現実に念能力者!?   作:煽りイカ

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合コン……あれ?

 大学の講義終了後。

 

「ああ、ブス山君」

「?」

「合コンの事なんだけど。19時にカンテラ屋って居酒屋って場所で」

「ああ、駅前の?」

 

 そうそう。合コンの約束してたんだっけ。

 どうせ僕を引き合いにだして踏み台にする気だよな。

 

 だけど僕は行く。

 力を持った僕がバカにされてもあまり怒らないだろうし。

 この世のクソ人間っぷりを見るのも面白いかもしれんのでな。

 

「わかった。19時のカンテラ屋でな」

「うん、じゃまた。六央大学で予約してるから」

 

 だけど合コンなんて生まれて初めてだよ。

 ちょっと家帰って体を整えてこよう。

 

 

 

 ■

 

 

 

「よし、行くか」

 

 服は決まってる。

 髪型もおっけー。

 

 …………ってなんで張り切ってんだ? 

 そこまでやる気無かったと思うけど。

 

 さて、カンテラ屋だっけ? 

 レッツゴー! 

 

 

 五分後。クルッポー

 

 

 よし、居酒屋カンテラ屋に着いたっと。

 ただいま18:35だし、ここの前に待ってればいいか。

 …………早く来すぎたな。

 

 それにしても女の子はどんな子だろ。

 菅田君のヤリチン野郎は顔広いから高校・大学・OLとかあるかもしれない。

 

 でも立ってるのもアレだな。

 もしかしたらもう来ている人いるかも。

 

「あの……」

「なんでしょう?」

「19時から予約してるん筈なんですけど。六央大学」

「えっと、それだったら18時半の予約ですが…………」

 

 はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 

 巫山戯んなよマジで!! 早く来てて良かったわ!! 

 

 で、僕は小走りで急ぐ。

 案内された店員に礼をいい中に入る。

 

「お待たせ…………」

「あれ? 菅田。コイツ呼んだのw」

「まあね。彼女もいなさそうだしさ」

「童貞じゃね?」

 

 うん、帰りたい。

 この世のクソ人間っぷりがよくわかった。

 

「それで? 19時って聞いたけど?」

「ゴメンゴメン。間違えちゃてさ」

「…………」

 

 コイツ馬鹿にしてんのか? 

 

「まあまあ、座れよ」

 

 怒ってもしょうがないので座る。

 で、確認。女の子6人。男6人。

 

「ではブス山君自己紹介しましょうかー!」

 

 クッソ…………僕はみんなの自己紹介聞いてないんですけど。

 やっぱり踏み台に連れてきやがったな。

 

「毒島八尋です。よろしくどうも」

「童貞なんで沢山声掛けて下さーいw」

「いやいや酷いでしょ(笑)」

「…………」

 

 お前ぶっ殺されたいのか? 

 テメェなんざ瞬殺なんだぞ? ぉ? 

 

 あ、店員さんがビールを持ってきた。

 

「それじゃブス山君の童貞喪失を願って乾杯!」

『乾杯!』

 

 お前らクソだな。

 つーか周りの人の自己紹介とか聞いてないんですが? 

 

「………………」

 

 ん? 端っこに地味な子に見つめられる。

 色白、瓶底メガネ、長い三つ編み、黒や白中心の合わないがかっくいい服、スレンダーだな。

 瓶底メガネで見にくいが目を大きく開き、口を開けてポカンと僕を見る。

 

 なんかしただろうか? ってかこの子は絶してるよ。

 まったく、この子も人数合わせに連れてこられてるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………ん? 絶をしてる? 

 

 コイツまさか。

 

「…………」シュッ! 

「…………」ジュワ! 

 

 僕が隠を使ってみると反応して凝をした。

 

 念能力者じゃん!!

 なんでよくもまあエンカウントすんのかな? 

 

「あれ? ブス山君。地味子ちゃんに気があるの?」

「あ、うん。なんか良いなって」

「「ヒュウうう!」」

 

 この子もハブられたのか? 

 数合わせかよ。

 

「この子は布川奈美子ちゃん。彼氏なんていた事無いらしいって」

「欠員も出たし〜いつも大人しいから連れてきたの〜」

「もしかして〜処女〜?」

「…………」カアアアアアアア

 

 反応からして事実だな。

 

 コイツはデリカシー無いだろ。

 普通だとセクハラだが? 酒が入ってるとはいえ人間を疑う。

 

「それにしてもさー菅田君ってモテるんじゃないの?」

「ああ、結構モテるよ?」

「この前は女子高生と3Pしたとか聞いたぜ」

「ああやったわw」

 

 夜の三冠王でも狙ってるのか? 

 

「地味子ちゃんはどう? やりたい?」

「う〜ん。顔が微妙だなぁ〜もっと胸とか大きかったら手を出てたかなぁ〜」

「…………」

 

 性欲の権化だなコイツ。

 夜の得点王とかいいんじゃない? 

 

 …………つーかさ。この布川さんって子、結構顔立ちよくない? 眼鏡外したらどうなるんだろ? 

 

「それじゃ〜王様ゲームやりまーす!」

 

 やるの? いかがわしい事とかやる可能性ありそうなんだけど。

 近くのチャラ男が割り箸を持ってきた。

 

「じゃあ行くぞ〜王様だーれだ!」

 

 僕は2番だ。

 

「あ、私!」

 

 このケバ女が王様か。

 黒歴史暴露とかは嫌だな。その時は適当に言っておくか。

 

「それじゃ2番が3番の胸を触る!」

「…………」

 

 僕じゃん!! 

 

「僕です…………」2番

「私です…………」3番

 

 ああああ! 布川さん。

 

「ひゅうう! 童貞に出来んのか!」

「頑張れ、頑張れ、頑張れ」

 

 お前ら黙ってろ! 

 

「…………ど、どうぞ」

「う、うん」

 

 罪悪感はあるが、王様ゲームなので仕方ないと妥協する。

 僕は布川さんの胸に触れた。

 

 あ、少し硬い…………あれ? なんか違和感あるな。

 こんなに硬いもんなのか胸って?

 

「おおっ! ブス山君が大人に1歩進んだ所で次のゲームだ」

 

 …………次はエッチなのは無しね。

 

『王様だーれだ!!』

 

 僕は1番だ。

 

「俺か……それじゃ9番は1番にキス!」

 

 早すぎんだろ!!? 

 キスとかもっと最後にやるもんだろ。

 

 だれだよ9番は? 

 

「わ、私ですぅ…………」

 

 またかよ! 

 

「ひゅゅゅゅうい!!」

「おめでとう!!」

「そのままゴールへ行け!」

 

 外野、うるさいぞ。

 

「あの…………」

「はい」

「私じゃ嫌ですか?」

「いやいや凄い嬉しい!」

 

 顔を結構近づけてきたけど色白だな。

 ? いい匂いがする。

 

「んむ」チュ

 

 マウストゥマウス。

 唇同士をくっつける。

 

 なんか頭が幸せになってきた。

 

「…………」カアアアアアアア

「ん? もしかしてこれはファーストキス!?」

「…………」カアアアアアアア

 

 この反応は事実だな。

 …………実は僕もファーストキスです。

 

「よーし! 次行くぞ!」

『王様だーれだ!』

「あ、私か……あ?」

 

 僕は6番になった。

 ん? あ、番号隠して無かったからチラリと見られてしまった! 

 

「それじゃあ〜6番は地味子ちゃんをホテルに連れてく!」

 

 やっぱり見られてたか! 

 

 …………お前らなぁ。

 その命令ってのは法律上拒否出来るって聞いた事あるが? 

 

「地味子ちゃんは? どうなの〜?」

「わ、私は問題ありません」

 

 僕も無いです。

 この子多分隠れ美人じゃないの? しかも食べ方がお上品だし。

 

「いぇーい!」

「カップル整理ツゥ!」

 

 その後、僕は布川さんと同じく、ノリについてけずに隅っこで身をかがめるのだった。

 

 アイコンタクトでポテト美味しいねって伝えたんだが理解しただろうか。

 

 

 

 ■

 

 

 

「そんじゃかいさーん!」

「おめでとー!」

「お幸せにー!」

 

 ああ、やっとリアルに充実した奴らと離れられる。

 ぼっちなので安心した。

 

「それじゃこっちも行こう」

「あ、うん。でも僕でよかったの?」

「その話はホテルで。ここでは言えないかな?」

 

 ホテルに…………着いてからって事? 

 あ、うん。

 

「…………」

「…………」

 

 こっちも緊張するし、そっちも緊張してるかも。

 それにしてもこの子は念能力者だ。もしかしたら同盟結んでくれとか言いそう。

 

 あ、ホテルだ。

 外装は派手だな。

 

「入ろうか…………」

「うん…………」

 

 なんだろうこの緊張は。

 

 えっと、休憩とお泊まり見たいのがある。

 わー。

 

「どうすればいい?」

「私に聞かれても……」

 

 慣れてないのか? 

 これどっちを押せばいいんだろう。

 

 お泊まりを押してみるか。

 あ、鍵がボトンと出てきた。

 

 206号室か。

 

 なんか緊張してきた…………。

 と、思ってる間にその号室に入る。

 

 ガチ

 

 お、すげえ豪華。

 どっかのヨーロッパみたいな感じ。

 

「綺麗な所」

「ああ」

 

 お風呂とかどうなってるんだろう。

 あ、丸くて大きい……ラブホに来た実感。

 

 僕らはベットに座る。

 

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「念能力者なんだな?」

「う、うん…………」

 

 色々聞いてみるとこの子も違う師から念能力のレッスンを受けたらしい。

 ちなみに今どこにも所属してないそうだ。

 

「2年間修行を頑張ったけど…………」

「2年? こっちは5年だぞ」

「ふぁ?」

 

 あれ? 人によっては修行の時間は違うのか? 

 

「人とかによって違うんだな」

「確か師匠によってランクがあるって言ってたような気がする。私の所はB」

「僕の所は分からん」

 

 なんか凄そうな動きをしてたし、ハイランクだとは思ってる。

 

「だけど世の中混乱しそうだね」

「全くだ。国家が能力者集めてるけど全員集まんないだろうし」

「どうするの? 出頭する?」

「どうしようか。そっちは?」

「しない。前警察にお父さんが大した証拠も無いのに拘留されちゃって…………解放されたんだけど凄い恫喝されてヒドイ目にあったから……」

 

 うわ、警察嫌いか。

 でも理由はわかる気がする。証拠も無しに恫喝とか根に持つだろ。

 

「それも手だと思うよ? 警察イコール信用出来るとは限らないし隠れ念能力者で生きるのもいいかもしれない」

「だよね……言って安心した」

 

 能力を聞かれる事もあるし、多大な責任を押し付けられる事もあるだろう。

 

「でも僕は軽く関わろうと思う。情報とかだったら手に入りやすいだろうし」

「まあ、人それぞれだもんね」

 

 深くは関わらないが、浅く広くやるつもりだ。

 あまりにもヒドイ事を言うなら断るが。

 

「でさ、ちょっと頼みがあるんだけど…………」

「どうしたの?」

「もしクランを作るならば入れてくれない?」

「いいよ〜? もう作ってるけどね」

「え!? 一億用意したの?」

「臨時収入があってね」

 

 いやぁ、実は万札を風呂場に出して入浴したよ。

 

「うん【ヒドラ】ってクラン名」

 

 ネーミングセンスが丁度いいクラン名だとは思う。

 

「よろしくお願いします!!」

 

 ベッドの上で土下座する。

 仲間1人目ゲットだぜ! 

 

「それじゃ僕シャワー浴びてお泊まりするけどそっちは?」

「私も毒島君とお泊まりするよ」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「それじゃ僕が先に入るね」

「うん…………」

 

 先にお風呂場に入り汗や汚れを落とす。

 ボディーソープを塗りたくって匂いを消す。

 

 僕は風呂から出る。

 

「じゃあ次は私」

 

 布川さんが風呂場に入る。

 

 それにしても気になるな…………合コンの時に胸が硬かったけどなんだったんだろ? 腕細いし筋肉じゃないだろうし。

 他にもキスした時に、よく見ると目がパッチリしてたのでメガネを外すと美人だと思う。

 

「おまたせー」

「…………」

「どうしたの?」

「…………別人じゃん!!」

 

 僕は驚愕した。

 

 出てきたのは黒髪の美少女。

 目がパッチリしており、三つ編みを外して髪を下ろしてるので色気がある。

 

 それと同時にバスタオルで隠されてるが、体の方を見てみると凄いナイスバティーで、出てる所は出てて引っ込む所は引っ込んでいる。

 サラシか小さいブラでもやってたのか? 

 

「やっぱ驚くよね。ちょっと理由があってさ」

 

 布川さんはポツポツと話してくれた。

 小学校時代はこんな感じてモテモテだったらしいが、ストーカーや不審者につけられる事があったために三つ編みメガネをしてこの自分を隠してたそうだ。

 その為後をつけられるのが激減したとか。

 

 それと中学高校大学で陽キャ達がカースト下位の人間を酷くイジってたのを見て、醜いので陽キャには関わりたくないと感じたとかも理由だそうだ。

 

「まあ、大勢は苦手だったし丁度よかったけどね。でも少し寂しかったかな?」

「…………それでなんで僕に本当の姿を?」

「…………私と付き合って下さい」

 

 告白!! 

 

「理由は? 聞いていい?」

「合コンの時にもそうでしたけど、中学高校大学でもあまり私を見てくれない。地味だし」

「…………」

「だけどいつも私の方を向いててくれた。他の女の子も結構可愛いのに。隣りの川田さんとかミスコンで優勝してたし。そんな私に興味を抱いてくれて嬉しかったので」

「でも三つ編みメガネでも結構可愛いでしょ。声掛けた人間いなかったの?」

「いえ、いません。中学は男女共学でしたが空気だったんで声なんてかけられませんし。高校は女子高でしたし、まあ大学も空気でしたけど。可愛いと言ってくれたのはあなただけです」

 

 そうなの? 幼なじみの佳子の方も派手な女なので、喫茶店での出来事を思い出しそうなので見てなかったんだ。

 しかし、地味系女子は僕の好みなのでじっと見てたが。

 

「祖母が言ってた。外見を気にせずいい男を伴侶に決めろと」

「…………」

「なので、付き合ってください!」

 

 すげぇ嬉しい。

 

「僕みたいな陰キャでよかったら…………」

「よろしくお願いします…………」

 

 こうして僕らは恋人同士になり、互いの初めてを交換し合うのだった。

 

 

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