なのは+『心のちから』   作:黒影翼

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余録・パーティーの夜

 

 

 

余録・パーティーの夜

 

 

 

Side~月村恭也

 

 

 

「お疲れ、母さん。」

「はー…人数もそうだけど皆よく食べるのねぇ…」

 

試合中こそ観客に徹していたものの、事件解決及び解散記念『パーティー』だ。

料理を用意するにあたって本職の母さんは、フレイアと揃って多量の菓子を作っていた。

 

…本当に多量の。

 

魔導師が全力で動いて暴れてとなると、俺達が戦うのと違い、消費が桁外れに大きい。

一般的な沢山食べるという言葉では収まらず、特にエネルギーになるものが一番好まれるため、通常なら食事のオマケ、添え物のような量しか必要ないはずの菓子の方が、主食同様に多量に求められた。

菓子が美味いこともあって大忙しだったようだ。

 

「無関係なのにがつがつむさぼってるのもいるしな。いい加減老人病起こすぞ。」

「おま…恭也、自分だってそろそろいい年の娘抱えてるくせに人の事だけ」

「そのいい年の娘を持つ人間の父親だから言ってるんだ。それに俺は菓子はそれほど食べん。」

「ぐぐ…」

 

試合をする訳でもない以上特に派手に動いている訳じゃないと言うのに、母さんの菓子が大好物の父さんは未だにしっかり全種類食べている。

母さんはまぁまぁとなだめに入るが、実際真面目に問題だと思うんだが…

 

「しかし…魔法の方は分からんが、雫も相当強かったと言うのに敗れるあたり、つくづく実力者ばかりなんだな。」

「今更だけど、なのはがこんな所で活躍してるって言うのも、ちょっとビックリだわ。」

 

見ている俺としてはなのはの戦いは綺麗ながら気迫と覚悟の篭もった戦士のそれではあった。空が好きだとは聞いているが、戦闘機のように舞い撃つ姿から、それをどう磨いてきたかも垣間見ることが出来る。

 

「落ち着かないだろうが見て行ってやってくれ。」

「ちょっとハラハラするけど、折角呼ばれたんだもの。速人やなのはの晴れ舞台、ゆっくり見させてもらうわ。」

 

母さんはそう言って、今度はなのはの方に向かっていく。

父さんはすぐには続かず俺に近づいてくる。

 

「…最後なんだろ?」

 

小さな声だったが、それで聞き逃すわけも無かった。

家庭に入ってサッカーコーチやってる父さんは、今となっては全盛期とは程遠い。

…って言っても、さすがに気付くか。

全快していないのか、リンカーコアの傷とやらは全身に響くのか、時折身体の痛みに耐えたり庇ったりするような反応をしているなのはの様子から、わざわざ管理外世界からパーティーに呼び出した理由を察したんだろう。

 

「多分…な。」

「ま、人間いつまでも無茶は出来んしな。使える内に全てを出し切ると言うならしっかり見せてもらうさ。」

「そうしてやってくれ。」

 

話を終えて母さんの後に続いた父さんの背を眺めながら、その言葉を反芻する。

 

最後。

 

それは、父さんも察しているなのはの身体の状態だけじゃない。

速人の奴にしても、最後になるかはともかく本気で戦うような真似は身内でする事は余程の理由がないと無いし、そもそも速人やリライヴ達は、その全力を引きずりだす事そのものが稀だ。

俺にしたって全力を出す前に捌くことはあるいは可能かもしれないが、それも地上奇襲前提の試合とは呼べない代物だ。

 

何より…何度もやらせるには結構無茶がかかるしな。

希少な晴れ舞台には違いない、皆堪能して貰えればいいが…

 

視線を父さん達からヴィヴィオ達競技者仲間と集まっている雫の方に移し、コロコロと表情を変えながら話している彼女達にも何かの糧になればいいとぼんやりと思った。

 

 

 

Side~高町ヴィヴィオ

 

 

 

悔しいけれど、やっぱりリライヴさんには届かず終わった為、これでチームナカジマの中ではアインハルトさんのみがまだ勝ち残ってる感じになった。

夕食を堪能するのも程ほどに、私たちは集まって明日の事についてできるだけと思って作戦会議的な話を弾ませる。

 

「こう言っちゃなんだけど、ヴィクターさんでも全然実力分からなかったから。ヴィヴィオは知らないの?」

 

ちょっとだけ言いづらそうに聞いてくるリオ。

デバイスを抜く必要も無かったもんなぁ…って、それを言うなら私もリライヴさん相手にそれで負けちゃってるけど。

 

「雫さんよりちょっと剣が上手くて魔法が使えるって感じで考えておけば大体はいいですよね?」

「…まぁね。後、力の一環として御神の剣を覚えた人だから、他にも何種かの拳法からも使える技術引っ張ってるわ。今日の決め技もその一つ。」

 

言いつつ、雫さんは私の服を摘んでひらひらとゆらす。

 

「魔力で編まれたバリアジャケット、全身防護って言っても服や握手なんかまで遮断する程排他的じゃない。攻撃相手に発揮される。だから触れられて…」

 

説明をしながら、拳を机に置いた雫さんは…

殆ど僅かにしか動かずに、その机を破砕した。

 

自分のは見様見真似レベルで実戦レベルじゃないけどと念を押した上で、雫さんは説明を続ける。

 

「零距離でも力を発揮するこれは、既に障壁が発生する隙間が無い状態から放てるから、早い話皮膚や服の布部分に触れられたらノーガードで直撃を受ける事になる。オーバーSほどじゃないにしても身体強化も相まって、私がやるよりはるかに強い。」

「雫さんが使える縮地も、あの防御を無視する斬撃も使えるんですよね…射砲撃の使い手でもないと安全圏って無い事になりますね。」

 

雫さんの壊した机の破片を手に取ったコロナがしみじみと呟く。

安全圏が無い。

それは、射程が長いって意味じゃない。

 

近接戦における、振り切れる距離。普通はこの間合いでの直撃が最大攻撃になるわけだけど…今のは身体に溜めを作れるような状態で相手に触れる必要がある。

つまり、投げとかの超密着状態で使うもの。

 

刀の間合い、蹴りの間合い、拳の間合いで防御貫通が出来て、密着では防御を発生させない攻撃があって、離れても一歩で距離を詰められる。

 

「戦ってないのに明言しちゃうのもアレだけど、リオの里の拳仙とかの有名人でも殆ど届かない相手だと思っていい。技量だけならお父様みたいに上回ってる人もいるかも知れないけど、そうなるには余程力に頼ることが出来ない身じゃないと難しい。その力を持ってるクセに馬鹿みたいな技量の持ち主だから、存在自体反則みたいなもんね。」

「どう勝つかの話なのに、何か話せば話すほど煮詰まってきますね…」

 

話を聞いたコロナが苦い表情で呟くのに、雫さんはよりによって頷いてアインハルトさんを見る。

 

「願う場所に行くのに、そんな身にならなきゃいけなかった。そんな身ですら足りなかった。」

「え…」

「全員高町なのは級…鉄や鋼どころか、カートリッジが無いとオーバーSの魔導師のデバイスすら断ち切るカートリッジを持った旧ベルカの人すら混じる中で…空を歩けるだけの私程度の状態で『全員守るんだ』って言ってたのよ、あの人。」

 

聞くだけ言うだけなら微笑ましい、実際に戦って、死に物狂いで何かを守ろうとしたことがある人にとっては硝子細工より脆い願い。

それを目標として、身体を使って剣の修行、その他で魔法を鍛えてきた人。

 

「覇王様の願い事、大切なモノを守れる力。それが叶うのが大成してからでいいと日常を謳歌出来てる貴女の『軽さ』で、どうやってあの人を倒す気?」

「雫さんっ!」

 

さすがに聞いていられずに声を張ると、雫さんは小さく謝って、それでもと続けた。

 

「アインハルトが軽いと言いたかったんじゃなくて、あの人が馬鹿みたいに重いって話をしてるの。正直、私は経験と思って当たってくればいいと思うんだけど…パーティーだしね。」

 

ちょっとだけ寂しそうに笑いながら肩を竦める雫さん。

アインハルトさんはそうまで言われても騒いだりする事なく雫さんを見ていて…

 

「確かに、私だけならそうかもしれませんね。」

 

言いながら、アインハルトさんは私達を見回す。

 

「でも…この拳で負けたくないんです。それがどんな人だろうと。クラウスが作って、皆さんと磨いたこの拳で。」

 

アインハルトさんの言葉に乗るように私達は揃って頷く。

一人分の重さじゃないし、何よりアインハルトさんにとっての敗北は、遠い覇王様の記憶への裏切りにも繋がってしまう。

 

「…ま、それはそうだろうけど。」

 

雫さんは自分の小太刀を見て呟く。

雫さんだって、剣で『負けてもしょうがない』とか言う訳が無い。だから、負ける想定なんてごめんだって気持ちは分かってるはずだ。

ただ…苦い顔をしている雫さんが思ってる事、私にもなんとなく想像ついていた。

 

「相手のが強い…って程度ならともかく、勝算が一つもないのよね…車と競走しろって位に。」

 

申し訳なさそうにではあるものの、言い切る雫さん。

それは、私にも想像ついていた。そして、諦めろというような事を告げたのは、事前からそうであるほうがショックが軽いから。

ジークさん相手でも戦闘法を考えてくれた雫さんが頭を捻るほどに手段がないんだろう。

 

「パワー、ディフェンス、スピードなんかのステータス上は上回ってると思うんだけどね…奥義無しのスピード以外は。」

「お話中失礼しまーす。」

 

と、真剣に考えてくれていたのか、雫さんにしては珍しく背後から来たルールーに気付くのが遅く、声をかけられて驚いたように振り返る。

 

あれ?なんかルールー怒っ…あ。

 

 

「机は別料金になりまーす。お・きゃ・く・さ・ま?」

 

 

さっき雫さんが破壊した机を見ながらニッコリ笑って雫さんの肩を掴むルールー。

目が、目が笑ってないっ…

 

「わ、分かった、話は聞く。けど待って、今明日の作戦を…」

「ちょっと聞いた限り諦めムード作る役立たずだったみたいだし?貴女はお役御免でいいでしょ?ねぇアインハルト。」

「え…あ…その…」

 

さすがに焦る雫さんと、怒ったルールー。それからぐしゃぐしゃになった机に視線を彷徨わせたアインハルトさんは…

 

「や、やっぱり物損は不味いですから…此方は後程で。」

「さすが話が分かるわ。さ、向こうで恭也さんも待ってるから行きましょ雫ちゃーん。」

「いっ!?」

 

恭也さんの名前が挙がった瞬間に石みたいに硬直する雫さん。

あー…雫さんでもパパさん怖いんだ…

 

「きっつい嫌なことしか言ってないけど、雫さんなりにはずっと試合の事考えてくれてたみたいだね。」

 

リオが漏らした呟きに私は心中で同意した。

いきなり速人さんの使ってた技の披露に机を使ったあたりからおかしいとは思ってたんだけど、普段から割と張り詰めた感の強い雫さんがルールーの接近を全く察してなかったから気付いた。

他の事に気が回らないほどに、どうしたらアインハルトさんにとって一番いいのか、きっと物凄い頭を悩ませていたんだろう。速人さんの実力をよく知ってる身として。

 

「負けられない理由が増えましたね。」

「はい。」

 

ルールーに連れて行かれる雫さんの姿を見送りながら、アインハルトさんは小さく拳を握った。

 

 

 

Side~フォート=トレイア

 

 

 

「殺伐としてんなぁ…」

 

拳を握ったりデバイスを見たりして話してる明日試合予定の人を遠目に、俺はフェアレと並んで地球から来たという速人の母さんが作った菓子を摘む。

フレイアさんのと趣は違うが本気で美味い。リライヴが偶に食べて情けない位とろけた顔してたのも分かる。

 

「貴方は余裕ねフォート、次が世界チャンピオンだって言うのに。」

「あ、ど、どうも。」

「硬くならなくていいわよ。」

 

近づいてきたのはティアナさんとスバルさん。

局に保護され、特に六課には治療も保障されてるフェアレは局の人に会うたび頭を下げる感じになっている。

硬くなるのはまぁ…コイツらしいって言うかなんて言うか。

ただ、あんまり頭ぶんぶん上下させると顔を機械で覆って脳に繋げてるらしいからちょっと心配だ。エフスはその程度なら大丈夫と言うが。

 

「試合は記念パーティーのイベントの一つだろ?それに、俺は四六時中速人達と修行してたから、競技者の子供と違ってレアイベントじゃないしな。」

 

言いつつ俺は、今回の新作らしいバニラ味がベースのケーキを小皿にとって二人に渡す。

笑顔で二人は受け取り、スバルさんが切り分けた一つを丸ごと口に納める。

肩を震わせるほどスイーツで喜ぶのは女の子っぽいが、直前のサメのごとき一口を見てると呆れる。

 

「確かに。こう言う時間も堪能してこそパーティーね。」

 

笑顔で答えたティアナさんは、丁寧にフォークで一欠けを口に運んで舌鼓を打つ。

皿の音がしなかった。マナーって奴か。

気にかけると、こういう所でも『出来る人』なんだなって分かる。

 

ああは言ったが、俺も食べるのは消耗しまくった魔力の回復を兼ねている為、話をしながらも俺もケーキを食べ進める。

 

「それじゃ、事件終了の記念らしい話を一つ聞いてみたいんだけど、フォートはこれからどうするの?」

 

フォークを止めたティアナさんが、戦闘に関係ない明るめの話題を切り出した。

 

なるほど、事件後らしい未来話だ。とは思ったが、困った。

フェアレの治療はエフスや六課の医療班技術班に任せられても、生計の立て方は決めなきゃならない。

フェアレは今まで未来なんか見れてないし、俺は俺で修行についてく事とフェアレを助ける事二つしか頭に無かったからな…

 

「局員ってタイプじゃないしな、あんまり明確なビジョンは無いな。フェアレの夢を手伝えればよかったんだけど…」

「フェアレちゃんの?」

「昔、人形関連のショップをやりたいって。俺が直接手伝えないにしても営業とか店番は出来るからそれなら一緒に出来るから。ただ…」

 

俺は言い淀んでフェアレを見る。

麻痺が残る身体で繊細な作業が何処までできるのか。

気合一つで何が何でもと突っ走ってきた俺と同じ事をフェアレに望む訳には行かないしな…

 

「こんな状態じゃカウンターさえ出来ないから…」

「…それじゃ未定なのね。」

 

半分機械をつけられたフェアレの顔。人間見た目じゃないと言っても、分からない奴の方が圧倒的に多い上、見た目も見た目で仕事に使うものだ。一般人や子供が見て笑えない状態のフェアレが店員をやっても店として機能しないだろう事は容易に想像できる。

あまり深く触れると地雷になると思ったのか、ティアナさんは一瞬の間を空けて俺に振った話に戻す。

 

「そうなるかな。ま、とりあえずフェアレ連れて帰って来いって言われてるし、帰ってから考えるさ。」

「親御さんに紹介って事だね。」

 

さっぱりと言った俺の言葉に続けるように、スバルさんがにやにやしながら続ける。

フェアレが照れる中、俺はスバルさんを見て息を吐く。

 

「次元放送でベルカの王様と結ばれた主人公さんがよくその手の話題で人を弄ろうと」

「あ、アレは人命救助っ!あたしにはティアって相棒が」

「今の話の流れで私に振るんじゃないわよっ!!」

「あだぁっ!グーは酷いよぉ…」

 

イクス様とやらの救出劇の話を振ると、まるで芸人張りにボケて突っ込むコンビ。

お陰でフェアレからは緊張も取れさっきの話で落ち込みがちだった表情も笑みに変わっている。

 

 

…何度もフェアレに不安とか気負いさせないためにもサクッと考えないとな。

 

 

一見ただ大ボケかましているようにしか見えない二人の優しさに笑いながら、俺は再びケーキに手を伸ばした。

 

 

 

Side~フェイト=T=ハラオウン

 

 

 

湯船に肩まで沈む。

ゆったりと、とは行かなかった。

と言うのも…

 

「嫌だったか?」

 

フレアと一緒だから。

 

このパーティーにあわせて休むと決めて、近々結婚式。

それに新婚旅行まで追加するのも局員的にどうかと思うし、私もフレアも仕事は大事にしているつもりだ。だから、パーティーの今回の休みを婚前旅行みたいに過ごせるようにって二人部屋にして貰ったのだ。

 

そこまで決まっているのに今更タオルを巻いた混浴位…と言われるかも知れないけれど、青春とか恋愛とかの経験すっ飛んでこんな事になってしまっているからさすがに恥ずかしい。

 

「なんとも無い…とは言えないけど、フレアだから、大丈夫。」

「なんとも思わないと言われるより有難い話だな。」

 

私の答えに笑みを返したフレアは、私の隣に身体を沈める。

 

その身体はよく見なくても分かる位に傷だらけだった。

無理も無い。

JS事件でもグリフ相手に深い傷を負っているし、近接前衛のフレアはそういう戦いばっかりだ。

 

あ…今日の傷もある…

 

「どう…傷か?」

「あ、うん。雫の剣、やっぱり無傷じゃ済んでないんだなって。」

 

昔なのは相手には針で突いた程度の跡しか残らなかった雫の斬撃。

けれど今回、攻撃タイミングをちゃんと見て防護服に意識を通せただろうフレアが防護服を抜かれて軽い切り傷を負っていた。

 

「見事なものだ。威力だけなら師である恭也を奥義の幾つか以外は完全に上回りつつある。見切りや経験がまだ足りないがな。」

 

速人達との修行にも顔を出してたフレア。

最近はいなかったと言ってもそれまでの雫の事も知っているんだろう。

後輩の話をする先輩みたいな誇らしさを感じた私は、ちょっとだけ雫が羨ましくなる。

私もリハビリに一戦交えたとは言え、あの時だってフレアを驚かせたかどうかあやしいって言うのに…基本的に槍に重きを置いているはずのフレアに魔法の使用を躊躇わせないほど強いんだから。

本当に凄い…ん?

 

「あ…え?っ…」

 

バトルマニアとか言われちゃうほうの血が騒いで思考が巡っているうちに、フレアの方が私の身体を見ている事に気付いた。

そして、気付くと同時に肩を抱き寄せられる。

 

照れの方が先行して、何でこんな感じなのか分からなかったけど、フレアの表情が少し悲しげな事に気付く。

 

「私は…お前の身体が心配だ。高町と砲撃の負荷を分けたのだろう?」

「あ…」

 

バルディッシュにそのための形態がある事だけ分かれば、察する事は容易だ。

抱き寄せられた肩にかかったフレアの手に少しだけ力が篭もる。

 

「大事なものが出来るとこうも脆いとは思わなかった。離れた所でお前が戦っていると思うと恐ろしい。腕を信じていない訳ではないが、腕が良ければ良い分仕事も難題になるだけの話、安全などないからな。」

 

戦いに自ら関わるなら…と、味方でも戦力の心配はあまりしてこなかったフレアからこうも言われる程大事にされていると思うと、なんだか本当に胸の奥から暖かくなる。

ただ…それを言うなら…

 

「フレアの方もあまり無茶はしないでね。相打ち覚悟なんて…嫌だ。」

「ああ、覚えておく。」

 

深い傷も多いフレアの身体に触れながら言うと、私の手を取ったフレアはしっかりとそう言ってくれた。

やらない、とは約束できないのだろう。けど、だからこそ、覚えておくと言ってくれた部分は絶対に守ってくれる。

 

仕事の上ではしょうがないのだけれど、本当に永くこうしていられたらと願って目を閉じた。

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 




高町家の『おじい様』はさすがにいい加減たらふく菓子食べるのはキケンな気がします(苦笑)。
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