「それにしても生ける海神伝説ねー」
事後、僕らはイベントの通知がきたので見ていた。
「海神とか言ってるし多分海だと思う。水場で上手くやれる能力持ってる?」
「うーん。持ってるけど時間かかるんだよな……」
「あるの?」
お、布川さんやるじゃん。
時間がかかるのは制約か?
「1週間後ってのがいいかもしれない。うまく忍び込んでくるわ」
「どんな方法で競うのか書いてないし、万全を期した方がいい」
何をする気だ…………忍び込む? 犯罪とかするなよな。
ってか競う方法を書いてないんだけど。
「でも何を競うんだか」
魚でも取れとか?
数や大きさ、種類とかに得点がつくのかもしれない。
クジラとか捕まえろとか言わない? シーラカンス等の深海魚を捕まえろとか無茶苦茶言わないだろうか?
海や釣り好きの能力者に有利そうだ。
「それじゃ明日市役所に出頭するとしよう。布川さんの事は言うつもりはないけど」
「助かる」
もし布川さんの事を勘づかれたら誤魔化したり嘘吐いたりするとしよう。
もし布川さんを隠れ能力者だとバラしたら、色々追求されるだろうし敵を作る事になる。
多少の秘密やアブノーマルな趣味は誰だってあるし、見て見ぬふりをするのも大事なのだ。
考えなくてもわかるが他人の言いふらされたくない秘密を大勢の目の前で言ったら、コイツは口が軽くて信用出来ない人間と認知されてしまう。
ラブレターを読み上げるとかがいい例だろ。
「それじゃ帰るか。家まで送るよ」
「うん」
布川さんの家は大きかった。
■
翌日。
「あれ? 不味くない?」
ネットの記事を読んだのだが能力者が悪さしてる記事があり、国会で荒れていた。
どれどれ? 国に登録しないと罰金や刑罰?
管理したい気持ちはわかるが、顔や住所バレすると面倒事が起きそうな気がする。
外国とズブズブな公務員や政治家もいるだろうし、拉致や人質や情報漏洩とかあるかもしれない。
沈黙は金だな。
僕も市役所に登録しに行くけど、簡単に能力は教えない事にしよう。
沈黙は金。
「あ〜」
他の記事を見てみるとどっかの野党の議員が危険だから隔離したり、念能力を使ったら実刑だとかほざいてやがる。
能力者じゃなくても殺人や窃盗はするだろうに。
そんなこと言ったら人材が海外に逃げるだろ。
あ、海外に逃げさせる為に言ってるのか(笑)
「それで、能力者が行う悪事は……」
あ、結構あるな。
指名手配のクランがやってる事だが。
銀行強盗や殺人とか特殊詐欺やらなんとやら。
うわ、海外で犯罪…………銃火器や麻薬密売からの密輸とか平気でやってるらしい。
…………なんで捕まんないんだ?
まさか賄賂とか国に出してるとか?
「そろそろ行くか」
■
「市役所か」
なんか久しぶりに来た。
あんまり来た事無いし。
「すいません。自分念能力者なんですけど」
「…………はーい。番号札を」
しぶしぶ番号札をもらい、座ろうとする。
「邪魔だどけ」ドーン
「は!?」
なんか突き飛ばされたんだけども。
ソファーみたいな椅子に座ろうとしたが、割り込まれて転ぶ。
痛くは無いけどいきなりなんだ?
「ッチ! なんだ……お前?」
「お前がなんだよ?」
態度悪っ!
ガキならわかるが、パッと見大人なんだけど……。
三十代で角刈り。
「あのな〜俺念能力者なんだわ…………あ、お前も使えるんだな。大した事無いだろうけど」
「…………」
確かに纏を使えるようだ。
しかし、横柄な態度を取る理由にはならない。
「失せろ。邪魔だ」
「邪魔ね……そっちの方が害悪だと思うよ」
「…………は?」
「だって人にぶつかって置いて悪態つくとかおかしいし」
「あ!? 言ったな!!」
エンカウントバトル イズオープン!!
なんか角刈りが指を操作した。
あ? あれ? 聞いた事あるようなボイスが聞こえたぞ?
「オラ!」
「よっと」
待って待って? 市役所の中ではお静かに。
どんだけ短気なんだよ?
コイツの拳速遅っ。
「どうしたどうした! 防戦一方か!」
「やめてやめて。戦う気ないから」
「舐めてんじゃねえよ!」
ダルいな。
でも敗北宣言するのも嫌だし。
「俺は【自衛隊念能力者部隊】のホープだ! クソっ、何故当たらない!」
「じゃ終わりにするか」
「グボー!?」
当て身を食らわせた。
隙が大きいんだけど。
ユーアウィン!
あ、勝ったようだ。
気絶させても勝ちか。
■
どうしてこうなった?
「よし、お前ら準備はいいか!」
『応!』
「…………」
何故か【自衛隊念能力者部隊】とクラン戦をする事になってしまった。
今さっきの角刈りは実は新入りで、親の会社で部長職をやっていたのだが能力者になった事で親のコネで移籍したそうだ。
しかし、七光りのなので人格は良くなく評判は悪かったとか。
はい、それで僕はお咎めないそうだ。
しかし、戦いを見ていた仲間がおり、戦って見たいと発言し多少興味が出たらしい。
こっちはやりたくないと言ったが、めちゃくちゃしつこかったしメリットを提示してきたのでOKした。
あと話じゃ多少の事だったら国は目をつぶってくれるらしい方向だとさ、敵は作りたくない感じか?
偶然能力者でお偉いさんがここにいたので聞けた。
能力使わず軽くやるか。
「一人でクラン戦か…………」
クラン戦のやり方やルールは勝負を受ける側が決めていいそうだ。
それで僕が選んだやり方はバトルロワイヤル。
簡単に言えばフィールドの敵をボロクソにすれば勝ち。
バトル スタート
シュン!!
「…………」
ん? 森?
あ、なんか表示が出てきた。
時間制限が1時間程あるようだ。
…………周りを見てみると、壁? 遠くに結界のようなのが。
四方にあるのでこの空間内で戦えってことか?
「いたぞ!」
お、見つかった。
敵は三人。
うわ、サブマシンガン持ってる。
ドドドドドド!!
一斉射撃してきた。
シュン!!
「は? どこに」
シュパン シュパン シュパン
「「「え?」」」
ハモったな。
手刀で3人の首をはねる。
もっと早い攻撃してこいよ。
バトル フィニッシュ!!
たいして能力使ってないし、メリットはあるから十分収穫はあるな。
僕は内心ほくそ笑みながら元の場所へ転送されるのだった。
一応戦いましたがメリットはあります。