この素晴らしい世界に祝福を! このぼっち娘と冒険を! 作:暇人の鑑
「ナギトさん!今の声って……」
「あれ、カズマさんだよな………?」
突如聞こえてきた悲鳴は、聞き覚えのある声によるものだった。
「か、カズマって……たしか、最弱職なのに魔王軍の幹部を倒したって言う?」
リアさんがそう聞いてくるので頷くとエーリカが首を傾げて。
「でも、あの足跡は4人分だったわよね?」
「カズマさんは4人パーティーのリーダーだからな。アークプリーストのアクアさんに、クルセイダーのダクネスさん。そして、ゆんゆんの親友であるアークウィザードのめぐみん。この3人を連れているはずだ」
「し、親友………じゃなくて、ライバルですからね?」
そんな緩みきった顔で言われても説得力は皆無だ。
「上級職ばっかりじゃないですか!でも、そんなすごいパーティーのリーダーさんが、なんでオークに……」
シエロさんがどうしてと言う顔をしているが、まさか日本のゲームの常識で動いたんじゃ……。
「なあ、もし男がオークを倒したらどうなる?」
嫌な予感がしたので聞いてみると、ゆんゆんが。
「かなり優秀な遺伝子を持つオスという事で、ここら辺に住まうオーク達全員に追われ続けることになりますね」
「だから、オークが絡むクエストの場合は男の冒険者は潜伏などで姿を隠すか、本気で女装をして性別がバレないようにするとかの方法で対策が必要なんだ」
リアさんのくれた追加情報を加味して予測すると、多分日本における常識に則り、メスのオークを何らかの手段で倒したカズマさんが、追加でやってきたメスのオーク達に追われたって所だろう。
「様子を見にいって、危なければ助けに行こう。ナギトは潜伏しつつ私たちから離れないようにね」
「こんな所で死にたくはないですし、そうさせてもらいます……エーリカ、俺が消えたら看破を使ってみてくれ」
頷いた俺は潜伏ではなく、新しいスキルを使うことにした。
「『フェード・アウト』……」
「『看破』……え、ウソ⁉︎」
このスキルは潜伏と似ているが性質がまるで違う。
潜伏は、自分以外の仲間に対しても使える上に盗賊系の職業に就いていれば誰でも覚えられる反面、今いる平原のような隠れるものがないようなところじゃ使えない上に、敵感知などの干渉を受けるスキルには効果がない。
しかも、あくまで気配を隠すスキルの為、完全に隠れたわけではないのだが………こちらは完全に姿を隠せるし気配をほぼ消せる。
更には、場所を選ばないしスキルによる干渉もレベルが低いとできないと言うかなり強いスキルだ。
……自分以外には使えず、使っている時は他のスキルを使えなくなる上に、魔力の消費が多いからマナタイトがあったとしても乱用できないと言う弱点はあるが。
ちなみにこれはチート能力による技ではなく、盗賊が『鎌』スキルを覚えると習得可能になるスキルだが、そもそも普通は盗賊が鎌を使うケースがないらしいのでかなりの裏技的なスキルである。
「そこにいるならそれで良いさ。よし、行こう!」
リアさんが先陣を切って進み、やがてオークたちが群がっているのを確認したので、スキルを解除しつつ遠巻きに見ていると。
「助けてえ!めぐみん、いつものやつを!いつものやつをおおおおお⁉︎」
「こんな近くでは使えませんよ!ダクネスも落ち込んでないで、カズマを助けてあげてください!」
「うう……私の夢が……!」
カズマさんはオークに捕まり、何故か倒れているダクネスさんをめぐみんが起こそうとしていた。
「捕まってる……ウソでしょ⁉︎」
「本当だね……」
エーリカとシエロさんが驚く一方で、俺とゆんゆんは苦笑いだけだ。
「うーん、多分あの人俺より弱いからな。強いのは頭と運だけだぜ」
「そういえば、仮面の悪魔も言ってましたもんね…」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!早く助けに行かないと!」
リアさんが飛び出そうとするが、あんな大軍相手にランサーだけで何かができるとは思えないので押し留める。
「もう少し近づいたらゆんゆんの泥沼魔法で不意打ちした方がいいですよ!」
「そ、そうだね……」
再び足跡を立てないように近づくと……さっきよりもやりとりがよく聞こえてくる。
「話をしよう!話をしよう‼︎」
「エロトークなら喜んで‼︎さあ、話してごらん?あんたの今までの恥ずかしい性癖をさあ‼︎」
「「「「…………」」」」
ズボンを脱がされたのを見て、女性陣が顔を背けた。
「ゆんゆん。魔法の詠唱は…」
「大丈夫です……」
視線を向けずに受け答えをしながらその光景を見続ける。
「や、やめてえええ!名前を!俺あんたの年も名前も聞いてない!俺、これが初体験になるかもしれないんだ!
最初は自己紹介から!私サトウカズマと申します‼︎」
なんで自己紹介を?
「ピチピチの16歳、オークのスワティーナーゼでございます!さあ、アンタの息子にも自己紹介してもらおうか!アンタの自慢の息子を紹介しなよ!」
……ああ、コレは一戦始めるつもりだ。
「嫌!まだアタシは清いままでいたいから見たくないわ!」
「今そんなものを見たら、ボク倒れちゃう……」
「な、ナギト!早くなんとかしないと、キミ以外は女の子なんだから!」
「そうですよ、早く指示を!」
顔を赤くして狼狽える4人をもう少し楽しみたかったが、これ以上はやめておくか。
「ゆんゆん、頼んだ」
「はい。それでは……」
ゆんゆんにGoサインを出した時には、既にカズマさんは服を剥かれ、残るはパンツのみとなっていて、もはや少女のように咽び泣き始める。
「うちの息子はシャイなんですぅ‼︎お互いの名前を知ったってことで今日のところはお開きをおおお!アクア!アクア助けてえええ‼︎」
「か、カズマさーん‼︎」
そこに、飛び出したゆんゆんがオーク達に向けて魔法を解き放った!
「『ボトムレス・スワンプ』‼︎」
突如現れた泥沼に、オーク達は続々と沈んでいく。
そして、カズマさんはこちらを見て。
「ゆんゆん!ゆんゆんじゃないか!う、うわあああああああ‼︎」
よほど怖かったのか、泣き叫んでいた。
「紅魔の里に住まうオーク達!ご近所のよしみで今回のところは見逃してあげるわ。さあ、仲間を連れて立ち去りなさい!」
その後からアクセルハーツの面々が出てきたのを見て不利だと思ったのか、オーク達はカズマさんを置いて立ち去っていった。
静かになったその場では、カズマさんが泣きながらこちらに這いずってきた。
「ゆんゆん!ゆんゆん‼︎感謝しますううううううううっ‼︎」
「ええ⁉︎大丈夫、もう大丈夫ですから!あ、あの……大事なローブが洟まみれに………‼︎」
「ああああああっ⁉︎」
助けたのにローブを鼻水まみれにされたゆんゆんが、困ったように悲鳴を上げた。
平原地帯を抜け、森の中に入った俺達は小休息兼顔合わせを行なっていた。
「怖かったのね、カズマ。もう大丈夫、大丈夫よ…」
アクアさんに介抱されているカズマさんは、先程のトラウマからか全く離れようともせず。
「ゆんゆん、感謝するよ。どれくらい感謝してるかと言えば。これからの人生で尊敬する人は?って聞かれたなら、ゆんゆんですって即答するくらいに感謝してる」
「や、やめてください。それ何かの嫌がらせみたいですから…」
よくわからないお礼を述べて、ゆんゆんが困った顔をしていた。
「地図を見るにまだ距離がありそうだな……でも、コレだけいればなんとか…」
「そうだね。ようやく安心できそうだよ」
「アタシもうヘトヘト…」
「ボクも……」
カズマさんはトラウマを抱えて使い物にならず、ダクネスさんはただの壁。アクアさんは制御ができないし、めぐみんは使い所が難しすぎると言うケチはつくけどな。
口が裂けても言えないことを考えていると、4人の視線がこちらに向いていた。
「ナギト?そのお姉さん達は一体なんなのです?」
「しかも、1人はロイエンタール家のシルエルト嬢ではないか…」
どうやらアクセルハーツのことを知らなかったようだ。
「この人達はここ最近仲良くなった踊り子さん達だよ。アクセルハーツって言って、今回の旅に助っ人としてついてきてもらったんだ」
「成る程。つまりはゆんゆんとナギトの仲間というところですか……ゆんゆん?私の知らない所で知り合いが増えていますね?」
ヤキモチを妬いているめぐみんを横目に、自己紹介するように促すと3人が前に出た。
「ランサーのリアです。頼りにしてますよ」
「レンジャーのエーリカちゃんでーす!アタシの可愛さを覚えて帰ってね!」
「アークプリーストのシエロです……お久しぶりです、ララティーナ様」
「あ、あの…今は冒険者同士なんだし、ララティーナはやめてくれるとありがたいのだが…」
やはり貴族同士で初対面というわけではなかったらしく、ダクネスさんは顔を赤くしていた。
「で、こっちにおわすのはサトウカズマとその御一行様だ。
そこで丸まってるのがカズマさんで、膝枕してんのがアクアさん。とんがり帽子がめぐみんで、残りがダスティネス・フォード・ララティーナ」
「おい!残り物扱いは良いが、なんで私はフルネームなんだ!私にはダクネスという通り名が…」
「いや、そっちはいいの……?」
エーリカが困惑していると、めぐみんがつっかかってくる。
「おい、私の前置きがとんがり帽子とはどういう事か聞こうじゃないか。偉大なる爆裂魔法の使い手たるこの私を……」
「とんがり帽子の方が言いやすいんだから良いだろ……」
相変わらず沸点の低いめぐみんを、疲れていることもあっていなしていると、ゆんゆんが不思議そうに。
「でも、どうしてこんなところに?めぐみんも、やっぱり里のみんなが心配になったの?」
それに対してめぐみんは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「ちょっと用事を思い出しただけです…」
「素直じゃないわね。やっぱりみんなが心配なんでしょ?そうなんでしょ?」
そこでよせば良いのに、ゆんゆんが親戚のおばさんみたいな変な絡み方をするから……
めぐみんは、ムッとした表情で立ち上がり。
「カズマにナギト。ゆんゆんの恥ずかしい秘密を教えてあげましょう。我々紅魔族は、体のどこかに刺青があるのですよ。そしてゆんゆんの刺青の場所は、内腿のそれは際どいところに………」
「やめてちょっと‼︎ナギトさん達に何を言うのよ!というか、なんで私の刺青の場所を知ってるのよ!
爆裂魔法なんてネタ魔法使えないだろうし、めぐみんを取り押さえるなんて簡単なんだから!」
ゆんゆんとめぐみんが威嚇しあっている後ろでは?
「うわ、あの人の顔が変わったわよ…」
「うん、さっきまでのトラウマ顔が嘘のように……」
「ダニエルやチャーリーに近いものがあるのかもしれないね…」
アクセルハーツの面々がカズマさんの変貌に引いた視線を送るが、これに俺はピンときた。
「でも、それならめぐみんにもついてるんだよな?場所は違いとかってあるのか?」
露出している部分にはないってことは……?と考え出す俺にめぐみんが顔を赤くして。
「ナギト、余計なことは言わなくて良いのです!それより支援魔法をください、アクア!この子に痛い目を見せてやります!」
「ひ、卑怯者!めぐみんはやっぱりズルい!昔からずっとズルい‼︎」
と、こんな感じで騒いでたら当然と言えば当然なのか。
「お遊びはここまでだ、何か来るぜ⁉︎」
何かが近づいてくる音がした。
「おい、ここら辺を探せ!人間の声がしやがったぞ!」
耳障りの悪い声が騒ぎ立てるのを、咄嗟に茂みに隠れながら覗いていると、リアさんが袖を引っ張ってきて……。
「ナギト、潜伏は……!」
「こんな緊急事態で発動できませんって…今は静かにしてくれ、バレちまう……」
静かにするように促して息を潜めようとするが……
「魔王軍ですか………短気なゆんゆんが、いつまでも大声を出しているからですよ!」
「私よりめぐみんの方が短気じゃない!」
「なにおう⁉︎」
紅魔族の2人が喧嘩を始めやがった。
「めぐみん、今はそんなことをしている場合では……!」
「ゆんゆん落ち着け、見つかりたいのかよ…!」
ダクネスさんと俺の2人で引き留めるも、2人は収まりがつかないようで無言で取っ組み合いを続ける。
俺とダクネスさんはお前も止めろとカズマさんを振り向くが………。
「おい‼︎そんなことよりもゆんゆんの刺青の場所を詳しく‼︎」
「「ちょ⁉︎」」
「見つけたここだ!こんなところに隠れてやがった‼︎」
「畜生、これなら合流しない方がマシだったぜ!」
「お前と言うヤツは!お前と言うヤツは‼︎」
カズマさんのやらかしにより、強制的に戦闘に突入した!
「見ろよ……紅魔のガキがいるぜ」
茂みから出てきた俺たちを待ち構えていた敵モンスターは、ゴブリンにオーガなど、人型の鬼系モンスターが主だったが、その雰囲気は違う。
…しっかりと武装して、それなりの訓練を積んでいる兵士と言ったところだ。
これまでの相手とは一味違うだろう奴らに、どう戦うかと悩んでいた俺の前にアクアさんが立ち塞がった。
その行動の意図がわからず、固唾を飲んで見守っていると、急に口を歪めた。
「…………お?見た感じ悪魔もどきじゃないですか。やだやだー!下級悪魔にも昇格できない鬼みたいな悪魔崩れがなんですか、なんですかぁー⁉︎」
…………その煽りに、魔王軍の兵士はこめかみに血管を見せているが、アクアさんはさらに続ける。
………俺もあの煽り食らったら流石に鎌を叩き込みかねない。
「プークスクス‼︎今日のところは見逃してあげるからあっちにいって。
ほら、あっちに行って‼︎」
つまり、有効打を持たない相手に対してあそこまで煽ったと………?
もうつっこむ気力も失せていた俺だったが、それに呼応するように現れた増援を前に、いやでも緊張感は高まる。
「おい、そこのプリースト………なんだって?散々煮湯を飲まされた紅魔族のガキが2匹だ。見逃してやるわけがねえだろうが‼︎」
そう言って、20匹くらいいる兵士の視線はほぼ紅魔族の面々に向けられている。
「リアさん!ダクネスさん!」
「ああ、シエロ!一緒にゆんゆんを守るよ!エーリカはナギトを!」
「ああ、めぐみん達は私に任せろ!」
ゆんゆんとめぐみんを守るようにリアさん、シエロさん、ダクネスさんが立ち塞がり、俺とエーリカがいつでも飛び掛かれるように構えていると、後ろで魔力が集まる気配が……って⁉︎
「先ほどはよくもネタ魔法と言ってくれましたね?ネタ魔法の凄さを久しぶりに見せつけてあげます!」
「ちょっと待ってよ………!まさか⁉︎」
ゆんゆんが青い顔をして止めようとするが、今更あいつが止めるわけもなく。
「エーリカ、頭を低くして耳を塞げ!」
「い、いきなり何する…」
「『エクスプロージョン』ッッ‼︎」
エーリカの頭を掴んで地面に押し付けると同時に、めぐみんが爆裂魔法をぶっ放した‼︎
至近距離で放たれたことで巻き起こった肌を焦すような熱風と爆音に片耳を抑え、顔を顰めながらもそれが止むのを待つ。
そして、長い時間が経ったような感覚に襲われながら視線を上げると、えぐられた木々に煮えたぎる大地、そこに倒れ伏す魔王軍の兵士達が視界に飛び込んでくる。
「ナギト、助かったわ……それにしてもコレが」
「ああ、アレが爆裂魔法さ……ったく。やってくれるぜ」
グワングワンする頭を抑えつつ後ろを振り向くと、その場にいた味方全員が衝撃に巻き込まれている。
………死傷者はいないがコレはひどい。
「見ましたか!
我が奥義たる爆裂魔法を!
コレでもまたネタ魔法と言いますか?
どうですカズマ!今の爆裂魔法は何点ですか‼︎」
「マイナス90点をくれてやる!
どうすんだ!お前をおぶって逃げられるわけがねえだろうが!」
「ナギトさん、無事でよかった……」
「うう……ひどい目にあった」
「すごい威力だったね…」
ゆんゆん、リアさん、シエロさんをなんとか立ち上がらせていると、生き残っていたゴブリン達の後ろから更なる大群が走ってきていた。
「び、びびび、ビックリさせやがって………!
だが、今ので援軍がやってきたぞ、覚悟しろよお前ら……!
泣いて命乞いをするが良い‼︎絶対に許さねえからな‼︎」
それをチャンスと受け取った1匹がそんな啖呵を切るが……その「大群」の様子がおかしい。
援軍というよりも、敗走兵みたいな…………。
そんな俺の疑問を口にするまでもなく、答えはすぐそこにきた。
「な……⁉︎」
「こいつら一体……」
突然俺たちの前にたった光の柱から、4人の男女が現れたのだ。
ライダースーツにジャケットなど、それぞれ格好はバラバラだが………共通点もある。
全員がテレポートを使える魔法使いであることと………紅い瞳を持っていることだ。
その4人はこちらに声をかけることもなく、それぞれ詠唱を開始する。
いや、詠唱というより………
「肉片も残らず消え去るが良い。我が心の深淵に眠る、闇の炎によって‼︎」
「永久に眠れ。我が氷の腕に抱かれて……‼︎」
かっこつけ……かな?
だが、それを口にすることはしない。いや………
「『ライト・オブ・セイバー』ッッ!」
「『ライト・オブ・セイバー』‼︎
「セイバーッッ‼︎」
「バーッ!」
残っていた魔王軍の残党を残らず倒した魔法の威力を前には、余計な口が挟まる余地がない。
そして、そこに静寂が戻った時、その中の1人がこちらに声をかけてきた。
「遠く轟く爆発音に来てみれば……めぐみんとゆんゆんじゃないか」
口ぶりからしてそこまで悪いヤツでもなさそうなその男に、魔力が回復してきたのか。
めぐみんがのっそりと立ち上がり。
「里のピンチだと聞いてきたのですが……」
と、ここにきた理由を話すが、4人は首を傾げるだけだ。
その反応にこちらも首を傾げていると、ふと思いついたように。
「所で、その人達はめぐみんの冒険仲間かい?」
ゆんゆんの名前がここで出てこないのを見るに、ゆんゆんは故郷でもぼっちなのかもしれない。
うなずくめぐみんに、その男は一息ついて。
「我が名はぶっころりー。紅魔族随一の靴屋のせがれにして、上級魔法を操るもの‼︎」
と、紅魔族特有の名乗り上げをして来たので俺もやろうかと思ったが………だめだ、咄嗟に思いつかねえ。
「コレはどうも。我が名はサトウカズマと申します。
アクセルの街で数多のスキルを習得し、魔王軍の幹部と渡り合った者です」
どうしたもんかと悩んでいると、カズマさんがそれっぽく名乗り返していて、紅魔族の人たちはいい反応を見せている。
そして、その視線は俺にも……
「俺はナギト。ゆんゆんの冒険仲間だ……よろしく頼むぜ」
「……さすが、里随一の変わり者のゆんゆん。集まる仲間も変わり者って所かな」
良い年こいてそうで厨二病がデフォルトな奴らには言われたくないが、まあ良しとしよう。
他の奴も一通り自己紹介を終えると、ぶっころりーさん達がテレポートで送ってくれることに。
そして……テレポートの光が止んだ時、そこには。
「紅魔の里へようこそ、外の人たち。
めぐみんもゆんゆんも、よく帰って来たね!」
正に農村をイメージさせるような風景が、俺の眼下に広がっているのであった。
いかがでしたか?
ここでナギトの新スキルを一つ。
鎌 使用ポイント1
鎌の扱いが上手くなるスキル。あまり使い手がいない。
フェードアウト 使用ポイント2
ナギトの新スキルで、盗賊が『鎌』スキルを覚えると習得可能になる特殊スキル。
潜伏と違って1人用かつ魔力の消費量がやや多いかわりに、場所を選ばず、他のスキルの干渉を受けにくく、気配だけでなく姿を完全に消せる。
いかがでしたか?次からいよいよシルビアとの戦いが始まります。ぜひお楽しみに!
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