この素晴らしい世界に祝福を! このぼっち娘と冒険を! 作:暇人の鑑
果たして、ナギト達は無事に切り抜ける事ができるのか……。
紅魔の里へ向かうために、旅を始めた俺達。
そんな馬車の中で、どことなく抱えた違和感に耐えきれずにいた。
「3人とも、なんか前と変わってません?」
馬車に揺られること数時間。
俺は違和感の正体候補筆頭の3人……つまり、アクセルパーツの面々に、単刀直入に問いかけていた。
3人の冒険におけるこれまでの装備は槍や短剣など、それぞれの得物程度で、防具もエーリカが左胸につけている胸当てくらいだった。
なのに……
「ほとぼりが冷めるまで、冒険者稼業をやろうってことでね。今までの装備じゃ心許ないし、良い機会だから装備を一新したんだ」
リアさんは胸部のライトアーマーに肩当て、脛当て付きのブーツをつけ、武器は水色を基調とした装飾入りのグレイブと円形の小さな盾になっている……ぶっちゃけると、背中に背負ったぬいぐるみがなければかなりかっこいい。
「チャーリーみたいな奴がこれからもくるかもしれないしね。可愛さに強さを合体したスーパーエーリカちゃんの爆誕よ!」
エーリカは、手袋がガントレットに変わり、足には脛当てがついていた。武器は赤を基調とした短剣だ。
………他の2人と比べるとあんまり元から変わってないな。
「ボクも前に出て戦えるようにこんなのを……」
最も姿が変わったシエロさんは、胸当て、肩当て、ガントレット、脛当てをフルで装備して、杖は緑を基調とした小さいメイスになっていた。
………武術の心得があるとは言っていたが、まさかの武闘派プリーストのスタイルである。
「うーん、相対的に俺がボロく見えるよな…」
「そんなボロっちいマントを羽織ってるからよ。新しいものに変えたら?」
「そうは言っても、これ大鎌が武器なのも相まって死神っぽいから気に入ってるんですよ?」
一応剣がメインウエポンのはずだったが、忍び寄って鎌で一気に刈り取った方が楽だと気づいてからは鎌がメインになりつつある。
「ナギトさんって、ちょこちょこ紅魔族に合いそうな一面がありますからね……」
「そういうお年頃なんだよ」
流石にめぐみんレベルになる気はないが。
ゆんゆんにそう返しながらも、広げていた地図を見る。
「もう少ししたところで一旦休憩した後、さらに進んでそこで夜明かし。そして午前中にはアルカンレティアへ到着、ってところか」
「少し休んだら紅魔の里まで歩いて行きます。ここも半日で行ける距離じゃありませんので途中で野営することになりますね」
ゆんゆんの言葉にリアさんは槍を見ながら残念そうにして。
「新しい武器に慣れたいんだけど、お風呂に入れないのは嫌だな……敵に会わないことを祈るばかりだ」
フラグになりそうなことを言い出すが、今回は回収せずに済んだようだ。
だが、一応……
「戦う時の作戦決めておきません?無策で勝てる相手じゃないだろうし…」
「そうだね。じゃあ……みんな冒険者カードを。それをみて決めよう」
リアさんの提案でカードを見せ合いっこする……なになに?
俺 レベル15
ゆんゆん レベル25
リアさん レベル22
エーリカ レベル21
シエロさん レベル18
レベルとしてはこんな感じで俺が一番下である。
「ナギト、レベル低いのにチャーリーの時はずいぶん無茶したね。もっとレベル高いと思ってたよ」
「勇敢なんだかおバカなんだか……」
2人が憐れんだ目で見てくるが、大きなお世話だ。
「俺のレベルに関してはどうでも良いから、陣形を決めようぜ!」
「露骨に話題を逸らそうと……でも、それはいう通りですね」
シエロさんが賛成してくれたので強引に話し合いに持って行こうとしたその時。
「お客さん方!モンスターが現れましたよ!対処お願いします!」
リアさんが立てたフラグは、少しの間をおいて回収された。
「あれは、チャーリーにトロール!相変わらず可愛くないわね」
「ボクたちが見た事がない人もいます!」
俺達が降りた先にいたのは、先日も見た大鬼「トロール」とその親玉である「チャーリー」。
そして………
「なんだ?あのおっさん。チャーリーの上司的なやつか?それにしては随分紳士っぽい見た目してるな……」
「アレがチャーリー……見た目の割にチャーミングな名前してますね」
この中で唯一、チャーリーとは初対面のゆんゆんがそんな感想をこぼすが、俺達4人はその隣にいた紳士の方を注視する。
そして、乗っていたワイバーンの背中から降り立ったその紳士は……!
「はあ……!本物のリアです。生で見るリアの太ももは眩しいです!スリスリしたいですね!」
「ふ、太もも……スリスリ⁉︎何を言ってるんだ⁉︎」
本物のリアさんを前にご満悦のようだった。
「さ、流石あのチャーリーの上司なだけはあるな。変態性もずば抜けてやがるぜ」
「ええ。なんと言うかエロ親父よね……アタシにあんなファンがいないのは運がいいのかもしれないわ」
狐のぬいぐるみを抱きしめて後ずさるリアさんを、ハアハアと息を荒げて眺めるおっさんに、俺とエーリカが引いたような目を向けると、その紳士は一つ咳払いした。
「失礼。私としたことが思わず興奮を。申し遅れましたが、私はダニエルと申します」
「そうかい……それじゃあ、悪いが俺達は忙しいんだ、お引き取り願うぜ!」
剣を構えた俺が聞くと、ダニエルは肩をすくめて。
「やれやれ、察しの悪い方だ……決まっているでしょう。
そこの踊り子3人を、私たちのお城へと招待しようと思いましてね。
そして、シエロはチャーリーの……最推したるリアを私の花嫁に!」
「だ、ダニエル様!私の願いも叶えてくださるとは……!」
と、何とも頭の悪い野望を口にして、チャーリーは感極まったように男泣きを見せていた。
……何これ。
「おい、どうするよゆんゆん……頭痛くなってきたんだが」
「私に聞かないでくださいよ……!ナギトさんこそ、何かいい考えは浮かばないんですか⁉︎」
その光景を前にして、ゆんゆんと2人でどうしたものかと考えていると、突然その腕を引っ張られる。
そして、何かに包まれたか思えば……!
「ダニエル!悪いがそれはできないんだ………
なぜなら、私は!」
その声はリアさんのもので、彼女は一拍おいて。
「この子ともう結婚しているから‼︎」
とんでもないことを口に出して叫んでいた!
………………ファ⁉︎
腕に身体を絡めたリアさんが、顔を赤くして叫んだ内容の意味がわからず、俺は大混乱に陥っていた。
そりゃそうだ。リアさんとはただの知り合いだし………
………えーと。
助けを求めてあたりを見渡すも、同じくポカンとしたゆんゆんにエーリカ、シエロさんは申し訳ないが役に立ちそうにない。
そして、リアさんの顔が超至近距離にあったのでさらに別の方向を見ると。
口から泡を拭き、汗に塗れている紳士は、今にも泣きそうになって………
「り、りりりり、リア………?そ、それは本当なのですか?本当に、その少年と婚約を………?」
そんなバカなと言わんばかりに動揺していた。
それはそうだ。ドルオタにとっては生き地獄の一つ「推しの恋愛報道」とその進化系「推しの結婚」を同時に受けたのだから。
だがそこに、リアさんの更なる一撃が突き刺さる。
それは………
「ああ!私は彼と婚約していて、既に新しい命が宿っている‼︎
だから………すまない!私はお前の花嫁にはなれないんだ!」
「……………‼︎」
最終進化「推しの妊娠報告」だった。
ドルオタにとってまさしく死の呪文なこれは、当然ダニエルにも効果は絶大で。
「う、うああああああああああああああ‼︎そんなの嘘だあああああああああああ‼︎」
「だ、ダニエル様ああああああ⁉︎」
粉々になったハートで咽び泣き、現実逃避でもする勢いでワイバーンに乗って帰っていった。
チャーリーがダニエルを追おうとしながらもこちらを振り返る。
「ええい、そこのマント男!ダニエル様から推しを奪った罪は重いぞ!覚悟しておくのだな‼︎そしてシエロちゃん!次こそはお前を嫁にもらうからなあ‼︎」
そして、そんなバカな捨て台詞を吐きながら手下のトロールと一緒に帰っていった………。
こうして戦い自体は終わったのだが………。
「ナギトさん?言い残すことはありますか?」
「リア、ナギトに何したの……⁉︎」
「ナギト君?リアちゃん?ボク達とお話ししようか?」
これは火消しの方が厄介そうだ。
「リアさん?これ俺たちが死ぬんじゃ……」
「………………ごめん」
3人の般若を前に、俺とリアさんの冷や汗は止まることを知らなかった。
野営場所にて、俺の足はピンチを迎えていた。
「もう!芝居ならそう言ってよね!」
「そうよそうよ!リアがあんまりに自然に言うから勘違いしちゃったじゃない!」
「ナギトさんも、すぐに否定してくださいよ!」
リアさんと一緒に、3人に正座させられているのだ。
車中にてアレはリアさんがダニエル達を追い払うために吐いた嘘だったと弁明したものの、流石にこれで凌げるわけがなかったってことだな。
……巻き込まれた俺は被害者で、ダニエルにも恨まれそうなので嘘ではすまないわけだが。
「いや、あそこで否定されるとこの芝居の意味がなくなるんだけど……」
「だとしても妊娠報告までする必要あったんですか?どう考えてもオーバーキル……」
しかも、ゆんゆんの子作り発言があった後だしやけにタイムリーだ。
とりあえず、リアさんに問い詰めると、申し訳なさそうに。
「だって!あのファンを追い払うにはこれくらいやらないとダメかなって………でも、ごめんナギト!また君に借りを作ってしまって……」
謝って済む問題じゃないと思ったが、確かにこれ以外で無傷で突破することは難しいと思うので、これ以上責められないのがまた嫌な所だ。
「はぁ………まあ、あんなの相手に無傷で突破できたし今はもう良いですよ。でも、流石にもう勘弁してくださいよ……」
不安事項がまた一つ増えたが、今は目の前の危機を何とかしようと感じに流れを変えようとすると、ゆんゆんが確認するように。
「ナギトさん?本当に手を出していませんよね?」
「だから出してねえよ!ゆんゆんも、同じ宿の隣部屋なんだから致していたら声でわかるだろうが!」
「い、致して……⁉︎」
またも顔を赤くするゆんゆんをしばらく問い詰めていたが、それにキレたゆんゆんに謝り倒して、1日目が終了するのであった。
初っ端からダニエルという変態の相手をしてすっかり疲れていた俺達は、休憩地点で密かにいってみたい場所であった『アルカンレティア』で疲れを癒そうとしたが………
「はあ、……アクシズ教徒、とんでもねえ奴らだな。ここまで温泉で疲れが取れるって実感が湧いたのは初めてだぜ……」
「だから私はそこまで期待しない方がいいって……ふぅ」
「そうだね……でも、やっぱり名物なだけあって気持ちいい…」
俺達は…「頭のおかしいアクシズ教徒」の恐ろしさを思い知ることになった。
街に入るや否や信者に取り囲まれ、シエロさんが男の信者をぶっ飛ばした事により、何としても入れてやると興奮した信者達から逃げてきたのだ。
「この温泉、前とは違って聖水になったんですって!神々しさまでプラスされてしまうのかしら……」
「頭のおかしさの間違いじゃないの…?てか、シエロさんはそもそもなんで男性恐怖症に……?しかもやたらと過激だし」
因みにこの会話は、男湯と女湯を遮る一枚の壁越しに繰り広げられている……混浴風呂もあるにはあるが、やたらに狭く水着もないので満場一致で却下になったのだ。
俺は、原因を作ったシエロさんに核心的な質問をすると、返ってきたのは意外な答えだった。
「シエロさんって、貴族の御令嬢だったんですか?そんなイメージつかなかったな…」
「ダクネスさんと違って、わかりやすく特徴が表れてるわけじゃないですからね……ボクの本名は、ロイエンタール・アコード・シルエルト……エルロードに居を構える、貴族の長女なんですよ」
「因みにエルロードは、ベルセルク王国の隣に位置する国です。カジノで栄えた街で、金銭面での支援を行ってるらしいですよ」
アクセルの大貴族の御令嬢のダクネスさん。紅魔族の族長令嬢のゆんゆん。そして、隣国の貴族の御令嬢なシエロさんか……
なんというか、こんなところで冒険してていいのか迷う人たちが多いな、俺の周り。
「それって箱入り娘の純粋培養で、男に触れると倒れちゃうー、的なヤツ?」
「いいえ。むしろその逆です……。
「成し遂げたい方があるならば、己の拳で切り開くべし」が家訓なほど、かなりの武闘派でして……それで幼い頃から父には男の子のように育てられてきたんです」
「サイ○人かよ………」
武術が使えるのはその影響らしい。
「でも、やっぱり女の子だから、どうしてもひ弱で……社交の場に出される度に、同年代の男の子達からバカにされてたんです…」
「それが嫌で男性恐怖症か……まあ、わからなくもないな」
アルダープのような悪徳貴族にダクネスさんのような変態貴族、更には武闘派貴族か……色々あるんだな。
「あの、皆さん?そろそろ……」
「ああ。そろそろ行くか。俺たちは温泉旅行に来たんじゃないしな」
こうして、アルカンレティアの温泉を堪能した俺たちは、またも迫ってきたアクシズ教徒達から逃げるように紅魔の里への旅を再開するのであった。
紅魔の里への道はアクセルからアルカンレティアよりは距離こそ短い。
だが。強いモンスターが蔓延るっているために馬車の類は出ておらず、その為歩きによる旅を強いられる事になる。
そして、旅立ったのが午後だった為に、しりとりをしながら少し歩いたところで夕方になってしまった。
「山は暗くなるのが早いっていうけど、納得だね……」
「ちょっと怖いけど、夕焼けがロマンチックじゃない?」
「うん。ボク、外で寝るの初めてだけどなんかワクワクする!」
アクセルハーツの面々がシート代わりの布を敷いて寛いでいる。
そこから少し離れた所で、俺はゆんゆんと作戦会議を行っていた。
「この辺りに出るモンスターは一撃熊にグリフォン、ファイアードレイクに安楽少女とオークか。どのモンスターがどのあたりに出るとかわかるか?」
「グリフォンは空を飛んでいるのですぐわかりますし、夜行性ではないので夜は大丈夫です。一撃熊は餌がある森の中にいるのでそうそうこんな開けた道には来ないと思いますよ。あと、安楽少女は……」
流石に紅魔族族長の娘なだけはあり、里近辺の地理状況にも詳しいようだ。
「そうなると、最優先で注意すべきはファイアードレイクとオークか?女性率高いしな」
グリフォンは夜に動けず、熊は開けた道には出てこない。安楽少女はもっと先にいるから問題ないらしいから、やはり警戒すべきはオークだろう。
この連中がろくでもない目にあわされる光景なんて見たくないし、オークが出たら俺が積極的に倒しに行くしかないな。
すると、ゆんゆんは首を振り。
「いいえ。この場合オークに気をつけるべきなのはナギトさんです」
と、変なことを言い出す。
「え?オークと言えば、女を狙うエロモンスターじゃ…」
すると、ゆんゆんはとんでもないことを口にした。
「えっと……オークのオスはかなり昔に絶滅してます。
………たまに生まれても成人する前にメス達に弄ばれて、干からびて死んじゃうし……」
「何それ怖い!」
つまりアレか。男の天敵か…。
股間を押さえて震え上がる俺にゆんゆんが慌てて。
「でも、オークはもっといった先にある平原地帯にいるので、ここではまだ心配しなくていいですよ」
「それならいいけど……そうなると最優先で警戒すべきはファイアードレイク。後一応ゾンビや一撃熊に注意ってところかな」
「そうですね……でも、ここまで一体も敵と遭遇してないとなると先に誰かがいて、それを倒してくれているのかもしれないです」
「でもなぁ……それじゃあリアさん達が新調した装備の慣らしができないし、俺も新しいスキルを試せないのがな…てか、なんか焦げ臭くないか?」
と、考えていたその時。
ピリッとした感覚を覚えたと思ったら。
「いやあああああ!」
エーリカの悲鳴がした。
後ろを振り向くと、鉤爪を生やした4本足の鷲である「グリフォン」が空を飛び、地面には炎を吐いてチラチラと舌を出すトカゲ「ファイアードレイク」がこちらに敵意を向けていた。
「グリフォン……!」
「おいおい、マジかよ…ファイアードレイクまでいやがる」
「それもそうだけど、荷物が……!」
慌てた様子のリアさん達がやって来ると、どうやらファイアードレイクの炎で荷物が焦げてしまったようだ……ぬいぐるみは死守したらしいが。
「ナギトにゆんゆん!アタシ達じゃ遠距離攻撃できないわ!なんとかしてー!」
「ナギトさん、私はグリフォンをやります!そちらはファイアードレイクの相手をお願いできますか⁉︎」
「分かった!リアさん達は荷物まとめてください。場所を変えましょう!」
「うん、分かったよナギト君!」
そうして俺は、炎を吐くトカゲと戦いを始めた。
魔法を使おうとすると、詠唱をさせまいと炎のブレスを吐いてくるのでそれを横に飛んで避ける。
「スキルを使おうとするタイミングで邪魔をしてくるな……流石に強敵がひしめく中で生きてるだけはあるぜ…」
かと言って鎌で接近戦に持ち込もうとすれば、炎のブレスのいい的だ。
「このグリフォン、なかなか狙いが定まらない……!」
ゆんゆんも、空を自由に飛ぶグリフォンには魔法の狙いが定められないようで、援護を頼むのは無理そうだ。
………それなら、俺とドレイクの状況を逆にしてやれば……!
早速荷造りを終えていた3人に視線だけをやり。
「シエロさん!俺に筋力上昇の支援魔法を!リアさんは俺にその盾を貸してくれ!」
「ええ⁉︎いいけど……『パワード』‼︎」
「何をするつもりなんだ?」
俺は筋力上昇のバフをかけてもらい、リアさんに盾を貸してもらう。そして………!
「飛んでけぇ!」
「な、なげたぁ⁉︎なんて事するんだ、ナギト!」
円形の盾をフリスビーよろしく、ドレイクに向かって投げつけた!
ドレイクは咄嗟に避けるが、ここから攻撃に移る余裕は与えない。
「『突風』………これで終わりだぁ‼︎」
俺は空中に浮いた状態のドレイクに向けて、鎌をトップスピードで振り下ろした。
腹に鎌を突き立てられたドレイクは、痙攣した後に動かなくなる。
そしてその鎌に刺さったドレイクの死骸を………
「あーらよっと‼︎」
鎌から引き抜くことも兼ねて、グリフォンに向かって投げつけた。
相手はこちらを見向きもしていなかったのか、パワードで強化された筋力を使ってのドレイク投げは見事にグリフォンに直撃し、グリフォンはドレイクの死骸と共に落下していく。
「ナギトさん、これって!」
「態勢を立て直す前に早く!」
それを見たゆんゆんが詠唱を手早く済ませ。
「『カースド・ライトニング』ッッ!」
闇色の稲妻を、グリフォンに向けて放ち、胸を貫かれたグリフォンはきりもみを交えて地面に叩きつけられた。
死骸に寄せられてモンスターがこないように森に投げ込んだ後、盾を回収した俺達はさらに進んだ所で野営をすることにした。
「シートが全焼、荷物が焦げた以外で、特に被害はないね…お尻が痛いけど、我慢するよ」
「それにコン次郎が無事だったのは良かったよ…」
「優先順位がおかしいわ!他の荷物の心配もしなさいよ」
アクセルハーツが荷物を確認している隣で、暗闇の中でボソボソと話す。
「しかし、安楽少女がやられていたのがな……」
「しかも、斬り口が滴っていたので、少し前にやられたと考えるべきでしょうね…誰かが先に倒したのか、それとも一撃熊がかぎ爪でやったのか…」
とは言っても、夜の帳が降りたが灯を灯してモンスターを呼びたくない為真っ暗闇だが。
「ちょっと怖いし、俺が夜通し見張るしかねえな。敵感知スキルの出番だ」
「疲れてる所をすいませんが、お願いできますか?明日はできるだけ早起きしますから」
「一応ヒールをかけておきますね…」
そうして1人しりとりをしながら夜を明かし、軽い朝食を取ってから再び歩き出すと………どうやら安楽少女をやったのは一撃熊ではないようだった。
「多分4人分か………?靴の跡があるな。騎士とか兵士にしちゃ少なすぎるし足跡の形がバラバラだぜ?」
そう。かなり新しい足跡が先に続いていたのだ。
「なんだか探偵みたいだね……でも、それなら少しペースを上げればその人達と追いつくんじゃないか?」
「そうですね。この先はオークが住まう平野ですし、多人数で行った方がいいかもしれません」
足跡について話している俺、ゆんゆん、リアさんの後ろでエーリカやシエロさんが。
「オークのオスは居ないんですよね。良かった……もし触られたら気絶しちゃう自信がありますよ」
「アタシも、オークにだけはファンになってもらいたくないわ…」
と、胸を撫で下ろしていた。
「エーリカ、シエロ。昨日みたいにグリフォンやファイアードレイクとかがくるかもしれないんだから、気を抜かないでね」
「そうそう。女でもいけちゃうオークだっているかもしれねえし、油断は……」
リアさんが注意を促し、俺が乗っかろうとしたその時。
「ちょっ⁉︎待っ………ふああああああああ⁉︎」
聞き覚えのある声で、悲鳴が響き渡った。
今回はダニエルが初登場でしたね。
彼を出すか、女騎士の天敵ポジを出すかで迷ったのですがわかりやすくエロに走るのはどうかと思ったのでこちらにしました。
また、アクセルハーツに新しい装備を付与しましたが、リアが「シェンロンガンダム」をイメージして考えたくらいで、他の2人は大してベースはありません。
ナギトの鎌を使っているときのイメージが「ガンダムデスサイズ」なので……。
そして、彼を追い払うための爆弾に巻き込まれたナギトの運命やいかに……。
また、今回ナギトの新スキルがお披露目できませんでしたがそちらは次回に持ち越しとなりますのでどうぞよろしくお願いします。
それでは感想や評価をお待ちしております。
次回もお楽しみに!