なのは+『心のちから』   作:黒影翼

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記録四十三・『兵器破壊組』~最新の力~

 

 

 

記録四十三・『兵器破壊組』~最新の力~

 

 

 

Side~シグナム

 

 

 

作戦説明にあたり聞いた位置情報に、私は少し呆れた。

 

 

と言うのも、襲撃先がヴァイゼン郊外の地下施設…また地下だと言うのだ。

 

 

単に目立たないからなのだろうが…悪党集団と言うのは地下が好きなのかと疑う。

 

位置が分かったからと施設丸ごと破壊するわけには行かない事情がいくらかあったため、内部構造も分からないまま乗り込むことになる。

 

『兵器の全て』を集めて統合できないか試みている施設と言う事は、当然ランド少将が使用していた核動力機や、CA、OAシリーズも居るはず。

外から施設だけ破壊して誘爆されても汚染他問題があるし、CA、OAシリーズは『そこまでやっても死亡確認ができない』相手だ。

 

「カチコミってだけならよくやってっからな。がんがんぶっ飛ばしてやるぜ。」

 

フッケバインのガンナー、アルナージが張り切って武装を構えている。

…思うところが無いと言えば嘘になるが、こんな事態では頼らざるを得ない。

 

薊と遊の洗脳効果は、感染者ならリアクトや調整次第で回避する事が可能らしい。

そうなると、男性以外で遊に対抗できる戦力と言うのは貴重だ。

彼等は復讐を旨としているらしいが、何処で出てくるかは分からない。

逆に言えば、全部隊に対処役が必要になってくる。面倒な相手だ。

 

「都合よくか悪くか…ミッドの研究機関が潰れて、こっちに集まってる様子がアル。ヴァイゼンの施設を壊せバ、大規模施設はほぼ片付きマスね。」

「どういう事だ?」

 

ヴィータが怪訝な声を上げる。

どの道敵施設は破壊するはずだ、都合が悪い理由が見当たらないが…

 

「犯人ガ月村雫…恭也の娘さんなのデ。此方の警戒は強くなってルかと。」

「…は?」

「本人から報告が入ってマス。」

 

弓華さんが言いながら展開した資料には、襲撃施設とその時間、内容が書かれていた。

1日程度の時間で中小合わせて9箇所…場所が分かっていたとしてもすさまじい手際だ。

 

「って、壊されて逃げた連中が集まってんなら、最悪雲隠れの準備とかしてんじゃね?」

「ハイ。なのデ、準備が出来次第出撃します。」

「いきなりだな…シグナムもヴィータもダメージは大丈夫なのか?」

 

急な話にアギトが心配そうに私達の様子を窺う。

 

栄養補給は済んでいるし、無茶苦茶な訓練を積む想定で合わせているのか、吸収回復に効率のいいものが揃っていた。

残っていても、ダメージが無いと言えば嘘になる…程度の軽いものだ。

この手の疲労を『完全回復』させようと思うならどの道数日単位かかる話だし、休む休まないを今考える必要は無い。

 

つまり…

 

「問題ない。」

「ま、ねぇな。」

「無い訳ねーだろ!二人ともまともに答えねぇから安心できねーっつの!」

 

元々の気質か性格か心配性なアギトにそれ以上言うだけ無意味なので聞き流す。

 

「無骨な騎士さんが知り合いだと気苦労で大変ねぇ。」

 

カレンの声に視線を移せば、フッケバインの連中が揃いも揃ってにやにやしながら此方を眺めていた。

不死身を利用して腕がもげても突っ込んでくる連中にだけは言われたくない台詞だな。

 

 

 

 

Side~ヴィータ

 

 

 

いくら弓華さんが達人ったって地球の無魔法じゃこんな所でまともにやりあうのはきついはずだと思ったが、ある程度の火器を装備した状態で、入り口近辺で待機しているらしい。敵の逃亡防止と、管制役と言うことだった。

ある程度の火器、っつっても…ノエルさん用にチューンされたらしい火器だ。

よく生身で扱えんなこの人。

 

岩肌に同化するようにしているが、わずかに違和感のある場所まで来た所で、探査魔法で空洞を探知。…ビンゴだ。

 

「デはヴィータさん、おねがいします。」

「任せろ。」

 

ともあれ、まずは入り口の突破って事で…

 

 

「おらぁっ!!!」

 

 

一応それなりに強固だったらしい岩肌に偽装した扉を、アイゼンを振りぬいてぶち破る。

 

それと同時に、中から射撃の雨が降ってきた。

 

「うぉ!?」

 

扉を破るタイミングを見計らっていたらしい。

が、それくらいのことはこっちだって予期してなかったわけじゃなく、あたしを通り過ぎるように飛び出したカレンが、手持ちの書のページを展開して射撃の雨を受ける。

 

「ち…早速お出ましね。」

 

苦々しく呟くカレン。

だが、その理由はあたしも既に熱源感知で分かっていた。

 

いきなり出迎えて来たのは、数機の核動力機だった。

 

その出力も勿論だが、爆散させられない関係で倒し方が限られてくるのも厄介な奴だ。

武装を破壊し、誘爆しないよう封印処理を施していかなきゃならない。

 

「アギトは封印を頼む。」

「我々で斬って捨てていこう。」

 

血気盛んなシグナムとサイファーが真っ先に飛び出す。

 

エネルギー式の機関銃を装備してる連中も、動力が核だけに並の出力じゃない。

分断効果を発揮するサイファーが盾になるように突っ込んでくれてる。

突っ込むのも無策な気はすっけど…あいつ等にここまでさせて引っ込んでるわけにもいかねぇ。

 

弾丸を浴びながら距離をつめたサイファーの裏から飛び出したシグナムが、燃え盛るレヴァンティンを振り下ろすが、丁度そこに盾を持った機体が割って入ってきた。

紫電一閃で傷一つつかない盾、かなりの強度だ。

 

反撃に振るわれた槍を下がって回避するシグナムと入れ違いになるように、あたしは盾と槍を持つ機体に向かって飛び掛った。

 

 

「おぉっらあぁぁっ!!!」

 

 

ここ最近フッケバイン相手で使えなかったアイゼン。

思いっきり振りかぶってブースターを吹かす。

 

ラケーテンハンマー。

 

速人達みてーな高位技能者には活かせる余地が少なくなってきていたが…

元々はこういう高防御をぶち破るのがあたしの本領だ。

 

盾で受けた機体を、そのまま振りぬいて壁に吹っ飛ばす。

 

アイゼンを振りぬいたあたしの後に続いて弾幕が注がれ、カレンが飛び込んできて剣を振るう。

本体はそれなりに硬いらしいこの機体だが、射撃武装に関しては構造の関係もあってかさすがにそこまでの強度は無く、カレンの斬撃で断ち切れた。

 

「へぇ!本装備だと更にできるのねヴィータちゃん。」

「ガキ扱いすんな!ぶっ飛ばすぞ!」

 

片手間に罵声を返しつつ、盾持ちに追撃を仕掛ける。

シグナムの剣すら止める盾だ、破壊、突破に向いてるあたしの方が、こいつらの相手は向いてる。

射撃方はフッケの連中とシグナムに任せて、あたしは盾持ちに突っ込んだ。

 

アイゼンを思いっきり振り下ろす。

と、今度は盾を構えたままで背中のブースターを思いっきり吹かしてきた。

盾ごと体当たりで壁まで押し込まれ…壁に叩きつけられたあたしに向かって右手の槍を突き出してくる機体。

速ぇ…が。

 

「っぉおぉらぁっ!」

 

腰から身体を回して突きを回避、壁を貫いた機体の背中から横薙ぎに振りぬいたアイゼンを叩き付けた。

ブースターにぶち当たって煙を吹く。

 

 

速ぇ…が、単純だ。

 

 

大型重量武器を使ってっと剣ほど細けぇことはできねぇし、速人達と戦ってっと嫌な崩し方をされっぱなしで歯がゆい事が多い。

それでも、身体の芯や軸を使って遠心力を効率よく使うって所はあたしも変わらない。

 

CAシリーズには下手に大振りもできねぇし、活かせる所で全力で活かしてかねぇとな。

 

爆発音に視線を移すと、シグナムとサイファーの手で射撃装備の機体も達磨にされていた。

初戦はこんなもん…

 

「…ち、さすがに『集結』してるってだけのことはありやがるな。」

 

入り口の数機を片付けて先を見ると、ワラワラと雑魚機体が出てきた。

シグナムが前突入したっつってた所にあった、訓練用機体の生成機能で作られた雑魚。

中に何機かだが核動力機が混じってっから、一気に殲滅ってわけにもいかねぇ。

 

「フルパワーでぶっ放すわけにもいかねぇか…面倒だなぁ。」

「それは元からヨ。予定通り入り口は私が抑えてオク、中の殲滅はお願いしマス。」

 

アルナージが愚痴る中、弓華さんの指示に頷き返して、あたし達は機体群に突っ込んだ。

 

 

 

Side~シグナム

 

 

 

主力として湧き出てくる偶像は、ディバイドの効果によってあっけなく霧散消滅する幻が多い為、フッケバインの三人が居る今は以前の地下洞窟への突入の時と異なり幾分楽に斬り進めた。

 

核動力機の装備は私達でも一撃で断てない代物だったが、数が少ない。

 

「こりゃ思ったより楽勝じゃね?」

「まだ感染者もCAシリーズもOAシリーズも出ていない、油断するなよ。」

 

呑気な事を口走ったアルナージに注意を投げかけるサイファー。

 

直後…嫌な空気が動いた。

 

「ちっ!」

 

カレンが書を展開して先頭に飛び出すと同時に、暴風が向かってきた。

魔法?ディバイドを含めて受けているはずだが、書の脇を抜けていく風が背後に居る私の頬を裂いていく。

 

廊下の壁は、今の一撃だけで風化したようにボロボロに引き裂かれ剥がれぱらぱらと落ちていた。

まるでサイクロン…直撃すれば感染者でも危険な『風』。魔法にしても異常なレベルだ。

 

薊も扇を振るうが、規模が違いすぎる。これは彼女の魔法じゃない。

 

「その通り、この私が残っているというのに油断なんて、殺してくれと言っているようなものだね。」

 

通路の奥の部屋から、最近よく聞く声がした。

おそらくはOAシリーズ。

 

駆け込んだ先の部屋に、予想通りに翡翠色の髪のリライヴの姿があった。

 

 

「OA―4『セイリュウ』…OAシリーズ最新最強体さ!」

 

 

高らかに名乗りを上げるセイリュウ。

…何処かレヴィのような空気を感じるな、呑気と言うか幼いと言うか。

 

「ふん…一人でいい気に」

「先に行け、私とアギトでやる。」

 

前回の襲撃でOAシリーズに煮え湯を飲まされたからか、フッケバインの一同がいきり立って武器を構える中、レヴァンティンを抜いて一歩進み出た。

 

『おい…』

『人の気配が無さ過ぎる、嫌な予感がする。』

 

ヴィータからの念話に対して簡潔に答える。

 

ここまでに感じていた事。

兵器関連の総合技術開発地として存在しているはずの施設だというのに、今この戦闘データでもとるようなサイズの味気ない部屋。

だが、ここでも…上部の透明な仕切りの外側にある機材だらけの部屋の中に、誰もいない。

 

OAシリーズであるセイリュウの戦力を信用していると言うのなら、データの収集なりに研究員の一人や二人残っていてもおかしくなさそうなものだが…

 

雫の襲撃の結果、速人達が動いている事は敵に知れている。

最悪別ルートで逃げ出しているという可能性すらありかねない。

 

 

『急いだほうがいいが、フッケバインだけ先行させるわけにも行くまい。頼むぞヴィータ。』

「信用ないわねぇ…けど、ま、そういう事なら!」

 

一応内輪で話していたつもりだったが、例によって念話傍受をあっさりやってのけたカレンが、書のページを飛ばして爆発させる。

 

爆発をあっさり風で凌いだセイリュウに目掛けて、私は帯刀からカートリッジをロードし…

 

 

「飛竜…一閃!」

 

 

抜き放つ。

魔力を伴い砲撃の用に伸びるレヴァンティンの切っ先。

 

片手で展開した防御魔法であっさりと受け止めるセイリュウ。

その間に他の皆は次々奥の部屋に駆けて行く。

 

「…何故見逃した?」

「あぁ、さすがにわかるか。ま、あの数相手にするよりは楽だからね。」

「コイツ…舐めやがって!」

 

当たり前のように言ってのけるセイリュウに、アギトが怒る。

…なるほど、たった一人で現れるから何かと思ったら、随分甘く見られているようだ。

 

「それに、先を急いだ所で意味はないしね。」

「何だと?」

「さ、話はここまで。理由を確かめに行きたかったら…」

 

気になる事を言うだけ言ったセイリュウは、真相を語らず掌を上向きに人差し指を曲げる。

 

かかって来い…と言う事だろう。

 

先のOAシリーズも『慣らし』とか言っていた。

起動したてか何か、理由はあるんだろうが…

 

倒して進めば分かる事だ。

 

私はアギトとのユニゾンを果たし、炎の翼を背にレヴァンティンを構える。

 

「それじゃ私も…抜こうかな。」

 

楽しそうに言いながら、彼女はデバイスを起動させ…

 

 

腰に二本の剣を展開した。

装飾こそベルカのそれを踏襲しているように見えるが、長さといいしなりといいアレは…

 

「OAシリーズは、強化用融合素体を持っているだけでなく、歴代最強の魔導師リライヴをベースに、その性能を損なわずに調整が行われている。」

 

左足を引き、腰を沈め、右手を左の剣に添えるセイリュウ。

 

「『変換資質を持つ者』の遺伝子を利用しての変換資質の付与、及び、各変換資質に合う能力の…特化。」

 

 

 

刹那、閃光が走った。

 

 

 

殆ど感で直線状を外すと、さっきまで私が立っていた位置を通りすぎた風の刃が、部屋の壁に綺麗な切断面を作っていた。

 

 

「当然、ひっぱりだせるだけの戦闘データを組み込む訳だけど…私の素材は一体何でしょう?」

 

 

居合いから風の刃を飛ばしたと思われるセイリュウは、剣を…小太刀を鞘に納めるとイタズラっぽく笑う。

 

「…速人…か。」

「ご名答。」

 

私が答えを返すと、満足そうにしたセイリュウは、再び刀に手をかける。

 

「自分で最強名乗る痛い子供だとでも思った?貴女達が頼りきりの最強の素材二つを使って作られたこの身に勝てるつもりでいるなら…痛い馬鹿はそっちだよ!」

 

頼りきり。

否定しきれない苦い話と共に斬りかかって来るセイリュウ相手に、私はレヴァンティンを振りぬいた。

 

速人達にも堂々としていられるよう、少しは難題も捌いておかんとな。

 

 

 

Side~カレン=フッケバイン

 

 

 

さすがに特務の騎士さん、あたしも気にかかってた違和感をはっきり告げてくれる。

彼等があたし等を信用してないのと同様に、あたしとしてもあの凶の部隊の眼鏡さんを信用しきれず、ガセ任務じゃないかと疑ってみたものの…

中に特務の人員もいて、アースラはあのヒーローさんからの借り物って段階で、あたし等だけ罠に嵌める旨みが思いつかなかった。

 

そして、彼女等を置いてって突っ走ってしばらくして…

 

 

 

死の匂いを感じて、一気に嫌な予感が膨れ上がった。

 

 

 

ここには、CAシリーズなんかのクローン体やその技術も集められているはず…

離れているのにする死の匂いって…

 

 

「コレは…」

 

 

視界フィルターを使って通路の奥、最後の部屋と思われる部屋を見たあたしは、足を止めた。

 

倒れ付した死体と思われるものの中、佇む人影。

まともな訳がない。

それに、部屋に入る前からその強大な力がはっきり感じられる。

 

今振るっている訳でもないはずなのに…だ。

 

「こりゃ…大分本気で行かないとまずそうね。アル!」

「オッケー!ど派手に行くぜ!!」

 

地下だから崩れない程度に…とか思ったけど、瓦礫から抜け出すほうが『アレ』倒すより簡単そうなので、何も言わずにアルの砲火を待つ。

 

閉ざされた扉の先になるので、貫通させるためにプラズマを放つ気らしい。

一応耐熱力も高めのあたしらが、ヴィータちゃんの前に立っておく。

 

 

 

「こいつで…死んどけぇ!!」

 

 

 

アルが放ったプラズマディスチャージャーは、進路上の通路と扉ごと融解させながら先の部屋に向かって…

 

飛び出したヴィータちゃんが、アルを押しのけた。

 

 

「な、何しやがっ…」

 

 

溶融砲撃なんて真っ最中に姿勢を崩されるなんて危ない真似をされたアルが、飛び込んできたヴィータちゃんを睨み、そして言葉を失った。

そりゃそうだ。あたしだって信じられないことが起きてるんだから。

 

 

 

プラズマを斬り裂いた閃光が、アルを押しのけたヴィータちゃんを深々と裂く…なんて、色々おかしい光景が。

 

 

 

血を舞わせながら鞠のように地面を弾んだヴィータちゃんは、そのまま倒れて止まる。

 

「お、おいっ!」

 

庇われたアルは、さすがに彼女に駆け寄る。

あたしとサイは咄嗟にその前に出て武器を構えたが、追撃は無かった。

 

『…多分…アイツ…だ。あたしじゃ戦えねーから…任せっぞ…』

 

途切れ途切れの念話が届く中、あたしは状況を理解した。

直接の面識がないが、確かに事前情報に一致する。

 

対女性の魅了効果のある芳香を放つ、洗脳の瞳を持つ感染者。

男性か、視界フィルターを使える…身体が兵器化している感染者でなければ戦う事が出来ない、何処にいるか所在の分かっていない感染者。

 

 

確か名前は…

 

 

「氷村遊…だっけ?」

「ふん…場外から出会う間もなく殺しに来るとは、人間らしいやり口だ。」

 

 

扉付近が融解して、何処からが部屋かも分からなくなった空間で、うっとおしそうにあたし等を見ている男が一人。

血を吸って力を得るとは聞いているけど、元々桁外れに強い戦闘要員って訳じゃ…

 

 

無かったんだろう、『つい最近まで』は。

 

 

生体反応が無かったはずの部屋にごろごろと転がる人の姿をした物体の数々を見て、何があったかを一瞬で理解した。

 

コイツ…この人数の血を全部吸ったのね。

おそらくは、量産されていたCAシリーズ含むクローン体達の血液を、片っ端から自分の力に変えたのだろう。

 

でなければ、聞いていた話と戦力に差がありすぎる。

コレ、前に戦ったあの眉毛より…原初の種を持っているはずのハーディスより下手すると強い力だ。

 

「あたしらを人間扱いとはね、あんたこそ感染者の癖にまるで分かって」

「一緒にするな。」

 

同じ感染者にも関わらず、憎々しげに放たれた妙な台詞に違和感を覚えるも、すぐに察する。

 

「…なるほど、アンタ元から化物なわけね。」

「違うな、貴様等が我等の家畜なのだ。」

「上位種気取りか…見合った力はあるようだな、楽しめそうだ。」

 

会話もそこそこに双剣を構えるサイ。

アルももう射撃の体勢になっている。

 

 

「前哨戦には丁度いい、来い烏共。」

 

 

大物ぶる…実際とんでもない化物である遊に、あたし達は初手から全力で向かっていった。

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 




血を吸って生活する方にクローン技術は反則な気もしますが…普通に出来うるんですよね、とらハシリーズで(汗)。
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