郎が言うと、球道は肩をすくめてみせた。
「それやというのに、あの谷口ときたら淡々と来たタマをファールにしよる。相手投手としたらやり辛いことこの上ないで。何を考えているか分からへんからな」
「いや、ただ必死なだけでしょう」
球道が言うと、一球もそれに同意する。
「だからこそ、怖いんです、あの谷口は」
どこか夢の中にでもいるように谷口には感じられていた。
(どうしても打ちきれない)
なぜだろう。そう思った谷口の耳に、聞き慣れた声が届く。
「何してやがんだ、タカ! 男がいつまでもぐだぐだ迷っているんじゃねえ!」
「タ、タイム!」
打席を外し、バックネット裏を見る。
(父ちゃん⁉)
父熊吉と母玉子の姿がそこにはあった。
(来ていたのか……)
靴ひもを結ぶふりをしてちらりとそちらを伺えば、熊吉は興奮に体を震わせている。
(おれが迷っている⁉ 何に……)
自問自答し、ぺこりと頭を下げて谷口は打席に入る。
山田に届かなかったあの一球。野球への思いは十分に籠めることはできた。だが、自らの野球をずっと見続けてきた父親は迷っているという。
あの明訓の里中と山田のバッテリーを相手にして、青葉学院の二軍の補欠だった自分が粘っている。あの時代の自分が聞いたら卒倒することだろう。
気楽に始めた野球は、いつしか人の期待に応えるためのものになり、そして、自らがその道を深く望んで首を突っ込むようになっていった。
淡々と黙々と、日々どれだけのバットを振ったことだろう。自問自答しながら、打ち込むことによってどんどんと打てるタマが増えた。今の自分があるのは日々の積み重ねの成果だ。
インコースの打ち方も。
外角低めの打ち方も。
カーブやシンカーの打ち方も。
何度も何度も何度も繰り返し、身につけた。
(全てを出し切り、負けるのなら悔いはない)
最後の最後まで諦めず食い下がり、それでも叶わなかったのなら、また一から出直せばよいのだ。あの明善戦や谷原戦の敗北後のように。
そう考えた時、谷口はふと気づいた。
(今日で最後なんじゃないのか?)
(な、なんなんだ、こいつは)
球数は十五球を越えた。
これまで多くの打者と対戦してきた里中は思わずそう零さずにはいられなかった。
己の持つ球種はほぼ全て投げた。カーブ、シュート、シンカー、さとるボール。だというのに、打ち取ることができない。
右に左に際どいファールを打たれ、肝を冷やすことも一度や二度ではない。
(どうしてここまで粘ることができるんだ)
これまで明訓の前に現れたライバル達は、打倒明訓を旗印に強い敵愾心をむき出しにする者が多かった。勝利へのあくなき執念は、確かに大きな原動力と言えるだろう。
だが、谷口の態度からは明訓に対するそうした敵愾心を感じることはない。
(だとしたらこいつの原動力は何なんだ)
里中は悩みながら、山田のサインを待った。
(へっ。戸惑ってやがる)
戸惑うバッテリーの様子に、丸井はほくそ笑む。
里中がここまで粘られることは滅多にない。
逆転した後の裏、変化球で打ち取って、ゴロ。もしくは三振でゲームセットというのがいつもの風景だ。
明訓の勝ちパターンを崩され、少なからず動揺しているのだろう。
(ざまあねえぜ)
一塁のイガラシも、また谷口の奮闘に驚く里中・山田の様子に溜飲を下げる。
(その人はな、自分では才能がないなんて言っているが、とんでもない。たったひとつとんでもない才能を持っているんだ。おれはそれを間近で見てきたんだからな)
天才肌と呼ばれ、有名私立から引く手数多だったイガラシが墨谷に進学したのは谷口がいたからだ。中学時代、一年生にして丸井からレギュラーを奪った彼でも青葉学院の壁は高く、弱音が口をついた。それに対し、独り黙々と努力する谷口を見て、どれほど勇気をもらったか。
(最後の最後まであきらめず、努力し続ける。口で言うのは簡単だが、それが本当にできる人間は滅多にいない)
その姿を見、憧れたからこそ、皆が彼の後を追ったのだ。ああいう風になりたいと願って。
『あっと、これで二十球です。こんな場面を一体誰が想像したことでしょう。明訓が逆転した後の九回裏。誰もが予想していたのは、明訓の勝利でした。ですが、ワンアウト一・二塁で、迎えた四番谷口くんを里中くん、打ち取ることができません。フルカウントです。見送れば四球にも関わらず、谷口くんそれをいたしません。投手として、自分の責任で取られた点は自分の手で取り返したいということなんでしょうか。いずれにしても、四回からの登板の里中くんも、さすがに疲労をにじませています』
(何という男だ)
山田は里中に間を取れとサインを送る。
(いかに特訓し、隙を見つけたと言っても、伊達に里中は小さな巨人と呼ばれてはいない。そのタマに尽く食らいついてくるとは)
ぜえぜえと息を荒くしているものの、その眼光は鋭く、獲物を狙う鷹のようにマウンドを見据えている。
(ここまでなるにはどれくらい練習を積んできたのだろう。きっと気が遠くなるくらいだろう)
ボロボロのユニフォームに山田はどこか親近感を感じざるをえない。
(だが、それはおれたちも同じだ。全てを使って、君たちに勝つ)
山田から送られたサインに、里中は一瞬躊躇する表情を見せるも、大きく頷く。
(今日で野球は最後……。そう決めたのはおれだ)
二兎を追う者は一兎をも得ず。不器用な自分に大工と野球の両立は無理だと、そう頭で考えてすっぱりと野球を諦めるつもりだった。
だが、この試合で気づいてしまった。自分には野球しかないのだと。山田に出会い、上には上がいることを知り、ちりちりと心が痛んだ。野球への気持ちに無理やり蓋をし、目を背けて生きて行こうと思っていた自分に、山田のあの強烈な一撃は風穴を開けた。あれほど打ち込み、全てを費やし、それでも叶わなかった。けれど、不思議と無力感は無く、また挑んでみたいと思わせるものだった。この試合が終われば、もう自分はその頂を目指すことができなくなる……。
(それでいいのか、本当に)
指を怪我したため、サッカー部に入っても離れられなかった野球。
のんびりやりたいと思っていたそれは、いつしか自分の一部となっていた。
皆の期待に応えたい。より上手くなりたい。そうした思いよりももっと自分の根底にあるもの。
なぜ諦めを知らぬ男と言われ、猛特訓にもへこたれなかったのか。
それは。
(野球が好きだからじゃないか……)
どんなに苦しくても、どんなに諦めそうになっても勝負を投げはしない。好きなことからは逃げたくはないから。好きなことだから手を抜きたくないから。
(そうか、そうだったんだ……)
大工の道のために野球を諦める? そんなことができよう筈がない。
再起不能と言われた怪我の時でさえ、野球を諦められなかったほど、野球にのめり込んでいるのだから。
最後の最後まで自分と野球がしたいと言ってきてくれた丸井たち。青葉戦での指の怪我をおしてのピッチングに奮起したと言っていた近藤。自分の我儘に付き合ってくれた倉橋たち。皆が教えてくれていたのだ。
自分にとって何が大切かを。
(それでも気づかなかった。今、この時まで)
そんな己に送られた強烈な檄。野球を諦めようとした者への、野球を諦めない者からの真摯な問いかけ。
(ああ、そうだ。おれは野球を……)
そんな彼らの期待に応えずして、何のためのこれまでの努力か。
明訓バッテリーから勝負の気配を感じ、谷口はぐっとバットを握る手に力を籠める。
(よし、勝負だ)
(ああ)
こくりと頷き合った、里中-山田のバッテリーの二十一球目。
ガバアアアアア‼
『なんと里中くん。ここで、オーバースローで投げてきた! これはチェンジアップか!?』
ストン!
『落ちた落ちた! 何とフォークボールだ! この大一番で滅多に出さないフォークを出してきた!』
「タカ、さっさと打っちまいな! おめえのやりたいことはとうに決まっているだろうが!」
熊吉の絶叫に、谷口は無心にバットを振って応える。
「ぐわっ!」
カキ―――ン‼
『センター渚くん、バックバック! 果敢に飛びつくも届かず打球はクッションボールとなって点々とする! この間、丸井くん、ホームイン。今、ようやくライト蛸田くんが追いついた! ああっ! イガラシくん何とサードを廻った‼ ライト蛸田くんバックホームするも間に合いません‼ 打った谷口くんはこの間三塁へ! 墨谷高校、この回谷口くんの二点タイムリーが飛び出し、その上逆転の大チャンスです!』
「やりゃあできるじゃねえか、やりゃあ!」
玉子と共に大喜びする熊吉の姿に、谷口は照れくさそうに頬を掻く。
「じょ、冗談だろ」
目の前で起きた光景に、田所は絶句した。
確かに自分の後輩は諦めを知らない男だ。けれど、あの里中と山田の黄金バッテリー相手にまさかここまでやるなんて。
「いいぞ、谷口!」
「松川! 一気に逆転だ!」
中山たちは大騒ぎだ。
盛り上がるスタンドの声援を受けて打席に立つ松川。
『五番キャッチャー松川くん。五番キャッチャー松川くん』
『さあ、大変なことになってきました。五番の松川くんを迎え、墨谷、ここはスクイズでも一打サヨナラの場面です。どのタイミングで仕掛けてくるか、途中出場の松川くん!』
松川の脳裏に七回裏のスクイズ失敗の場面がよぎる。意表をついた初球スクイズも里中-山田のバッテリーは読んできた。百戦錬磨の山田を相手ににわか捕手の自分が読み合いで挑んでも再び返り討ちになるのは目に見えている。
(それなら強打だ。一発外野に飛ばしてやる)
「松川、気張っていけよ!」
倉橋の声援にこくりと頷いた、松川。その初球。
『ワンアウト三塁。第一球、投げた! インコースへのシュートだ』
「よし!」
カキーン‼
『いったーーーー! これは文句なし! レフトに高々と上がりました! これは文句なし! だが、風に戻されている‼ レフトは強肩の微笑くん、タッチアップだ、谷口くん! バックホームはどうだ‼』
微笑の動きを見ながら動いた谷口。その頭上をレフトからの矢のような返球が掠める。
すっと目の前の山田が身構えるのを察知した谷口。
その谷口の動きを見逃さなかった山田。
『谷口くん、右へ避ける‼ 山田くん、逆をつかれた! だがまだホームには届いていない‼』
「くわっ!」
「うっ!」
左右から伸びた手がホームへ。
途端に舞い上がる土煙。
『これはほぼ同時だ。どっちだ、どっちだ、主審の判定はどっちだ‼』
高々と上がったのは主審の右手。
「アウト~~~~~‼ ゲームセット‼」
『アウト! アウトだ、明訓。何とダブルプレーだ、やった!』
歓声と悲鳴が上がる。
ヘッドスライディングのまま、顔を伏せていた谷口の手をとり立たせると、山田は微笑んだ。
『何と劇的な幕切れでしょう。九回表、明訓が五対三と突き放せば、その裏には墨谷が追いつき、一打サヨナラの場面。レフトフライでサヨナラかと思われましたが、微笑くんの好返球と、キャッチャー山田くんの鉄壁の守備の前に惜しくもタッチアウト』
明訓と墨谷両方の選手が並ぶ
『大いに王者明訓を苦しめました、墨谷高校。一歩及ばすといえども、明訓相手の引き分けはあの剛腕中西球道率いる青田に次ぐ快挙です。そのことは大いに誇ってよいことでしょう。王者明訓、墨谷相手にまさかの大苦戦でしたが、さすがは全国の頂に四度立った王者です。同点に追いつかれるも、サヨナラは許しませんでした。都合六十八度の勝利と一度の敗北に二度の引き分けをもって、高校野球より去ります、山田明訓。ありがとう、明訓五人衆。ありがとう墨谷。感動をありがとう』
「明訓対墨谷の試合結果は五対五の引き分け!」
「「ありがとうございました!」」
互いに礼を交わし、健闘を称え合う。
超満員のスタンドからは万雷の拍手だ。
そんな中、谷口に近づいたのはドカベン山田。
「楽しい試合だった。本当に」
「ああ……」
差し出された手をぎこちなく谷口は握り返す。
「だから、野球を辞めるなよ。もったいない」
微笑みながら告げる山田に、谷口はしどろもどろになる。
「な、なんでそれを……」
「なんや、谷の字。ここで野球は終いなんか? 止めとけ、止めとけ。お前みたいな奴は高校野球がお似合いや。間違えてもプロに来たらあかんで」
「好き好きづらよ。ハッパみたいな奴でも目指すだけはできるづらからな」
笑顔でポンと谷口の肩を叩いてきたのは殿馬だ。
「お互い体格的に恵まれない同士がんばろうぜ」
里中はぐっと拳を握って見せた。
ふるふると体を震わせる谷口。
その後ろで、丸井達は唇を噛み締め、前を向いていた。
「明訓に勝つことはできなかったな……」
「おれが勝負をしなければ。すんません」
「井口だけのせいじゃない。おれだって打つに打てなかった」
「イガラシの言う通りだ。おれ達一人ひとりがもう少し頑張れば、きっと勝てていた筈だ。おれは悔しくてならねえ」
丸井の言葉に、皆が無言で頷く。
「秋季大会に向けて、早速明日から練習だ。春の選抜に出場し、この雪辱は絶対に晴らしてやるからな。見ていろ、明訓!」
谷口から受け継いだ熱い思いを滾らせ、丸井以下新生墨谷ナインの目は既に秋季大会に向いていた。
『本日は明訓高校と墨谷高校の練習試合にご来場いただき誠にありがとうございました。お忘れ物のないようご注意ください。なお、この後に行われます、東京メッツ対阪神タイガースの最終戦をご覧になりたいお客様は入場券の半券を持って窓口までお越しください。特別料金でご覧いただけます』
「ぐわっはっはっはっは! わしの老いぼれ鉄殺しを見たいメッツファンは来るといいで!」
「ああ~、その名も高~き力道玄馬! 今日も見せるかせり上がり! よれよれメッツは地獄行き~♪」
「くそ阪神ファンが! じゃかあしゃい! 秘打鬼殺しで返り討ちにしたるわい!」
「黄金の左~腕! 岩田の鉄っつぁん、にょほほほほほ~♪」
「あ、あかん。ぼさっとしとったが多摩川の一軍連中が誰も来てへんやんけ!」