なのは+『心のちから』   作:黒影翼

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余録・交錯する破壊の光

 

 

 

余録・交錯する破壊の光

 

 

 

Side~リライヴ

 

 

 

再現された林の中、私はなのはを待っていた。

怖気づく…何て事はありえないけど、身体も身体だしひょっとして準備中に倒れたんじゃ…って心配は少しある。

 

けど、それは杞憂だった。

どころか、そんな心配をしている場合じゃなかった。

 

一機の戦闘機みたいなものがすっ飛んできた。

無関係な訳が無い、こんなところにいきなり事件起こしにくる人がいる訳も無いと思うし、いたとして、もしメンバーの事知ってての襲撃なら普通一機で来ない。

ならアレはなんなのか。ちゃんとよく見ればすぐに分かった。

 

人を中心に組み込んだ、青と白のカラーリングの機械の塊。それが、林の中に降りてくる。

 

 

「フルアーマーフォートレス…ハイマットモード。」

 

 

全身を包むいくつもの砲身、大盾、巨大なリアウイングと言う、最早人型機動兵器に見える様相の中、見える顔から聞こえてきた済んだ声。

フルアーマーの名にふさわしく金属部の方が多いほどの姿から覗く…高町なのはの笑顔。

 

 

…これはまた酷い。

 

 

「それ六課の対感染者武装、しかも最新型でしょ?何だってこんな所に」

「事件解決して結局使わなかった試作機を割引して貰って自腹で買った!!!」

「だろうね…」

 

にこやかに言ってのけるなのはがかえって怖かった。

 

組織が傾くほど馬鹿高いものじゃないだろうけれど、十人二十人の給与で済むほどの安物じゃないだろう。

少なくとも、とても『模擬戦で壊した』で済む代物じゃない。

逆に言えば、はやてとすれば事件終わって部隊解散するなら、使える人間の限られた専用装備の経費なんて浮いてくれるに越した事はない筈。

CW社も使用データ貰えたほうがいいし、何処にも損はない。

 

 

こんな身内の試合一戦で家計傾くこと間違いなしの武装を使用するなのは以外は。

 

 

基本的に高給で使う暇の無い激務だから、余ってたんだろうけど…後の事考えてるんだろうか。ちょっと心配になる。

 

『あ、あのー…それはさすがに反則じゃ…』

 

と、司会役をしていたアクアが、あまりの重武装に引き気味のコメントを恐る恐る響かせる。

あぁ…普通そう見えるか。ただ…

 

「私は別にいいよ。何ならなのは以外で誰か同じだけの装備使って私とやってみる?」

『あー…』

 

一から十まで言わなくても察したらしく、アクアはなのはの姿を見てそれ以上何も言わなくなった。

半端じゃない総重量に、各所に取り付けられたブースターと砲身を兼用しているらしい装備。

 

 

これら全部の慣性制御に砲と推進の切り替え、姿勢制御、ロックや射砲の反動制御。

それが出来る事自体、『実力』と言える。

 

 

装備が多くても別に卑怯でもなんでもない、なのはがこれ全部制御して私相手に戦闘可能だって言うならやって貰う。

 

ただ…

 

「行くよ、イノセント。」

『はい。』

 

こっちも初手から剣を抜かせて貰うけれど。

短剣から、無色透明の魔力刃を展開して構える。

並の防御なら防御ごと真っ二つにする魔力の刃。AEC装備はあくまでエクリプス用であって対魔力装備じゃない、私の刃を止められるか、試してみればいい。

 

『コホン…それでは!気を取り直して第二回戦第二試合、白い悪魔と天使の』

「アクアちゃん!それホントに止めてー!」

 

犯罪者からの異名とか、教官としての恐怖からなのはにつけられた白い悪魔の渾名。

自分一人でそう呼ばれるのは半分諦めてるようだけど、私の渾名を並べるとさすがに黙ってられないようだ。

私が元犯罪者だし、こっちとしてもなのはにちょっと悪い気分だ。

 

 

『高町なのはさん対リライヴさん!レディー…ファイトッ!!!』

 

 

開幕と同時に斬りかかろうと、一歩で距離を詰め…

なのはは自分の立つ地面に向かって砲撃とブースターを同時に吹かして上方に一気に加速する。砲撃も含まれた為防御で防ぐ。

 

操作の手がついていかなきゃ砲を放つ前に一斬りして倒せたんだけど…あれだけの兵装、手足のように制御できるの?

自腹で用意してた位だ、予想はしてたけど…まったく、大したものだ。

 

 

 

Side~高町なのは

 

 

 

『下のフィールドが飾りのような空戦での撃ち合いになったぁっ!皆さん流れ弾にご注意をぉっとぉ!』

 

人の様子を気にしてる余裕もなく、空戦機動でリライヴちゃんとの撃ち合いに集中する。

本来足を止めて…と言いたい所なのだけれど、彼女相手に止まればソレで斬られる以上簡単には行かなかった。

 

だからこそのハイマットモード。

 

翼からのブーストにより、私は空を縦横無尽に駆け巡りながら、同じく空を舞うリライヴちゃんを中心に、火砲をばら撒くつもりで撃ち続ける。

しばらくそれらを回避しながら、私があまり狙いをつけない結果、全てを回避しきれずに防御魔法を使って受けに回るリライヴちゃん。

直撃でないにしても対感染者装備、火力はプラズマやそれ以上。受け手に回れば彼女だって消耗位はするはずだ。

当然、いつまでもそんな状況を許してくれる訳が無く、高速移動一回分の距離内に入った瞬間にリライヴちゃんの姿が掻き消えた。

 

この重装備、当然ながらリライヴちゃんなら近接戦での武装破壊を狙ってくる事は分かりきっていた。いくらAEC装備の強度でも、物質の域を上回るほどの薄さに密度を上げる事による高硬度の魔力刃を受ければ、一発持つかどうかなのは目に見えてる。

オマケに高速移動の性能はフェイトちゃんクラス、普通には距離を保つのも困難。

 

だから、手は考えてある。

 

背後に現れようとしたリライヴちゃんは、軌道上に展開された障壁によって道を阻まれる。

 

「広域防御…っ!!」

「当然っ!!」

 

本来、火砲を防いだ際の余波の到達を防ぐための盾から大きく展開される防御膜。

リライヴちゃんの剣の長さ以上の間を開いてその防御膜を展開しておけば、直接剣が私に一振りで届く事は絶対に無い。

また、障壁を斬っている間に、全身武装の私は殆ど何処からでも射砲が可能だから反撃も出来る。

 

「シュートッ!!」

 

リアウイングを砲に変えて全発射。

反動を殺さずに前に距離を取りながら方向転換。咄嗟に防御したらしいリライヴちゃん目掛けて全身の武装を構え…

 

爆煙を裂いて無色透明の砲撃が向かってきた。

スパイラルバスターだ!

 

咄嗟に左腕の盾で防御。さすがに魔力収束刃程の鋭さは無いけど、まともに受けた盾が軋む。

これ…威力前より高い気が…

 

 

「近づかせてくれないみたいだから…こっちでやらせてもらうよ。」

 

 

晴れた煙の中から姿を見せたリライヴちゃんが手にしていたのは杖。

そう言えば、魔力収束刃がメインな上、自力の制御でも全魔法凶悪だから忘れがちだけど、イノセントの別形態に魔法関係の補助能力を強化した杖形態があったっけ。

 

分かってたけど…ここまで装備揃えても楽には勝たせてくれないか。

でも…かえって笑みが抑えられなくなっていた。

 

「初めてあったときは相手にもされなかった。」

 

思い返しながら言葉を紡ぐ。

 

「次の事件からは一対一で当たるな、何て決まりごとにされる位の差があるって示された。」

 

彼女をどう止めるかで数人掛かりだったり、その為だけに新しく練った魔法使ってみたり、そうまでして全くとめられる気もしなかったり。

 

「結局、一度止めるまですら…速人お兄ちゃんにまで頼って皆で…」

 

それからは、力の大半を封じられた状態になって、追いつく間もなく行方不明。

そして…

 

「ようやく今、同じ立ち位置で空を舞える。」

 

強い。勝てる保障もまだ無い。そんな事分かってる。でも…

ここまでやってきた全てが通じないわけじゃないんだって実感できて、心底嬉しかった。

 

 

 

Side~リライヴ

 

 

 

「なのはは昔から強かったよ。」

「よく言うよ。」

 

心底思ったから出た言葉だったのだけど、その『昔』はフェイトとの二人掛かりでも片手間な位だったからか、なのははちょっと拗ねたように返してくる。

私はそれに対して首を横に振った。

 

「力、じゃない。昔から強かったから…強い人間だったから、今こうして同じ空にいるんだと思う。」

 

私から言うと何様だって言われそうな台詞だけど…計算や判断からは、プレシアもクロノもシグナム達も私と真っ向から当たろうって言うのは諦めた。

実際、その力を以って状況を弄って届かぬ願いをこそ叶えようとしていた私に対して、彼女だけは『話を聞かせろ』と真っ向勝負を望んできた。

 

その末が…これだ。

 

試合で一対一を普通にこなしてしまっている。

何処かで諦めや納得をしてしまっていたなら、絶対にありえない光景だ。

フェイトを友達に、闇の書を止め、ユーリやヒドゥン相手に切り札とすらなった力を身につけられたなのはの『強さ』。

 

王子様に助けて貰うお姫様なんて受動的な夢だったとは言え、諦めてしまった私からすれば…そして、そんな夢が叶ってしまった結果、逆が望み難いものになってしまっている私からすれば…何一つ謂れなく速人と肩を並べ、その力になれるなのはが少し羨ましい。

 

「…行くよ!」

「うん!」

 

懐かしむのもそこそこに、私となのはは再び宙で光を交わした。

 

 

 

Side~フェイト=T=ハラオウン

 

 

 

アサルトタイプの自動連射エネルギー銃を撃ちながら飛び回るなのはに対して、リライヴはフィフスバーストを放つ。

5発の砲撃を回避するために背面のブーストを全部吹かして加速したなのはは、そのまま今度はストライクカノンを向けて放つ。

防御膜を斜めに張って受け流したリライヴに対して、なのはは全身の砲をロックして…

 

 

「フルバースト…シュートッ!!!」

 

 

背を超えて肩から、腰から、両腕から…とにかく全身に装備したありとあらゆる射砲装備から一斉に放たれる光。

今度はまともに受けられないと判断したのか、高速移動魔法で回避したリライヴ。

けれど、なのはからの砲撃の雨の中、距離を詰めるような機動では動けず、回避した先で砲撃体勢になるリライヴ。

 

杖によって強化されたスパイラルバスターに対してなのはは腰の砲を放ち、それを相殺する。

 

 

「…デタラメだな。」

 

 

六課の基準から見ても異常な二人の空戦に、ヴィータが頬を引きつらせながら呟いた。

一つ二つでも普通は制御が大変なAEC装備を全身余す所無く取り付けた様相でその全てを制御しきるなのは。

数千度の熱に耐えうる感染者に通用するように開発されたAEC装備と魔法で撃ち合いを繰り広げているリライヴ。

私はその両方がデタラメだと思うけど、多分ヴィータも同じ気持ちだろう。

 

『空を舞う機械とドレスの破壊の力!人どころか都市すら壊滅させかねない光とは思えない、綺麗にすら見える互角の舞は何処まで続くのか!!』

 

互角。

司会のアクアが二人の空戦をそう評価する。

けれど…

 

「そうでもねぇな。」

「だね…」

 

アクアの評を否定しながら、笑みを浮かべるヴィータ。

私もそれに同意する。

 

兵装を駆使して空を舞うなのはと魔法で撃ち合い互角の戦いを演じるリライヴ。

互角だけど…

兵装用のカートリッジを使用している為、撃ち切ってもエネルギーが切れるだけのなのはと、撃ち切れば魔力が尽きて魔法が使えなくなるリライヴ。

 

なのはの方が有利に違いなかった。

ヴィータもそう思ってるから楽しそうなんだろうけど…

 

「リライヴが、それに気付いてないと思えない。」

「そりゃ…」

 

私の言葉にヴィータは改めて空戦を眺める。

シューティングスターに対して二枚の盾を使って防御膜を展開するなのは。

 

背後をとっても機動に使ってるリアウイングも砲に使えるし、さすがにシューティングスターじゃ盾の破壊までは出来ない。

消費の割に合わない事位、リライヴが気付いてないはずが無い…絶対何か…

 

 

防いでいたなのはが、ケージに覆われた。

 

 

…分かった、ブレイカーだ。

盾で攻撃の直接防御、エネルギーで余波の防御や接近防止をさせることは出来ても、それごと覆うケージは防げない。足を止めたなのはを丸ごと覆ったケージの外で、リライヴはそれまで放った魔力の集束を始め…

 

 

「クリスタル…ブレイカーッ!!!」

 

 

ケージの破壊前に、ブレイカーを放った。

私ならあるいは、ケージに着弾した瞬間にソニックムーブでぎりぎり回避する事も出来たかも知れないけど、なのはにそこまでの高速移動が効く筈もなく、集束砲の直撃を…

 

 

数多の盾を前面に展開する事で防ぎきっていた。

 

 

ウイング、左右の腰、腕、足の砲。

全てが砲の役割、ブースターの役割…盾の役割をするAEC装備。

フルアーマー分の全てを分解して超強固な盾としていた。

 

そして…

 

 

「オールレンジ…シュートッ!!!」

「冗談…でしょっ!?」

 

 

防御に張っていたそれら全てを遠隔操作で飛行させた。

大抵を涼しげに捌いてみせるリライヴですら、引きつった表情でそれらを見て…

 

「っ…はあぁっ!!!」

 

リライヴは杖を剣に変え、バーストモードになる。

周囲に展開された砲や刃を持つ装備を片っ端から斬り壊していく。

自身を包囲するように飛来するAEC装備を叩き切って破壊したリライヴは…

 

そこまでで勝手にバーストモードが解けた。

 

ここまでの戦闘で魔力消費が大きすぎたんだ。もうそんなに余力は無いはず。

でも、なのはも今のオールレンジで武装は全損している。カートリッジも切れたからこれ以上装備しておく必要がなかったんだろうけど…

 

何にしてもここが詰め手だ。

頑張れ…なのは。

 

 

 

Side~リライヴ

 

 

切断した結果落下していく盾の破片を見送る事も無くなのはを見据える。

 

制御系そんな完璧に出来てなかったはずのAEC装備で、まさかあれだけの武装全部でオールレンジ攻撃かけてくるとは思わなかった。

とどめ用に残しておいたバーストモードを使う余力は、飛来した武装の破壊に全て使い切ってしまった。

 

でも…これでなのはの盾もない。

 

「っ…!」

 

私は通常飛行で距離を詰めて、そこから高速移動魔法で一気に背後に出る。

距離さえ詰めれば一振りで…

 

 

背後を取ったはずのタイミングで、なのはがいなくなった。

 

 

いや、正確には見えていた。フラッシュムーブを使ったんだ。

けど…こっちが何処に出るか分からないうちに発動するなんて、ただの勘だ。

 

詰め手で賭けに出るなんて…なのはらしいというかベテランらしからぬというか。

 

でも、私の背後に移動した軌跡はしっかり見えた。

首だけ振り返ると掌をこっちに翳しているなのはの姿。

多分ディバインバスター・インパルス。

察した瞬間、振り返るのも間に合わないと思ってこっちも掌だけ背後に翳して防御を展開。

直後、衝撃。

さっきまでの空戦で消耗しきっているせいか、なのはの零距離砲撃をまともに受けた防御がそれだけで軋んで破れかける。

だけど、こっちも掌で受けた以上、デバイスでの追撃が…

 

 

 

デバイス?

 

 

 

AECのフル装備を見て気にも留めてなかったけど、デバイスが…レイジングハートが何処にも見当たらない。

それに気付いた瞬間、林から放たれた砲撃魔法が私に直撃した。

 

デバイス単体でも魔法は使える。けど…だからって最初からこれを狙って!?

 

 

「もう…一発っ!!」

 

 

両手が空のなのは。

一撃放った右手を下げて光を湛える左手を向けているのが見えた直後、零距離砲撃の直撃によって私は林の中に叩き落された。

 

 

 

Side~高町なのは

 

 

 

「っ…ぐっ…」

 

AEC装備は専用のカートリッジを用意して使ってたから魔法は最後数発しか使ってないんだけど…それでも身体が軋んで、私は墜としたリライヴちゃんの後を追うようにしてゆっくりと林に降下する。

 

あんな状況下でも、しっかり喰らい方を調整したのか、あえて木の枝の中に突っ込むように吹っ飛んでいくリライヴちゃん。

バリアジャケットを木の枝が突き破るなんて事はほぼありえないだろうから、枝を折りながらなら地面に直接激突するより衝撃が軽い。

 

下手したら…まだ立つ。

 

初手に隠しておいたレイジングハートに手元にきてもらって、通常の杖形態になってもらう。

砲撃を撃つのは身体に厳しいかもしれないけど…かなり消耗させたはずだからなんならフラッシュインパクトでも…

 

杖で直接ぶん殴るって言うかなり絵的に怖いそれを準備しながら、リライヴちゃんが落ちた木を見つめていると、木陰からゆっくりと姿を見せるリライヴちゃん。

 

はは…やっぱりしぶといや。

私の姿を認めると、彼女は笑みを浮かべて…

 

 

 

ゆっくりと目を閉じて真後ろに倒れた。

 

 

 

本当に全身の力が抜けたように、バタリと音が聞こえてくるように思いっきり背中から倒れた。

何が起きたのかと私の方が思う位で、理解が追いつかなかった。

けど、少し様子を見ていて、顔色が悪く浅い呼吸で眠っているリライヴちゃんの姿を見ていて、魔力を使い果たして倒れたのだと気付く。

 

 

『ば、番狂わせか予定調和かぁっ!星斬りの魔導師、リライヴさんを破ってなのはさんが準決勝進出だぁっ!!!』

 

 

アクアちゃんの司会を耳にして、ようやく私は力を抜いてその場に座り込んだ。

 

 

Side~高町速人

 

 

 

「お疲れ。」

 

番狂わせを起こしたなのはに声をかける。が、なのはは少し浮かない表情だ。

 

「浮かないな?アイツに勝てたってのに。」

「なんか消化不良…って言うかね。最後起きてたからかも知れないけど。」

 

気持ちは分かる。

締めくくりとなる一撃を自分で放りこむことも無く、起きて来た相手が突然倒れたんだから勝ったと言い切れる気分になれないんだろう。

ただ、見舞いに行った限り完全に魔力切れだったっぽいし、最後無理に起きたのはヒドゥン戦とか、限界以上に気張る事件が多かった弊害だろう。

 

って言うか…

 

「消化不良じゃない完全勝利にしたけりゃさすがにあのフルアーマーは無いんじゃないか?」

「あぅ…まぁそうなんだけどね。」

 

毎回用意出来る代物でもないだろうあのフル装備。

少しはやりすぎだと思っていたのか、痛いところを突かれたと言うように顔を逸らすなのは。

相手がリライヴだから『少し』やりすぎたで済むけど、普通にやったら死人が出るぞ、あの装備で一斉射撃とか。

 

「でも…」

 

と、唐突に俺を真っ直ぐに見て、言葉を紡ぐなのは。

 

 

「どうしても勝ち進みたかったから…ね。これでお兄ちゃんと戦える。」

 

 

笑顔でこそあるが、真剣な瞳。

やっぱり…と思った。

いくらリライヴが許したからって、何の理由も無しにあんな装備を使ったりスバルに奇襲かけて勝利もぎ取ったりするような真似は似合わないとは思ってた。

 

「気合十分みたいだな、楽しませて貰うから頑張れよ。」

「む…余裕なのも今の内なんだからね。」

 

言い合って、互いに笑いあう。

 

分かってる。

集大成を見せるにも、身体にもう限界を感じてるんだろう。

そうそう出来ない…下手すると、これで最後になるかもしれない全力全開。

リライヴに装備を使用したのは、それを振るうのが俺相手がいいと言う選択。

 

ありがたい話だ。

笑顔に隠れた決意を少し嬉しく、少し悲しく思いつつ、しっかり堪能させて貰おうと、一人内心で誓った。

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 




一歩間違えたら…と言うか、真人間なら『事故』の方が確率高いこと間違いなしの空戦…
見てる子供勢も目を輝かせて…とは行かなかったでしょう(遠い目)。
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