なのは+『心のちから』   作:黒影翼

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余録・本戦開幕

 

 

余録・本戦開幕

 

 

 

Side~フォート=トレイア

 

 

 

「ちっ…」

『さすが馬鹿ですね。』

 

機体の振るったブレードを、『生成した』剣で受けた俺は、罅割れた剣を見て舌打ちする。

リベリオンからの皮肉げな賞賛を聞き流し、俺は再度剣を構えた。

 

特殊生成金属オリハルコン製片手剣。

皆デバイス使って参加してる上、ディバイドが祟って参加できてないトーマ。

そんな中で俺だけそんな非常識な装備使って突破するのは気が進まないと言う事で普通に戦ってるんだが…

 

「…面倒だな、一気に決めるぞ。」

 

速人の奴がさっさと抜けてるんだ、もう半分も切ってることだしノンビリはしていられない。

俺は剣を二本展開して、一機に突っ込んだ。

 

「おおおぉぉぉっ!!!」

 

両腕につけたブレードを振るう機体と合わせるようにして剣を振るう。

斬りあいが演じられる程度の腕ではあるんだが…

剣の強度が追いつかず、やっぱり途中で罅入って…

 

打ち込むと同時に剣が折れたのを利用して、そのまま踏み込んだ。

肩から斜め上に跳躍体当たり。

浮かせた機体に向かって左の拳を打ち下ろして地面に叩きつける。

拳の痛みは無視、右手に剣を展開して倒れた機体に落下の勢いを乗せて打ち下ろした。

 

関節部に直撃させてようやく罅。ダメージとしては軽いが、このまま…

 

連続で同一箇所を狙おうと思った所で、罅入った箇所目掛けて魔力弾が飛来した。

発生元を見れば、こっちを見もせずに銃だけ構えているティアナさんの姿があった。

 

音は一発なのに単発じゃ無かった…どんな高速連射だったんだ?

 

「悪いわね、私も攻撃力足らないのよ。」

 

あっさり言うと同時に、撃破判定になった機体が消滅する。

 

「いや、大した腕です。決着は本戦で当たったらで。」

「ふふっ、これるよう願うわヒーローさん。」

 

素直に褒めると大人の余裕か、綺麗な笑みを最後にフィールドを出るティアナさん。

 

『意地でも使わない気で?』

「こんな所で抜いてるようじゃアイツに届くわけねーっての。」

『了解。』

 

俺のデバイスの癖に呆れ混じりのようなリベリオンの声を頭に聞きながら、残った手近な機体目掛けて飛び掛った。

 

 

 

Side~ミウラ=リナルディ

 

 

 

「はあぁぁっ!」

「うおぉぉっ!」

 

ボクとスバルさんが挟み撃ちの形で同じ一体に殴りかかる。

同じくハードヒッターらしいスバルさんとボクの一撃を殆ど同タイミングで直撃して、かなり硬いはずの機体が潰れて爆発する。

 

『撃破判定は…スバルさんっ!衝撃が貫通するタイプの攻撃だったのが明暗を分けたかぁっ!?』

「ピースっ!」

 

こればっかりはしょうがないしょうがないんだけど…他にはと視線を彷徨わせる。

 

けれど、機体が減って来て、参加者の割合の方が増えたのが災いしてか、今みたいな同時攻撃や連続攻撃で次から次へと爆発が起きる。

 

『続いてシグナムさんとヴィクター選手が突破!』

 

…まずい、もう二機しか残ってない。

と、丁度そこに、そのうちの一機が襲い掛かってきた。

 

「一閃っ!!」

 

下手すると最後のチャンス、形振り構ってる場合じゃないと抜剣で蹴りかかる。

が、焦って相手が高性能AIだという事を失念していたボクは、振り抜いた蹴りをあっさりかわされて、逆に蹴りを受けて地面を転がる。

痛い…けど、ブレードじゃないからまだ大丈夫…って…

 

 

「悪いね、今回は私の勝ちと言う事で。」

 

 

ボクに向かって隙だらけになった所に、ミカヤさんが斬りかかったらしく、体勢を整えたボクが見たのは、丁度首を落とされた機体だった。

 

 

『ミカヤ選手!アインハルト選手も撃破!ラスト一機だあっ!!』

「へっ…チャージ完了してんだよ!」

「あたしだってっ!」

「いくよゴライアス!」

「お子様達に負けられねぇっスよ!!」

「堕天使直伝シューティングスター…トドメくらいにはなるでしょ!」

 

アクアさんの司会が示した最後の一機、ソレを囲むようにして、中遠距離の使い手の皆さんがトドメになりそうな一撃を溜めていた。

駄目だ、アレは狙いに行ったら巻き込まれる。

同じ事を思ってか近接技が主体の残りの人達は遠巻きからその様子を見ているしか出来なくて…

 

 

次の瞬間、ボクは信じられないものを見た。

 

 

それぞれにフルパワーの技を放つ皆の前に、フォートって男の人が飛び込んで狙われた機体にトドメの一撃を放り込んだ…ように見えた。

 

正確に言えないのは、ほとんど直後にその一機を囲むようにして放たれた凶悪極まりない攻撃の雨が全部彼に降り注いだから。

 

 

『いっ!?フォ、フォート今飛びこん…』

 

 

司会っぽい振る舞いを楽しんでいたらしいアクアさんからも悲鳴じみた声があがる。

あんなの全部直撃したら事故だ。

 

最悪を予感した皆が凍り付いて動かない中…

 

 

 

 

しばらくして、爆煙の中から両手を広げた状態で立った男性と、二本の剣を刺された機体の姿が現れた。

 

 

「…手間取ったが予選突破だ。待ってろよ…馬鹿。」

 

 

爆発して消えていく機体を前に座り込んだフォートさんは、高々と拳を突き上げた。

 

 

 

特殊任務って…大変なんだなぁ…

 

平然と偉業を成し遂げて笑っているフォートさんの姿を眺めながら、ボクは予選落ちした事に納得がいくような、そんな気分を味わわされていた。

 

 

 

Side~ユミナ=アンクレイヴ

 

 

 

ボーゼン。それしかなかった。

 

アインハルトさんを含めて知り合えた皆の強さは見るだけの私でもそれなりに分かってる。なのに、その知ってる人を基準にしても桁外れに凄い人ばかり。

 

予選の機体を一瞬で片付けた誰もが認めるチャンピオン、ジークさんですら普通に見えるような、そんな環境。

 

今更ながらすっごい所に呼ばれたんだなぁ…と、思わざるを得なかった。

 

「っと、皆お疲れ様!」

 

戻って来たチームナカジマの皆に手を振って声をかける。

突破したのはアインハルトさんとヴィヴィオちゃん。

突破できなかった皆そうだけど、中でもノーヴェさんがとても悔しそうだった。

 

「姉貴が突破できてるってのに…くっそぉ…」

「それを言ったらあたし達の中でも突破できたのヴィヴィオとアインハルトさんだけだし言いっこなしですよ。」

「二人に頑張って貰いましょう。」

 

くしゃりと髪を乱すノーヴェさんの横でリオちゃんとコロナちゃんが声をかける。

 

 

「ところで…リライヴさんって…『あの』リライヴさん…なの?」

 

 

間違いないと分かっていても聞かずにはいられなかった事を恐る恐る聞いてみる。

 

星斬りの魔導師、歴代最強とか呼ばれて都市伝説化してる白い堕天使。

テレビ越しには見たことある人の方が多いような噂の…犯罪者。

勿論、懲役とか終わったら何処にいても不思議じゃないし、優秀な魔導師が必要で仕方ない管理局とかだと、公務で免罪とかあるみたいだけど…

と、ノーヴェさんが言いづらそうにしながらも説明をしてくれた。

 

「あー…特務のエース、なのはさんとフェイトさんって知ってるよな?」

「あ、はい。」

「昔から最強クラスのあの二人を筆頭にしたチームに助けられた訳ありが多いんだ。あたしやヴィヴィオなんかもその訳ありでな。」

 

ビックリした。

ノーヴェさんはともかくヴィヴィオちゃんは知り合ったとき、強いって言っても殆ど子供だったのに…

 

「良い人って保障しづらい人もいるんですけど…その…少なくとも悪い事をする気の無い人だから助けられてるので、仲良くは出来なくてもあんまり風当たり悪くは…」

「うん、分かった。」

 

恐る恐ると言った感じで説明をするヴィヴィオちゃんに笑顔で頷くと、ヴィヴィオちゃんも笑顔を見せてくれた。

 

白い堕天使の噂は聞いてる。非合法に人助けをしてたとも。

似たような理由か何かで切っても切れない大切な人がいるんだろう。

 

「私も少し試合していただきましたが…とてつもなく強い方々と言うのは保障します。貴重な試合は見せられるかと。」

「うん、アインハルトさんもヴィヴィオちゃんも頑張ってね。応援してるから!」

「「はいっ!!」」

 

私の声に答えて全く同じ返事を同じタイミングで返した上に顔を見合わせて照れるヴィヴィオちゃんとアインハルトさん。

ダブルKO位から思ってたけど、妬ける位物凄い仲のいい二人だった。

 

 

恒例行事のような光景を眺めていると、デバイスにメールが届く。

トーナメントの組み合わせらしく、皆に届いていた。

 

 

1枠『ヴィクトーリア=ダールグリュン』

2枠『高町速人』

3枠『フェイト=T=ハラオウン』

4枠『アインハルト=ストラトス』

5枠『高町なのは』

6枠『スバル=ナカジマ』

7枠『高町ヴィヴィオ』

8枠『リライヴ』

9枠『ティアナ=ランスター』

10枠『フォート=トレイア』

11枠『氷村薊』

12枠『ジークリンデ=エレミア』

13枠『月村雫』

14枠『フレア=ライト』

15枠『ミカヤ=シェベル』

16枠『シグナム』

 

 

皆が羅列された名前を見て、一声にヴィヴィオちゃんを見る。

初戦からさっき話してたリライヴさんが相手だ。

誰と当たっても凄い人ばっかりではあるんだけど…

 

「準決勝で会いましょう。」

「…はいっ!」

 

勝ち進む事を約束するヴィヴィオちゃんとアインハルトさん。

大分難しい話になるだろうけれど、前向きなのはいいと思う。

一回戦はお昼の後からだ、本当…楽しみだ。

 

 

 

Side~ジークリンデ=エレミア

 

 

 

「うぅ…バインドであの機体を倒すのは少々無理がありました…」

 

全身の装甲強度を破れずにあんまり何も出来なかったいいんちょがガックリと肩を落とす中に、ウチは番長に捕まってつれてこられた。

 

「まぁジークなら問題ないとは思うけれど、薊をきっちり倒すように…って事でね。」

「…おねがいします。」

 

時間も立って少しは立ち直ったとは言え今回の件ではあまり口を開く気になれないいいんちょ。

誰かの為に人を倒すとか言うんはちょっと違う気もするけど、そうは言ってもウチとて許せん事件と言えば許せん事件やし、ましてや親しい知り合いが被害者なら尚更や。

 

「ま、貴女の心配はしてないわ。」

「お前が一番敗色濃厚だもんな。」

「予選落ちに言われたくありませんわ!」

 

相変わらず喧嘩気味になるヴィクターと番長。

でも…

 

 

「ヴィクター…わかる?」

 

 

少し気がかりで聞いてみる。

リライヴさんの方はまだ良かった。けど、あのヒーローさん…

 

気付いとったら、ウチが何を聞きたいかも分かると思うけど…

 

 

「彼の事なら…分からないわね、全く。それがどれだけ異常な事かはよく分かるつもりだけど。」

「あん?」

「ハリーはあまり気にしてなかったのか。高町速人さん、まるで力量が読めなかった。」

 

 

気付いてはいたらしく、ヴィクターは顔をしかめる。

 

「ま、本当に警戒するのは白い堕天使やアインハルトでしょうし、必ず貴女に辿り着きますわ。」

「勝手に私を負かしてくれるなよ?」

 

ヴィクターのコメントにミカさんがジト目で顔を出して、ヴィクターとにらみ合う。

あはは…試合前から盛りあがっとるなぁ…楽しい限りや。

 

 

けど…

 

 

別に陰謀とか、殺伐とした何かがある訳や無い。

そんな空気やないんやけど…

 

 

普通大会でもあるクラッシュエミュレートみたいな安全設定やダメージ緩和でなく、医療関係の充実によって準備しとる所とか、参加者の皆とか見てると…なんだか、ただ楽しいだけの大会じゃないような…何かとても大切なもののような、そんな空気を感じる。

 

何にしても、少なくとも間違いないんは、勝ち上がるのには大分覚悟が入りそうって事や。

 

 

 

Side~ヴィクトーリア=ダールグリュン

 

 

 

『それではお腹も満たされた所で早速試合開始だぁっ!司会は引き続き私、アクア=トーティアが担当しまーっす!よろしくっ!!』

 

私は初戦の為、昼食を終えた所ですぐに試合の準備に入った。

正直な所本当に決着をつけたい相手が司会なんてやってる状況に言いたい事が無いでもなかったけれど、こうも楽しげに進行されると中々文句も言いづらい。

情報収集整理やこういう場が望みって事で彼女キャスター、アナウンサーを目指すらしいし、しょうがないだろう。

 

『一枠はインターミドルでもお馴染み!雷帝の血を引くヴィクトーリア=ダールグリュン選手!二枠は予選瞬殺突破の大本命!実在した都市伝説、高町速人さん!』

 

勝手に大本命と解説してくれるアクアに少しばかり苛立ちを覚えながら、フィールドに入ってきた彼を見る。

高町速人さん。あの堕天使を従え、肩を並べる剣士。

目が覚めるような翠のマントを背に手を振りながら入ってくる様は、私よりショーマンシップに長けているようにも見えるが…それが都市伝説のヒーローとは結びつかない。

魔力値も低くは無いが其処まで感じないし、ミカヤさんと同タイプの達人なんだろうけれど…

 

『いきなりクセの強いフィールドで有利不利が出てもアレなので、第一回戦のフィールドは固定で闘技場になりまーす。場外負けとかは言わないけどなるべく舞台上で戦ってくださいね!』

 

データ次第で好きに陸戦場の構築が可能らしい便利な装置だけれど、初戦はインターミドル規格の競技場サイズのフィールドだ。

 

セットアップを済ませた上で向かい合い…彼が刀を腰に展開していない事に気付く。

 

『…デバイスは?』

『必要なら。』

 

かつて白い堕天使と試合をしたときの事を思い返す。

同じ差だと言いたいのだろうか…まったく誰も彼も舐めた真似を…

 

『準備は良いですか?それでは第一回戦第一試合、レディー…ゴー!!』

 

アクアが試合開始の宣言をする中、ただ構えもせずに立っている速人さんは、軽く両腕を開く。

 

「レディーファースト、お先にどうぞ。」

「なっ…」

 

言いながら、彼は瞳を閉じた。

 

『司会の立場から片方の味方をするようで悪いけど騙されるなーっ!この人は見なくても攻撃感知可能だぁっ!!』

「いや、別に味方とかは良いけど…騙すって言うなよ。これでもヒーローだぜ?」

 

アクアのすぐさまの解説に肩を竦める速人さん。

彼女が言うとどうかと思うが、確かに騙すと言われても仕方ないかもしれない。

完全に挑発だと思って頭が沸騰しかけた。

 

とはいえ、どの道甘くは見られているんだろう。

 

「はああぁぁぁっ!!」

 

倒してピエロに変えてやるつもりで、私は雷撃を彼の『周囲に』降り注がせた。

直撃コースを避けたのは、攻撃に反応して動くかどうかを見る為と、動きをその場に止めるため。

 

アクアの話は正しいのか、降り注ぐ雷撃が当たらないと判断してか彼はまるで動かない。

私は雷撃を降らせると同時に、戦斧を思いっきり振りかぶって距離を詰めた。

そして、全力で横薙ぎを振るう。

技量と反応速度が高いタイプなのは間違いないため、刃より深めにする事で下がってもかわし辛いようにした。が…

 

 

「っ!?」

 

 

目の前で見た私が信じられなかった。

彼は、斧の刃が触れるか否かと言った所で、その場で側転のように跳躍回転した。

私の横薙ぎがまるで何もないかのように通り過ぎ、彼は元通りに着地しようとする。

 

っ…まだだ!

 

「外式『天道・水月』!!」

 

振り切った回転を利用しながらそのまま石突を分離、仕込み刃による抜刀を放つ。

仕込み剣を握った右手を踏み込みながら掴んできた速人さんは、そのまま私の腕を引きながら左手で後頭部を掴む。

 

「よっと。」

 

そのまま斬って落とすかのように垂直に顔面から地面に叩きつけられた。

 

『あーっと!完全に先手を譲った速人さんだったが、軽業であっさり斧を回避して見せた上、当のヴィクトーリア選手の『兜砕』で先手を取ったーっ!』

「っ…」

 

アクアの解説に元々あった苛立ちが増す。

…勿論、当人にそのつもりは無いだろう。何しろ、地面に叩きつけられた『後』に後頭部に掌底の感触を感じた。

これはいつか、月村雫が大会で使った方法だ。

 

ただ…傍目から見れば自分の技でやられたように見えるという事実が、私の意識を怒りで繋ぎとめた。

 

「ふざ…ける…なっ!!」

 

拳を叩きつけるようにして立ち上がる。

カウントによる待機時間なんかが無い以上、追撃されれば終わる。

意地でも立たなきゃいけなかった。

 

まだだ…終わってられない。

 

戦斧を杖代わりにするようにして立ち上がる。

と、鼻の下、唇に優しく触れるように拳が置かれていた。

 

「寸勁。」

 

呟くように放たれた一言と共に意識が落ちた。

 

 

 

Side~アインハルト=ストラトス

 

 

 

アンチェインナックル…と同じようで何か違う気がする拳の一撃で、あの高防御のヴィクターさんが倒されてしまった。

デバイスすら抜いてないのに…

 

 

「っ…駄目だ。」

 

 

気後れしている場合じゃない。

ヴィヴィオさんと約束した試合を実現するにも、何より、こんな素晴らしい機会に一対一での力を示せる場としても、そうあっさり負けるわけには行かないんだ。

 

『時間が無いのでさくさくいきましょー!それでは第二試合、3枠のフェイト執務官対4枠、アインハルト選手っ!分かりやすいほどスピード対パワーの対決だあっ!!』

 

らしいアクアさんの解説を聞きながら競技場に足を踏み入れる。

反対側から、ヴィヴィオさんのもう一人のお母様、フェイトさんが姿を見せた。

 

普段は笑みを絶やさない優しい女性にしか見えないし、今も笑顔ではあるのだけれど…

 

「あの…やっぱりこの試合、何かあるんですか?」

 

何処か身内での楽しい交流、と言うだけではすまない空気を感じた私は、少し気になって聞いてみる。

と、フェイトさんは少し遠い目をして笑った。

 

「こんな試合が出来る機会が無い…って言ったほうがいいかな。ちょっとした練習程度だったら出来るかもしれないけど、速人とか特に激務になってるし、休みをあわせて全力戦闘、休養予定も…って訳には中々いかなそうなんだ。」

「あ…」

 

当たり障りのないことならちょっとあっていくらでも出来るんだろうけれど、本気でぶつかって怪我するかもしれなくて、そんなことが出来るだけの機会がないのか。

 

「そう言う訳もあって貴重な機会だから…皆勝ち進んで戦いたい人がいて、それで緊張感があるんだ。」

 

言いつつ、フェイトさんは二刀形態にしたデバイスを手に構えを取る。

 

「今後いつあるかも分からない、幼馴染と限界を競う機会…負けられないよ。」

 

構えたフェイトさんを前に、私も深く腰を沈める。

 

「負けられない命題は…私の心身にだってありますから。まして、公式大会に顔を出さない最強の人間と戦えるなら…尚更。」

 

ここで負けて、普通の公式大会で優勝しても、すっきりと覇王流を完成させられたとは言えないだろう。

 

『負けられない理由は十二分!二人とも準備はいいねっ!第二試合レディー…ゴーッ!!!』

 

アクアさんの試合開始の宣言と共に、フェイトさんの姿が掻き消えた。

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 




一般に伏せてるものの…放送等やったら馬鹿みたいな経済効果生みそうなメンバーなので少し勿体無くも(苦笑)。
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