魔法戦記リリカルなのはForceを主体としていますが、開始時点で色々と異なります。
注)本編ForceのRecord29(単行本6巻目)まで販売時点で開始しています。
プロローグ~小さな始まり
Side~フォート=トレイア
「ひっく…ひっく…」
可愛くて、おとなしめで、いつも人形を手にしている、そんな女の子。
だからなのか、俺の幼馴染は、いじめられて泣いていた。
「あーもー…俺に言えって言ったろ?」
「だって…そしたらフォートも…」
俺があげた、痛んだ人形。それを手に泣く彼女の姿を見ていると、なんだか苛立った。
「俺が護ってやる。お前の傍に居るのは俺なんだから。」
「フォート…」
「俺がお前の―」
言いかけた直後、視界が炎に包まれた。
「っはぁっ!!」
飛び起きて、珍しく眠っていた事を思い出す。
…まともに眠って久しいってのに、眠ったタイミングでこれかよ、ついてるったらないな。
『…起こしたほうが良かったでしょうか?』
「いや、いい夢みれたよ。」
俺の心配をするデバイス、リベリオンに明るく答える。
悪夢だが、俺が旅して回っている訳も忘れずに済む夢。
それを久しぶりに見ることが出来たのは、十分な収穫だ。
忘れるわけが無いんだけど、こうして悪夢みたいな形で思い出すと、強く蘇る。
「目も覚めちまったし、行くか。実験施設もあるらしいし早めに…」
言いかけて気付く。
火薬の匂いに戦闘…いや、衝撃音。
場所は、傍の教会から。
相談は無く、駆けた。
そうするのが当たり前だから。
Side~トーマ=アヴェニール
仇探しの旅行の中、助けを求める声に従って救ったリリィと何でかついて来たアイシス。
手配されたおかげで、信用のおける知り合いに通信を入れるために教会に向かっていて、ようやくついた所で…
教会から、衝撃音が響いてきた。
「スティード!二人を頼む!!」
『はい!』
明らかな戦闘音。
相棒のデバイス、スティードに二人を任せて、戦闘音の聞こえてきた教会内に突っ走る。
何が起きているのかと顔を出した先にあったのは…
「っ…ぐ…」
「はっ…なかなか粘るじゃねぇか。」
剣を手にボロボロの身体で膝をついた、白いバリアジャケットの少年と、その少年を笑いながら見ている…
俺が…探していた…藍色の羽の模様の…
仇?
「ようやく本命が来たか、おい坊主、テメェが盗みだしたディバイダーとリアクターを」
「聞きたい事がある。」
「…人の話に割って入ってんじゃ」
俺に向けられる銃剣の照準、戦闘になりそうな空気のせいか怒りが増して…
向けられた銃に向かって、一発の赤い魔力弾が飛んだ。
「ゴキブリかテメェは。」
「俺の目の前で…やらせるかよ。」
魔力弾を放った少年の声にさえぎられるように、少し思考が落ち着いた。
確か…盗み出したディバイダーとリアクターがどうとかって言ってたな…
「…助けを呼ぶ声を聞いて女の子を助けたら、コレが勝手についてきただけだ。」
「女?…っく…ははは!次から次へと馬鹿と会う日だな、今日は。」
俺の説明に笑う男。
何でだ…なんでこんな破壊と血の中で楽しそうに…コイツは…
「今度はこっちの番だ…7年前…ヴァイゼン鉱山を滅茶苦茶にしたのは…アンタなのか?」
「聞こえねぇな。」
今度はノータイムで銃を撃つ男。俺に向かってきた一撃は…少年の剣に断ち切られた。
「テメェはいい加減寝てろよ!」
ふらつきながら俺の前に立つ少年に向かって、手にした銃剣を構える男。
疲れ果ててボロボロの身体で、これ以上戦えるわけがないのに…
殺される、俺の目の前で…
「シスター達も俺の故郷もそうやって…アンタがやったのか!!」
少年を押しのけて、男に向かって突撃する。
力任せに切り結ぶと、すさまじい衝撃音が響く。
刃をぶつけて競り合っていると、右腕をつかまれた。
拙い…っ!
「っらぁ!!!」
唐突に、俺の腕を掴んでいる男のアームを、横から剣が叩いた。
相応に強い斬撃だったらしく、男は俺の腕を掴んでいられず姿勢を崩す。
今だ。
「うああぁぁぁぁぁっ!!!」
ディバイダーとかいう銃剣の力に任せた砲撃は、脇から剣を振るった少年を避ける形で上手く男のみに直撃した。
「っち…ガキとはいえ感染者か、弾切れで相手するには面倒だな。」
直撃…したはずなのに、男は無傷で立っていた。
見えない速さで相殺したのか、防御で凌いだのか、どっちにしろ並じゃない。
こっちは息が上がってるのに…
「鉱山事故とやら…誰がやったか検討はつく。知りたかったら追ってきな、俺はフッケバイン一家のヴェイロンだ。」
「ま、待っ」
言うだけ言って去っていくヴェイロンと名乗った男。
今の交錯だけで力を使ったらしい俺は、追おうにもそれもままならなかった。
それと…
一人であんな相手と戦っていた少年が、ヴェイロンが去った途端に崩れ落ちてしまった。
放ってもおけず…
「トーマ大丈夫!?…これ彼が?」
「え?あ、違うんだ。彼は何か助けてくれて…っ…」
「とにかく一端出よう、あたしが彼を運ぶから。」
「…ごめん、ありがと。」
強がるだけの気力が無かった俺は、てきぱきと倒れた彼を担ぐアイシスについていくことしか出来なかった。
Side~ヴェイロン
俺は、弾切れになったディバイダーを見ながら、先の戦闘を振り返る。
局への通信機会を奪うためにシスターを全員殺したところで丁度飛び込んできたあのガキ…
魔導殺しで消せない攻撃を仕掛けてきたのには驚いたが、大して強くはなかった。だが…しぶてぇ。
直撃も何発か入ってやがったのに、生身のガキの癖して何度も立ち上がりやがった。
最後、ディバイダーを盗んだ方のガキが来たとき、まだ戦いやがった。
到底戦闘可能な余力があったようには見えなかったのに…だ。
しかもアイツ…
俺が感染者と知りながら、急所を狙いやがらなかった。
変な予感があった。
復讐の炎を内に持っていた同胞の方はともかく、あのガキ…
このまま俺達と関わった上で『何か』になりそうな、そんな気がした。
SIDE OUT
もうちょ(以下略!)
何回続く気だと言う話も出そうですが…最終章(予定)ですっ!